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2014年1月 5日 (日)

「生き続ける300年のモノづくり-京都府北部・丹後ちりめん業の歩みから」北野裕子著

 お正月休みに、北野裕子先生のご著書「生き続ける300年のモノづくり-京都府北部・丹後ちりめん業の歩みから」を拝読しました。著者とは、服飾文化学会で知り合い親しくさせていただいております。
 とりわけ3年前に開催された丹後での同学会夏期セミナーでは、先生が同地の織物を研究されていることもあって、大変お世話になりました。改めてお礼申し上げます。
 
 丹後地方は言わずと知れた「縮緬(ちりめん)の里」。今なお日本の生糸の約1/3を消費し、ちりめんの約6~7割を生産している日本最大の絹織物産地です。江戸期、八代将軍吉宗の時代にこの技術が導入されて以来、明治・大正・昭和と、激動の時代を生き抜き、急激なグローバル化への対応も乗り越えて、現在に至っています。しかもここ数年は、パリのテキスタイル見本市に出展するなど、世界に挑戦する企業も現れるようになりました。
 連綿と生き続ける小さな地場産業に、大きな光が当てられるようになってきたのは何故なのか。本著は、その歩みとともに背景を探り、今後の方向を見据えながら、業界が抱える諸問題をわかりやすい表現で解説しています。
 
 とくに昨今は、経産省の「クール・ジャパン」戦略などもあって、日本の伝統工芸が見直され、中でも大きな位置を占める伝統織物に世界の目が向けられています。こうした絶好のタイミングで出版されたのが、この著作です。
 この本には、成熟社会の中で、繊維産地が底力を発揮するためのヒントが散りばめられています。これからのモノづくりを捉え直す好材料として、繊維関連に限らず幅広い分野の方々に、ぜひお読みいただきたい一冊です。
 
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 「生き続ける300年のモノづくり-京都府北部・丹後ちりめん業の歩みから」
 北野裕子著 (新評論 2013.10)  4,200円

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