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2013年5月 8日 (水)

百貨店は文化発信装置だった!

 百貨店は、ファストファッションやWEB通販の攻勢で元気がありません。この4月の大手百貨店売上高も、前年実績を下回ったと伝えられています。このまま凋落の一途をたどるのか、先行きに不安が続く今、百貨店の未来に一縷の希望の光を当てる展覧会が開かれています。
 
Cimg37231_2  それは東京・世田谷美術館で開催されている「暮らしと美術と高島屋」展です。「世田美が、百貨店のフタを開けてみた」をキャッチコピーに、文化発信装置としての百貨店の存在意義を喚起させる内容となっています。
  
 同美術館の資料によれば、百貨店発祥は江戸時代の呉服店に遡ります。最古の百貨店は1611年の松坂屋(名古屋)、次いで白木屋(東京)、三越(東京)と続きます。本展の主役である、高島屋(京都)は後発組ですが、それでも一昨年は創業180周年、美術部は100年の記念の年を迎えたといいます。

 呉服店がデパートメントストアに改称されるのは、1904年の三越による「デパートメントストア」宣言からだそうです。これによって座売りが全廃され、陳列販売方式が採用されるようになります。建物も伝統的な土蔵つくりから洋風木造へ変化し、購買力をかきたてるショーウインドーがつくられるようになります。関東大震災後は、鉄筋コンクリートの巨大建造物に生まれ変わり、新しい都市の象徴的存在となっていきます。下足入場も一般化し、買い物するだけではない、現実逃避の娯楽施設の様相を見せるようなります。そして従来の博覧会的な役割に加えて、様々な文化の発信基地となっていったのです。

 今回展示されている高島屋所蔵の美術品には、錚々たる画家や工芸作家の作品が並んでいます。ポスターや出版物にも、レベルの高さがうかがわれます。
003l_2  左の写真はちらしにも掲載されていた、妖艶な女性像「キモノ大阪春季大博覧会ポスター」原画:北野恒富 文:与謝野晶子 1929年。

Docu0040  右の写真は「海は美し女性の夏」高島屋特選海水浴用品案内パンフレット1934年。

 消費されて喪失されていくもの、たとえばマッチ箱一つとっても、アートの華があって美しい。当時のマネキンにしても質が高く、彫刻家の船越桂の作品を思わせるようなリアルなものもあったといいます。
 
 百貨店には文化を語り、暮らしの夢を描いてきた価値ある歴史があったのですね。勢いが衰えたとはいえ、これからも様々な文化を提案できる存在として復活してほしいものです。

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