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2012年12月 7日 (金)

「国立デザイン美術館をつくる会」第一回シンポジウム

Cimg05521  デザイナー三宅一生氏と国立西洋美術館長で美術史家青柳正規氏の呼びかけで、「国立デザイン美術館をつくる会」が設立され、去る11月27日、その第一回シンポジウムが東京・六本木で開催されました。グラフィックデザイナー佐藤卓氏、プロダクトデザイナー深澤直人氏、ファッションデザイナー皆川明氏など錚々たる9人のクリエイターが登壇し、「国立デザイン美術館」の創立に向けて、約2時間半にわたって、熱い議論が交わされました。
 
 最初に発起人の三宅一生氏が「10年前に“つくろう、デザインミュージアム!”と投稿し、全国から賛同の手紙をいただき、結果として、5年前に“21_21 DESIGN SIGHT”を創設することができた。しかし日本は今、沈みゆく太陽のように、アーカイブを失いつつある。とくに3.11後、この状況を何とかしなければいけないと思うようになった。幸い日本にはデザインというキーワードがある。美術館をつくり、若い世代にデザインの未来を託したい」と挨拶。青柳正規氏も「一般の人が力を合わせて声を挙げれば、中央官庁の役人を恃まずとも、きっと実現できる」と宣言。

 次いで討論に入り、大きく3つのテーマで議事が進められました。様々な意見が飛び出す中、それらを雑駁ながら整理してみます。

 第一に「だから今、デザインミュージアムが必要だ」では、「しかも国立であることに意味がある。国立にして責任をもって運営し続けていくことが大切」であり、「英国ヴィクトリア&アルバートミュージアムのように、海外諸国には国立デザイン美術館がある。その種を蒔き、育てていくことが必要だ」。また「デザインは日本に生きるみんなの共有財産」、「自分たちの文化を意識化する場がデザインミュージアム」といった意見が出されました。
 第二に「みんなに愛されるミュージアム」では、三宅一生氏が「デザインとは、デザイナーがつくるものだけではない。モノづくりの原点を担う職人たち、彼らがつくるものも大切な財産だ。しかし今、この職人の手仕事が無くなりつつあり、つくられた作品を残す場もない。アーカイブとはそうした作品を伝える場であり、鳥が来て水を飲んでいく泉のようなもの。それはデザインの可能性を示すことにつながる」と発言。道具と機械の意味や経済効率について「経済効率からはずれたところにある価値に気づくことが大事」などの声が上がりました。
 第三に「デザインミュージアムとアーカイブを考える」では、「日本では美術館というと権威的な場になっている。近づいて触ってもいいし、手を使ってつくることが楽しいということを伝える場にしたい」、「庶民の知恵が詰まった美術館」など、話はより煮詰まっていき、「優秀な技術者がいても海外に出て行ってしまい、優れたものをつくっても国内で終わってしまうのは大変残念。世界の人々に日本のデザインのすばらしさを知らせるためには、やはり国立であるべきだ」という結論に到達しました。

 今回の公開シンポジウムは美術館実現に向けての決起大会。青柳氏によれば、「開設に最低5年はかかる」とのことでした。私も微力ながらサポーターとして応援していこうと思っています。なお来秋10月には21_21 DESIGN SIGHTで「デザインミュージアム・ジャパン」展が企画されているとのことで、これも楽しみです。

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