「メゾン・エ・オブジェ」9月展 日本の照明デザイナーによるクリエーションが話題に
パリの「メゾン・エ・オブジェMaison & Objet」は、世界のインテリアと家具のトレンドを発信する、もっとも重要な見本市で、ミラノの「ミラノ・サローネ」に並ぶ一大展示会です。年2回、1月と9月に開催され、昨年9月にパリを訪れたときに、同展を駆け足で取材してきました。
会場はパリ・ノール、ヴィルパントにあるパーク・デ・ゼクスポジションで、13万平米のホール全体が展示場です。出展者数は前回の1月展に比べて100社増の3,281ブランド(内、日本は約40社)、世界中から6万9,048人が来場したといいます。プルミエールヴィジョン・プリュリエルも大規模ですが、これはそれを上回る巨大な見本市です。
今回は 総合トレンドテーマが「エネルギー」。ホール7に新設されたテーマスペースで、もっとも大きな話題を集めていたのが、日本の照明デザイナーによるクリエーションコーナーでした。日本人として初めて招待された、石井幹子・明理(MOTOKO ISHII & AKARI-LISA ISHII)の親娘による「照明の革新」を主題とするテーマ展示“ライト・エッセンシャルLight Essentiels”です。
300平米の空間には、7つのスペースがあり、「光の庭」、「照明デザインの始まり」、「時を超える光」、「色で創る白」、「光の交錯」、「地球を包む光」、「ライト・スイーツ」と名告げられた部屋を、一つずつ回遊する構成になっています。
カラーシャドー・オブジェといって、光の三原色で構成される「色つきの影」を投影するモービル風オブジェ(写真右)。
LEDの次の光源として期待されるO LED(有機EL)を組み込んだアートパーティション(写真左)、また観客の希望に合わせて光と音の演出を醸し出す世界初のLEDシャンデリアなど。
日本の最先端技術とデザインのコラボから生まれた逸品から、葛飾北斎の浮世絵の映像まで、光・音・映像・香・味の五感が刺激されるような驚きと発見が感じられる展示でした。
「光は、“オブジェ”という領域を越えた、空間を作り出す要素、“気”のようなもの」と、お二人は述べていらっしゃいます。この展示を体験して、本当にそうだと実感させられました。さすが日本を代表する照明デザイナー、石井親娘のクリエーション。すばらしかった!です。
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