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2013年7月

2013年7月31日 (水)

「座骨で座る」は禅に通じる疲れない座り方だった!

 背もたれまで深く腰掛け「座骨で座る」と疲れない。これはうらら会主催のセミナー「あなたがもっと輝くためのココロとカラダの調え方」で、働く人の健康づくりアドバイザー、講師の樋口毅さんから伺ったこと。この「座骨」という言い方が、ずばり「ほね」を意識させ、これ以来、椅子に座ると、この言葉を注意するようになりました。こうすると確かに脚を組むことができなくて、きちんと座っていられるようです。
 
 先日、禅寺で講義があったときも、「腰を立てて座る」と言われ、これは「座骨で座る」と同じことと気づきました。「座る」のにも、いろいろな言い回しがあります。
 
 呼吸についても、「吐く息をゆっくりと15秒かけて吐くように」とのことで、樋口さん(写真)も、同様に「呼吸は1分間に4回くらいがもっともよい」といいます。
Img_18661  
 そしてこの姿勢と呼吸法は、禅の「三調」、すなわち「調身、調息、調心」に由来することを知りました。「調身」は姿勢、「調息」は呼吸で、この二つが調えば、おのずと「調心」、心が調うというわけです。
 
 「座骨で座って、ゆっくりと吐く」は、まさに禅の教えでした。日々心したいものです。

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2013年7月30日 (火)

デジタルプリントで変わるアパレルのモノづくり

 ここ数年、プリントの伸びが目覚ましい。従来なら不可能とあきらめていたリピートなしの巨大なパネル柄や、プリントなのに本物の毛皮か、はたまた杉綾などの織物かと見紛う立体的でリアルな柄、繊細な濃淡を見せるグラデーション(ぼかし柄))などが登場して、新しいトレンドを生み出しているのです。
 これを可能にしているのが、インクジェット機を使ってデータを布地に出力するデジタルプリントです。

Cimg51211  先般、JFW-IFFで、「トレンドをつくるデジタルプリントその可能性」と題したセミナーが行われ、テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さん、コニカミノルタ執行役インクジェット事業部長の大野彰得さん、セイコーエプソンインダストリアルソリューションズ事業部副事業部長北原強さんが登壇し、デジタルプリントの現状や活用に向けた課題などが議論されました。
 
 これによると、デジタルプリントがもっとも進んでいるのはイタリアで、今から15年ほど前にコモ湖周辺で始まったといいます。業績が落ち込んでいたプリントビジネスは、これにより復活し、次第に裾野を広げていきます。当初はシルクの最高級ブランド向けが主体でしたが、ZARAやH&Mなどのファストファッションに拡大し、今やデジタル化率は30%、素材もコットンが多くなり、現在はコットン55%、シルク35%になっているといいます。
 デジタルプリントは、トルコや南米、中国など新興国も盛んに導入していますが、世界全体でみれば、プリント生産のまだ0.5%でしかなく、この10年で10%ぐらいになるのではないかとのことです。 
 
 では日本ではどうか、というと、梶原さんは、技術の進歩は認めるものの、いくつかの問題点を指摘されています。たとえば「イタリアに比べると、美しさや鮮やかさが劣る、またプリント下地のバリエーションが乏しく、限られた素材にしかプリントができない、風合いが硬くなる」。さらに「染料の浸透が十分ではないため、裏が白っぽい。色合わせも難しく、漆黒の黒がなかなか出せない」といったことを挙げられていました。
 大野さんと北原さんは、「インクジェットプリンターの性能は、発色性など、最近は見違えるほど改善されてきている。しかしそれだけではパーフェクトではなくて、前処理や後処理も重要な作業。イタリアでは産学官が連携し合ってノーハウを蓄積し、新人技術者を育成するシステムがある」。またコモ地区には最新トレンド情報が真っ先に入ってくる土壌があり、「プリントのデザイン力が高い」とも。
 
 どうやら日本は、イタリアよりもデジタルプリント後進国になっている様子です。元来デジタル好きな日本人なのですから、梶原さんがおっしゃっているように、デジタルを扱うプリントデザイナーを養成し、その地位を確立していかないとクリエーションも育たないと、強く思います。
 
 デジタルなら短納期、小ロット、フルカラーが可能でスクリーンよりも高精細、しかも水やエネルギー使用が大幅に抑えられて環境にもやさしい。これぞ未来の染色法です。

 写真は会場で見せていただいたサンプルの一部です。
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3D(立体的)に見えるプリント    写真のようにリアルなプリント

 今後アパレルのモノづくりそのものを変えてしまうインパクトがあると言われるデジタルプリント。そのさらなるブラッシュアップが期待されます。

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2013年7月29日 (月)

「GRUB」サマーリゾートライフをテーマに合同展

 多様なカテゴリーのファッションをクロスオーバーさせ、リアルなファッションシーンを発信する、新しいライフスタイル型ビジネスが登場しています。
 その一つが、「グラブGRUB」で、合同展開催やポップアップショップなどの売り場づくりを提案しています。GRUBとは、「掴む」の意味の「grab」と 「摩擦する」の「rub」の語を合体、様々なジャンルのブランドが、摩擦し合うことにより、新しいユーザーをつかむ意図を込めた造語です。
 
 JFW-IFFでは、サマーリゾートライフをテーマに、メンズやレディスカジュアルウェア、アクセサリー雑貨など、8社のブランドが集結。サーフボードなど、陽気なトロピカルムードいっぱいの展示風景が展開されていました。
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F10000051 ここに出展した8社のうちの一つ、プードゥドゥ POU DOU DOUのコーナーでは、その場で好きな柄のショートパンツをミシンでつくるサービスもあって、楽しい!

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2013年7月28日 (日)

ホンモノの木が薫る玩具で心豊かに

 ホンモノの木に触れる機会が、めっきり少なくなり、木の薫りを知らない子どもが増えています。そこで注目されているのが、木製の玩具です。

 無垢材の持つ温かみ、優しい手触り、心地よい香りは、高齢シニアには懐かしい感覚ですし、子どもたちにはそうした自然が醸し出す豊かな心を育んでいってほしいもの。孫がかわいいマゴジイ(孫爺)に、孫へのギフトとしてお奨めですし、また手指のリハビリにも役立つ、大人の玩具でもあります。
 
 JFW-IFFのNIPPON MONO ICCHIでも、こうした木の玩具を提案している企業が出展していましたのでご紹介します。
 
木の里工房木薫 (モックン)
 岡山県西粟倉村で、スギやヒノキの間伐材を利用して保育用家具や木製湯具をつくっている工房で、「森から子供の笑顔まで」をコンセプトに、積み木「もくもく」を発表。塗料は一切使っていないので、口に入れても大丈夫ですし、手作業でブロックの角を一つ一つ丸く面を取り仕上げてあり、サイズも4.5cmと少し大きめで握りやすい。意外な形をつくって楽しめそうです。

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○ニューテックシンセイ 
 山形県米沢市で、木工製品をつくっている企業で、森の樹木を使って、自然の恩恵をたっぷり詰め込んだ木のブロック「モクロック」を提案しています。木の温もりやフィトンチッドの香りが安心感を与え、木目が美しい、組み立てブロックです。
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2013年7月27日 (土)

伝統染織を受け継ぐ新しいモノづくり

 日本にはまだまだ伝統染織が、消滅することなく存続し、しかもそれを受け継ぐだけではなく、新商品を開発しようと、新しい意欲に燃えているブランドがたくさんあります。JFW-IFFのNIPPON MONO ICCHIで目立っていた展示企業をご紹介します。

 
山勝染工
Cimg51481jpg  名古屋に伝わる伝統的染技法「名古屋黒紋付染」を活用し、新しいモノづくりに挑戦している企業で、この商品開発・情報発信事業部を担っているのが中村商店です。

 
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  その一押しのストールが展示されています。
 小紋柄とほかし染めを組み合わせた大判のストールで、お値段は15,000円くらい。

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 写真は同社中村剛大さん。着物姿が魅力的。もちろん首にぱこのストールを巻いて登場です。

四季彩堂
 静岡県浜松市が本拠の、和の生活雑貨店で、このほど「遠州綿紬」を使った和雑貨のブランド「くるり」を開発しました。
 「遠州綿紬」は、縞柄の綿織物で、江戸時代から庶民の生活着として愛され暮らしの中に根付いてきたもの。
 売れ筋は、ペットボトルケース(1,260円~)やおむすび型のポーチ(2,100円)だそう。
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2013年7月26日 (金)

宮古島のアロエで「うる肌素肌」

 アロエは万病の薬と言われ、一家に一鉢、育てている家は多いでしょう。私のところにもいくつかあるのですが、それは皆キダチアロエで、生薬として用いられているのは、実はアロエベラです。ヨーグルトなどに入っているのもアロエベラの方です。

 熱帯の乾燥地帯で育つ多肉植物、アロエベラは、キダチアロエよりも葉がずっと大きくて太いのが特徴。古の世から、クレオパトラも愛用していたといわれる保湿の王様です。

Cimg51341_2  日本では沖縄県宮古島でしか栽培されていないそうで、このほどJFW-IFFのNIPPON MONO ICCHIで、この葉を100%使用した化粧品、保湿ジェル「うる肌素肌」(ユーティ化粧品)が展示されているのを発見。


Cimg51361_2  この「うる肌素肌」は、保湿化粧成分のアロエベラ葉水を98%使用し、水を一切使っていないとか。どろりとしたジェリー状の透明な物質は、見た目もアロエそのもの、自然そのまんまという感じで、早速試してみますと確かにしっとりとします。しかもさわやか。
 コラーゲンの再生にも働きかけるので、若々しい肌に導く効果もあるそうです。
 健康にもよさそう。また一つよいことを知った思いです。

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2013年7月25日 (木)

「螺鈿ガラス」万華鏡のように輝く虹色の神秘

Cimg51621jpg  水を注ぐと、周りのガラスに反射して、煌めく装飾が万華鏡のように浮き上がる、不思議なグラスを、JFW-IFFのNIPPON MONO ICCHIで見つけました。NIPPON MONO ICCHIとは、日本各地のすぐれたモノを紹介するエリアで、中小機構が支援しています。
 
 これは出展企業21社の一つ、漆工芸で有名な富山県高岡市の天野漆器の「螺鈿(らでん)ガラス」です。クリスタル製の杯の底に螺鈿を貼り、漆を塗り重ねた装飾技法で、すべて手作業で、丁寧にコツコツと時間をかけて仕上げられています。螺鈿の「螺」とは「あわびなどの貝」を指し、「鈿」は「ちりばめる」の意味があるといいます。

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 万華鏡のような虹色の輝き      


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 富士山が現れる神秘的なグラス


 
 織物では、螺鈿織というものがあり、以前から貝細工の美しさに興味を持っていましたが、この螺鈿ガラスのガラスを通した虹色の輝き、漆の温もりは、また格別の美しさです。 
 
 まさに世界に冠たる伝統工芸品。すばらしい職人技が継承されている日本を、誇らしく思ったことでした。

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2013年7月24日 (水)

「ダブレット」アートな日常着が楽しめる新進ブランド

 「ダブレットDoublet」を手掛けるのは、2013新人デザイナーファッション大賞プロ部門支援デザイナーに選出された伊野将之さん。今回のJFW-IFFでは、同賞エリアに、このブログの7月14日付けにも掲載した森川拓野さんの「タークTaaKK」とともに、招待出展されていました。 

 両ブランドとも、オリジナルな素材技法が特徴で、伊野将之さんの新作も、実に手が込んでいて、イノベイティブ(革新的)です。

Cimg51911 Cimg51921   写真上はジャカード織で織りを反転させた素材使いによるロングジャケットです。ウールの杉綾(グレー)からコットンの綾織(黒)へ、織り方が変化していきます。
 
F10000111  左は表面にオーガンジーを重ねたキルティングのブルゾン。

 ところで「ダブレット」とは、「言葉を1度に1字ずつ変えて、最も少ない回数で2つ目の語にすることを競うゲーム」のこと。ブランドコンセプトも、このゲームのように、「スカート地をメンズジャケットに用いるなど、普段見慣れたアイテムを異質なアイディアで置き換えていくこと」だそう。

 他にはない、思いがけない組み合わせが斬新な、アートなデザイン。しかもそれでいて、日常着として楽しめる、洗練された大人のコレクションを見せる「ダブレット」。そのすばらしい才能に拍手です。

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2013年7月23日 (火)

“旅”する婦人服ブランド 「ロジエ」

 多くの調査結果で、お金をかけたいことの第一位は旅行です。それなのに、旅をするときに着たい服、持っていきたい服となると、なかなか出てこなくて、迷うことしばしば。

 旅行着といっても、非日常的なイメージではなく、長い旅であれば実用的でコンパクトな汎用性のあるワードローブが求められます。そう思いながらJFW-IFFで見つけたのが、今回初出展していたインブリード社の「ロジエ ROSIER」というブランドです。

  コンセプトは「旅するワードローブ」。少ない枚数でオンとオフのTPOをカバーし多様な着こなしができること、長時間シートに座っていても疲れにくく着心地がよいこと、ホテルでの洗濯などのケアがしやすいことなど、旅での移動に要求される要素をすべて考慮してデザインされているといいます。
 カットソーが中心で、キーワードは、着心地、着回し、イージーケア。軽い、気持ちのいい質感の素材を使い、カラーや異素材のバランスのよい組み合わせが特徴。なので、様々なコーディネイトが楽しめます。

   製品は洗い加工されたものが多く、縮みを気にせず、家庭で繰り返し洗えることもポイントとか。「服は、新品そのものよりも、日々の中でその服がその人なりに体に馴染んだものになったときが最上の状態」といいます。コレクションにどこかヴィンテージ感覚が漂うのは、このためでしょう。
   
   今秋冬のテーマは「北欧」で、写真はブースでの展示風景です。ウールジャージーをワンウオッシュして縮ませた感じの素材がたくさん見られます。
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  また大人の女性、すなわち30代~40代女性をターゲットにした「リアルリュクス」のファッションショーにも参加。「アメリカ西海岸やハワイ」をテーマに、来春夏ものを発表し、大人のリゾートムードを演出していました。写真は、サテンとニット地を切り替えたドレス。

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2013年7月22日 (月)

日本の伝統美を現代感覚で蘇らせるYUMI YUZEN

 JFW-IFFのブライダルゾーンで、ひときわ人目を惹いていたのが、YUMI KATSURA(桂由美)のYUMI YUZEN(由美友禅)のドレス。
 
 これはブライダルファッションデザイナーの桂由美氏が、着物の衰退で、失われつつある友禅染めの技術を残そうと企画された友禅染めで、ドレスデザインを担当しているのは、昨年来からクリエイティブチームに加わったというカリスマ的デザイナー、岩谷俊和氏。

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 ここでは長寿のシンボルである丹頂鶴など、友禅らしい花鳥風月のモチーフが、グラフィカルな表現で見事にアート化され、グラマラスなドレス作品に仕上げられています。
 日本の伝統美を大胆な現代感覚で蘇らせる手腕はさすが、と感嘆させられました。

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2013年7月21日 (日)

3Dプリンターがいよいよスタート!

 今、話題の3Dプリンターが、日本最大のファッション展示会「JFW インターナショナル・ファッション・フェア」に登場しました。

Cimg51681jpg  この夢のマシンを操るのは、第七創個のデジタルクリエイター集団「マッドスネイルMUDSNAIL」です。フルカラー石膏3Dプリンターを設置し、3Dスキャナーを備えて、残像が重なるボタンなどのファッションアイテムを制作する実演が行われ、従来では考えられないようなデザインが具現化できることを、アピールしました。
 
 ブース内では、同社が手がけたアンリアレイジのコレクションや家具などが展示されました。

Cimg51781jpg   この段差をつけた什器は、時間の経過とともに動く、一瞬ごとの変化を、形として表現した作品。2012/13秋冬アンリアレイジの「TIME」をテーマにしたコレクションから。



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 2011/12秋冬コレクションで、とくに人気が高かったLOW PIXEL(低解像度)モチーフのパンプス。



Cimg51751jpg_3  2010/11秋冬のコレクションから、縦横比率を変形させたマネキン。「定規を変えない限り新しい洋服は生まれない」の思いが生んだ衝撃的な作品でした。 



 3Dプリンターは、デザインの可能性が広がる最新技術とあって、ファッションデザイナーの関心が高まっています。今年1月のパリ・オートクチュールコレクションでは、Iris Van Hopenというブランドが、3Dプリンターで作製したドレスを発表して、脚光を浴びました。
 
 型が不要であることや、細かなデザイン変更に柔軟に対応できるといった点で、ファッション分野ではとくに3Dプリンターの利点が活かせるように思われます。
 
 3Dプリンターの活用は今、始まったばかりです。今後ますます需要が増え、身近な存在になっていくことでしょう。

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2013年7月20日 (土)

日本の原点、文化力が問われている

1  「原点に返る」とは、激変する現代にあって「変わらない本質」のこと。
 最近この言葉がよく使われるのは、日本のモノづくりがどこか方向性を見失っているからではないかと、「今こそ問われる日本の文化力」と題した拙文を、「COTTON PROMOTIONコットンプロモーション」紙に書きました。
 このほど発行されたsummer号に掲載されましたので、ここにご紹介します。

 画像はクリックで拡大します。

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2013年7月19日 (金)

インディゴ・モード9月展―空間演出は「詩情あふれる機械仕掛け」

Iny33influences_1_colonne_mode1_2  この9月17~19日に開催されるプルミエール・ヴィジョン・プリュリエルの中で、もう一つ、注目すべき見本市が、インディゴ・モード。これはファッションテキスタイルデザインの世界ではトップを走る国際見本市で、プリントや刺繍やジャカードのデザイン、テキスタイルテクノロジーのミックスやポイント使いモチーフなど、様々なアイデアが披露されます。

 今期は出展社数が初めて200を超えたと報じられ、関心の高さがうかがえます。背景には、革新的なプリントや創造的なアイデアで差異化を求めるニーズがあるからでしょう。
 
Indigo3_1_colonne_mode  2014/15秋冬に向けて、左の写真のような空間演出が発表されています。テーマは、「詩情あふれる機械仕掛け」で、主役は、風変わりな機械装置、歯車機構、空想的なオブジェ。不思議な熱気球が浮かぶ下、3つの機械で構成された装置が動くアートなインスタレーションです。
 
Teaserinfluencesaw1415en2_2_colonne  ここで焦点となってくるのは、クリエーションのプロセス。たとえばデジタルプリントやシルクスクリーンプリント、切り抜き細工、コラージュ、ペインティング等々です。
 職人的、創造的、空想的、詩的な仕掛けへの回帰が強く意識されるシーズンが予想されているのですね。
 インディゴ・モード、そのインフルエンス(影響力)にますます目が離せません

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2013年7月18日 (木)

モーダモン9月展―“チェンジ”がキーワード

Modamont2013signaturedemail400x802f  プルミエール・ヴィジョン・プリュリエルの中にある、モーダモンMODAMONTは、服飾資材・付属品の見本市です。プレスコミュニケによると、この9月展では、PVに隣接するホール4へ引っ越しとなり、PVと同じ入場システムとなるなど、大きく“チェンジ”されます。

 この大刷新にもかかわらず、出展社数は新記録の317社だそう。日本からは8社が出展し、うち2社、日東ボタンと合成パールのTHE PEARL LAB が新規出展です。
 
 2014/15秋冬の主要トレンドは、大きく次の3つのテーマで構成されています。
① ARCANE BLACK(不可解なブラック) 黒とゴールドの光 
② METAPHYSICS OF LIGHTNESS(超軽量)  ナチュラル&シンプル 
③ EXQUISITE COLLAGES(絶妙なコラージュ)  コラージュやだまし絵のスタイリング

 この他に特定マーケットに注目するフォーラム、メンズマーケットにフォーカスするスペースや、“バッグ&シューズ”、コスチュームジュエリーの “ジュエル・ケース”など、盛りだくさん。
 
 またもう一つ、注目のイベントが、テクノロジーと熱接着をテーマとするボンド=イン展(企画:ダイローン・スタジオ)。「縫う」から「貼り合わせる」へ、さらなる進化が期待されます。

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2013年7月17日 (水)

エクスポフィル9月展―早くも2015春夏向けトレンド発表

Aw1415forum_1_colonne_mode  エクスポフィルは、プルミエール・ヴィジョン・プリュリエルの中にある、ヤーンとファイバーの見本市。この9月展の概要が発表されています。
 
 出展社数はこれまでのところ、49社で、集約化が進む産業であることを反映するかのように、前年同期比2社減少となっています。日本からは2社、三菱レイヨンと東洋紡が参加するとのこと。東洋紡は初出展で、アクリルファイバーを中心に展開される模様です。
 
 ヤーンとファイバーは、あらゆるテキスタイルクリエーションの最初の出発点です。シーズンの新しいテキスタイルの創出は、オリジナルな糸づくりから始まりますから、エクスポフィルが出すトレンド情報は大変重要です。
 9月展に向けて、エクスポフィルでは早くも2015春夏を探るヒントと方向性を提示しています。プレスリリースからご紹介しましょう。
 
 2015春夏テーマは、軽快でしなやかな加工、これまでにない感触と機能性がもたらすエレガンスとエネルギー、グラフィカルな拍動するカラー、そしてイノベーション。
○動き:シェイプ効果のあるヤーン、テクスチャード加工ヤーン、ナチュラルな伸縮性を持つ細い糸、もしくは極細ヤーンは延び、ねじれ、素材をブレンドする。
○無重力の軽さ:ヤーンは細さ、太さ、透明感、テクスチャーと軽々と戯れる。
○しなやかさ:ヤーンはエレガントにリラックスし、控え目であると同時におおらかとなり、グラフィカルなエフェクト、波打つ表面、密度の変化と不規則性をもたらす。

 エクスポフィルは、テキスタイル業界でもっとも川上寄りに位置し、有力素材メーカーが数多く出展しています。
 アメリカ綿の国際振興団体であるCCI国際綿花評議会とコットンインコーポレイテッド、それにスーピマ綿協会も、長年にわたり、ブースを開設していて、今季もまた、お馴染みの顔ぶれが集まります。私にとっては一番気軽に立ち寄れる場所で、楽しみです。

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2013年7月16日 (火)

プルミエールヴィジョン9月展-ファッョン情報への新しいアプローチ

2_2  パリのプルミエールヴィジョン(PV)9月展の概要が、このほど発表されました。
 
 これによると、従来のファッションフォーラムが見直され、来場者に、より効率的に分かりやすいアプローチで、精度の高い情報提供を行えるように、次のように改編されるとのことです。 

 インスピレーションスペースとして、これまでのジェネラル・フォーラムを進化させた「ル・フォーラム」を開設。製品用途別の「トップス&シャツ」と「アウター&オーバー」の2つのスペースも設けられます。また専門分野に特化した専門フォーラム、「イブニングフォーカス」、「テックフォーカス」、「ニットウェアフォーカス」を設置。ファッション性とデザインスタイルに焦点を当てた素材の専用のフォーラム、「スタイルフォーカス」、さらにデニムのエリアには「ウオッシュ&ダイ」も新設されます。逆になくなるのは、「アクチュアリザシォン」と「スペシャル・デルニエール」で、これはネット上での対応になるといいます。  

 PVは、世界最高峰のテキスタイル見本市であると同時に、最新のファッショントレンド情報の発信装置でもあります。時代の流れに合わせた、この再編劇は、すべてに大歓迎されるのではないでしょうか。
 
 なお、出展社数は現在、766社で、前年同期比3%増。そのうち32社が日本からの出展です。日本企業の数は前年と同じですが、今期再び開催されるPVアワードでの受賞が期待されます。ちなみに審査委員長は、ベルルッティのアーティスティックディレクター、イタリア人のアレッサンドリ・サルトリ氏。
 
 PVで実際にどんな変化が待っているのか、今からわくわくしています。

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2013年7月15日 (月)

もうひまわりが満開とは!

 「太陽の花」、ひまわりが早くも満開、と聞いて、三浦半島の長井海の手公園「それいゆの丘」に行ってきました。20130714174430imgp00461 でもここはまだ咲いていなくて、写真は、途中のひまわり畑で撮ったもの。広い畑では、数えきれないくらいたくさんの、ひまわりが咲き誇っていました。
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2013年7月14日 (日)

「JAFIC プラットフォーム」オリジナリティは素材から

 今回の「JAFIC プラットフォーム」で注目されたのが、テキスタイルに特徴のあるブランドです。「オリジナリティを追求するには、素材開発から」と、素材からつくり込むデザイナーが多くなっているのです。
 たまたま出会って気になったブランドを、いくつかご紹介します。

○COROMO BY DECO SUGAI コロモ バイ デコ スガイ
Cimg48241jpg  ブランドを手掛けるのはデザイナーの菅井英子さん。和の伝統を軸に、コレクションを展開。
 今回は、とくに京都の友禅染めに見られるモチーフをプリントで表現したジーンズウェアを提案されています。洗練された大人カジュアルが目を惹きます。

TaaKK ターク
デザイナーの森川拓野さんは、「イッセイミヤケ」の企画デザインを担当されていて、独立。ブランドを立ち上げて、まだ1年という若いデザイナーです。
 ニードルパンチ使いで奥行きのあるグラデーションを表現したり、ボンディング・オパール加工で、マドラスチェックに細かいスラッシュのような装飾を施したり(右下の写真)。ベーシックな素材を巧みなテクニックでアップデートしたワードローブに魅せられます。
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○WaCCa ワッカ
Cimg48371jpg  デザイナーは北海道出身の太田みぎわさん。「WaCCa」とは、アイヌ語で「聖水」の意味とのことで、水をイメージしたクリエーションを大切にしているそうです。
 スタートして2年目となる今秋冬は、メンズライクな雰囲気を主調に、トルコのANTEKS社から仕入れたペーズリーやストライプの高密度綿織物使いのアイテムを発表されています。

Ventriloquistヴェントリロクィスト
「Ventriloquist(ヴェントリロクィスト)」、つまり「腹話術師」の名称を持つブランドを手掛けるのは、根本貴史さんと伊藤理恵子さんのデュオ。
   ベビーアルパカ入りのラフなニットや、チェックにグラデーションのインディゴ染め、レースのボンディングなど、こだわりのオリジナルアイテムが並びます。
 どこか懐かしいガマ口型のバッグも影のヒット商品とか。
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Motohiro Tanji モトヒロ タンジ
Cimg48301jpg  立体的な動きのある編み込み模様のニットを見せる丹治基浩さん。英国で学んだ俊才で、ブランドを立ち上げて、3シーズン目とか。
 コンピューターや家庭用編機を駆使した個性的なデザインが光っています。

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2013年7月13日 (土)

「JAFIC プラットフォーム」デザイナーとアパレル交流の場に産地も初参加 

 第3回「JAFIC プラットフォーム」が、5日、東京・代官山で開催されました。約400人もの業界関係者を集めて、盛会裏に終了したといいます。

Cimg47661jpg  これは、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)が2011年にスタートさせた合同展。新興クリエーション企業とアパレル企業の交流の場として、両者が顔を合わせることで、新しいビジネスモデルを創出することが目的です。

Cimg47651  クリエイターからは、39ブランドが出展し、ブースを構えて、にぎわいました。
 
 



 そのうち27ブランドが、モデルを使って、ショーを披露。最新コレクションから選り抜きの力作を発表しました。その一部をご紹介します。

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    MOLFIC       COROMO BY DECO SUGAI     ATSUSHI NAKASHIMA

Cimg48171pg  また今回、新しい動きとして繊維産地の尾州産地と石川産地のメーカーが初参加しました。これによりデザイナーとアパレル、産地メーカーの3者が、一堂に会す場がつくられたことになります。
 オリジナリティを追求するため、生地メーカーとの協業を期待するデザイナーと、デザイナーとの意見交換で、素材開発を進めたい産地メーカーの思惑が、本展を通じて、うまくマッチングできたのではないか、と思います。成果は徐々に上がっているようです。
 
 次のステップでは、小売りまでを含めた垂直連携への取り組みとか。次回もますます楽しみです。

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2013年7月12日 (金)

「女性靴職人展」で女性靴職人が皮革製品のケアに革命

 女性の靴職人10人の小さな合同展「女性靴職人展」が、日本皮革産業連合会のショールーム東京・銀座の「TIME&EFFORT」で、今日から21日まで行われています。

Cimg50251  靴職人といえば男性ばかりと思っていましたが、この分野にも若い女性たちが進出し、活躍しています。

 その一人が、野田満里子さん。浅草で靴工房「ZAPATEOサパテオ」を主宰する靴デザイナーです。ご出身はメキシコとのことで、サパテオとは、スペイン語で「ステップ・靴音」の意味だそう。

Cimg50201  暖かい陽光を感じさせるカラー切り替えやステッチがシックでおしゃれ感があります。
 すべて手作りのオーダー靴なので、お値段は10万円以上するとのことですが、靴が足に合わないという悩みを解決するには、これしかありません。でもセミオーダーなら4万円くらいからあるとのこと。

Cimg50221jpg  また皮靴や革のバッグなど、皮革製品のケアに欠かせないクリームも開発されています。これは「従来の皮革ケアに革命を起こしたい」の思いで取り組まれたもので、ご自分のクリスチャンネーム「マリア」から「マリアクレマMARIACREMA」の名称で販売されています。

 特徴は、手でも塗れて、もちろんハンドクリームとしても使えること。靴用なのでブラシで塗るものと思い込んでいる、その常識を破る商品です。原材料は、全て肌についても安心な天然のもの、メキシコ産のホホバオイルやアボカドオイル、ミツバチの巣から採った蜜?の固形ワックスなどが使われていて、柑橘系の爽やかな香りがします。だからバッグを持ったとき、服にその匂いや油が移っても気になりません。防かびや撥水効果、ひび割れ防止も万全です。

 とかく手入れが難しい皮革ですが、これなら気持ちよく簡単にケアできそう。スエードやヌバック、起毛にも対応し、木家具にも使えるといいます。私も小さな容器を購入してしまいました。

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2013年7月11日 (木)

プーシキン美術館展 ロシアが憧れたフランス絵画300年

 プーシキン美術館展が今、横浜美術館で開催されています。初日6日の夜間特別鑑賞会に行ってきました。 

Cimg49191  本展は実に2年越しの開催です。というのも2011年4月に行われる予定だったのが、東日本大震災の余波で、突如見送られることになったからです。今回はオープンを待ちわびるファンで、200数十人もの長い行列ができたとのことでした。

 ところでプーシキン美術館は、ザンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館と並ぶロシアの双璧を成す美術館です。1912年にモスクワ大学付属美術館として開館し、ロシア革命でモスクワ美術館と改称され、さらに1937年に文豪プーシキンの没後100年を記念して、現在の名称に改められました。
 収蔵品は約65万点、とくにフランス絵画の蒐集では世界有数を誇るといわれています。帝政ロシアの王侯貴族、とくに女帝エカテリーナ2世がフランス文化に憧れて巨費を投じて購入した名品や、19世紀から20世紀初頭に活躍したモロゾフやシチューキンら新興コレクターのコレクションなど、選りすぐりの66点が出品されていて、そのうち47点は日本初公開だそう。

Cimg49741  俳優水谷豊さんの語りによる音声ガイドをお借りし、第一章から第四章まで、フランス絵画300年の歴史をたどりました。ため息の出るような名画ぞろいの中で、とくに気になったものをいくつかご紹介します。

Cimg49321  第一章17~18世紀-古典主義、ロココ。まずニコラ・プッサンの「アモリ人を打ち破るヨシュア」。カナン征服の殺戮の場面を、ピラミッド型の構図に中におさめた古典主義の名品に出会い、次いでロココでは、フランソワ・ブーシェのローマ神話の官能的な世界を描いた「ユピテルとカリスト」など。 
 
Cimg49761  第二章19世紀前半-新古典主義、ロマン主義、自然主義。ここではアングルの「聖杯の前の聖母」に惹きつけられます。気高い優美な聖母マリアの後ろに、守護神が描かれているのですが、この二人は当時の皇帝ニコライ1世と皇太子ではと想像されている、というのも興味深いです。
 
Cimg49491  第三章は19世紀後半-印象主義、ポスト印象主義。ルノアールの傑作「ジャンヌ・サマリーの肖像」が、格別な存在感を示すように、凹型に壁面に飾られています。バラ色の背景にふさわしい、幸せ感に包まれたモデルの愛らしい表情が印象的です。

Cimg49851jpg  またゴッホの「医師レーの肖像」も心に残ります。ゴッホが狂気を発して耳を切り入院したときに診療にあたった医師の姿を描いたものですが、これを贈られた医師は気に入らなくて、結局ロシアに渡ることになってしまったという、曰くつきの逸品です。
 
 第4章は20世紀-フォーヴィズム、キュビズム、エコール・ド・パリ。ここはなぜか写真撮影禁止でした。青の時代のピカソ「マジョルカ島の女」や、マティス「カラー、アイリス、ミモザ」などが展示されています。

Cimg49871  ミュージアムショップにはマトリョーシカ人形などロシアの民芸品がいっぱいです。 

 なお、掲載した写真は「夜間特別鑑賞会」のため、特別に撮影許可をいただいたもの。展覧会は9月16日までの開催です。

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2013年7月10日 (水)

「ドイツ 巨匠たちの夢コンサート」にうっとり!

 久しぶりのコンサートに癒されました。それは海の見える横浜みなとみらいホールで行われた横浜開港記念「ドイツ 巨匠たちの夢コンサート」。
Img_18511  夢コンサートというように、夢のような陶然とした気分にさせられました。

 アウディが特別協賛し、ドイツで人気の高いクラシック音楽の「3B」、「バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)、ブラームス(Brahms)」の名曲を、飯森範親氏指揮のもと、東京交響楽団が演奏。
 最初は典雅なバッハの管弦組曲で、とくにアリアが天国を思わせて思わず涙ぐんだり---。次はベートーヴェンの「ロマンス」で、バイオリンのソリストとして登場した美しい松本蘭さんが、甘美な調べを奏で、最後はメリハリの利いたブラームスの「交響曲第2番」というラインナップ。

 アンコールでは、モーツァルトの軽快な「ディベルティメント」と、バッハの「平均律」プレリュード、これはグノーの「アヴェマリア」として知られる讃美歌です。「平均律」では、松本蘭さんのバイオリンに合わせて、指揮者の飯森範親氏がピアノ伴奏をされ、指揮者が伴奏をするという異例の展開にびっくり。松本蘭さんは「光栄です」と述べられていました。この極めつけのフィナーレも、心に残ります。

 アウディジャパンと日経CNBCのコラボで実現したすばらしいコンサート。ありがとうございました。

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2013年7月 9日 (火)

綿糸の端材で木綿の花

Photo  綿織物が織り上がった後に出る端材を集めて、美しい木綿の花を咲かせていたのが、ファッションデザイナーでスチュディオS代表の替地あや子さん。

 「リクチュール2013」で、発表を拝見しました。フランス製の花の芯、ラフィアの葉、紙の粘着テープ、細~い針金が使用されているとのこと。以前この小さなブーケをプレゼントしてくださったのを思い出し、改めて眺めては懐かしんでいます。

 リクチュールとは、ファッション・クリエイターたちがリペア、リフォーム、リメイクの3Rをモノづくりに活かして、新たな製品を創り出す活動。リクチュール塾も2年目となり、ますます力が入っているようです。

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2013年7月 8日 (月)

廃タイヤチューブでリサイクルビジネス

 廃棄されたタイヤのチューブをリサイクルした製品ブランド「SEAL」。ブランドを立ち上げたのは、モンドデザインの中村亮太氏で、このほどファッションビジネス学会による「リクチュール2013」で、展示発表が行われました。

 同氏は、2005年にモンドデザインをスタート。当時はエコブームで、エコバッグなどカーボンオフセット商品が話題となり、廃材を利用した新しいビジネスが登場し始めていた頃でしたが、日本発のブランドはまだほとんどなかったそうです。廃材というと完成度が低くなることが多く、ファッションとエコの組合せは、とりわけ難しかったとか。

 何とか廃材からつくられたもの、とは思われない商品づくりをしようと、多種多様な廃棄物を研究した結果、選んだのが、もっとも廃棄率が高く、インパクトのある廃タイヤのチューブでした。
 これをバッグにすると、パンクしたタイヤの修理跡もそれなりに味があり、表情が一つ一つ異なることから、世界に一つだけのものになる。また耐熱、耐水など耐久性があるので、利点が生かせます。縫製は困難でしたが職人を探し出し、ブランド化に取り組み、「SEAL」を発足。ナイロンや皮革と組み合せたデザインで、短所を補い、ビジネス軌道に乗せて、東京・表参道に直営店をオープンしました。今や全国に取扱店舗を持ち、アジアやヨーロッパにも販路を広げているといいます。

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 商品カテゴリーは、カバンやビジネスバッグ、PCバッグなどからスニーカーやサンダル、インテリアなど、様々。リピーターは着実に増えている様子です。
 
 ファッションとエコを両立させたビジネスの代表例、成功モデルとして、今注目のブランドです。

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2013年7月 7日 (日)

七月七日展― しあわせについて

 七夕の頃に開催される、織物に因んだアートの造形展、「七月七日展」が、3年目となる今年も開かれています。
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 主宰されているのは衣服造形家 眞田岳彦氏で、ご関係の若手造形作家を中心としたグループが、約40点の小作品を出品。テーマは「しあわせについて」で、しあわせのカタチを表現した布や糸などの繊維作品を展示しています。 
 
 自然の恵みや心の絆、そうした豊かな心を大切にすることがしあわせにつながる― そんな気分に惹かれて、そのほんの数点ですが、ご紹介します。

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   「いま」 羊毛を手紡ぎ       「いきている」 綿 ほうじ茶染め
    眞田岳彦氏                曽我真奈美さん

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   「価値の共鳴」 綿        「Nostalgia」 木材、檜のかんな屑
    長嶋 司さん          (手撚り)とカシュー 永井俊平さん

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2013年7月 6日 (土)

変わる中川政七商店―「中川政七商店街」で日本再発見

 産直型のものづくりで成功している奈良の中川政七商店。 
 先般開催されたインテリアライフスタイル展では、11社18ブランドを集積する「大日本市」と名付けたブースを出展して、アワードの「デザインビジネス賞」を受賞しています。
 
 その成功の秘密を語るセミナーも行われ、第13代社長中川淳氏が「変わる中川政七商店―東京、全国、そして世界へ」をテーマに講演。立ち見客が出る盛況でした。
 
 同社は、1716年、古都奈良で創業した老舗。1910年に麻織物メーカーとなり、1925年のパリ万博に麻のハンカチを出品したこともあったそう。1983年に㈱中川政七商店を設立。2001年、現社長のもとでSPA業態に業務を改善し、2003年に初めて玉川高島屋SCに出店。その後は怒涛の勢いで、会社を再生させます。今や全国に6つの直営店を構え、いずれはパリ出店も考慮されているといいます。
 
 安価な外国製品の氾濫で、ものづくりに苦慮する企業が多い中、中川社長は、成長の極意を、中小企業だからこそ「モノ売り」から「ブランディング」へ脱皮すること、つまりブランドをつくることにある、といいます。そしてそのために最も重要なのはヴィジョンを示すことだとも。
 同社のヴィジョンは「日本の伝統工芸を元気にする」です。この日本再発見の心が、商品政策の根底に流れていて、ブランドを揺るぎないものにしているのです。
 
 またもう一つ、興味深かったのが、単品ブランドの時代が来ているということ。専門性にこだわった単品ブランドが成功していることに注目した社長が、新しく発想したのが、商店街形式の売り場。こうして「中川政七商店街」構想が立ち上がり、今年4月に東京ミッドタウンに店舗をオープン、人気を集めています。
 
 商店街とはいえ、本当に小規模な「中川政七商店街」。でもここには日本各地から選りすぐりの使い勝手がいい日用雑貨が並べられています。軒を巡って掘り出し物を探すような商店街らしい楽しさがあります。

 中でも目新しいのが「月市」と呼ばれるシステム。これは月ごとにテーマを決めて、ブランド横断的に商品をディスプレーするコーナーです。 

Cimg48541  今月のテーマは「富士山モノ」、世界文化遺産登録を記念する新商品が紹介されています。写真は東京ミッドタウン店です。

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「花ふきん」                「HASAMI 」 富士山マグカップ。
 2008年グッドデザイン賞金賞受賞。

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2013年7月 5日 (金)

江戸期から続く紅屋 伊勢半本店「紅ミュージアム」

1_2  ボタニカルダイ、植物染めのシオンテック展示会で、とくに惹かれたのが紅の色でした。最高級の紅は、赤色とは正反対の緑色をした玉虫色の輝きを放つことを目の当たりにしたからです。

Cimg46951 東京・南青山に「紅ミュージアム」があることを知り、訪ねてみました。ここは文政8年(1825年)創業の紅を製造販売する紅屋、伊勢半本店にある、紅作りの「技」を伝えるためのミュージアムです。


Cimg46981jpg  紅色は、紅花の花弁に含まれる赤い色素のこと。しかし全体のわずか1%しかなく、残りの99%は黄色だそう。そうした希少な紅が、同店の「小町紅」です。
 原料は、山形県産の最上の紅花で、丹念に仕上げられた紅は、有田焼の器に刷られて、販売されています。水で溶くと瞬時に鮮やかな赤に変化し、水の分量や重ねる回数によって、淡紅から真紅まで、様々な色が楽しめます。リップスティックが入ってくる以前の口紅は、このような形のものだったのです。器はお猪口や小さな壺、平らな小皿型のものなど、いずれも美麗な佇まい。お値段は、8,500円(税抜き)~。

 今や、このような玉虫色に輝く紅をつくっているのは、日本全国この店のみということです。ミュージアムでは、女性の人生の節目に深く関わってきた紅の歴史と技が、入場無料で公開されています。場所も最先端のモード発信地ですし、ショッピングがてら、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

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2013年7月 4日 (木)

「シオンテック」“室町”テーマに“ボタニカルダイ”展

 「シオンテック」は、“ボタニカルダイ”を一筋に開発している染色加工メーカーです。このほど初の展示会が、東京・神宮前で、同社協力メーカーとのコラボレーションで実現し、開催されました。

 “ボタニカルダイ”は、植物染めのことですが、従来の草木染めに比べますと、色が実に生き生きと鮮やかです。とはいえ化学染料で出した色と違い、目に優しい深みがあります。それは一つの色の中に様々な色素が混ざっているからといいます。まさに自然界の因子が創り出す妙色なのです。
 
 テーマを“室町”としたのは、日本文化の発想ができあがったのが室町時代であり、現代に伝承されている植物染めの技術が確立した時代だからだそう。当時の考え方を現代に置き換えてみたかったといいます。
 
 展示構成は、「室町時代に始まる職業文化を現代に持ってきたら?」を課題に、当時の職種ごとにコーナーを組み立て、全体をまとめ上げるという、ユニークな表現方法になっていました。
 来場者は皆、ミュージアムでも散策するような気分になったことでしょう。コーナーを巡る度に掘り出し物を探し出してはワクワクする、そんな楽しさに満ちた演出が施されていました。
 
○Nauri 菜売り― 花の色、とくにバラの花を中心に、香りも。
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○Kusushi 薬師― 漢方生薬の優しさに包み込まれるような色。
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○Sakaya 酒屋― 日本酒の銘酒で染めるシロの世界。
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○Sumiya 炭屋― 竹炭や麻炭の墨染めなど、自然色のモノトーン。
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○Beniya 紅屋― 人生の節目を彩ってきた、紅花から抽出される紅色。
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○Koya  紺屋― 古来より体を彩り、身を守ってきた藍の色。
Cimg45981Cimg45751 
○Hariya 張屋― 洗い張り業は現代のクリーニング業やお直し業。
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Cimg46041jpg  これら職業を表現した絵は、社長の菱川惠介氏の手によるものだそう。すばらしい!
 
 本展で、未来の繊維商品企画に、自然を生かした染色による生産システムが不可欠であることが、業界関係者に強く印象づけられたと思います。
 展示会大成功、本当におめでとうございます。

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2013年7月 3日 (水)

都心のホテルのアーケードで“ホタル”展示

 今、東京・帝国ホテルのアーケードで、“ホタル”が展示されています。
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 黒い大型ボックスが階段の下に設置されていて、中に入ると、たくさんの小さな黄色い光が目に飛び込んできます。真っ暗闇なので、ホタルの姿は見えませんけれど、一生懸命光っているのがわかります。

Cimg47541pg_2  ホタルの灯はゆらいでは消え、また光り出します。見つめていると不思議に癒される光です。
 
 このイベントはアーケードのセールキャンペーン(7月1日~10日)に合わせて行われているもの。ほんのつかの間ですけれど、ホタルのいる自然を体感しようと、早くも見物客の行列ができていました。

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2013年7月 2日 (火)

「モーダ・イタリア」と「シューズ・フロム・イタリー」貿易拡大に期待

 イタリアンファッションの2014春夏向け商品を発表する総合展示商談会、第43回「モーダ・イタリア」と第53回「シューズ・フロム・イタリー」が、東京・恵比寿で開催され、昨日、記者発表会が行われました。
 
Cimg46881jpg   今回は前年を大きく上回る180社が参加。日本への輸出は、アベノミクス効果もあって、円安にもかかわらず好調で、イタリア貿易振興会東京事務所所長のアリスティデ・マルテッリーニ氏によれば、今年の1~4月期、全体の売り上げは前年同期比26%増だそう。とくに毛皮や皮革関連の伸びが目立ち、日本は大変重要なパートナーといいます。
 
 実際、イタリア製品は、東日本大震災以降も順調に伸び続けています。というのも、イタリアの優良な中小企業は、多様化と差別化を推進し、手作りを通したモノづくりで質の高さを訴求し、価格も抑えて他の競合商品との価格差はそれほどない。さらにテイストについても、日本とイタリアで大きな違いがなくなっていることなどが挙げられていました。   
 日伊間の貿易拡大・協力が今後、大いに期待されています。
 
 なお2014春夏シューズのトレンドは、レディスでは次の5つのテーマで、またメンズでは4つのテーマで構成されています。参考までにテーマ名だけ記します。
 <レディス>
① Fe-mail  性差なしのスポーツウェア・コスモポリタン
② USUALITY  洗練されたイタリアンカジュアル
③ FINENESS  スーパー・リファインド・エレガンス
④ Womanity  オートクチュール感覚のシューズ
⑤ 20th Century Remix  トロピカルな装飾性
 <メンズ>
① Timeless Elegance
② Hipster
③ Sports Simplicity
④ Tech-Remix

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2013年7月 1日 (月)

「中原淳一」生誕100周年記念展

  “美しく生きること”を永遠のテーマに、女性たちに熱狂的に支持され続ける芸術家、中原淳一(1913-1983)の生誕100周年記念展が、7月15日まで、そごう横浜店で開催されています。
 
 中原淳一の魅力は、何と言っても大きな目とおちょぼ口の女性たちを描いたファッション画ですが、この回顧展を見て、外見だけではなく、内面も美しい存在であれと、生活全般にわたる理想の美しさを、提案していたことがわかります。
 2010年に出版された中原淳一の「女学生服装帖』」(実業之日本社)で、私は用語解説やコラム記事を担当させていただきました。あの大戦前夜の暗い質素な時代に、ファッションで少女たちの心に明るい灯をともし、身だしなみや立ち居振る舞いにまで細かいアドバイスをしていた著者に深く感銘したことを思い出します。
 
 本展は、その1万点以上にのぼる作品の中から、約400点を厳選。年代を追って4章に分けて、展覧する構成です。

 第一章は、「中原淳一の原点」。
 人形作家としてデビューし、雑誌「少女の友」の人気作家となり、1939年にショップ「ひまわり」を開店した頃の作品が展示されています。初期の着物姿の女性を描いた原画は、竹久夢二風でもあり、また自作の人形も手が込んでいて、後ろに大きな赤いリボンが結ばれているのが印象的でした。
Img_top  写真は、本展のちらしを飾る「きものノ絵本 1940年」裏表紙原画からの作品です。夏らしく清楚で爽やか。このまま現代に通じるデザインセンスを感じます。



 

 第二章は、「あなたらしくあること」~ファッションデザイナーとして。
 1946年に「それいゆ」、1947年に「ひまわり」、次いで「ジュニアそれいゆ」を創刊し、また様々なスタイルブックで、活躍した時代の作品群の展示です。
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 ここでは写真のようなブラウスとワンピースの復刻版が披露されています。オーダー販売もあり、価格はブラウス3万円から、ワンピース5万円からとのこと。
 
 第三章は、「生活を美しくする」~ライフスタイルの提案。
Cimg46671jpg_2  雑誌「ひまわり」に見られる少女のためのお部屋が再現されています。三畳間も、出窓にクッションをのせたり、パッチワークを飾ったり、みかん箱を再生したり、また水玉模様の残布を壁の汚れ隠しなどに、効果的に使ったり、ほんの少しの工夫で、無理なく美しく暮らせるアイディアを紹介。
 
 第四章は、「多彩な才能」。
 ファッションデザイナーでインテリアデザイナー、雑誌編集者、詩人、それに女優の浅岡ルリ子らタレントの発掘と、八面六臂の活躍をした中原淳一でしたが、ついに病に罹り、館山に療養。返り咲いた1970年、「女の部屋」を創刊しますが、その第5号発行後。再び倒れて、70歳で帰らぬ人となります。療養していた頃のコーナーでは本人を連想させる人形が展示されていましたが、いずれも憂いに満ちた表情をしていて、胸が締め付けられます。
 
Cimg46751jpg  最後に展示されていたのが、華麗な「シンデレラ姫」のリプロダクション。これは「七人のお姫さま 1968年」の裏表紙原画を基に、ファッションデザイナーの丸山敬太さんが制作したドレスです。丸山さんは、インタビュー映像の中で、「中原淳一のデザインは甘辛のバランス感覚が絶妙で、こういうものは決して古くならない」と語っています。
 
 外に出ると、またしても中原淳一グッズの売り場に人だかり。いつの時代にも愛されてやまない、そのスゴサを改めて思います

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