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2013年8月29日 (木)

「アメリカン・ポップ・アート展」彼らがアートを解放した!

 「アメリカン・ポップ・アート展」(国立新美術館 東京・六本木)に行ってきました。

 これほど大規模なアメリカン・ポップ・アートの展覧会が開催されるのは、日本では初めてで、本拠地のアメリカでもまだ行われていないそうです。しかも展示されている200点に上る作品は、すべてジョン&キミコ・パワーズ夫妻という個人のコレクションからお借りしたもの、というのですから驚きです。
 
 主題がごく日常的で身近なポップ・アートは、マスメディアにあふれる様々なイメージや日用品など、誰もが知っているものをそのままアートに使います。パワーズ夫妻はこのようなポップ・アートが評価を確立する以前からその真価を見抜いていたのです。そして個人所蔵としては、世界最大級のポップ・アート・コレクションを築き上げました。
 
 キミコ・パワーズさんとキュレーターの林綾野さんによる「アーティストたちとの会話」のトークイベントがあり、キミコさんからアーティストたちとの交流や作品にまつわる思い出話をお聴きました。
 
 キミコさんによれば、1960年代でなくても2000年に入ってからも、「何だ、これは。美術品ではないのではないか」と、言われることがあるそうです。美術品らしからぬものは、「アートではない」と拒絶反応を示す人は相変わらずいるようです。しかし「ポップ・アートはアートっぽい印象を与えないアート」と明快におっしゃいます。たとえばクレス・オルデンバーグの消火栓とかタバコの吸い殻を題材にした作品ですが、見る人のイマジネーションが広がれば、それでいいとも。ちなみに東京ビッグサイトの広場に置かれている巨大な「鋸」もオルデンバーグの作品です。
 
 ジャスパー・ジョーンズら、たくさんのアーティストとの交流の中で、パワーズ夫妻がもっとも親しくされていたのは、アンディ・ウォーホルだったそう。会場の入口にも、左の写真のように、キミコさんのポートレートを描いたウォーホルの作品がポスターで飾られていました。彼はキミコさんのお淑やかな着物姿に感動し、ポラロイド写真を撮って、作品を完成させたといいます。
 
Cimg58791  本展の目玉は、何と言ってもアンディ・ウォーホルの最高傑作、「200個キャンベル・スープ缶」です。これは彼の最初の作品だからこそ最重要といわれる作品で、会場出口には来日記念の大判ポスターが設置されています。ここだけ、記念撮影OKです。
 手描きなので、同じ缶でも一つひとつが少しずつ違っていて、整然と並んでいるようでも、遠くから見ると波打っているように見えます。単なるスーパーの棚にのっている商品ではない、デザイン性が感じられる作品です。下記の写真はちらしにあるもの。Docu0057_3   
101209warholmarilynmonroe2  「マリリン」は、映画「ナイアガラ」のスチール写真を基に、ウォーホルが制作したもの。けはけばしい色彩の下に、うつろな表情を浮かべている人気女優の一面がうかがえます。

 
1  ロイ・リキテンスタインの「鏡の中の少女」。漫画から採った少女の顔をクローズアップ。鏡への関心を示す彼の初期作品です。

 
2_2   ジェームズ・ローゼンクイストの「ラナイ」。 ラナイはハワイの島の名前だそうで、リゾートを想起しますが、これは脈絡のないコラージュです。自動車を巨大にしかも逆さまにするなど、見慣れたものも視点を変えて描くことで、面白い効果が生まれています。
 
 なお、会期は10月21日までです。

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