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2013年8月

2013年8月31日 (土)

津軽三味線を聴きながら----

 炎暑が続いています。暑気払い、というわけで、日本ファッション協会のうらら会夏期リクリエーションが、浅草の和えん亭「吉幸」で行われました。
 
Cimg59491_2  ここは邦楽会席というように、津軽三味線を聴きながら、美味しい季節料理を楽しめます。
 お話に伺っていた通り、ご主人とお弟子さんたちが、私たちの目の前で、すばらしいライブを披露して下さいました。手拍手の入れ方を教わったり、沖縄の三味線と長唄、津軽三味線、それぞれの違いを奏し分けていただいたり、普段あまり聴き慣れない邦楽の調べを、朋友たちと語らいながら楽しんだ一夕でした。

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 ご主人は、歌手の吉幾三の伴奏をされていて、そこで店名に「吉」の字を入れたそうです。さすがの腕前! 生演奏は、やはりすごい迫力でした。

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2013年8月30日 (金)

迸る命の輝き「花珠爛漫 中国・庫淑蘭の切り紙宇宙展」

 中国の代表的剪紙(せんし)作家、庫淑蘭(クー・シューラン)の「花珠爛漫 中国・庫淑蘭の切り紙宇宙展」が、銀座ミキモトホールで、9月19日まで開催されています。
 
 会場は、目が眩むような極彩色に彩られ、まるで異空間にでも入ってしまったかのよう。

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 ところで剪紙ですが、これは中国で古くから農村でのお祭りや季節の飾りとしていられてきた切り紙装飾です。作家の庫淑蘭は、切り紙の上にさらに切り紙を重ねる技法で、子どもや動物などの身近なモチーフや女神像、生命の樹などを独特の世界観で表現しています。

 重なり合う豊かな色彩に、響き合う大胆な構図は、まさに「花珠爛漫」。伝統的な剪紙の枠を超えた、エネルギーに満ちあふれた作品に、迸る命の輝きを感じ、圧倒されました。
 

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2013年8月29日 (木)

「アメリカン・ポップ・アート展」彼らがアートを解放した!

 「アメリカン・ポップ・アート展」(国立新美術館 東京・六本木)に行ってきました。

 これほど大規模なアメリカン・ポップ・アートの展覧会が開催されるのは、日本では初めてで、本拠地のアメリカでもまだ行われていないそうです。しかも展示されている200点に上る作品は、すべてジョン&キミコ・パワーズ夫妻という個人のコレクションからお借りしたもの、というのですから驚きです。
 
 主題がごく日常的で身近なポップ・アートは、マスメディアにあふれる様々なイメージや日用品など、誰もが知っているものをそのままアートに使います。パワーズ夫妻はこのようなポップ・アートが評価を確立する以前からその真価を見抜いていたのです。そして個人所蔵としては、世界最大級のポップ・アート・コレクションを築き上げました。
 
 キミコ・パワーズさんとキュレーターの林綾野さんによる「アーティストたちとの会話」のトークイベントがあり、キミコさんからアーティストたちとの交流や作品にまつわる思い出話をお聴きました。
 
 キミコさんによれば、1960年代でなくても2000年に入ってからも、「何だ、これは。美術品ではないのではないか」と、言われることがあるそうです。美術品らしからぬものは、「アートではない」と拒絶反応を示す人は相変わらずいるようです。しかし「ポップ・アートはアートっぽい印象を与えないアート」と明快におっしゃいます。たとえばクレス・オルデンバーグの消火栓とかタバコの吸い殻を題材にした作品ですが、見る人のイマジネーションが広がれば、それでいいとも。ちなみに東京ビッグサイトの広場に置かれている巨大な「鋸」もオルデンバーグの作品です。
 
 ジャスパー・ジョーンズら、たくさんのアーティストとの交流の中で、パワーズ夫妻がもっとも親しくされていたのは、アンディ・ウォーホルだったそう。会場の入口にも、左の写真のように、キミコさんのポートレートを描いたウォーホルの作品がポスターで飾られていました。彼はキミコさんのお淑やかな着物姿に感動し、ポラロイド写真を撮って、作品を完成させたといいます。
 
Cimg58791  本展の目玉は、何と言ってもアンディ・ウォーホルの最高傑作、「200個キャンベル・スープ缶」です。これは彼の最初の作品だからこそ最重要といわれる作品で、会場出口には来日記念の大判ポスターが設置されています。ここだけ、記念撮影OKです。
 手描きなので、同じ缶でも一つひとつが少しずつ違っていて、整然と並んでいるようでも、遠くから見ると波打っているように見えます。単なるスーパーの棚にのっている商品ではない、デザイン性が感じられる作品です。下記の写真はちらしにあるもの。Docu0057_3   
101209warholmarilynmonroe2  「マリリン」は、映画「ナイアガラ」のスチール写真を基に、ウォーホルが制作したもの。けはけばしい色彩の下に、うつろな表情を浮かべている人気女優の一面がうかがえます。

 
1  ロイ・リキテンスタインの「鏡の中の少女」。漫画から採った少女の顔をクローズアップ。鏡への関心を示す彼の初期作品です。

 
2_2   ジェームズ・ローゼンクイストの「ラナイ」。 ラナイはハワイの島の名前だそうで、リゾートを想起しますが、これは脈絡のないコラージュです。自動車を巨大にしかも逆さまにするなど、見慣れたものも視点を変えて描くことで、面白い効果が生まれています。
 
 なお、会期は10月21日までです。

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2013年8月28日 (水)

「色を見る、色を楽しむ。ルドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…」展

Photo 色をテーマに西洋美術の展開を探る展覧会、「色を見る、色を楽しむ。ルドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…」展が、ブリヂストン美術館で開催されています。

 印象派から20世紀に至る名画は、これまで何度も見てきましたが、本展で、そのポイントは「色にある」ことを学び直しました。

 まず影について。絵画に描かれる影に、様々な色が使われるようになったのは、19世紀、チューブ入り絵の具が登場して以降のこと。この絵の具のおかげで、戸外に出てスケッチをする画家が現れるようになり、それまで黒だけだった影の中に、青や緑、オレンジなどの色が使われるようになります。その代表がクールベやコロー、ミレーらバルビゾン派の画家たち。
Bridiston_03 印象派といわれる画家の絵にも、影の色が描き込まれています。シスレーのポプラ並木の絵にも、影に色があり、ルノワールの「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」(写真 左- ちらし掲載のもの)も、スカートの裾の影が青く映っています。

 
 「印象派の画家たちはパレットから黒を追い出した」といわれていますが、実は彼らの絵には黒服の人物がたくさん見られます。これは当時のファッションを反映した結果で、男性服のほとんどは黒。女性服も黒が流行っていたのです。

 次に展示室「モネの色・モネの目」。ここでは、水が好きだったというモネのベネツィアや海をテーマにした絵が展示されています。光や大気は、気候や時間、季節により変化しますが、モネはその瞬間を描きとめ、同じ題材で睡蓮のような多くの連作を残しています。広重の浮世絵を思わせる波しぶきの絵も、当時のジャポニズムの影響かと、興味深く鑑賞しました。

 続く新印象主義では、シニャックやスーラの点描画が登場します。彼らは、科学的な色彩論に基づき、色をパレット上で混ぜないで塗ることにより、色彩をより明るく見せる描法を確立します。

 さらに「野獣のような」といわれる色彩が出てきます。ドランやマティス、ヴラマンクらの絵画に見られる色使いで、強烈な原色と単純な筆致が特徴。「あたかも檻の中にいる野獣(フォーヴ)のよう」と評されたことから、フォーヴィズムと名付けられます。

 これとは別に、色のない黒一色の世界を描いたルドンのリトグラフ集「夢想」も公開されていました。
Img_533370_31924635_2 しかしやはり心に残るのは、マティス最晩年の傑作、切り絵版画「ジャズ」20点(左の写真はその一つ―ちらし掲載のもの)の展示です。ポップな色彩と大胆な変形が、20世紀美術を予感させます。以後、色は現実の再現から解き放たれ、自由に使われるようになっていきます。

 最後に見た「追悼ザオ・ウーキー」。今年亡くなられた中国生まれの画家ザオ・ウーキーのアンフォルメルの作品は、すばらしかった!

 開催は9月18日まで。

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2013年8月27日 (火)

「オバケとパンツとお星さま展」“変身アドバイス”が大人気!

 おむつの取れたこどもたちが、走って触って大騒ぎできる展覧会、「オバケとパンツとお星さま―こどもが、こどもでいられる場所」が、東京都現代美術館で開催されています。中でもこどもたちに大人気なのが「変身コーナー」です。
Cimg58381  ここを担当されているのが、ゼロゼロエスエス。この24日、関連イベント“ゼロゼロエスエスの変身アドバイス”が行われ、大勢のこどもたちが思い思いの布切れでつくった衣装を身につけ、大はしゃぎしていました。

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 ゼロゼロエスエスは、ファッションデザイナー伊藤弘子さんとアーティストの松岡武さんが代表を務めるアパレル企業で、東京コレクションでおなじみのブランド、HISUI(翡翠)を手掛けています。

 その有力デザイナーが、イベントで自らミシンの腕をふるい、一人ひとりのこどもたちに合わせて、やさしく話しかけながら、オリジナル衣装を作っていました。びっくりすると同時に、大変うれしかったです。

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 こどもたちは、ここではみんなデザイナーになったかのようです。
Cimg58191_2  たくさんの反物や端切れの中から好きな生地を選んで、好きなだけ切って、自由自在に色や柄を組み合わせ、アドバイスを受けながら、縫ってもらうのです。服が出来上がっていくのを見ているこどもたちの目は輝いていました。大人には思いもよらない発想から生まれた服、それはなかなか凝ったデザインです。着付けされながら、いつもと違う自分になっていく、こどもたちの笑顔も可愛らしくて、忘れられません。

 未来のデザイナーはこんなところから誕生していくのでしょう。
 
Cimg58231  こどもの心がわかるデザイナー、伊藤弘子さん。人気の秘密を垣間見た気がしました。
 これからもコレクションでどんなメッセージを発信してくれるのか、楽しみです。

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2013年8月26日 (月)

浴衣女子に浴衣男子もぞろぞろ

 夏になると、浴衣姿が目立ちますが、今夏は、本当に多いなと思います。「ゆかたで銀ぶら」のようなイベントが、あちらこちらで行われているせいでしょうか。
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3_2 とくに週末、浴衣男子が増えているようです。男子は小粋に、女子は洋風なデコレーション、シフォンの髪飾りや光る帯どめ、レースなどで、飾り立てているのが目立ちます。 
 大人の目には、これも楽しい夏の風物詩です。
 

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2013年8月25日 (日)

「日本パッケージデザイン大賞2013」展

Cimg57321jpg  「日本パッケージデザイン大賞2013」が、先週、東京・銀座で発表されているのに遭遇。1985年から隔年で開催されている、パッケージ領域でデザイン性を競う賞です。今回は1,000もの応募があり、ユニバーサルデザイン賞も発表されていました。

Cimg57201  まず大賞は、「やまや」の「北海道産原料使用きらり」。
 北海道産のスケトウダラの卵を使った明太子とたらこのセットで、やまやの創業者山本夫妻をイメージした繊細なイラストレーションが新鮮で、製品に懸けた製造者の思いが表現されています。

 
 ユニバーサルデザイン賞は、下記の二つ。
Cimg57141_4 
 「サンスター」の「 ガム・デンタルリンス」
 進化した「つぶせるボトル」で、プラスティックの使用量を削減し、環境負荷も軽減。やさしさと先進性という対極の要素のミックスが評価。


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 「ミツカン」の「とろっ豆 パキッ!とたれ」
 パキッ!と容器の真ん中を折るだけで、納豆と一体型の容器を使用。ふたを割るだけでたれをかけられて便利。たれが液体なので豆と混ざりやすく、フィルムのごみも出ません。


Cimg57271_2  ファッション業界からは、海外向け商品部門で、「ユニクロ・クリエイティブデザインチーム」による「ニューヨーク5番街オープニングキャンペーン」が金賞を受賞。


 日本らしい情緒や環境問題に配慮したデザインは、ここでも高評価を集めたようです。

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2013年8月24日 (土)

2014春夏チープマンデーは90年代ムード満載

Cimg57651  スウェーデン発でH&M傘下のジーンズブランド、チープマンデーCHEAP MONDAYが、このほど早くも2014春夏展示会を、東京・渋谷で開催しました。

 コレクションは90年代ムード満載といったところです。すなわち当時のようなスリムとビッグの対照的なシルエット同士の組み合わせが多くなっています。ボトムがスリムならトップスはビッグ、その逆の組み合わせもありというように。とくに新しいアイテムとして、ウエストを見せるスリムなショート丈トップスが出てきていて、これに太い幅のパンツを合わせるコーディネイト提案が見られます。
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Cimg57681jpg ケイト・モスが愛用したというスキニージーンズも健在。インディゴブルーのデニムはもちろんですが、ブラックやグレーの綿パンタイプが、かなり増えていると思いました。価格は1本、8,000~9,000円台と買いやすい。
 
Cimg57701  ユニセックスで、子ども服ラインもあり、靴やバッグ、メガネ、コスチュームジュエリーと、品揃えも豊富です。
 
 現在はセレクトショップに入っているそうですが、今後は日本でもショップを展開するなど、大きな可能性を秘めているブランドです。

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2013年8月23日 (金)

小篠ユマデザインで生活者支援スタッフ制服リニューアル

 ファッションデザイナーの小篠ユマさんが、家事の宅配、ことカジタクの新しい制服をデザインされ、昨日、東京・丸の内で発表会が開催されました。
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 カジタクは、生活者支援総合サービス、つまり家事支援サービスやマンションコンシェルジュ事業、リテール支援業務などを行っている会社。5年前に設立され、少子高齢化や女性の社会進出を背景に、急成長を遂げています。
 ちなみに同業界は、現在市場規模2,000億円。しかしここ数年で5~6倍の規模になると試算されているそうで、同社も今期60億円の売り上げを見込んでいるとのこと。
 
 5周年記念に当たり、制服を一新して、さらなる「お客様への誠意」と「働くスタッフの誇り」を表現しようと、デザイン制作を新進気鋭の憧れのデザイナー、小篠ユマさんに依頼されたといいます。
 
 小篠さんは、この新制服について、機能性と美しさを兼ね備えたデザインで、ポロシャツにも礼装用シャツに見られるスターチドブザム(胸部分をU字や角型に切り替えた胸当て)や、ボウタイを採り入れ、動きやすくきちんとした印象を大切にしたといいます。ブザムの裏側には接触冷感素材を使い、少しでも着心地のよいものになるよう配慮したとも。スーツは、ナポレオン風の襟元が特徴。シャープなカッティングで、ラグジュアリー感を出しています。
 コーポレートカラーのブルーを基調に、白との組み合わせで、清潔で誠実なイメージです。タイやスカーフには、シンボルフラワーのアルメリアの花のモチーフが用いられていて、その花言葉は「おもてなし」や「思いやり」だそう。
 
 制服リニューアルで、ますます信頼感を増して発展されることでしょう。

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2013年8月22日 (木)

「エヴァンゲリオン展」ファンの熱気ムンムン

Cimg57071_5  入場者数が10万人を突破したと聞いてびっくり。初日の8月7日から5000人以上が来場したといいます。
 
 その話題の展覧会は「エヴァンゲリオン展」です。チケットをいただき、好奇心もあって、東京・松屋銀座の会場に行ってきました。
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 場内は、若者たちでいっぱい。熱気ムンムン状態です。1990年代に社会現象となった大人気アニメは、今夏も再びブームを巻き起こしているかのようです。

 全体構成は次の4つのグループで、まとめられていました。
1. 「エヴァンゲリオンの歴史」。二つのラインがあり、一つは1995年からのTVシリーズと1997年の映画化まで、もう一つが2007年からの新構想でスタートした新劇場版。
 2. 作画や動画の流れを追う「エヴァンゲリオンができるまで」。
 3.  「エヴァンゲリオンの設定」。設定とはルックを統一するための設計図として配布される資料だそう。
4. 原画で観る「エヴァンゲリオン新劇場版」。

 展示総数は、1,300点とのこと。手描きの画コンテやレイアウト、原画など、将来、漫画家を志す方々に大いに参考になりそうです。食い入るように見つめている人たちが目につきました。
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 同じフロアーには、「エヴァンゲリオン」ストアが出店、何とコンビニのショップまで設置されていました。



Cimg57061_2 レイやシンジなど、キャラクターたちが見せるコスチュームは、これからのファッションに影響を与えそう、と思いながら、会場を後にしたことでした。

 開催は26日まで。

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2013年8月21日 (水)

サボテンの盆栽アート「叢 Qusamura展」

 今、東京・新宿のビームスB GALLERYで、奇妙なサボテンの展覧会が開かれています。Cimg57521jpg  
 それは「いい顔してる植物」をコンセプトに、突然変異や経年変化により、個性的な風合いや物語が生まれた植物を主に取り扱う「叢(くさむら)」のサボテンたち。一般に市場に出回っている色や形が整った植物ではなく、人工的に接ぎ木したり、矯正されたりした盆栽アートです。
 
Cimg57411  ところで「叢(くさむら)」は、植木屋でも花屋でもない植物屋だそう。広島を拠点に活動されているとのことです。
 このような多肉植物のアートを見たのは初めてでしたが、世界を見回してみると、タイあたりでも盛んに行われているそうです。しかし盆栽大国、日本には、繊細な技術があり、この分野で世界一と胸を張ります。

 サボテンを上から見たところです。摩訶不思議な形をしています。

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Cimg57501jpg_5 右はアロエでも 「鬼アロエ」。

 アーティスト11組とのコラボTシャツも限定販売されていました。

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2013年8月20日 (火)

“「創刊77周年記念『装苑』」と「装苑賞」その歩み展”

 これを見れば日本の洋装の歴史がわかる、そんな展覧会が東京の文化学園服飾博物館で開催されています。それは“「創刊77周年記念『装苑』」と「装苑賞」その歩み展”です。
 
 装苑は、1936年に創刊された日本で一番古いファッション雑誌。今回の展示では、約850冊がずらりと並べられています。1983年1月号から1997年4月号まで「SOEN」と題字が変わりましたけれど、再び「装苑」に戻り、現在もモードな雑誌として君臨しています。
 
 装苑賞は、装苑発刊の20年後、1956年に創設されたファッションデザイナーの登竜門で、今をときめくクリエイターたちを輩出し続けている、ファッションデザインコンテストの大御所的存在。Cimg57361jpg_2
Cimg57381  歴代受賞作品84点が展示される中で、目に付くのは、今や世界的デザイナーとなった高田賢三(写真中央のツーピース)、小篠順子(写真左のコート)、山本耀司、やまもと寛斎らのデビュー当時の作品。1960年代といえば、パリのオートクチュールが幅をきかせていた時代で、作品もこれに倣ったクラシカルな雰囲気です。その後、アヴァンギャルドなコレクションで大活躍するのが嘘のような感じがします。
 
 ファッション関係者にとっては、必見のアーカイブ展。開催は9月28日まで。

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2013年8月19日 (月)

「三宅一生─未来のデザインを語る」珠玉の一冊

 「三宅一生─未来のデザインを語る」を読了しました。ここには、世界の衣服デザイナー、三宅一生さんが語るデザインについての珠玉の言葉が収められています。
00024855_3       聞き手・編  テレビマンユニオン会長 重延 浩 
          岩波書店発行 定価 2900円+税

 「デザインには希望がある。そしてデザインは驚きと喜びを人々に届ける仕事である。好奇心を満載にして生きていくということが、デザインなのではないか。デザインには未来を見る目が必要なのです」の表紙を飾る言葉。
 「ただ消費するばかりでなく、つくることの大事さをもう一度考えよう」と呼びかける言葉。
 衣服は人間のためにある。人間が衣服のためにあるのではない」という「一枚の布」を発想されたときの言葉。
 どれもみな感銘させられます。
 
 高校生時代にイサム・ノグチの作品に出会ったことがきっかけで、デザインを意識するようになったことや、ファッションがデザインとして世の中に認められていない分野だったから、これは面白そうだ、と思い、ファッション・デザイナーを志したこと、そして「一枚の布」から「プリーツ ブリーズ」、「A-POC」、「132.5」の服づくりまでの軌跡、デザインミュージアム「21_21デザインサイト」立ち上げなど、つぶさに語られていて、とくに若い方々におすすめです。
 
 「21_21デザインサイト」の「21」は、単純に21世紀ではなく、視力2.1の意味だったこともこの本で知りました。デザイナーはパーフェクトサイトとされる視力2.0よりも、もう少しよく見える2.1で、先を考え、工夫し、実践していく人間であって欲しい、という願いを込めて命名されたとのこと。この精神が今、「国立デザイン美術館をつくろう」という運動に発展しているのでしょう。

 付録のDVDも付いていて、一生さんのデザイン哲学がより一層立体的に理解できるようなっているのも、うれしい一冊です。              

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2013年8月18日 (日)

尾瀬で出会った花々

20130811155234imgp74591jpg  今夏は、数十年ぶりに尾瀬へ行きました。神秘的な尾瀬沼から東北最高峰の燧ケ岳を登山し、尾瀬ヶ原から至仏山を巡る山行きは、かなりきつかったのですが、花々に癒されながら歩きました。

 とくに至仏山は、植生を保護していることもあって、花の種類が豊富です。他ではあまり見かけない珍しい山野草もたくさん生えています。もう時期が終ったと、残念に思っていたニッコウキスゲの楚々とした花も、ここ至仏山への登りで見ることができてうれしかったです。

 可憐な花々を集めてみましたら、植物図鑑のようになりました。一部ご紹介します。
 次は水芭蕉が咲く季節に訪れたいものです。(写真はクリックで拡大)

20130811152044imgp74141 20130812080438imgp76381jpg  
 ニッコウキスゲ              ヒツジグサ

20130810172438imgp70611 20130811050136imgp71041jpg  
 オゼミズギク             クルマユリ

20130811175356imgp01831jpg 20130811092338imgp72221  
 コバケイソウ             マルバダケブキ

20130811145552imgp01591 20130811181900imgp74991jpg  
 トモエソウ               サワギキョウ

20130812054640imgp75391 20130812061658imgp75481  
 ソバナ                ミネウスユキソウ

20130812083836imgp01951jpg_3 20130812064514imgp75761jpg_3  
ツリガネニンジン            タカネナデシコ
              
20130812121050imgp02371 20130812090236imgp77071   
 ドクゼリ                カキツバタ

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2013年8月17日 (土)

学生の新発想が光るユニバーサルデザイン

 今年も横浜の福祉総合展、ヨッテクには多数の大学から大学生たちが出展しています。
Cimg52591jpg  中でも注目されるのが、千葉大学大学院デザイン科学専攻の学生が発表しているコーナーです。ここではユニバーサルデザインのユニークなアイディアを発見できます。1年生という、柔軟な彼らが考案した作品をいくつかご紹介します。
 
○ORIpack オリパック
 折って形が変わるプロダクト。視覚障がい者でも使いやすい薬のパッケージのアイディアです。
Cimg52421_2  ・触るだけで飲む回数を識別できるパッケージ 
 飲む回数によって形が変わるため、飲むべき薬を識別しやすく、誤飲を防ぎます。
・家族による飲み忘れの確認ができます。
 高齢者に多い飲み忘れがないか一目で確認できます。
・1週間分で1セットです。
 1日1本ずつ使うことで、薬をカレンダーのように使用することができます。

○GAM-MAG ガム・マグ 
・片手でスライドさせるだけで、簡単に蓋が開けられる容器です。 
・中にあるプラスティックの芯をずらすことで、マグネットシートの磁石が反発し合う力とプラスティックの弾性によって、片手で簡 単に開閉できる仕組みです。
Cimg52531jpg Cimg52521_2

○FREEHOOK フリーホック
・片手で簡単につけられるブラホック。
・お気に入りのブラがそのまま使えます。
Cimg52351_2 Cimg52361jpg_2

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2013年8月16日 (金)

「リズム歩行アシスト」で上り坂も楽々移動

 先月末、横浜で開催された福祉総合展、横浜ヒューマンテクノランド(ヨッテク)で、注目されたのが「リズム歩行アシスト」です。脚力が低下し、歩きにくさを感じている方々には朗報です。
 
 今回のヨッテクは「移動」がテーマ。国内大手車両メーカーが揃って出展する中で、ホンダのアシモに代表されるロボット技術を応用した「リズム歩行アシスト」が光っていました。これはベルト着用タイプのシンプルな構造の歩行を助ける補助装置です。専門の技術者が付き添ってくれる体験コーナーは、順番待ちの行列ができる盛況でした。
Cimg52161 Cimg521512pg  
 私もサイズを合わせていただき、歩行体験をしてみました。重さは2.5kgあるのですが、装着すると思っていたほど重くはありません。歩くと膝がよく上がる感覚があります。普段ずり足になりがちな方にはぴったりな補助具でしょう。
 とくに「アシストされているな」と思う感触があったのは、階段の上りです。背中が押されて、体を前へ出す力が働いているのをありありと感じました。これなら上り阪も快適、きつい段差も楽に上れると思いました。
 
 この装置は、現在、全国のリハビリテーション病院で利用されているといいます。早く市販されるようになるといいですね。

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2013年8月15日 (木)

介護ロボットは思いやりと夢のあるデザインで

 「介護には使う人に歩み寄る思いやりと夢のあるデザインが必要」というのは、喜多俊之氏。長年介護ロボットの開発を手がけてこられた世界的プロダクトデザイナーです。
Cimg52051jpg  先般、同氏の企画で「介護とデザイン」と題したサロントークが東京・銀座で行われ、最先端の介護ロボット「ロボヘルパー・サスケ」と「ワカマル」が展示紹介されました。
 
 いずれもコンセプトは「介護する人もされる人も、優しさと安心を。そしておしゃれに」。使う人に歩み寄る思いやりの心を大切に、そしておしゃれに敏感な今どきのシニアが、わくわくするような夢のあるデザインを考えたといいます。やさしい黄色を使ったのは、人を元気づける色だからだそう。海のブルーとのコントラストが美しい。
 
Cimg52111  「ロボヘルパー・サスケROBOHELPER SASUKE」(マッスル製)は、ベッドから車椅子などへの移乗を支援するシステムで、昨秋、国際福祉機器展2012で発表され、新時代の介護リフトとして話題を集めたもの。人を「吊り上げる」のではなく「かかえこまれる」ことを意識してデザインされたという、喜多氏こだわりの新商品。
 
Cimg52101jpg  「ワカマルwakamaru」(三菱重工業製)は、コミュニケーションロボット。これが日常的に使えたら、どんなに楽しいかと思いますが、150万円という価格は家庭用にはちょっと高いかも。2005年の愛知万博に出展され、かわいいアイドルになっていたことを思い出します。
 デザインで苦心されたのは「目」だそうで、見つめられると嬉しくなる目、人の気持ちがわかる目にしたいと、目の位置は生後3か月の赤ちゃんを、また瞼のカーブは喜多氏の愛犬の目を参考にされたとか

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2013年8月14日 (水)

「たとえばの話 ― 世界を『外』から満たす日本人の感性」

「日本人は、物事をたとえ(比喩)で表現することが上手」。言われてみれば本当にそうだなと思います。先般の円覚寺夏期講座で、東京大学教大学院授のロバート キャンベル先生の「たとえばの話  世界をから満たす日本人の感性」を聴講して、そう思いました。

キャンベル先生は来日されて30年になられるとか。江戸・明治期の日本文学研究で知られ、テレビでもお馴染み。以前からそのすぐれた見識に着目していました。

今回、このテーマに気づかれたきっかけは、東日本大震災が起こり、多くの日本人が震災を戦争にたとえたことだったといいます。三島由紀夫をはじめ、沢庵禅師など、日本文学にはたくさんの比喩が使われていて、これにより現実の先にある真実を、相手にわかりやすく伝えているのですね。

その例として、若山牧水の「海の声」から

「白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよう」

これは牧水自身を、孤高の一羽の白い鳥にたとえたもの。英訳で白鳥はハクチョウかどうかと悩まれたそうです。

また、石川啄木の「一握の砂」から

「或る時の われのこころを 焼きたての 麵麭に似たりと 思ひけるかな」

晴れやかな浮き立つ気分を麵麭(パン)で表現しています。このパンは、白くてふわっとしたコッペパンではないかと思われ、外国にはあまりないパンといいます。
 

たとえばの話には、押し付けでない余白があって、それが現代作家の作品に生きているとも。

イメージを結べる比喩、うまく使えるようになりたいものです。珠玉のお話に感謝です。Cimg51941

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2013年8月13日 (火)

日本の伝統色にみる「彩」への関心

 「日本の色というと、ワビ・サビ(侘び・寂び)枯淡の色と考えられることが多いが、実はその反対の美しい鮮明な色が求められ、尊ばれていたことを忘れてはならない。」と語るのは、染司よしおか五代目当主で美術図書出版「紫紅社」代表、染色家の吉岡幸雄氏。薬師寺、東大寺などの文化財の復元などに携わり、伝統行事の衣裳制作や日本古来の染色技術を守る活動をされています。

 この吉岡氏の講演を、去る7月の円覚寺夏期講座で、拝聴しました。テーマは「日本の伝統色」です。

 お話によると、古の時代から日本人は「彩」に強い関心を示していたとのこと。ちなみに「色彩」の「色」は男女関係というニュアンスが濃く、「彩」は多様な色取りの意で使われてきた言葉。
 日本の伝統色は、この「彩」が中心で、古代人は美しい色に憧れていたといいます。とくに赤は、死者再生を願う色とされ、縄文人はベンガラ朱をつけていたし、卑弥呼の時代は顔に朱丹を塗っていた。仏教が伝来すると、色彩はますます豊かになり、白木だった神社も赤に彩られていきます。 
 古代染めの研究者たちは、当時と同様のやり方で同じ色を出そうと試みるのですが、なかなかその色が出せないそうです。それは同じ植物染めでも、灰汁など助剤を含む材料が違うからで、どうしても深みが出ない。古の人々は最良の原料を集めて染めていたのです。
 たとえば蘇芳は、日本では生育しない植物なので、中国から輸入されていましたし、奈良時代から使われていた肉桂も、大陸からの輸入品です。奈良県にある古墳からは、エジプト原産の紅花の花粉が発見され、コチニール(えんじ虫)や高価なケルメスも幟旗などにたくさん使われていたといいます。
 藍も、インディゴIndigoというように、インド産を意味し、元々日本の藍は、上質なインド藍だったのです。美しい色を追求してやまなかった日本人の探求力には目を見張る思いです。
 日本ではとかくワビ・サビが強調されますが、これは鮮烈な色「彩」があればこその文化だったと、改めて思いました。
 
 今や、染色の99.9%は化学染料使いです。このご講演でも触れられていましたけれど、あえてこの便利を避けるように、忘れられていた植物染めが戻ってきていると感じます。しかしながら、現代は1200年前よりも進歩しているのでしょうか。わからなくなってくる昨今です。

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2013年8月12日 (月)

「京の七夕」夏の夕べに光の祭典

Docu00531jpg_2  京都に来て、思いがけず七夕祭りに出会い、鴨川会場に行ってきました。聞けば今年で4年目だそう。イルミネーションが川面に映え、風情があります。

 七夕といえば7月7日と思っていましたけれど、実際は旧暦で行うところの方が多いことに気づかされました。 Cimg56131jpg_2

 これに合わせて、多くの寺社で光の祭典が繰り広げられていた模様です。私は高台寺の燈明会に行ってきました。百鬼夜行展が開催されているためか、お化け提灯が下がっていました。Cimg56311 
 帰り道、舞妓さんを見かけたりして、京都ならではの情緒を感じた夏の夕べでした。

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2013年8月11日 (日)

京蒔絵の工房を見学

 蒔絵は、平安時代に京都で発達し、全国に広がっていった日本独自の漆工芸技術で、京蒔絵は文化の中心地として栄えた京都という環境の中で洗練されていったといいます。
 今回の服飾文化学会夏期セミナーでは、この京蒔絵を見学しました。訪問させていただいたのは、京都で3代目の蒔絵師、下出祐太郎氏の工房です。

Cimg56451_2  
 下出氏は、京都迎賓館の調度品を手掛けられるなど、伝統を受け継ぎながらも、作家としても独創的な作品を発表されている漆工芸界の第一人者です。私たちを温かく出迎えてくださり、お話も終始、気さくな雰囲気で進めていただきました。
 
 まず我が国の伝統工芸産業について、その事業者数は平成3年のピーク時に比べ、平成21年になると76%減に激減。この京都でも50%減少し、観光産業化しつつあり、伝統を継承していくことは実に大変なことと、改めて思いました。
 
 次に漆について、その最古の漆工芸は法隆寺の玉虫の厨子にみられるものだそう。とはいえ1万年以上も前の縄文遺跡から漆が出土していることから、漆工の技術は日本が世界でもっとも古いと推察されるといいます。
 
 漆は、山野の低地に生えているうるしの木から出る汁で、10数年経た1本の樹木からひと夏かけて採取できる漆の量は、牛乳瓶1本程度だそう。これを精製して絵の具や塗料、接着剤として用います。蒔絵は、漆を筆につけて描いた絵に、金や銀などの金属粉や色粉を蒔き、塗りを重ね、乾かし、研磨するなど様々な工程を通してつくられます。

Cimg56801_2  中でも興味深いのが、漆の乾燥で、適度な温度と高い湿度が必要だそう。右の写真のような漆室(うるしむろ)という室に入れて乾かすそうで、雨の日のように、湿度が高いほど乾くという漆の性質に驚かされます。

 ネズミの毛の蒔絵筆や、金粉、銀の代わりによく使われるというプラチナ粉など、様々な道具や材料を拝見させていただき、精緻な逸品の数々を鑑賞しました。
 
Cimg56651jpg  上の写真は、復元された華やかな高台寺蒔絵屏風を前に、解説していただいているところ。これは平成23年に、ロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムで展示されたといいます。
 
Cimg56561  左は、来日されたオバマ大統領に贈られた香合と同じもの。お値段は50万円とのこと。


 


Cimg56911 Cimg56781_2  工房風景です。   中啓の親骨に塗りを施しているところ。

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2013年8月10日 (土)

植物のいのちの色を再生する紬の美

 「いのちの色で糸を染める」をテーマに、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀(2013.5/27) で放映された人間国宝、染織家の志村ふくみ氏と、ふくみ氏の薫陶を受けて藍染めによる新たな美の可能性を探り続けている長女志村洋子氏。
Cimg55831_3 このお二人が、今年4月に開校された「アルスシムラ」を、服飾文化学会夏期セミナーで訪れました。

 お二人に導かれて、ギャラリーや教室をご案内いただき、ご講演を拝聴しました。

Cimg55701jpg_2 志村ふくみ氏は、まず「なぜ50年以上も前に、植物染めで平織りの紬を織りたいと思ったのか」という話をされました。それは「万葉の時代から自分の想いを色で伝えてきた日本人の心情がすばらしいと思ったから」と語られ、「この美意識は、現代の私たちの血の中に受け継がれている」といいます。「糸は裏切らない。これは信念のようなもの」だそう。

 「植物の色は、四季折々に美しく感動的で、決して同じ色にはならない。だから何回やっても楽しい」とも。
 そしてさくら染めに触れ、花のいのちを奪うけれど、これは「いのちの交換」と考え、「いのちを色に再生する気持で染めている」といいます。
Cimg55731
 こうした意識を若い世代に伝えていきたいと、洋子氏とともに、学校をオープンさせたそうです。(写真は紬を織っているところ)
 
 お二人に、スライドでたくさんの作品を見せていただきましたが、その中の一枚、ふくみ氏の本振り袖姿の写真がすてきでした。昨年の米寿のお祝いで撮られたとのことで、くちなしの黄色に紫紺で染めた藤のモチーフだそう。

 またニガヨモギの話しもされ、これは西洋では「呪われた毒草」と言われているけれど、実は清らかな緑色が出せるとのこと。どんな植物も最高の色を持っていて、これが生きる勇気を与えてくれるといいます。

 
 色糸は何重にも重ねて機にかけ、即興でつむいでいかれるとか。霞がかかったような情景など、単純素朴に見えて実は深みのある複雑な奥行きを感じさせる紬織りです。
 いわゆる花鳥風月よりは、シックなヨーロッパ文化の方に興味があるというふくみ氏。ギャラリーに展示されていた紬のきものには、そんな凛とした潔い美しさが漂っていました。

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2013年8月 9日 (金)

人間国宝の息遣いを感じる刺繍美に触れて

 きものや帯に施されている刺繍には、織り柄にはない生き生きとした艶や量感がありまます。京都には、この奥義をきわめた重要無形文化財保持者(人間国宝)、縫・箔の染織工芸家、福田喜重氏がいらっしゃいます。
 今回の服飾文化学会夏期セミナーでは、この福田氏の工房を見学し、精緻な日本刺繍の技法を駆使して創作された名作の数々を鑑賞しました。ぼかし地染めから、意匠、縫・箔まで一貫した手作業により生み出される作品は、じっと見ていると「呼吸している」かのようです。針を直角に刺し込んでいく、その一針一針に作り手の息遣いが感じられたからでしょう。
 
Cimg55181jpg  絹糸や刺繍針、はさみ、面相筆など、こだわりの道具を前に語る福田喜重氏です。 

 材料はあると思っているけれど、今や、絹の世界は、大変危険な状態になっていて、日本の絹は1%もない。絹は呼吸していて、水が何よりも大切であることなど、道を極めた人ならではのお話には、重く奥深いものがありました。
 
Cimg55161   手前が針で、15本のうち、よく使われるのは、左から5本目の切付から相中までの4本だそうです。(写真はクリックで拡大)


 
Cimg54861pg_2   最初に見せていただいたぼかし地染めの工程です。絹の浜ちりめんに水を含ませ引き染めしていきます。染色には高温多湿な環境がよいそうで、この猛暑にもかかわらず、炭火を焚いて乾燥させていることに驚かされました。
 
Cimg55011jpg  検反室で、オーロラをイメージされたという美しいぼかし染め。

 
Cimg55051 下絵や箔付けなどの作業をされているアトリエ風景。
 


Cimg55421  いちょう菱紋から亀甲紋に変化していく図柄の刺繍。


 
Cimg55471 月明かりにすすきが照らされている情景を映した刺繍。
 
Cimg55611    

 黒い縁の部分は墨描きでその上に刺繍を施したもの。

 
Cimg55291             

 

  一幅の刺繍絵「雪持ち笹 水禽の図」。

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2013年8月 8日 (木)

「八重の桜」新島八重の衣装を再現

 京都は今、NHKの大河ドラマ「八重の桜」ゆかりの展覧会があちらこちらで行われています。ドラマも、ようやく京都編に入ったところです。

Cimg5591_3  この京都で、服飾文化学会夏期セミナーが開かれ、同志社女子大学史料室で、企画展「新島八重と同志社女学校」を見学しました。この中で目を惹いたのは、新島八重の洋装を再現したドレスです。

 同大学の清水久美子先生によると、東日本大震災で被災された福島県をはじめ東日本の復興への願いを込めて、生活科学部人間生活学科服飾文化ゼミの学生、3年生が中心になって、昨年4月から衣装の再現製作に取り組み、9月に福島県に寄贈。二本松市歴史資料館「新島八重の生涯と戊辰戦争展」で展示されて、現在、同じドレスが、京都高島屋で披露されているとのこと。写真は、この高島屋で撮影したものです。

2_3  八重は好んで洋装をしたようで、洋装姿の写真資料が多数残されていますが、再現にあたっては、1880年前後のヨーロッパの本や、京都服飾文化研究財団所有の実物を参考にされたとか。また生地は、復興の後押しをと、福島県産シルクを選ばれたそう。使われているは、川俣シルクで名高い斎栄織物の、適度なハリと玉虫のような光沢あるサテン地です。これにより後ろ腰のオーバースカートに想像していた以上の美しいドレープが生まれて、ドレスを一段と優美に仕上げることができたといいます。

 色は上品な赤ワイン色で、前パネルと襟、カフスの黒が、きりっとした表情を演出しています。どちらかというと、ヨーロッパ風というよりも当時のアメリカ的なバスル衣装という感覚があるのも、終生働く女性として活躍した八重らしいと思いました。
 
 すばらしい衣装の再現に拍手です!

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2013年8月 7日 (水)

「カラーハンティング展」色からはじめるデザイン

 21_21デザインサイトで開催中の「カラーハンティング展」を見に行ってきました。

 「カラーハンティング」とは、実際に存在する事物の色を観察し、その色と同じ色を絵の具で紙片に写し取る手法。「色をハントする」は、つまり色を採取すること、色を取る、採る、撮る、録る-----ことで、本展ディレクターの藤原大氏によれば、カメラも当然使っているそうです。但しあくまでも補助的に、です。というのもカメラのレンズはメーカーにより異なっていて各々特徴があるからで、このような違いにコントロールされないように、自分の主観を第一に、目で見たままの色を絵の具で出しているといいます。 
 
 色からはじめるデザイン、というように、本展では、ハンティングした色により導き出される創造の世界を、全19のプロジェクトで紹介しています。そのいくつかをピックアップしましょう。
 
 雪深い信州・霧ヶ峰で、採取した色を使ってつくったお雛様。
Cimg53811_5Cimg53831jpg_5    
 ライオンシューズ: 靴はアフリカのセレンゲティ国立公園のライオンの色。赤いテーブルはマサイ族の大地の色。赤いテーブルの上をライオンシューズが走る。シューズは天井のリモコンで動かされている。Cimg53101jpg_2
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Cimg539211_4  スカイダイアリー: 365日分の朝の空の色を採取したもの。


 


Cimg53341jpg   世界色遺産NO1 朱鷺: 41点の羽根は、佐渡でハンティングした朱鷺色。次世代に残したい色。


 
Cimg53941   いにしえの色 国家珍宝帳: これは正倉院におさめられている聖武天皇の遺愛の品のリストで、ここに記されている染織品から、緋や紫など20色の色の再現を試みたもの。


Cimg53931jpg_2  みずいろハンカチ: 日本各地の49種類の水を使って、同条件のもとでハンカチを染めたもの。青の色が異なるのは、染める際に使った水が違うから。ハンカチの色はそれぞれのローカルカラーを示している。

 カラーユニバーサルデザイン: 色覚異常の人は20人に1人というからかなり多い。タブレットを使って、色カードがどのように見えるかを体験する。見えている世界が、一つではないことに気づかされる。右は、これを説明する藤原大氏。
Cimg53641_2 Cimg531815jpg_3
Cimg53441jpg  動く色: 目盛りのない温度計にメモリ(記憶)を与える。温度計に触れると色のついた液体が動く。



 
Cimg54151  夏の音色: 江戸風鈴に付けられているのは、5色に染め分けたインディゴ染めと白の短冊。短冊が風を受け、音を生み出す。


Cimg53511  カラー・シューティング: 電気銃を放ち、壁に色を撃ち込んで、発色を楽しむゲーム

 
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  みんなが選んだ未来の色: 未来は何色? 来場者がたくさんのカラーシールの中から、未来の色を選んでパネルに貼るインスタレーションです。私は水色を選びました。後でわかったことですが、水色は、21_21デザインサイトのロゴの色でした。
  
  展覧会は10月6日まで開催されます。  

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2013年8月 6日 (火)

風鈴の涼やかな音色に誘われて

 東京のど真ん中のショッピングセンター、東京ミッドタウンで、恒例の「風鈴彩祭」が開かれています。Cimg54411pg
 西伊豆かも風鈴      瀬戸風鈴         江戸風鈴
Cimg54311_5 Cimg54371jpg_5  Cimg54291_4








  日本全国の産地から200種類約500個の風鈴が、ガレリア1階から3階に展示され、時折、協奏曲のようなBGMが流れてきます。これは風鈴演奏家「風音(日向 真)」氏の演奏によるものだそう。風鈴を、ガラス風鈴、陶磁器風鈴、金属風鈴など、オーケストラのように素材別に配置し、音を奏でる音楽です。涼やかな音色に、ひと時、癒されます。

 開催は18日まで。

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2013年8月 5日 (月)

「たんす鉱山」を掘り起こす和装リサイクルとリクチュール

 「たんす鉱山」とは、たんすの中に眠っている着物や帯を、価値ある鉱山に見立てた造語。最近よく聞かれるレアメタルなどの都市鉱山に倣った言い方です。先日、この言葉を「きもの業界のリサイクル事情」と題する和装リクチュールセミナー(NPO日本ファイバーリサイクル推進協会主催)でお聞きし、こういうところにもビジネスチャンスがあると、興味深く思ったことでした。Cimg51971_2
 セミナーの講師を務められた東京山喜の社長中村健一氏のご講演をまとめてみます。

 東京山喜は、1924年、京都創業の老舗呉服店で、1993年に社長に就任した同氏は、衰退産業とされていた和装業界で、きもののリサイクル事業に乗り出し、「たんす屋」を開発。1999年にその第1号店を船橋に出店して以来、全国にショップを展開。「たんす鉱山」を掘り起こし、和装リサイクルビジネスを成功に導きます。2001年には、第11回ニュービジネス大賞優秀賞を受賞するなど、今や、きもののリサイクルショップでは日本最大手「たんす屋」の総帥です。

 同氏によれば、日本全国のたんすの中には、着物と帯が各々4億点、その96%は女性ものが占めていて、金額にして約40兆円にも上るといいます。これは国家予算の半分に相当する莫大な額です。というのも、戦後に販売された着物や帯の金額は、総額45兆円で、その9割は、実はゴミとして燃やされず残存しているからです。

 同社は、25,000軒から50万点の和装品を購入し、これをすべて丸洗い・抗菌・消臭加工し再生させて販売していて、50万点の内、35万点は再度たんすの中に入るといいます。また扱う商品の1割が、胴裏などからみて戦前のものだそう。昔から女の魂が宿ると考えられているきものです。処分することはなかなかできないということでしょう。
 
 ところで、きもの市場ですが、昨今の和のブームもあって、再び動き始めているようです。その歴史をたどると、マーケットに火が付いたのは、1959年の皇太子ご成婚のときで、ピークを迎えたのは1975年、2兆円の市場規模に達した頃だったとか。これ以降、凋落の一途をたどり、2012年には3,000億円にまで縮小します。小売り以上に悲惨なのが、産地の疲弊で、これは地場産業全体に言えることですけれど、胸が痛みます。
 
 しかし同氏は、これから必ず日本へ回帰する時代がやってくるといいます。競争社会から共生社会への転換が起こり、それとともにきものの価値観が見直され、きものリクチュールが重要な概念になってくると述べられていました。
 
 リクチュールとは、リペア、リフォーム、リメイクの3Rをクリエイター達の手により、モノづくりに活かしていく活動。きものなら、羽織を名古屋帯にしたり、きものを長コートに仕立てたり。

 写真は、このセミナーの会場となった東京・中野の織田学園の学生によるリクチュールきものです。左は黒の5つ紋だったものだそう。
Cimg52011_4 Cimg52021jpg_4
 モデルも同学園の学生で、その美しい着物姿に魅せられました。日本女性はやはりきものが一番似合います。

 きものが好きで、着たいと思っている人がいる限り、きもの市場がなくなることはないでしょう。高級きもののレンタルやシェアリングサービスも伸びてくることでしょうし、またもっとフレキシブルにきものを着こなす日が訪れるのではないでしょうか。
 
 きものリクチュールに大きな未来を感じます。

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2013年8月 4日 (日)

龍の口竹灯籠―幻想的な夏の夜の風物詩

 昨夜、藤沢・片瀬の龍口寺境内は、竹灯籠が灯る幻想的な光景に包まれました。夏の夜の風物詩、「龍の口竹灯籠」です。
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Cimg54571_2    これは境川河口で行われていた灯篭流しに代わる行事で、今年で3年目になるのだそう。
 仁王門から五重塔まで3,000基の竹灯籠が、ところ狭しと並べられ、幽玄な夜を演出していました。青竹に暖かい黄色のロウソクの灯がゆらめく様子は、甘美で神秘的です。
 
 本堂では、思いがけなくもヴィオラとピアノの姉妹デュオ「マリエリカ」のライブを聴くことができました。こんな楽しい会を気軽に開く龍口寺、ここは、本当に地元に開かれたお寺です。
 二人の浴衣姿も可愛らしくて、彩りを添えていました。
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2013年8月 3日 (土)

ライフスタイル業態の求められる背景と本質

 ライフスタイルイノベーター(文化生活支援業)を経営理念に掲げるジュングループの代表取締役社長、佐々木進氏が「ライフスタイル業態の求められる背景と本質」をテーマに、JFW-IFFで講演されました。
 その注目のライフスタイルビジネスとは何かを、簡潔にまとめてみましょう。
 
 ライフスタイルがファッションビジネスに注目される背景として、一つは欧米型の成熟社会に入り、価値観が所有から使用へ変化したことがある。モノを持つだけではなく、モノが生活にどのように影響するかが重要になり、欧米風の質のよい生活、たとえば平日は都市で週末は郊外で過ごすダブルライフへの憧れも強まっている。
 二つにはリアル店舗の役割が変化していること。これにはネット通販の台頭とオーバーストアの二つの要因がある。実際ここ10年でアパレルの市場規模は1兆円減少したが、売り場面積は30%増えた。リアル店舗はモノを売るだけではなく、体験や発見の場所というプラスαの価値が必要になっている。
 
 これからのMDに求められるキーワードは、次の三つ、①ライフスタイル、生活そのものを提案する。②コラボレーション、異業種との協業が新しい価値を生む。③クラフトマンシップ、手工芸や歴史文化が大きな財産になる。
 そしてライフスタイルショップの本質は、スタイルである、といい、スタイルのある価値観を表現することが重要という。たとえばサーフやゴルフといったスポーツライフ、あるいはミュージックやアートライフ、またカリスマの生き方や価値観、さらにエコロジーへの視点に立つライフスタイルなど。モノにモノ以上の価値を与えるのがスタイルだと語る。
 
 マーケティングの対象となる人々も、今や、服飾に限らず食や建築、映画など、様々な分野に精通している。主役はいわゆるカルチャークリエイティブクラスと呼ばれる大人市場、しかも大人だからといって変に大人を意識しない、若者志向の人々が多い。
 こうした人々を相手に「ビオトープBIOTOP」や「メゾンキツネMaison KITSUNE」、「サタデーズサーフニューヨークSATURDAYS SURF NY」、「ボンジュールレコードbonjour records」を展開、つい最近も新感覚のウエディングブランド「ザ・サリーThe SURREY」を立ち上げるなどライフスタイルショップビジネスを成功させ、ビジネスを拡大しているジュングループ。

 写真は東京・白金プラチナストーリートにある緑の館、ビオトープ。アクネやステラ・マッカートニーなど、人気ブランドのコレクションがラインナップされている、アーバンリゾートを演出するショップ。 
Cimg52791 Cimg52821  
 
 最後に未来への考え方として「情熱と理性の両立」を挙げ、「理性からは何も生まれない、情熱が理性の上にある」ことをモットーに、仕事に取り組む姿勢を明らかに。
 今後、どのようなライフスタイル業態を提案されるのか、楽しみに見ています。

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2013年8月 2日 (金)

「あらいたて きもちいい!パンツ」重版出版

 今日、8月2日は「パンツの日」。「パン(8)ツ(2)」の語呂合せで、1984年に記念日に制定されました。パンツの日だからというわけではないのですが、2007年に私の監修で、刊行された図書、“ものづくり絵本シリーズ「あらいたて きもちいい!パンツ」”( チャイルド本社発行)が、この7月、重版出版されました。

 小さな子どもたちにとって、毎日はいているパンツがどうやってつくられているのか、原料から製品になるまでを、わかりやく解説してあります。
 普段何気なく身につけているパンツですが、植物の種子がつくり出す白いやわらかい丈夫な繊維、もめんからできていることを、子どもたちに知らせたい、そんな思いからできあがった絵本です。イラストレーター、ささき みおさんのふんわりとやさしい絵が、コットンにぴったりです。 
1106299962_3
    中島妙/ぶん ささきみお/え 柳原美紗子/監修 600円

 本を編集していただき、重版でまたしても大変お世話になりましたアルバの清家和美さん、本当にありがとうございました。      

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2013年8月 1日 (木)

パリPV の2014/15秋冬ファッション予測

 パリの服地見本市、プルミエールヴィジョン(PV) 9月展に向けて、2014/15秋冬ファッション予測が発表されています。PV日本事務所から届いた情報をまとめます。

○シーズンのエスプリ
・未来を浮き彫りにするシーズン。
・適度なふくらみ感のある素材を中心に、目新しい素材感を楽しむシーズン。
・しなやかなラインや丸みをつける、3D(凹凸をつけた立体的)効果のある素材が浮上する。
・テクノロジー(最先端技術)とクラフトマンシップ(手工芸)、ナチュラル(自然)とケミカル(人工)の融合が重要で、控えめさとともに大胆さを、またニュートラルにブライトな明るさを灯す。

○シーズンのカラー
 滋養たっぷりなカラー、語りかけるようなカラーで彩られる。
・ダークカラー:どっしりした感覚のダークで、人工的な艶できらめく。マグマの奥底、鉛の鈍い光沢、沈黙のやさしさ、分厚い氷を表す色。
・ライトカラー:明度が高いカラーは、やわらかさや、あるいは濃厚な温かさに満ち溢れ、癒し効果を発揮したり、光沢のようにちりばめられたり。重要な脇役となる。
・インパクトの強いカラー:ミニマリズムの平穏を吹き飛ばすカラーで、互いにぶつかり合い、砕け、エネルギッシュなリズムをつくり出す。

*レディス カラーハーモニー
・華麗なる不協和音(メリハリの効いたシルエット、堂々としたパターン)
・荒削り/人工的なデザイン(素材感のあるテキスタイル、シンプルなビジュアルと非常に凝った感触の組み合わせ)
・混沌とした多色使い

*メンズ カラーハーモニー
・陰のあるシック(高級テーラード)
・まじめすぎない(シャツやパンツに装飾的なタッチを)
・心地良いダンディ(ウールとコットンのミックス、気取らないエレガンス)

*カジュアル カラーハーモニー
・ノーブルな冬のフルーティーなカラーハーモニー(ファンタジーを加味したカジュアル)
・濃密な陰影(色を残した洗い加工、パティナ加工)

*アクティブスポーツ
・ケミカルな光沢(スポーティーなエレガンス)
・アンチ迷彩(マルチカラーのアウトドア)

○シーズンのファブリック
(1)MANIPULATING all in voluminous matter (素材のボリュームを生かしながら操作する)
Pvaw1415manipulerimagepresse2_1_c_2・素材を深く掘り下げ、テクノロジーと感性を組み合わせる。
・クラフトとデジタル、一点ものと量産もの融合。
・あたかも彫像を作るように、石の塊を彫り出すかのように、粘土をこねるかのように、鋳型に流し込むかのように、作りこんだシルエット。
・素材も柄も異なるアイテムをコーディネートし、丸みと密度のあるボリュームを造形する。
・ファンタジーを増殖させ、シルエットやプロポーションにエスプリの効いたひねりを加える。

*現代的な手作り感
*彫刻風のテクスチャー
*架空の生物のモチーフ、毛皮、鱗
*特異な仕上げ加工
*日常のファンタジー
*膨張した丸み

(2)TRANSITIONS  from volume… to line (ボリュームからラインへの移行)。
Pvaw1415imagepressetransition_1_col・ファッションは光沢やミックスに磨きをかける、移行のシーズン。
・現実的なものと空想的なもの、どっしりとしたボリュームのあるものと細く長い線、レディスのコードとメンズのコード、真面目さとファンタジーといった対照的なもの同士の組み合わせ。

*表と裏の違い
・ほぼモノクロで、微妙に違う裏と表:天然と合繊、滑らかと起伏、無地と無地風の柄物、半マットと半光沢
・縫い合わせ、接着、ニードルパンチング
・両面プリント

(3)STRUCTURING all in agile lines (軽快な線で構築する)
Pvaw1415structurerimagepresse3_1_co・生き生きとしたエレガンスの輪郭を熟練のタッチで描く。
・無味乾燥ではない感性豊かな正確さを追求する。
・肩の力を抜いて、一本のシンプルな線構成で、もしくは、無駄のない、自信にあふれたタッチで描く。
・窮屈な思いをさせることなく、身体を美しく見せるテキスタイル。
・前例のない新機能を実験的に試す。
・しなやかさ、滑らかさ、伸縮性、やわらかさを再定義する。

*構築されたしなやかさ
*マカダム式舗装の光沢
*心をかき乱す混沌
*大見得を切る大胆さ

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