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2013年4月

2013年4月30日 (火)

スヌーピー×日本の匠SNOOPY JAPANESQUE展

Cimg35551  とくにスヌーピーのファンというわけではありませんが、松屋銀座で開催されている「スヌーピー×日本の匠展」に行き、日本の伝統工芸にすっかり溶け込んでいる、あのビーグル犬のほんわりとした可愛らしさに魅せられてきました。

 スヌーピーは、言わずと知れたアメリカのコミック「ピーナッツ」のキャラクターで、1950年に新聞に掲載されて以来、50年以上にわたり世界中の人々に愛され続けている人気者です。原作者はチャールズ・モンロー・シュルツ氏で、1993年にスヌーピータウンプロジェクトに携わるようになったYOSHIこと大谷芳照さんのアート作品に惹かれ、二人は強い絆で結ばれるようになったといいます。

 本展は、この大谷さんのプロデュースによる世界初の展覧会。日本の伝統工芸作家40人以上による、スヌーピーをあしらった墨絵や漆器、陶器、ガラス切子、真珠、友禅など、100点以上もの作品が展示されています。

20130417snoopy_img08  大谷さんの大胆で力強い筆致の書にちょこんと乗ったスヌーピーは楽しいですし、パンフレットにも掲載されていたスヌーピーとチャーリー・ブラウンの金箔砂子「風神雷神図屏風」(写真)はユーモラス。なかなか見応えがあります。

 展覧会は5月6日までですが、この秋からは森アーツセンターギャラリーでも「スヌーピー展」が開かれるそうで、今年はスヌーピーがちょっとしたブームになりそうです。

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2013年4月29日 (月)

13/14秋冬bodco(ボッコ)新しい快適スタイルのリラクシングウェア

 いつも着られるものを快適に、そして精神的な豊かさを提案するbodco(ボッコ)が、24~27日、今秋冬もの展示会を開催しました。今回は会場を元麻布のアトリエから南青山の広いホールに移し、新しい快適スタイルの顔を見せています。Cimg36151_2
 デザイナーは川田剛(GO)さん。コレクションには、シンプルかつベーシックで、ユニセックスなデザインに、ちょっとした遊び心を加えた、楽しいアイテムが勢揃い。着心地のよい綿100%にこだわったコレクションが展開されています。
 
Cimg36191jpg  中でも斬新なのが初のプリントアイテムで、大胆な2色コントラストの千鳥格子をのせたコットンキルト地のもの。コーディネートされたスカーフやルームソックスも揃えています。
 
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 またトップ杢のスウェット地を新開発し、サイドラインの入ったデザインが特徴のシリーズも発表しています。
 
 この他レザーライダーなど新規の取り組みを増やし、一回りも二回りも大きくなった印象です。

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2013年4月28日 (日)

エレガントな美のクチュールブランド「ドレスインテーラー」

 「ドレスインテーラーDress in Tailor」の今秋冬もの展示会& オーダー受注会が、昨日のブログでご紹介したニットブランド「マツシタMATSUSHITA」の展示会と合同で開催され、ブランドを手掛ける新進気鋭のクチュリエ小井戸和芳さんに、お話を伺う機会がありました。

 小井戸さんは、桑沢デザイン研究所を卒業して、植田いつ子アトリエに入社し、皇室の衣装製作などに携わった後に渡仏。パリ・オートクチュールのフランク・ソルビエのメゾンで修業され、2010年に「ドレスインテーラー」を立ち上げ、昨年からはプレタポルテのラインもスタートさせていらっしゃいます。
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 コレクションには、クチュールならではのテクニックと繊細な手仕事がうかがえ、さすが「エレガントな美のマイスター」というにふさわしい、格調の高さを感じます。

 ところでお客様には高収入の働く女性、たとえば女医とか音楽家などが多く、退職された方はたとえ富裕層でも大変少ないのだそうです。でもこれからはシニアもパリッした新しい服を着る、オケージョンが増えてくるはず。仕立てのいい、オーダーが求められる時代が来ている気がしています。
 しかもこうした服はインポートではなく、やはり日本人の手で日本人体型に合わせてつくられるべきでしょう。今後ますます活躍の場が広がることを期待しています。

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2013年4月27日 (土)

初の高級ニット・ブランド「マツシタMATSUSHITA」発信

 ニットウェアのオフィス松下のデザイナー、松下陽子さんが、この23~26日、長年の夢であるご自分のブランド「マツシタMATSUSHITA」を立ち上げ、東京・銀座で初めての展示会を開いて、今秋冬コレクションを発表されました。
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 温かそうなコートやジャケットは、シルエットがシンプルで美しく、カシミア100%糸やシルク糸など、最高級の素材が用いられています。軽くソフトで、抜群の着心地! 両面着用できるリバーシブルのデザインのものもたくさんあって、変化がつけられるのも魅力です。スポーティなカットソーやフリルマフラーなどの、ちょっとしたアクセサリーアイテムも人気を集めそう。

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2013年4月26日 (金)

2014春夏T・N JAPAN東京展~触感を考える~

 2014春夏向けテキスタイルネットワークジャパン、通称T・N JAPANが、この23~24日、東京・青山で開催され、各産地から個性あふれる有力メーカー18社が出展。デザイナーブランドの来場も多く、商談は活気に満ち、賑わっていました。
 今シーズンのテーマは「触感を考える」です。肌に触れ、身体に触れ、布目を通う空気に触れるといった、触り心地を重視して開発された素材提案が目立ちました。各メーカー注目の素材をご紹介します。(写真 クリックで拡大)

福田織物
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 「光透けるテキスタイル」をテーマに、スーピマ綿使いのしなやかな綿織物が中心ですが、今季は120番手や140番手といった超極細綿糸をスローなスピードで織ったふくらみ感のあるローンやリネン/ラミー混を発表。とくに赤やブルー、イエローといった色地が、高級原料だからこその自然な光沢感で美しく、人気を集めています。

古橋織布
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 今シーズン人気のコードレーンでフリル襟のドレスを展示。これは経糸に100番手単糸と太番手糸使い、緯糸に100番手単糸使いの綿100%とのこと。さらっとしたタッチが心地よい風合いです。

○HCN浜松コットンネットワーク
Cimg35901  遠州ネットは、様々なからみ織りを出品。写真は昔ながらの籠染めによるもので、微妙にほかした表情が美しい。綿97/ポリウレタン3。

Cimg35861  杉浦テキスタイルは、横段ストライプの楊柳が人気。今季は先シーズンよりもやや厚地が好評だそう。綿100%。

Cimg35821  二橋染工場で目を引くのは、注染。注染とは浴衣や手拭いに用いられている伝統的な型染めの一種で、多色使いや、自然なぼかし模様を染めることができる技法。郷愁を感じさせます。

渡辺パイル織物
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 今シーズンはずらりと並んだ純白のカットパイルシリーズの打ち出しが新鮮。パイルの密度やシャーリングに変化をつけた、様々なワッフルやチェッカーのデザインが高級感を引き出しています。

○播州の機屋(播州織工業組合)
Cimg35771   出展したのは遠孫織布で、一番人気は大きいパッチワーク風のコットンジャカード。4原色を切り替えたデザインは、コンピュータージャカード機を駆使してつくられています。手づくりの温もりが感じられるやさしい触感です。

細川毛織
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 綿/カシミア、綿/ウール、ナイロン/ウールなどの交織ものを中心に、二重織など多重組織の織物を提案。今シーズンはデニムっぽい見え方で、ふんわり感やしっとり感などを表現する多様な綾織を発表しています。

福井経編興業
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 スポーツブームを背景に、メッシュ・ダブルラッシェルが人気。これは色違いの二枚のトリコット編みを接結したもので、ハリがあって弾力性に富み、しかも非常に軽量で、ウェットスーツ地のような感触。写真はポリエステル38/ナイロン62のダブルフェイス。毎回PVに出展しラグジュアリーブランドに好評。紳士ジャケットを中心に広がりを見せています。

日装
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 多種多様なエンブロイダリー(刺繍)レースが美しい彩りを見せるブース。とくに目新しいのが「つなぎ刺繍」。これはカットした二枚の布を刺繍で丹念に継ぎ接ぎするテクニック。縫い代が出ないので、軽い仕上がり。布の厚さが同じもの同士なら、どのようにもできるそうで、デザインの幅がまたしても広がりました。

林キルティング
 キルティングやステッチ・刺繍といった二次加工を得意とするメーカーで、製品から生地に落とし込むのが仕事とあって、服飾提案型のビジネスを展開している、大変ユニークな会社。
Cimg36041 Cimg35991  今季も、クラッシュしたレーヨン地をテープ状にカットし、チュールレースの上に貼りつけたり、シルク楊柳に同じシルク地のコード刺繍をプラスしたり、またキルティングも小から大へ、ステッチをグラデーションさせたり、オリジナルなアイディアが満載でした。

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2013年4月25日 (木)

ファッションのオルタナティブ「サスティナブルなファッション」

使い捨てられるファッションから使い続けるファッションへ、時代は動いています。今やサスティナブル(持続可能)な考え方なくして、もの作りはできません。
 ファッションのオルタナティブ、つまりトレンドとは別の流れのファッションとして、「サスティナプルなファッション」を取り上げた一文が、一般財団法人発行の「COTTON PROMOTIONコットンプロモーション」spring号に掲載されましたので、ここにご紹介します。
 画像はクリックで拡大します。
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2013年4月24日 (水)

「職人の技」目指す外国人アーティスト

 日本の職人の技は世界で高く評価されている、とは思っていましたが、それを実際に学んでいらっしゃる外国人アーティストに、お会いする機会がありました。彼女は日本ファッション協会うらら会4月例会にいらっしゃったダフネ・モハジャさん。カナダの首都オタワ出身のイラン系カナダ人です。
 小さい頃から「セーラームーン」が大好きで、ストリートファッション雑誌「フルーツFruits」に魅せられて来日。東京・高円寺に在住されて4年目といいます。文化大学院大学ファッション科を卒業し、ブランドDeFaceを立ち上げ、服飾デザイナーとして、また雑誌ライターやフォトグラファーとしても活動されています。

Cimg35381  お話を伺っていて興味深かったのは、「大学ではイッセイ、コムデ、ヨージ、この御三家に関係していないと落ちこぼれのように思われる」のくだり。確かに他にもたくさんあるのに、いまだにそうなのかと、大変不思議です。
 また大学で学んでよかったことは、素材の重要性だったそう。スライドでは、フランス人アーティストのオーギュスタン・ルサージュAugustin Lesageの絵画に影響されたという、マンダラのような細密画を転写プリントしたドレスを見せていただきました。様々な国の文化と伝統をミックスさせた独自のプリントデザインが表現されていて、国際色豊かな新しい才能を感じました。

 これからは職人的な仕事をしていきたいと、現在藍染めを修業中とのこと。そしてもともとなりたかったという靴のデザイナーを目指して、靴づくりの勉強もするという、マルチなアーティストです。そのバイタリティを、私たち日本人も見習って、と思います。

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2013年4月23日 (火)

13/14秋冬プリスティン“グランマ”の温もり「あたため衣」

 オーガニックコットンに新しい息吹を吹き込み続けているアバンティの製品ブランド、プリスティンが、17~19日、13/14秋冬ものコレクションを発表しました。

Cimg35201  今シーズンは、 “グランマ”と呼ばれる東北の女性たちとの取り組みを本格的にスタートさせています。同社は「全国で綿を作ろう」と綿花栽培とともに、社会支援活動に力を入れていますが、この4月から、小諸事業部をソーシャル事業部に改称し、さらなるソーシャル活動に乗り出そうとしています。

 この“グランマ”プロジェクトは東北支援活動の一つで、今季は「あたため衣」をテーマに“グランマ”たちの手編みが、一つ一つのアイテムにプラスされています。
 
Cimg35221  前見頃に“グランマ”が編んだふんわりとしたクロッシェ編みをのせた、ロマンティックな雰囲気のカットソー。29,000円。


 
Cimg35101  “グランマ”モチーフのパジャマ。“グランマ”が編んだモチーフを襟とポケットにあしらった綿ネル素材のパジャマ。24,000円。

 
Cimg35161  “グランマ”手縫いのベビー肌着のセット。手縫いの温かさを感じてほしいと企画。肩も脇も接ぎのない一枚の布でつくられているので、擦れない、ごろつかない究極のやさしさ。背守りという魔除けの刺繍付きで親心を最大限に込めたという。桐箱入り30,000円。
 
 いつも同じ生成り色のオーガニックコットンで、新鮮な商品をつくり続けることは至難の技です。それができるのは、原料から製品まで一貫して生産しているからだそう。だから思い通りのモノづくりができるといいます。しかもこれからはますますソーシャルな活動に注力していく方針と伺い、敬服の念を新たにしたことでした。

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2013年4月22日 (月)

アートで現代の暗部をえぐる「ある都市の物語」

 たまたま通りかかった表参道のルイ・ヴィトンで、ミュージアム「エスパス・ルイ・ヴィトン」に軽い気持ちで入場し、ちょっとした衝撃を受けました。そこには深刻な問題となっているグローバルな問題が浮き彫りにされていたからです。
 それはインド第三の都市・コルカタを拠点に活動するアーティストの作品を紹介するものでした。明るい広々とした静かな空間に置かれたインスタレーションやアートの展示に、不気味な影のようなものを感じたのです。
 
Cimg35041  左は、セカール・ロイの巨体なインスタレーション「都市の風景」。ビルは曲がり、その中に貧困にあえぐ人々が描かれています。混沌としたインドの都市を表徴しているようです。


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 左は、女性アーティスト、ピヤリ・サドゥカーンの「むしろ夢を保護している」と題したインスタレーションです。頭部から体にかけて、血液のような増殖物が張り付いている光景に戦慄を覚えました。女児胎児殺しが絶えないといわれるインドで、抑圧される女性たちの悲しみが伝わってきます。
  
 右は、スネハシシュ・マイティの「マスク」。これはまさにチープなガスマスク。公害に悩む現代社会の暗部を皮肉っているかのようです。
 
 インドの現代アートのレベルの高さに改めて感動しました。5月6日まで開催されています。

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2013年4月21日 (日)

遠鉄百貨店でシニア女性のおしゃれを応援するイベント

 元気で活動的なシニア女性のおしゃれを応援する「リラ・ヴォーグ・パターンオーダー会」が、昨日、静岡県浜松市の浜松駅前にある遠鉄百貨店で開催され、特別イベントとして「渡辺聡子×今井啓子トークショー」が行われ、私もこの進行役として参加しました。

 トークショーでは 60歳以上の女性のお出かけ着を企画・生産しているリラ・ヴォーグ代表の渡辺聡子さんとユニバーサルファッション協会名誉会長でSUDI湘南くらしのUD商品研究室代表の今井啓子さんが、熱のこもったおしゃれ談義を披露し、用意した椅子が足りなくなるほどたくさんのお客様が来場して大盛況でした。モデルの実演もあり、今井さんが美しい着こなしのポイントを楽しい語りで紹介されて、一同和やかな午後のひと時を過ごしました。
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 写真は渡辺孝氏が撮影されました。


 
 

 

 ここで一つ忘れられない出来事がありました。それは一番前の席に座られていた上品な女性が、リラ・ヴォーグのブラウスを羽織られたときのことです。今年米寿とのことでしたが、ブラウスのピンク色が絶妙なミックス&マッチを生み出したのでしょう。よく似合って、お顔が輝いて見えました。ファッションには、やはり人を生き生きとさせる魔法のような力があると改めて思いました。

Cimg35331  この後の「リラ・ヴォーグ・パターンオーダー会」では、ブラウスやジャケットが好評で、よく売れたそうです。私も試着して袖通しが楽で着やすいことを体感し、一着購入しました。

 オーダー会とあって、当然セミオーダーが可能でしたけれど、これは案外少なかったとのこと。やはり簡便な既製品を持ち帰りたい方が圧倒的多数だったようです。しかもサイズは意外にも、Sのスモールサイズがもっとも売れ行きがよくて、LやLLはまったく動かなかったとか。渡辺さんは、「歳を重ねるにつれ、かえって痩せて小柄な女性が増えてくることを実感した」といいます。

 なお素材も、質感のいいものから先に売れていくとのことで、今回初めてコラボした地元浜松産地の古橋織布の生地を使ったもの、たとえばバンブー/リネンなどが人気だったそうです。

 初の取り組みで、素材選びの重要性など、どういうものが求められているのか、その感覚をつかんだという渡辺さん。次回に向けての展開が楽しみです。

 この展示販売は、引き続き6月30日まで同百貨店で行われることになっています。

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2013年4月20日 (土)

「コスチュームジュエリーの世界」田中元子アクセサリーコレクション

 アクセサリーミュージアム館長の田中元子さんが、同館オープン3年を記念して、著書「コスチュームジュエリーの世界」を発刊されました。

 ミュージアムが開館する以前から何度か訪れ、親しくお付き合いさせていただいていると思っている私ですので、本当にうれしく、心から「おめでとう!」を申し上げます。

 著書には、館長が50年間こつこつと蒐集されたコレクションの中から、選りすぐられた400点余りのコスチュームジュエリーが、オールカラーの美しい色刷りで掲載されています。
 第一章は、時代を追って1830年代ヴィクトリアンから1980年代アヴァンギャルドまでのアクセサリーが、歴史的背景にまで踏み込んだ内容で取り上げられていて、第二章では、シャネルをはじめとする代表的なデザイナーやメゾンが世に出した、個性あふれるコスチュームジュエリーの世界が映し出されます。第三章は、日本独自の風俗と時代性の中で発達したコスチュームジュエリーが、そして最後の第四章には、館長の思い入れ深い、まだ残る日本のアクセサリーづくりの匠たちの姿が紹介されています。
 
 世界に類をみない、すばらしい本なので、きっと歴史に残る稀覯本になるのでは、と思います。ぜひ英訳して世界中の人々に伝えていただきたい書です。

 現在アクセサリーミュージアムショップで発売中。定価2,000円+税。
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2013年4月19日 (金)

「消費者はコットンが好き」2012グローバル・ライフスタイル・モニター 調査結果より

 米国コットンインコーポレイテッド社のマネージャーでマーケット・アナリシス、CSPMのジャスティン・コーテス氏が来日し、この15日、東京・渋谷で「小売と消費者の最新情報」と題するセミナーが行われました。 

Cimg34811  同氏はこのセミナーで、2012年にCCI国際綿花評議会が実施したグローバル・ライフスタイル・モニター調査結果を基に、日本と米国の小売と消費者動向を分析し報告されました。大変興味深いレポートでしたので、概略を紹介します。

 まず経済状況について、GDPトップは2012年に米国、次いで中国、そして日本でしたが、2020年には米国+22%、中国+73%、日本は+7%となり、米国は依然1位の座を守りますが、中国も著しく成長します。
 人口は2020年までに、米国+6%、次いで中国+3%で、日本-3%と減少。しかし日本の都市人口は+1%となり、可処分所得の高い層が増えるとみられています。また高齢化により2020年に、日本人の平均年齢は50歳、中国人は40歳になります。
 インターネット普及率は、2020年までに日本88%、米国83%、中国55%で、世界最大のインターネット人口国は、中国と予想されます。
 さらにアパレル支出の成長予測では、2020年に米国は+15%でトップ、中国は+90%で2位、次いでインドが3位、日本は4位に転落するでしょう。

 次に日本市場ですが、2001年と2012年の比較で、服を購入するためにショップへ立ち寄る頻度は、46%から35%に低下。また品質は落ちても低価格品を求める人が48%から52%に上昇、服以外のものに出費する傾向も32%から41%に上っています。
 服の購入先はユニクロを含むファストファッションが23%、専門店20%、百貨店とチェーン店が各15%、インターネット14%で、この10年でファストファッションとインターネットが急速に伸びています。またネット購入品目でもっとも多かったのは衣料品です。
 このため小売りはPBを増やし、ネット販売に力を入れていますが、高齢化と働く女性の増加に合わせて、より年齢の高い層にシフトする必要があるのではないかと分析しています。

 米国では、概して小売りの売り上げは好調とのことですが、天候や財政悪化でラグジュアリー関連は悪影響を受けたといいます。全般に景気が不透明なこともあって、価格帯を多様化して乗り切る小売りが多く、オムニチャネルが拡がっているとも。
 また新しい動きとしてアスレティックスポーツウェアの多機能性が評価され、ヨガパンツなど、10人中9人がふだん着として着用していて、ニュー・カジュアルウェアとして売り場が拡大しているそうです。
 価格については、9割が品質に対して高価格と答え、質が低下しているといいます。品質がよくて長く使えるものなら、多少高額でもよいという消費者が増えていることは確かなようです。

 コットン製品については、10人中8人が好ましく思っているのに、市場にあまり出回っていなくて、品質が落ちたと感じるのは、コットンのものが少ないからだそう。消費者はコットン衣料の価値に気づいているのです。

 日本でも、消費者は明らかに「コットンが好き」と回答しています。全体の8割が綿や綿混素材を今のファッションにふさわしいと考えていますし、84%が綿や綿混素材の服を好んでもっともよく着ているといいます。

 日本における調査結果の詳細は、一般財団法人日本綿業振興会http://cotton.or.jp/glm2012.pdfで詳細が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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2013年4月18日 (木)

「100人のオーガニックアーティストTシャツ」展

 今、「100人のオーガニックアーティストTシャツ」展が、国連大学ビル1階の地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)で開催されています。
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 世界的に活躍するアーティストがスケッチを描いたオーガニックコットンTシャツのプロジェクトで、1995年に始まり、2012年に目標の100点に達し、今回の展示となったものとか。
 著名なアーティストたちの作品がプリントされたTシャツは、どこか温かくてユーモアに満ちています。それにしてもこれだけたくさん揃うと壮観です。展示は5月11日まで。

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2013年4月17日 (水)

綿織物産地の素材一堂に

 綿織物産地素材展が、日本綿スフ織物工業組合連合会主催により、4月4~5日、東京・六本木の綿工連会館で開催されました。日本には綿織物産地が点在していますが、綿工連傘下の静岡県から福岡県までの有力な機屋が一堂に会した展示会は、初めてのことだそうです。

Cimg34211  一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会(JALFIC)のJALFIC PLATFORM事業との連携で行われたコラボレーション展でもあり、アパレルの企画担当者が多数訪れ、約200人が来場したといいます。出展企業は16社で、「初日から予想以上ににぎわって、販促に役立った」の声が聞かれ、「次回はもっと費用がかかっても参加したい」が大多数だったとか。

 産地の生地メーカーにとって、これは独自の新作を大手アパレルやデザイナーなどにアピールするまたとない機会になった模様。やはりファッションアパレルが集中する東京での開催は意義があります。

 なお、7月のJALFIC PLATFORM事業には、綿織物産地も合同出展するとのことです。こうしたアパレルとの出会いの場を通じて、産地ビジネスがますます盛り上がるように期待しています。
 
 同展で注目した生地をご紹介します。(写真はクリックで拡大)
古橋織布
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 綿/シルクのピンストライプ。

Cimg34131  右のバンブー/リネンも好評。



福田織物
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 120番手単糸のローンなど、超細番手の繊細な綿織物が中心の中で、コーデュロイ、それもアンカットコーデュロイが予想外の人気だったとか。

遠州ネット
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 空羽織。2m幅に織り、洗いをかけて110cm幅としたもの。綿にポリエステル混。



ショーワ
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 60番手単糸のロープ染色インディゴ染め薄地デニム。スーピマ綿使いのもので、このような細番手ロープ染色技術を持つのは同社だけだそう。また自然感を表現したストールも展示。

カイハラ産業
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 ニット風に見えるストレッチデニム。綿79/ポリエステル19/ポリウレタン2で、裏面に合繊が出る変わり綾織なのでさらっとした感触。


ミツノブ
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 久留米絣の綿入りはんてん。すべて手作りで暖かくて軽い着心地。



坂田織物
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 久留米絣のドレスや小物類、筑後もめんなどを展示。2012年、GOOD DESIGN賞受賞。

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2013年4月16日 (火)

13/14秋冬ナオシサワヤナギ 新ブランド「紡ぐ(Tumugu)」

 今回のテキスタイルネット展で、「ナオシサワヤナギ」を手がけるファッションデザイナーの澤柳直志が、テキスタイルにこだわった新ブランド「紡ぐ(Tumugu)」を立ち上げ、ショーを開きました。

Cimg33731jpg  糸を紡ぐように人と人、アパレル川下と川上をつなげ紡いでいくブランドとのことで、テキスタイルネット展に出展している企業の生地を使用。新しい自然のカタチ、「ネオナチュラNEONATURA」をテーマに、ドレープの美しいドレス30型を披露しました。

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2013年4月15日 (月)

テキスタイルネット展「日本の素材と技術を発見! 」

 アパレルウエブが主催する「テキスタイルネット」2013-14秋冬もの展示会が、4月3~4日、28社が合同して、東京・原宿で開催されました。

 今回のテーマは「日本の素材と技術を発見! 」で、出展社の中でも特徴のある技術を実演して見せるコーナーが人気を集めていました。
Cimg33591jpg  たとえば伝統の職人の技では、歌舞伎衣装や半纏などの製作で定評のある石山染交が、和刺繍を実演(写真左)。また山忠紙芸ではフロッキー加工、「さをり」織では織機を持ち込んで手織りを披露。

Cimg33861  また最新デジタル技術では、島精機のデザインシステム(写真右)や、デジナのインクジェットプリントに大きな人だかりができていました。
 
 とくに綿関連のブースで、今秋冬注目の素材をご紹介します。

ダックテキスタイル
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Cimg33961jpg_2  ワッシャー加工やストレッチデニムを中心に、とくにジャカードデニムで、直径3cmもの大きな水玉柄や、スーピマ綿の100双シャンブレーが好評。

シャルト
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Cimg34101jpg_2  シャツ地のチェックなど様々なシャツ地を提案。とくにジャカードデニムの、迷彩柄のものや、細コールが思いがけなく売れているとのこと。

三政テキスタイル
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Cimg34041 100双の高密度タイプライタークロスや、目の詰んだ70単のブロード、ヘアラインクロスなど、高級綿のなめらかな光沢のあるテキスタイルが人気。

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2013年4月14日 (日)

ミュシャ財団秘蔵「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」

 アール・ヌーヴォー様式の巨匠、アルフォンス・ミュシャの「ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」が、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されています。

 ミュシャの絵には目がない私、この3月半ばには、見に行ってきたのでしたが、先週のNHK日曜美術館で放映されるなど、やはりすごい人気です。花や植物のモチーフが必ず採り入れられている、優美な曲線の美しい女性像には、誰しもうっとりさせられるでしょう。

1  左の写真は、ちらしに大きく取り上げられている「夢想」と題した1897年のリトグラフ。光背を連想させる、植物の円環が女性の姿に神々しい響きを奏でています。
 
 後半は、ミュシャの意外な素顔が顔を出します。それはチェコ人としてのアイデンティティを前面に出した骨太の作品群です。米国に渡り、ニューヨークで描いたという祖国チェコへの想いがあふれた一連の「スラブ叙事詩」には胸を打たれます。展覧会の副題になっている「あなたが知らない本当のミュシャ」に、ここで出会えた気がしました。

2  右の写真は、ちらしに使われているもう一つのヴィジュアルで、「ヤロスラヴァ」の肖像画です。油彩で1927~35年頃の作品とか。ヤロスラヴァはミュシャの娘で、頭にチェコの民族衣装の白い布を巻いて、巫女のように聖化された存在として表現されています。BGMにスメタナの交響詩「モルダウ」が流れ、近くにはチェコの民族衣装のエプロンやブラウス、ベストなども展示されています。

 ミュシャは、単なる装飾美だけの画家ではない、ということがわかる貴重な展覧会でした。5月19日まで開催されています。

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2013年4月13日 (土)

大人がときめくフリーマガジン「つなぐ通信」創刊!

Img18315x450_4   「Textile Treeテキスタイルツリー」主宰の成田典子さんから、「つなぐ通信」創刊号(2013 Spring)を届けていただきました。「いいものを、つないでいく」をコンセプトにした大人のマガジンで、年4回発行されます。

 巻頭言には、「先人たちが築き、受け継がれてきた“大切な原点”を拾い上げ、それを次世代に伝えること」が、我々の大事な使命とあり、本当にそうだなと感銘しました。魅力的なシニアにスポットを当てるインタビュー記事など、読み応えのある内容です。とくにイラストレーターでエッセイストの西村玲子さんによる「西村玲子のつなぐ暮らし」の連載は、おしゃれなライフスタイルに憧れるシニア世代にとってうれしいページでしょう。

 すべてカラー刷りで美しい写真も豊富。これがフリー(0円)でゲットできるなんて、時代は変わりました。渋谷PARCOパート1 4階のフリペーパー専門店「オンリーフリーペーパー」を始め、各所に置かれているとのことですが、現在設置・配布していただけるお店や施設を募集中だそうです。どこかありましたら、お知らせください。

 成田さんとは以前「テキスタイル用語辞典」を作成されるというので、テキスタイル資料でご協力させていただいたのがご縁です。繊維辞典というと、堅苦しいものが多いですが、これは素材のカラー写真が付いていてわかりやすく、読み物風コラムもあって、楽しく学べます。日本図書館協会選定図書でもあり、服飾や関連業界の方々にとっては大変参考になるお奨めの書です。

 「つなぐ通信」が創刊されて、改めてこの「テキスタイル用語辞典」への想いを新たにしました。すてきなつながりに感謝です。

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2013年4月12日 (金)

ユニバーサルデザインに求められる「サスティナビリティ」

 超高齢化社会に突入している変革期の日本で、求められているのは、使い手の側に立ったユニバーサルデザイン(UD)の提案です。UDとは「年齢・体型・性別・人種・障がいに関わらず誰もが楽しめるデザイン」で、その根幹を成しているのが、有限な地球に暮らす人間中心のアプローチです。いくら高品質で安価な商品が魅力的でも、ビジネス優先による環境破壊が潜んでいるとしたら、見過ごすことはできません。

 UDの背景にエコロジカルな視点、とりわけ「サスティナビリティsustainability=持続可能性」がキーワードとして浮上しています。何を持続させるのかというと、「良い社会と地球環境」です。つまり「サスティナビリティ」とは、「将来世代にわたってずっと良い社会と地球環境を保ち続ける」という考え方で、これが商品選択の重要な基準の一つになってきているのです。

 とくに3.11の大震災以降、「豊かさとは何か」が問い直され、大自然を脅威と受け止めながらも、自然と共存するライフスタイルや商品に高い関心を示す生活者が増加しています。生産現場でも、環境に配慮し限りある資源を次世代につなぐ発想のモノづくりが求められるようになりました。
 
 「今が良ければいい」から、「長続きさせる」方向へ価値観の大転換が起こっている現代。14年春夏に向けたパリのプルミエールヴィジョン(PV)やミラノウニカ(MU)でも、テーマのひとつとして掲げられたのが「サスティナブルなファッション」でした。ユニバーサルファッションは「着て楽しく、着易くて動きやすい」ことが大原則ですが、今後は環境問題に関しても、より積極的に取り組む必要があります。
 
 これについて、今月10日に発売されたトレンド先読み情報誌「FASHION COLORファッションカラー2014年春夏/2013-14年秋冬号」(日本色研事業発行)に、私が寄稿した記事が「UNIVERSAL DESIGN 」見開き2ページで掲載されています。書店でぜひお求めください。
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2013年4月11日 (木)

「TEAM GREEN」のエシカル・ライフスタイル

 「グリーンな売り場を全国に自然増殖させたい」と、今回のPLUG IN展に出展していたのが、「ティーム・グリーンTEAM GREEN」によるエシカルなライフスタイルを集めたゾーン。多くの人でにぎわっていました。
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 参加したのは、①持続可能な暮らしを提案するもの、②フェアトレードなど社会的視点を鑑みて提案するもの、③伝統文化や匠の技を生かしたモノ作りを発展・継承するもの
という3つのエシカル基準に該当する9つのブランド。そのいくつかを紹介します。

Cimg33511 ○インヒールズINHEELS ロンドン発のエシカルファッションブランドで、ネパールで縫製されたシャツや小物、インドのストールなどを扱っています。



Cimg33501 ○スルシーSulci フィリピンの女性たちがつくるラフィアのバッグのブランド。





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○メコンブルーMekong Blue カンボジアの手織りシルク製ストールのブランド。



 「TEAM GREEN」は、既に東京・大阪・福岡の百貨店を中心に年間120日以上の催事実績があるそうです。福岡三越では昨年から常設展開中とか。

 人々の価値観や幸福感が必ずしも経済成長が前提ではない方向に変化してきている今、エシカルなライフスタイルを提案する動きは、今後ますます広がり、定着していくことでしょう。

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2013年4月10日 (水)

第15回「PLUG IN」展 注目のブランド

 この3月27~29日、東京・渋谷で開催された第15回PLUG IN展で、コットン関連で注目されたブランドを紹介します。

スリック・スリックSlic *Slic
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   米国ロサンゼルス生まれのL.A.ウィークエンドカジュアルブランドで、日本での展開は2007年から。スリック(滑らか)というように、ソフトなコットン素材が冬物にもたくさん使われています。写真はスウェットドレス(12,000円)に裏ボア付きコーデュロイのハーフコート(21,000円)の組み合わせ。いずれもコットン100%。

スープレルースSouple Luz
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    オーガニックコットン/カシミアあるいはシルクなど、究極に肌触りのよい天然原料を植物染めした素材で、シンプルなリラクシングウェアを提案しているブランドです。お値段はインナーのキャミソールドレスで17,000円とのこと。

キャシー・ジェーンCathy Jane
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  インド製の手の込んだ刺繍のメンズシャツを提案。上質のコットン地に、花やスカル、紋章といったモチーフが襟裏、袖裏にまで施されています。18,900円。



ハイト・フラッター hight flutter
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   和歌山のメリヤスメーカー、今城メリヤス発のファクトリーブランドです。スーピマ綿やスビン綿といった超長繊維綿使いの細番手糸を、年代物の吊り編み機で編み立てたニット製品は、しなやかで軽く、体と一体化するような着心地のよさ。

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2013年4月 9日 (火)

13/14秋冬ディウカ(divka) テーマは「condition」

 個性的なカットと美しいドレープが持ち味のディウカが、この3月27~29日に開催された第15回「PLUG IN」展に出展。

 今シーズンは「condition」をテーマに、花や風景といった被写体のピントをずらして撮影した写真プリントのドレスを発表しています。焦点がぼけて背景と溶け込みあうビジュアルの光と影が奥行きを感じさせ、揺らいでいるように見えます。ぶれた画像は、今は亡きサラ・ムーンの写真を思わせます。

Cimg3329divka1jpg  アシンメトリックな造形も動きを感じさせ、モードに敏感な女性の心を動かしそうです。価格は写真のドレスで58,000円とのこと。

 デザイナーは田中崇順(たなか・たかゆき)とパタンナー松本志行(まつもと・もとゆき)のデュオ。2012TOKYO新人デザイナーファッション大賞東京都知事賞を受賞している、まさに今、旬なブランドです。

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2013年4月 8日 (月)

「アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密」展

 「赤十字を担おう」というタイトルの写真のポスターに惹かれて、東京都写真美術館で行われている「アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密」を見てきました。

Erwinblumenfeldtokyometropolitanmus  アーウィン・ブルーメンフェルド(1897―1969年)は、「ヴォーグ」や「ハーパース・バザー」などのファッション誌で活躍した、20世紀を代表するファッション写真家です。
 この「赤十字を担おう」はアメリカ版「ヴォーグ」(1945年3月15日号)の表紙に使われた写真<左>ですが、これはもうファッション写真の領域を超えたアートそのものです。モデルは輪郭をぼかされて、背中の大きな赤十字はモデルの体を透過しています。当時シュールレアリズムに傾倒していたこともあったのでしょう。そのシュールな表現は、実に鮮烈な印象を与えます。

 その後の美しいポートレイトも単なる商業写真ではありません。「ヴォーグ」US (1953年5月号)表紙の写真<左下>や「ヴォーグ」US (1950年1月号) 「無垢の目」と題した作品<右下の写真>に、アートの要素が忍び込んでいるのがわかります。写真はアートではないとされていたこの時代に、何と先駆的だったことでしょう。後生のフォトグラファーに大きな影響を与えた、というのもうなずけます。
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Docu01051  驚かされるのは1930年代後半の暗い時代を感じさせるモノクロ写真のグループです。醜いヒットラーの肖像写真やちらしにある無題(1937年)<右の写真>など、ユダヤ系ドイツ人だった彼の反骨精神にも感銘させられました。

 展覧会は5月6日まで開催されます。

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2013年4月 7日 (日)

13/14秋冬「weareurope 」EUのシックなエスプリを一堂に

  ヨーロッパ連合(EU)選りすぐりのファッションブランドを集結させた「weareurope」展示会が、3月27―28日に東京・六本木で開催され、13/14秋冬コレクションが発表されました。
 
 これはEU主催の展示会で、EUの優れた技術やデザインを日本に紹介する「EU Gateway Programme」の一環として行われています。スタートしたのは2006年で、新たなヨーロッパの才能を発掘する場として、徐々に規模が拡大しています。
 今回はEU各国からレディスとメンズ、アクセサリーなど、36ブランドが出展しました。国別ではオランダとハンガリーがもっとも多くなっています。イタリアやフランスが少ないのは、既に日本の業界とのパイプが出来あがっているからで、ここではそうした取り組みが難しいEU加盟国のブランドが中心です。
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 ファッションショーも2回に分けて披露され、ヨーロッパのシックな大人のエスプリを堪能しました。質の高さを求める日本人が多くなっている今、この市場はますます拡大するものと思われます。

Cimg32881  (左)シャーロット・タイラー CHARLOTTE TAILOR(英) リズミカルな幾何柄が際立つスタイリング。

Cimg33011  (右)マックスジェニー MAXJENNY(デンマーク) サイケデリックなプリント柄が目を引きます。
グラフィックプリントとブライトカラー使いで定評のあるブランド。

Cimg32761jpg  (左)ディイーフェクト D.EFECT(リトアニア) 大胆なボーダーを洗練された個性的なスタイルで表現しています。

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2013年4月 6日 (土)

アーティストの作品が楽しい「ワンピースとタイツ」

 先般のroomsLINK合同展示会で目を奪われたのが、「ワンピースとタイツ」。これはれっきとしたブランド名です。
 基本的なワンピースとタイツの形に合わせて、今をときめくアーティストや他ジャンルのデザイナーたちの作品をプリントしたユニットを展示。コットンのワンピースはインクジェットプリント、タイツは昇華プリントだそうです。
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Cimg29891jpg  左の写真は、画家の道原綾香の作品をプリントしたもの。他にクラーク詩織や多田明日香、マエダエマ、くぼたえみらの作品が勢ぞろいしています。価格は、ワンピース18,900円、タイツとレギンス各5040円。
 
 デザイナーは、ATENOY(アテノイ)の米田年範さん。2012年、新人デザイナー大賞プロ部門支援デザイナーに選出され、ワンピースとタイツだけのユニークなブランド「ワンピースとタイツ」を起ち上げたといいます。コンセプトは、「アートを身近なものにする」とのこと。

 着やすいシンプルなデザインに落とし込まれたアート作品がカラフルで楽しい! 誰もがアートを気軽に装える、そんな時代がやって来ました。

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2013年4月 5日 (金)

13/14秋冬ヒロミ・ヨシダ エレガントな大人美が光る

 クチュール界のカリスマともいわれるファッション・デザイナー、吉田ヒロミの「ヒロミ・ヨシダHIROMI YOSHIDA」が、この3月19日(火)~3月22日、roomsLINK合同展示会に出展。

Cimg29941  今シーズンは、とくに1950年代にアトリエで実際に使用されたというツィード地を使ったコートやスーツ、バッグなどを披露。この生地は、当時流行したざっくりした太糸使いのものとのことで、そのロー(RAW生な)感覚が、時空を超えて現代にやって来たといった感じで、新鮮です。Cimg29921jpg ちなみに価格は写真のコート94,500円、バッグ(大)34,000円。

 エレガントな大人美が光る服づくりは、他を圧倒する美しさです。

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2013年4月 4日 (木)

JAXA COSMODE宇宙技術とファッションのコラボ展

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によるJAXA COSMODE展が、東京コレクションの期間中、渋谷パルコ パート1で開催されました。

 JAXA COSMODEとは、日本の宇宙研究開発から生まれた最先端技術とファッションを中心とした企業とのコラボレーションから生まれた「宇宙×ファッション」ブランドで、2008年にスタートしたといいます。

 今回は宇宙服やロケット、はやぶさの模型などともに、6社のブランドが参加し、JAXAが保有する宇宙や地球の画像・映像を活用した商品が多数展示販売されました。
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 衛星や惑星、銀河などをプリントしたシャツやパンツ、バッグなど、私たちの宇宙への夢が広がります。わくわくするようなモチーフが加わって、ファッションがますます楽しくなってきます。
 

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2013年4月 3日 (水)

13/14秋冬トクコ・プルミエヴォル 「ビバ・ラ・フランス」をテーマに

 デザイナーの前田徳子が手がけるレナウンのプレタブランド、トクコ・プルミエヴォルは、今シーズン、ブランド設立25周年を迎え、フランスを舞台にした華麗なコレクションを繰り広げました。

1  テーマは「ビバ・ラ・フランスVIVE LA FRANCE」です。まずはアルザス地方のフォークロアでまとめたトクコらしい民族色豊かなスタイル、次にフランスの名所をまとめたファンタジックでカラフルなグループ。ローヌ川流域のフランス第二の都市リヨン、ロココとアール・ヌーヴォーの美術が花開いたナンシー、ブルゴーニュ―ワインとマスタードで有名なディジョン、太陽がいっぱいの明るいプロヴァンス地方へ旅は続き、美しいプリントやレース、刺繍のドレスで大人のキュートさを表現。大きな花がアクセントのドレスも飛び出しました。ニットもふんだんに採り入れられています。
 
 そしてラストを締めくくったのは、パリらしいにぎやかなトリコロールスタイルでした。
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2013年4月 2日 (火)

13/14秋冬G.V.G.V.  フェティッシュなイメージ

 セクシーな艶のあるファッションを見せるG.V.G.V.。今シーズンもデザイナーのマグMUGは、「調教」をテーマに、フェティッシュなイメージをのせたコレクションを発表しました。

 ボンデージアーティストのジョン・ウィリーにヒントをとったという、むちを振るったり、目隠しをされたりする女性のイラスト使いや、レザーハーネス、編み上げ、豹柄のはめこみディテール、またサテンのパジャマスタイル、ライダースジャケット、サイハイブーツなどで、インパクトの強い女性像が追求されています。
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 とはいえ基調は40~50年代風クラシック。終盤の大胆な変形千鳥格子のスーツなど、トレンドはしっかり押さえた構成です。

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2013年4月 1日 (月)

13/14秋冬 リツコシラハマ 「ロックンロール・サーカス」

 リツコシラハマのデザイナー白浜利司子が、4年半ぶりにランウェーショーをMercedes-Benz Fashion Week TOKYO で開催し、今秋冬の新作を発表しました。

Cimg31851jpg  テーマは「ロックンロール・サーカス」で、グラフィカルな幾何学柄や大胆な切り替えといった構成で、クラシカルを明るく元気いっぱいに演出。大きな帽子がレディライクな着こなしに新しいバランスを生み出していました。
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