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2013年5月12日 (日)

日本のものづくり技術とデザイナーのセンスが見事にマッチングした「スムースデイ」

Cimg37321_2 第2回Secori Gallery で「日本の服づくりを考える」をテーマに、このほどシンポジウムが開催されました。
 登壇したのは、小野莫大小工業社長の小野元延氏と「スムースデイ」の店長でデザイナーの杉原淳史さん。杉原さんは、 このブログの2012.9.10付け“肌にあう、が見つかる「スムースデイ」” のタイトルで、紹介しています。
 
 まず小野社長が、世界最高品質と自負する“コズモラマ”を紹介。これは薄くて軽く、落ち感があって、しかもくっつかない、超細番手で細ゲージの綿ジャージーです。
 1998年頃から、薄い生地がくっついて見栄えが悪いのを解決しようと、単糸の開発からとりかかったそうです。その原点は仏像に彫刻されたドレープで、生来仏像が好きという小野社長は、仏像にこのドレープのような肌触りのいい最上のコットンを着せてあげたいと思ったといいます。
 希少なコンパクトヤーンの紡績機械を導入し、試行錯誤を繰り返して3年後、思わぬ偶然で、加工の順序が一か所変わり、くっつかない、画期的な綿ジャージーが生まれました。この一か所とはケバをとるためのガス焼き工程です。それまで最終段階で行っていたガス焼きを先にすませ、その後、糸を強撚してつくるようにしたのです。 
 こうして2003年に、“コズモラマ”が完成。2004年にはパリのプルミエールヴィジョンに出展し、このような生地は「他にない」と高く評価されました。欧米の一流ブランドとの取引はこのときから始まり、最初はニナ・リッチ、シャネル、ルイ・ヴィトン---、サンローラン社との出会いもここにあったといいます。
 
 次に杉原さんが、小野社長と出会うまでの経緯を披露。文化服装学院を卒業後、パリに留学して、サンローラン社に入社。そこで見つけたのが、何とも気持ちいい感触の“コズモラマ”でした。ハイブランドゆえにTシャツでも8万円と高額で、日本ではなかなか手に入りません。この“コズモラマ”を日本に届けたいと思うようになり、帰国して小野莫大小の門を叩き、デザイナーの職を得たといいます。昨年9月にはファクトリーショップ「スムースデイ」をオープンさせ、8か月たった現在も、好調な売れ行きとのことです。いわゆるトレンドを追わず、シルエットと素材で勝負するシンプルなデザインで、「文化として残るものをつくっていきたい」と話していました。
 
 ちなみに小野社長は将来、モードの中心、パリにお店を出したいそうです。千葉県佐原市に工場を建設中なので、これが落ち着いたらとのことですが、夢はきっと実現するのではないでしょうか。
 
 このシンポジウムを主催したSecori Galleryは、キュレーター宮浦晋哉さんがロンドンで立ち上げたプロジェクトで、目的は、日本の生地産地と一緒にものづくりを考える若手デザイナーを、ヨーロッパに紹介していくことだそうです。「スムースデイ」は、この意味でSecori Galleryの意図に適っているブランドです。アパレルでも、小売でもなく、ファクトリーから出てきたブランドだからです。
 
Cimg37341  会場にはたくさんの若者が集っていました。この中から、杉原さんのようなデザイナーが、世界レベルの日本の生地を使ったファッションで表舞台に登場してくる、そんな日がもう近い気がします。

 写真は展示された「スムースデイ」の服に群がる若者たち。

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