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2013年8月 9日 (金)

人間国宝の息遣いを感じる刺繍美に触れて

 きものや帯に施されている刺繍には、織り柄にはない生き生きとした艶や量感がありまます。京都には、この奥義をきわめた重要無形文化財保持者(人間国宝)、縫・箔の染織工芸家、福田喜重氏がいらっしゃいます。
 今回の服飾文化学会夏期セミナーでは、この福田氏の工房を見学し、精緻な日本刺繍の技法を駆使して創作された名作の数々を鑑賞しました。ぼかし地染めから、意匠、縫・箔まで一貫した手作業により生み出される作品は、じっと見ていると「呼吸している」かのようです。針を直角に刺し込んでいく、その一針一針に作り手の息遣いが感じられたからでしょう。
 
Cimg55181jpg  絹糸や刺繍針、はさみ、面相筆など、こだわりの道具を前に語る福田喜重氏です。 

 材料はあると思っているけれど、今や、絹の世界は、大変危険な状態になっていて、日本の絹は1%もない。絹は呼吸していて、水が何よりも大切であることなど、道を極めた人ならではのお話には、重く奥深いものがありました。
 
Cimg55161   手前が針で、15本のうち、よく使われるのは、左から5本目の切付から相中までの4本だそうです。(写真はクリックで拡大)


 
Cimg54861pg_2   最初に見せていただいたぼかし地染めの工程です。絹の浜ちりめんに水を含ませ引き染めしていきます。染色には高温多湿な環境がよいそうで、この猛暑にもかかわらず、炭火を焚いて乾燥させていることに驚かされました。
 
Cimg55011jpg  検反室で、オーロラをイメージされたという美しいぼかし染め。

 
Cimg55051 下絵や箔付けなどの作業をされているアトリエ風景。
 


Cimg55421  いちょう菱紋から亀甲紋に変化していく図柄の刺繍。


 
Cimg55471 月明かりにすすきが照らされている情景を映した刺繍。
 
Cimg55611    

 黒い縁の部分は墨描きでその上に刺繍を施したもの。

 
Cimg55291             

 

  一幅の刺繍絵「雪持ち笹 水禽の図」。

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