ミュシャ財団秘蔵「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」
アール・ヌーヴォー様式の巨匠、アルフォンス・ミュシャの「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」が、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されています。
ミュシャの絵には目がない私、この3月半ばには、見に行ってきたのでしたが、先週のNHK日曜美術館で放映されるなど、やはりすごい人気です。花や植物のモチーフが必ず採り入れられている、優美な曲線の美しい女性像には、誰しもうっとりさせられるでしょう。 左の写真は、ちらしに大きく取り上げられている「夢想」と題した1897年のリトグラフ。光背を連想させる、植物の円環が女性の姿に神々しい響きを奏でています。
後半は、ミュシャの意外な素顔が顔を出します。それはチェコ人としてのアイデンティティを前面に出した骨太の作品群です。米国に渡り、ニューヨークで描いたという祖国チェコへの想いがあふれた一連の「スラブ叙事詩」には胸を打たれます。展覧会の副題になっている「あなたが知らない本当のミュシャ」に、ここで出会えた気がしました。 右の写真は、ちらしに使われているもう一つのヴィジュアルで、「ヤロスラヴァ」の肖像画です。油彩で1927~35年頃の作品とか。ヤロスラヴァはミュシャの娘で、頭にチェコの民族衣装の白い布を巻いて、巫女のように聖化された存在として表現されています。BGMにスメタナの交響詩「モルダウ」が流れ、近くにはチェコの民族衣装のエプロンやブラウス、ベストなども展示されています。
ミュシャは、単なる装飾美だけの画家ではない、ということがわかる貴重な展覧会でした。5月19日まで開催されています。
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コメント
こんにちは。
私も六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーでミシャ展を見てきました。
ミシャ展に出品されていたたくさんの作品を思い出しながら、
ブログを読ませていただきました。
『ジスモンダ』、は非常に繊細な表現の斬新な作品だと思いました。
ほかにもたくさん魅力的な作品がありましたが、油彩画では、
『ヤロスラヴァ』にミシャのチェコ人としての誇りを感じて心に残りました。
私も今回展示されていたミシャ展の作品を見て、ミシャの作品の魅力を私なりにまとめてみました。
ぜひ読んでいただき、ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけるとうれしいです。
投稿: dezire | 2013年4月24日 (水) 11時14分
こんにちは。
私も六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーでミシャ展を見てきました。
ミシャ展に出品されていたたくさんの作品を思い出しながら、
ブログを読ませていただきました。
『ジスモンダ』、は非常に繊細な表現の斬新な作品だと思いました。
ほかにもたくさん魅力的な作品がありましたが、油彩画では、
『ヤロスラヴァ』にミシャのチェコ人としての誇りを感じて心に残りました。
私も今回展示されていたミシャ展の作品を見て、ミシャの作品の魅力を私なりにまとめてみました。
ぜひ読んでいただき、ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけるとうれしいです。
投稿: dezire | 2013年4月24日 (水) 11時18分