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2013年6月 5日 (水)

「幸之助と伝統工芸」展 工芸は日本のものづくりの原点

Cimg42121jpg  パナソニック汐留ミュージアム開館10周年記念展「幸之助と伝統工芸」の中期展示に合わせて開催された内覧会に行ってきました。

 本展は「経営の神様」と呼ばれたパナソニック(旧松下電器)の創業者松下幸之助(1894-1989)の文化人としての一面が初めて明かされる特別展です。とはいえ単なる名品・名作を展示するのではありません。高度成長時代、伝統文化が次々と失われていく日本で、危機感を募らせていた幸之助が、いかに伝統工芸に理解を示し、その普及を支援していたかを紹介する展覧会でもありました。
 
Cimg42071pg  第1章は、「素直な心」と題した茶道具の展示です。幸之助は40歳になった頃、経済界の同朋からたしなみの一つとして茶道を勧められ、裏千家家元と親交を深めて、西宮の自宅に光雲荘をつくって茶席を開くなど、茶人としても名を馳せています。茶道を通して、ものごとをあるがままに見る「素直な心」を生涯大切にしていたという幸之助。これは彼の生き方の核となっていったといいます。
 ここでは幸之助が愛用していたという、楽家4代の一入による朱釉が美しい黒茶碗や、三輪休和の上品な萩茶碗、また萬歴赤絵の花瓶が初公開されています。

Cimg42041  第2章は、「ものづくりの心」で、茶道に入り日本の伝統工芸に関心を寄せる契機となった作家らの作品が展示されています。人間国宝を中心に、森口華弘と森口邦彦親子の友禅のきものや、北大路魯山人、河井寛次郎などの陶磁器、黒田辰秋の木工など、いずれも20世紀後半の国内の工芸家たちの作品で、幸之助が彼らを強く支援していたことがわかります。
 
 幸之助は、創業当初から、二股ソケットをつくって大ヒットさせるなど、ものづくりの人でした。茶道具に触れるうちに、「伝統工芸は日本のものづくりの原点である」と確信するようになり、工業製品も工芸のように精緻につくらないといけないと、見えないところまで気を配っていたそうです。
 
 今、どこか方向性を見失っているように見える日本です。企業の不祥事が起きるのも、このせいかもしれません。幸之助に倣って、企業の文化力を取り戻したいものです。

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