高齢者施設は住環境を極端に変えない在り方で
インテリアトレンドショー「ジャパンテックス2012」が、14~16日、東京ビッグサイトで開催され、恒例の町田ひろ子アカデミーセミナー第3弾「住まいにおける高齢者福祉の在り方」が行われました。
今回は、町田ひろ子アカデミーが納入した最新の福祉施設の事例として、この7月にオープンした特養ホーム「まんてん塩津」を紹介しながら、高齢者施設におけるインテリアの要点を話されました。
この中でもっとも重要な点は、これまで高齢者が暮らしていた環境と極端に違うことがないように配慮しているということでした。たとえば色ですが、高齢になると目が悪くなるので、一般に明るい方がよいといわれますが、実際にはそうではなくて、イエロー系よりも目になじんだ暗めな赤系の暖色系がよいとか、漆喰の塗り壁はオレンジ色系統にすると顔がきれいに見えるとか、また天井もそれほど高くする必要はないなどということがわかりました。
一つ一つのユニットは一軒の木造家屋のようになっています。高齢者にはやはり木造が好まれるとのことで、日本の格調高い伝統にモダンな要素を採り入れた瀟洒な佇まいです。床は畳仕上げだったり、手すりも丸棒ではない細長いカウンターのようなつくりのものが用いられていたりします。
写真で拝見したお年寄りたちの顔は和やかで穏やか。ここでの暮らしを楽しんでいらっしゃる様子が伺えました。
インテリアが介護に発揮する力は、本当に大きいということを改めて認識しました。
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