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2012年11月15日 (木)

東京国立博物館特別展「中国王朝の至宝」

 東京国立博物館平成館で「中国王朝の至宝」展が開催されています。今年は日中国交正常化40周年で、これを記念する展覧会です。今から4000年前の初の王朝、「夏」から1000年前の「宋」まで、約3000年にわたる168点が出品され、その6割は国宝級の「一級文物」。中国との関係が悪化する中、よくもこれだけ集まったと思う貴重な文物です。(写真:クリックで拡大)

 Cimg0033 先日、トーハクの学芸企画部長松本伸之氏によるギャラリートークに参加し、知られざる中国の歴史を知って、興味を持つようになりました。
 
 Cimg00681_2 同氏が「中国は一本道ではない」というように、広い中国では同時代に異なる王朝が栄え、違う文化を生み出しています。本展では、「黄河流域」と「長江流域」というように、それらを対比しながら、見学することができるように展示されています。ですから初心者でもわかりやすい、と思いました。

 全体は一~六章に章立てされています。
 まず第一章「王朝の曙」は、紀元前2000年頃の「蜀」と「夏・殷」。日本は縄文時代です。「長江上流域」の「蜀」には、黄金や仮面の文化があり、「黄河流域」の「夏・殷」は、もっぱら青銅器で祖先を祀り、人の形を表象するものはなかったといいます。
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「古蜀」の青銅製「突目仮面」。目が飛び出ていて、びっくりさせられます。
 


 第二章「群雄の輝き」は、「楚」と「斉・魯」。「魯」では孔子が誕生し、黄河文明を育んだといいます。青銅器には甲骨文字が書き込まれていました。
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 謎が多いという「楚」の「羽人」。仙人の最初の形象とみられているそうです。 


 

 
  第三章「初めての統一王朝」は、「秦」と「漢」。日本は弥生時代です。始皇帝により統一された「秦」ですが、わずか15年で滅び、その後の「漢」は400年続く安定した王朝となり、漢字や漢方薬など漢文化の基礎を築いたといいます。「秦」の始皇帝陵で出土した兵馬俑は8,000体もあり、等身大の超リアルな人物像ですが、「漢」のものは60㎝足らずの大きさで形も違っています。
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  「秦」の兵馬俑。
 
 

 
 第四章「南北の拮抗」は、「北朝」と「南朝」。映画「レッドクリフ」の時代で、華北の仏教文化と華南の貴族文化が次第に融合し、青磁の原型や仏像がつくられたりしています。
 
 第五章「世界帝国の出現」では、「唐」―長安と洛陽。ようやく私たちにお馴染みの「唐」が出てきます。国際色が強くなり、色彩も豊かになっています。
 Cimg00951_2 この時代の女性俑は太目で、あの楊貴妃も「マツコ・デラックスのようだったのでは」、という面白い話があって、興味深かったです。これは唐三彩のもの。
 

 
 
 第六章「近世の胎動」は、「遼」と「宋」。「宋」は鎌倉に禅宗を伝えた王朝。この時代になって初めて人間に対する精神性の芽生えがみられるようになり、書画や陶磁器に代表される中国文化の一つの頂点が現出します。
Cimg00521_5   2008年に南京市で発見された北宋の仏塔、「阿育王塔」。金メッキされ瑪瑙や水晶が填め込まれています。日本初公開。

 
 
 この貴重な展覧会は12月24日まで開催されています。

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