高齢者向け婦人服「リラ・ヴォーグ」ファッションショー
高齢者向け婦人服ブランド「リラ・ヴォーグ」代表でデザイナーの渡邊聡子さんは、15日、東京・代々木の文化学園大学で開催された日本衣服学会・科研費研究成果公開講座で、「ファッションの魅力」をテーマに新作を展示し、ショー形式で作品を発表されました。
山野美容短期大学名誉教授でもある渡邊聡子さんは、長年、教檀に立ち、高齢・障がい者向けの着やすい衣服の研究に関わってこられ、昨年5月、「若い人と同じようにすてきな洋服を着たい!」という多くの中高年の要望に応えたいと、会社を設立されました。布帛を基本にしたドレスやジャケット、スーツなどお出かけ着をコンセプトに、ワン・シーズンに30種類くらいのデザインを展開されています。サイズはS・M・Lの3種類ですが、既製服でもまたセミオーダーでも仕立ていただけます。
このブランドの最大の特徴は、袖通しが楽にできることです。加齢で50肩などになりますと腕が動きにくくなって、着脱が困難になります。でもここの服でしたらアームホールが大きく、背幅も広く取ってありますので、肘を曲げたままでも簡単に腕を袖に通せます。車椅子の方も、脱ぎ着しやすい。それでいてシルエットはすっきり見えるように設計されていますから、ファッション性も損なわれません。
生地は、綿やウールなど天然繊維が中心です。価格は、生地にもよるそうですが、夏もので1万円、冬物で1万5千円くらいからで、買いやすいようにギリギリに抑えているといいます。ボランティア精神がないとやれないともおっしゃっていました。
今夏、新聞などで取り上げられたこともあって、「既製服が合わない」との声が全国から寄せられ、ちょっとした行事などに着るものがなくて困っている人が多いことを実感されたそうです。ファンが広がって、大忙しのご様子です。
ショーでは、体型変化や可動域の減少はあるものの、元気溌剌と生活していらっしゃる高齢・障がい者の方々10人のモデルが登場し、タウンウェアとおしゃれなパーティウェアを披露。渡邊聡子さんが一人一人にインタビューされました。写真はその一部です。なおモデルのエスコート役を買って出られたのは、山野美容短期大学の学生たちです。 明るい色の服がお好きだそう。ジャケットの後ろはフレアーがたっぷりとられています。
72歳になられるとか。フリルのピンクのジャケットがお似合いです。
現在も、公務員として勤務されているそうです。
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