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2012年12月18日 (火)

「車いすからの出発~おしゃれして輝く~」

Cimg07911jpg_2  日本衣服学会・科研費研究成果公開講座では、エッセイストでユニバーサルデザイン(UD)コンサルタントの鈴木ひとみさんによる特別講演「車いすからの出発~おしゃれして輝く~」がありました。著書「命をくれたキス『車椅子の花嫁』愛と自立の16年」を拝読し、お話しを伺うのはこれで2度目ですが、今回もまた、その凄まじい愛と涙の体験談に感動で胸がいっぱいになりました。

 鈴木ひとみさんは、28年前、22歳のときに交通事故に遇い、車いす生活になりました。それ以前は銀行員でミス・インターショナルの準ミスに選出されたことからファッションモデルに転身し、事故はこの仕事で行った甲府からの帰途に起きました。これは講演の概要でも述べていらっしゃることですが、ファッションモデルだったということで、さぞかし装うことが好きだったのではないかというと、実はそうではなかったのだそうです。装う喜びを知ったのは、皮肉にも着るものを制約されて、ずっと経ってからのことだったとか。最初は車いす=暗く哀れで悲しいものだと思われることを払拭したいと、明るい色を好んで選ばれていたとのことで、徐々に自分の着たい色、デザインで購入するようになっていったといいます。
 車いす生活になって困ることは、体に合う洋服が既製品では難しいことだそうです。座ると窮屈だったり、逆に余る部分が出てしまったり。既製服でもその人に合わせて、直すことはできますが、お直し代は決して安くはありませんし、これを追求していくと、注文服になってしまいます。洋服はUDにはなりにくいといいます。
 また長年、着やすい服が手に入らないことを人前で話すことができなかった、と語られました。服が体に合わないことは、生きる上で絶対必要なことではないし、そのようなことを口にするのは、あつかましく不遜に思われるに違いないと感じていたからだそうです。
 しかし最近はそう言えるようになったといいます。バリアフリーの環境が整い、障がいがあっても外出し、社会参加する人たちが増えていますし、車いすに乗っていて、認知されていると思えるようになったからです。
 かつては半人前と、ご自身を卑下されていたという鈴木さん。おしゃれの基準は「人からどう見られるか」だったそうで、少しも楽しくなかったとか。しかし次第に障がいを受け入れられるようになり、「自分の着たいものを着る」のがおしゃれと考えるようになって、楽しくなったそうです。障がいを受容する心がおしゃれにつながると、いいます。車いすでミニスカートをはく人も見られるようになるなど、おしゃれをして自分を表現する障がい者が出てきていることは、大変うれしいとおっしゃっていました。
 
 服に関する情報の入手先をもっと知りたいとのことで、衣に関するUD活動をさらに広げる取り組みが必要と痛感させられました。

Cimg08561_3   ウエストをしぼったジャケットとパンツスタイルがとてもシックな鈴木ひとみさん。
 ジャケットは、前身頃の幅をやや狭くして、腕の部分を少し大きくし、またパンツは裾部だけを長くしているそうです。体が大きいひとみさん流の工夫なのですね。
 ジャケットの生地は、ラメ入りグレンチェックのウールツィード製で、胸と背中にはシルクサテン地で大きいバラの花のアップリケ刺繍が施されています。何とも優美で落ち着いた雰囲気、忘れられません。
 

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