PVバイヤーの買い付けコースに「リサイクル素材」
PVでは毎シーズン、テーマを決めてバイヤーのために買い付けコースを提案しています。今シーズンは多々ある環境保護というアプローチの中で、「リサイクル素材」にスポットを当て、これをテーマにコースが組まれていました。
リサイクリングは、歴史的、文化的に古くから確立した産業ですが、マーケティングの対象ではありませんでした。しかしテクノロジーの進化とともに、差別化の一つと見なされるようになり、ファッションを超えたファッションとしての存在感を放ち始めています。
注目のリサイクル技術を持つ出展社をご紹介します。(写真はクリックで拡大)
○コーヒーをリサイクルするシングテックスSingtex(台湾) 同社のS.Cafeブランド製品は、何とコーヒーを淹れて飲んだ後の出し殻が原料。1日に500kgの出し殻から繊維をつくっているといいます。まさに「飲んで、着る」です。まず脱水、次に残油を除去、残った滓をペットボトルとともに溶融紡糸したものが、S.Cafeヤーン。速乾性があり、消臭、UVカット機能などに優れているため、ランジェリーからシャツ、アウター、スポーツシューズなど、幅広い用途で用いられているとのこと。
○ウールリサイクルのリニア・ロスLinear Ross(イタリア) イタリアのブラート商工会議所では、70%以上のリサイクルウール製品を「グリーン」ラベルで支援し、エコ・フレンドリーな産地であることを世界に訴求しています。とくに注目されるのが、1960年代のセーターからのウールリサイクル技術で、リニア・ロスはこれを受け継ぎ、ベロア調のニットをつくっています。しっかりしたコシのある質感が好評といいます。
○漁網をリサイクルするフランティソール・クリエーションFrantissor Creations(フランス) アウトドア市場では、とりわけ自然環境を意識した素材が求められていて、実際北欧ではエコ・フレンドリーな商品が人気です。これはフランスでも成長マーケットとか。同社は、ペットボトルをリサイクルしたポリエステル素材を進化させ続ける一方、新たに漁網やカーペットをリサイクルしたナイロン素材を開発。海をクリーンに守り、ごみの減量化に貢献しているといいます。
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