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2013年7月 1日 (月)

「中原淳一」生誕100周年記念展

  “美しく生きること”を永遠のテーマに、女性たちに熱狂的に支持され続ける芸術家、中原淳一(1913-1983)の生誕100周年記念展が、7月15日まで、そごう横浜店で開催されています。
 
 中原淳一の魅力は、何と言っても大きな目とおちょぼ口の女性たちを描いたファッション画ですが、この回顧展を見て、外見だけではなく、内面も美しい存在であれと、生活全般にわたる理想の美しさを、提案していたことがわかります。
 2010年に出版された中原淳一の「女学生服装帖』」(実業之日本社)で、私は用語解説やコラム記事を担当させていただきました。あの大戦前夜の暗い質素な時代に、ファッションで少女たちの心に明るい灯をともし、身だしなみや立ち居振る舞いにまで細かいアドバイスをしていた著者に深く感銘したことを思い出します。
 
 本展は、その1万点以上にのぼる作品の中から、約400点を厳選。年代を追って4章に分けて、展覧する構成です。

 第一章は、「中原淳一の原点」。
 人形作家としてデビューし、雑誌「少女の友」の人気作家となり、1939年にショップ「ひまわり」を開店した頃の作品が展示されています。初期の着物姿の女性を描いた原画は、竹久夢二風でもあり、また自作の人形も手が込んでいて、後ろに大きな赤いリボンが結ばれているのが印象的でした。
Img_top  写真は、本展のちらしを飾る「きものノ絵本 1940年」裏表紙原画からの作品です。夏らしく清楚で爽やか。このまま現代に通じるデザインセンスを感じます。



 

 第二章は、「あなたらしくあること」~ファッションデザイナーとして。
 1946年に「それいゆ」、1947年に「ひまわり」、次いで「ジュニアそれいゆ」を創刊し、また様々なスタイルブックで、活躍した時代の作品群の展示です。
Cimg46551 Cimg46601jpg
 ここでは写真のようなブラウスとワンピースの復刻版が披露されています。オーダー販売もあり、価格はブラウス3万円から、ワンピース5万円からとのこと。
 
 第三章は、「生活を美しくする」~ライフスタイルの提案。
Cimg46671jpg_2  雑誌「ひまわり」に見られる少女のためのお部屋が再現されています。三畳間も、出窓にクッションをのせたり、パッチワークを飾ったり、みかん箱を再生したり、また水玉模様の残布を壁の汚れ隠しなどに、効果的に使ったり、ほんの少しの工夫で、無理なく美しく暮らせるアイディアを紹介。
 
 第四章は、「多彩な才能」。
 ファッションデザイナーでインテリアデザイナー、雑誌編集者、詩人、それに女優の浅岡ルリ子らタレントの発掘と、八面六臂の活躍をした中原淳一でしたが、ついに病に罹り、館山に療養。返り咲いた1970年、「女の部屋」を創刊しますが、その第5号発行後。再び倒れて、70歳で帰らぬ人となります。療養していた頃のコーナーでは本人を連想させる人形が展示されていましたが、いずれも憂いに満ちた表情をしていて、胸が締め付けられます。
 
Cimg46751jpg  最後に展示されていたのが、華麗な「シンデレラ姫」のリプロダクション。これは「七人のお姫さま 1968年」の裏表紙原画を基に、ファッションデザイナーの丸山敬太さんが制作したドレスです。丸山さんは、インタビュー映像の中で、「中原淳一のデザインは甘辛のバランス感覚が絶妙で、こういうものは決して古くならない」と語っています。
 
 外に出ると、またしても中原淳一グッズの売り場に人だかり。いつの時代にも愛されてやまない、そのスゴサを改めて思います

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