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2012年11月

2012年11月30日 (金)

シニアに理想の無縫製ニットをオーダーで

 Cimg05461jpg 縫い目はおろか縫い代もない無縫製ニットウェアをオーダーできるショップが、日本橋高島屋にある「サマンドールSAMAN D’OR」。この3月にオープンして以来、固定客をつかんで好調です。

Cimg05481  実はこの店、ニットの無縫製横編み機「ホールガーメント」を開発した島精機製作所の直営店です。店頭に並んでいる型を選んで試着すると、その姿が試着室にあるデジカメで撮影されます。それをコンピューター画面に映して、体型に合わせて袖丈や着丈、身幅などサイズを調節できます。お直しがきかないとみられていたニットですが、これなら簡単、まさに画期的です。カラーも20色の中から一番似合う色を探し出せます。こうして気に入った色や形にデザインしたニットウェアが、ほぼ1週間で手に入るといいます。何というスピード!
 素材はイタリア製のものを中心にカシミア70/シルク30といった高級糸使いです。欧米のラグジュアリーブランドも「ホールガーメント」を採用していますから、シャネルやグッチなどと同レベルの極上の品質といっていいでしょう。お値段はセーターで4万円くらいからです。

 ニット製品は、そもそもシニアにとって優しい服。それが無縫製なのですから、さらに優しくなったといえます。肩に縫い目がないので、重力や張力が製品全体に分散され、突っ張った感じがなく、肩凝りなどの原因となる圧迫感が減ります。縫製をしない分、全重量の5%程度軽く仕上がりますから、40肩や50肩などに悩むシニアにうってつけですし、なにより体の丸みに自然にフィットする立体感によって、つつみこまれるような最上の着心地が得られます。
 
 無縫製ニットは、シニアに理想のニット。それがオーダーできることになったのです。今後ますます広がっていくことでしょう。

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2012年11月29日 (木)

ジーンズ史から加工体験まで楽しめる児島ジーンズミュージアム

 Cimg05231 先日、岡山県児島の倉敷ファッションセンターからの帰りがけ、タクシーで10分ほどのベティスミス ジーンズミュージアムを訪れました。

 児島は、全国学生服の約7割を生産する「繊維の町」であると同時に、国産ジーンズ発祥の地でもあります。1960年代に国内で最初にジーンズの生産を手がけたのが、この児島地区でした。

 Cimg04851 ミュージアムは、西部劇の舞台に出てきそうなログハウス風のつくりで、可愛いベティちゃん人形が出迎えてくれました。玄関を入ると、正面に、「リーバイス501XX」の原型がガラスに収められ、ライトで照らされ展示されています。これはリーバイス社から提供されたジーンズで、まだベルトループやファスナーなどはなく、代わりにボタンが付いています。100年以上前に労働者のためにつくられたパンツを再現したものだとか。 その横には、デニム等の厚地を三ツ巻縫いする二本針のミシンが置かれていて、約70年前に製造され10年ほど前まで使用されていた、といいます。
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 カウボーイスタイルの展示風景。
 
 


 Cimg04921_2 二階はオーダージーンズコーナーで、様々な型がディスプレーされています。生地からすべて選んで3万円くらいで、仕立てられるとのことです。
 
 
 Cimg05001jpg その裏手には体験工場があり、リベット打ちや色落ち加工、ラインストーンの装飾、またボタン付け替えや皮パッチ交換、さらにペイント加工、ひげ加工など、手ごろな価格でジーンズをリメイクすることができます。Cimg05011 手持ちのジーンズを世界にひとつだけのジーンズに作り替えられるとあって、とくに観光客に人気スポットとなっている様子でした。


 ジーンズの歴史から加工体験まで、一挙に楽しめるなんて本当にユニーク。ジーンズ好きにはぜひ訪ねてほしいミュージアムです。
 
Cimg05271  最後に、「児島ジーンズストリート」にも行ってみました。シャッターストリートの再生を目指して、地場ジーンズメーカーの販売店が集積されている商店街ですが、夕方のせいか閑散としていました。藍布屋(らんぷや:RAMPUYA)など、藍染め体験のできるお店があります。

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2012年11月28日 (水)

アクセサリーつくりにチャレンジ!

 今、アクセサリーなど身近なものを手作りすることが人気です。

Cimg04231_2 私も連休の一日、うらら会のメンバーに誘われて、東京・御徒町にあるジュエリーをつくって楽しむ店、「ピコラボPICO LABO」のワークショップで、アクセサリーつくりにトライしました。
 
 ビーズ作家 松田陽子先生のご指導で、何とか2時間かけて作り上げたのは、写真の「パリの恋人」と名付けられたペンダントとイアリングのセットです。
Work2012_11121_3 黒いビーズとハートは光沢が入ったオニキスで、それにケシ真珠の細かい粒が組み合わさった、ヨーロッパのアンティークジュエリーを思わせるデザインのアクセサリーです。


 最初は簡単にできると思っていたのですが、実際にやってみると難しくて、実はかなりの部分、先生に作っていただく羽目になってしまいました。ビーズの目は小さいですし、糸のテグスは透明ですから、その目に糸がなかなか通りません。先生はひょいひょいっとビーズを入れていかれますから、さすがです。丸やっとこで、ビーズにフックをつける作業は、もう至難の技でした。
 「自分で苦労してつくったものには、愛着がわく」といいますが、このアクセサリー、このところ毎日のように胸元につけて楽しんでいます。

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2012年11月27日 (火)

実験芸術的ファッション「ここの学校」展

 東京・神田で行われた「TRANS ARTS TOKYO」展で、ひときわ興味深かったのは、実験芸術といってもいいファッションの展示です。
 それはファッションブランドwrittenafterwards(リトゥンアフターワーズ)のデザイナー、山縣良和さんが校長を務める「ここの学校」受講生たちによるクラフトアート「coco-ten」で、その一つ一つのインスタレーションには、つくり手の思いが込められた物語が綴られています。
 今を生きる若者たちの真情が感じとれ、胸を打たれました。

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 吉田けいすけ 「本当は等身大」



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 中里周子 「集まるとエレガンス、散ってディスタンス」没落貴族の部屋をイメージしたといいます。



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 村上亮太 「ぼくの長道」



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 諸永千亜希



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 Writtenafterwardsが10月に発表したコレクションの最後に登場した「七服神」。神々たちは熊手のようなものを持っています。

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2012年11月26日 (月)

東京・神田 アートの胎動「TRANS ARTS TOKYO」展

 東京・神田で開催されていた「TRANS ARTS TOKYO」展に、新しいアートへの強烈なエネルギーの胎動を感じました。これは東京芸術大学主催のアートプロジェクトで、神田の街に「神田コミュニティアートセンター」をつくるためのプロローグだそうです。ここではジャンル・地域・世代・意識を超えてさまざまな人が集い、記憶と期待を共有するアートの世界が展開されていました。
 旧東京電機大学校舎内で11月25日まで、約1カ月間にわたり行われていたイベントですが、12月早々には校舎が取り壊されるとのことで、大変残念です。
 興味深かった作品をご紹介します。

○天才編み師 203gow (にいまるさんごう)
Cimg04401 「世の中のすべてのものが編み目に見える」という天才編み師の作品。椅子や看板、照明器具など目に付くものの周りを毛糸編みでおおってしまう、ふんわりと温かくって、楽しさいっぱいのハッピーなアート。某百貨店のディスプレーに採用されたりしているとのことです。

○コミッションワーク・アーティスト
Cimg04431 岩田草平の作品。インドで現在も原始的生活を営むサンタル族の、土とわらでできた住居を、旧東京電機大学で廃棄処分された机などを利用して再現させたもの。手前はかまど。


Cimg04451_2 福田美蘭の作品。誰もが持っているイメージに、何か新しいものをプラスして、思いがけないアートに仕立てる試み。たとえばこのような黒人バージョンの市松人形。



Cimg04441 銭湯の背景画によくある富士山の風景画に、コマーシャル文字を入れた作品。




Cimg04461_3 村山修二郎の新作、対話型アート作品。校庭に生えていた木を使ったという、緑画。




○どくろ興行
 このフロアーには、おどろおどろしい、どくろの仮面を着けた人がいっぱいいてびっくり。これでは子どもが泣き出すはず。
Cimg04691_3 「どくろの人体実験」と題した、ミステリアスな儀式のようなロックコンサートをやっていました。

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2012年11月25日 (日)

2013/14秋冬進化するウインターデニム

 最近のエレガントへの流れから、デニムはより高級感のある、しなやかなきれい目へ動いています。流行の色や柄入り、光る加工などを施したものも多くなってきました。
 また履き心地のよさが求められていることもあって、より薄く軽くなり、ストレッチ性が標準装備される方向です。さらにエコやサスティナビリティを考慮したモノづくりへの関心もますます高まっています。

 冬場は、これらに加えて保温性、蓄熱性が要求されます。二重織や毛足、裏起毛など、リバーシブルで使えるものも増えています。ボリュームがあっても軽くなるように工夫されていて、ふんわりとやわらかい、癒されるような感触のデニムも出ています。
 2013/14秋冬プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)」では、このような進化するウインターデニムの一端を見ることができました。

 
 まず身体の動きに合わせてフィットする、モーション・フィット・デニムの提案です。
Cimg03761jpg  これはカイハラが開発した新タイプのデニムで、このところマーケットに台頭著しいニットジーンズに対抗し、織物で変則組織にすることにより、伸縮性を出したものです。見た目もインディゴニットに似ています。とくに斜め方向への伸縮性が高いのが特徴で、裏起毛なので温かそう。綿80/ポリエステル18/ポリウレタン2。

 
 次に機能的で温かく、色や柄も楽しみたい向きにおすすめなのが、ダックテキスタイルのデニム。
 Cimg03631jpg 裏起毛ストレッチデニム。二重織で、裏は先染めボーダーになっていますから、裾の折り返しがおしゃれに見えます。綿100%。
 

 Cimg03651jpg モコモコしていて温かい、大胆なボーダーのストレッチデニム。綿89/ポリエステル11。
 


 
 さらにもう一つ、エコ染色システム「さかもと染太郎」を開発した坂本デニムの染色法も、環境問題が叫ばれている現在、注目に値する技術でしょう。

 Cimg03121jpg_3  社長の坂本量一氏によると、この染色システムを使えば、洗浄薬剤は使わずにすみますし、温水不要、CO2削減、排水汚泥も減らせるとのことです。秘密は電解水にあります。水を電気分解すると、強アルカリ性電解水と弱酸性電解水を生成しますが、前者は洗浄効果があり、後者は高い漂白・除菌・脱臭・色止め効果があるので、上記の効用が出せるというわけです。
 
 同社は染色業を営まれて今年で120周年といいます。藍染めからインディゴ染め一筋に歩まれてこられて、薬剤まみれの状況から脱しようと、ようやく開発されたのが、このシステムだったのだそうで、これでしたら洗剤要らずで、常温で染められ、もちろん中和剤も要りません。環境を汚すことなく様々な効能が発揮できる画期的な方法と胸を張られます。

Cimg03051pg  同社製のデニムも拝見しましたが、手作り感のある懐かしくも優しい風合いに仕上がっていました。このエコ染色システム、ノーハウを持っているのは、世界中で同社のみとのことですが、今後広く普及させたい技術です。

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2012年11月24日 (土)

2013/14秋冬「プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)」

 「JFWジャパン・クリエーション2013」とともに開催された、第4回2013/14秋冬向けテキスタイルのビジネス商談会 PTJで、気になる企業の素材をピックアップします。(写真:クリックで拡大)
 
久山染工 ―― 職人技のプリント加工を施したものが中心。                   

 Cimg03721 ポリエステル・レースの上に綿デニムをボンディンクしてオパール加工したもの。
 
 

 Cimg03731 少し蛍光色のかかったブルーのフロッキー加工でアールヌーボー調の柄をプリントした裏毛。綿100%。
 

桑村繊維 ―― カジュアル向け先染めシャツ地が人気で、とくにパリのプルミエールヴィジョンでも好評だったPU混シャーリングチェックやテンセル使いが伸びているとのこと。
 
2  ウールの縮絨効果によるシャーリングチェック。綿80/ウール20。

 
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 ネップチェック。ナッピング起毛でヴィンテージ風に仕上げた綿100%。


 
 

内藤織布 ―― 様々な多重織ガーゼの打ち出しが特徴。

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 綿100%なのにウールのような風合い。ポリエステル/ウール混をサンドイッチした3重織ガーゼ。

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 ボリュームのある4重織先染め。綿100%。

 

近江織物 ―― エプロンやトートバッグなどの製品を想定した「型紙プリント」を発表。3
 型不要のインクジェットプリントなので、アイディアをそのまま自由な構成で製品化でき、同じデータで様々な布に加工が可能、図案の拡大・縮小も簡単とのこと。

 Cimg03001_2 綿100%の葛城プリント。
 





森菊 ―― 製品染め用の下地に注力。

 Cimg03611 綿糸特有のふくらみのあるソフトなタッチに仕上がるナチュラル下地や、塩縮プリント下地を提案。

 


渡辺パイル ――3_6 ヤクやキャメル、カシミアなど高級獣毛混オーガニックコットンの、植物染めパイルを中心に展開。 写真のガウン(69,000円)のように、数年前に開発したパイルがようやく拡大してきたとのこと。

 Cimg04121 シャーリングカットパイル、シープ加工の赤ワイン染め。ヤク14/綿76。

            

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2012年11月23日 (金)

東日本復興支援「J Factory」(ジェイファクトリー)

 国内最大の繊維総合展「JFWジャパン・クリエーション2013」が、20-21日、320社が参加して、東京国際フォーラムで開催されました。中でも話題となったのは、東日本復興支援「J Factory」(ジェイファクトリー)のコーナーです。初めて設置されたこのコーナーには、ファクトリーゾーン(縫製工場やニッター14社)とテキスタイルゾーン(織布メーカー11社)の二つのゾーンがあり、いずれも日本独自の技術を発信して、世界に負けない日本製の素晴らしさを披露、たくさんの人で賑わっていました。(写真:クリックで拡大)

 <ファクトリーゾーン>
 Cimg03971 東北地方には縫製工場が多く、岩手モリヤや三和ドレスなど究極の優れたモノづくりのできるファクトリーブランドが集まっています。福島県の永山産業では、3.11大震災後、中国人留学生は一人もいなくなり、日本人の雇用が生まれて、今では従業員の平均年齢は25歳。「中国でできないことを日本でやる。オリジナルは日本でしか作れません。」といいます。

 とくに興味深いブースを紹介します。
○極細モヘアニット
 Cimg04041jpg ミッシェル・オバマ大統領夫人が着用したカーディガンのモヘア糸をつくったメーカー、山形の佐藤繊維。ピッティ・フィラティに出展するなど、海外を視野に入れたグローバルカンパニーとして急成長しています。

○サメ皮
 Cimg04061pg 月4~5,000本のジーンズを国内はもとよりヨーロッパなど世界60カ国へ出荷しているパンツ専門の製造業者が、宮城県気仙沼のオイカワデニムです。気仙沼といえば蒲鉾やフカヒレの産地でもあります。震災で被害を受けた地域が元気になるように、捨てられていたサメの皮をなめした皮革製品に取り組まれています。バッグやデニムのラベルによさそうです。

○福島プライド・オブ・シルク
 従来の絹糸に伸縮性とバルキー性を持たせた絹の特殊加工糸「中空シルク」を発表。福島で特許をもっている素材で、軽く清涼感があり、ニット用に好評とのこと。
 
 <テキスタイルゾーン>
○ツィード
 岩手県花巻は明治時代から緬羊飼育が承継されてきた日本で唯一の町。その原料をできる限りテンションをかけないで、手紡ぎ手織りのナチュラルな風合いに仕上がるよう、量産しているのが、日本ホームスパンです。縮絨させてもペタッとならないよう、ふくらみ感を持たせると、自然のストレッチ性が出せるといいます。
 何とシャネル社のシャネルスーツには同社製のものが数多く使われているとのことです。
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 来シーズン人気のスラブヤーン使いのツイード。シルクのかすり染めテープが織り込まれています。ウール72/シルク19/カシミア1。
 

○ジャカード
 2013/14秋冬シーズンは、ジャカードが有力とみられています。山形県米沢の安部吉では、シルクを中心に天然繊維から化合繊複合まで、またふくれラメジャカードのファンシーなものからブラックフォーマル向けまで、様々なジャカードを提案し、注目されます。 Cimg03371
 
 ラメ入りスターチェック、ポリエステル65/コットン10/レーヨン24/ナイロン1。

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2012年11月22日 (木)

アスリートの高機能3D SOX

 夜の皇居外周はおしゃれな美ジョガーでいっぱい。「何に気をつけているの?」と聞くと、「靴とずれないソックス」だそう。「ずれない」はスポーツソックスのポイント。私も山歩きしていて、ソックスが足裏に丸まり、豆ができそうになったことがありました。

 次の山行きを考えていた折り、大阪・泉州の繊維産地展「テキスタイル・ファッション・コンシェルジュ」で、コーマのFOOTMAXを見つけました。これはスポーツ専門店の靴下売場でよく見るブランドです。泉州産地には繊維品のすべてが揃っていると改めて感じ入りました。

 Cimg03811 コーマは、原糸から製造まで自社工場で一貫生産し、国産一筋に靴下を製造している創業90年の老舗企業です。FOOTMAXは、足の型に沿った立体構造の靴下で、その高機能3D SOXは、サッカー日本代表でガンバ大阪の遠藤保仁選手らアスリートらの意見を取り入れて開発したといいます。土踏まずの形状に合わせたサポートや、つま先の立体設計、足底の母趾玉・小趾玉フィットなど、人間の足の膨らみや筋肉の動きといった特徴を立体的に捉えたつくりの編み組織になっているとのこと。

 Cimg03851_2 左 登山用アルパインソックス 
 中 ゴルフ用ソックス 
 右 着圧ソックス
 

 
 
 地下足袋型や5本指型、ショートからハイソックスまで多様・多彩な品揃え。ともあれ履いて「ずれない」を、実感してみなければ、ですね。

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2012年11月21日 (水)

大阪・泉州産地の繊維品を一堂に

 Cimg03931 大阪南部に位置する泉州は、原料の生産から商品の製造まで、様々な企業がそろう繊維の一大産地です。この20-21日、東京青山で泉州産地の繊維品を一堂に集めた「テキスタイル・ファッション・コンシェルジュ」展が開催され、紡績、織布、染色整理プリント、ニット、毛布、タオル、縫製・付加価値加工、繊維雑貨など、31の企業や団体が出展し、モノづくり機能を発信しました。
 
○和泉木綿 ―― 平山繊維
 Cimg03791 近年地場ブランドとして復活している「和泉木綿」は、江戸時代より泉州で製織されてきた綿織物。この小巾白木綿に注染本染めを駆使した浴衣や手拭、アロハシャツ、ストールなどを提案している同社平山康夫社長は「安心して長く愛用できること」が強みといいます。

○木糸 ―― 和紙の布
 1 国産間伐材(杉や檜)を利用した100%和紙で「木糸」の開発に成功し、林業と繊維産業のコラボを実現。軽く抗菌性に優れ、紫外線を防ぐなどの特性を生かした、木糸50/綿50のキャンバス地のジャケットや帽子、トートバッグなどを展開しています。

○超高密度織物 ―― 阪上織布
 Docu0098 糸密度の限界を2割上回る織物をつくる技術により、綿の自然な風合いを実現しています。これはごく一般的な綿糸(40番手)を用いて、撥水処理を施した綿100%の緻密な織物です。

 
○抗セシウム加工 (A-Bleach エイブリーチ)
               ―― ダイワタオル協同組合
 Cimg03921 ダイワタオルの工場長、北川晃三氏によると「これは放射性セシウムを吸着させるのではなく、付着しにくくするという世界初の画期的な加工」とのこと。京都大学原子炉実験所の協力で開発し、「銀ナノ粒子を生地表面に加工することにより、セシウムの付着を6割減少させる」といいます。この加工は綿タオルだけでなく、様々な商品に応用可能とも。

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2012年11月20日 (火)

ジュール・ヴェルヌの空想を実現したナントの遊園地

 パリ在住の親友、今城崇江さんから、フランス西部の港町ナントにある遊園地「ラ・マシーン」の写真が届きました。

 ナントは19世紀フランスのSF小説家、ジュール・ヴェルヌ生誕の町。「人間が空想したことは、必ず実現する」の言葉を残したジュール・ヴェルヌですが、この言葉通り、この町には彼の空想の世界を実現させている「ラ・マシーン」のマンモス・アトリエがあり、遊園地というにはあまりにも摩訶不思議なアミューズメント・パークがあるのです。

 TBSの人気番組「世界不思議発見」(10月20日)で、この遊園地が取り上げられ、わくわくしなから見ていましたから、今城さんからの写真はうれしい驚きでした。「ラ・マシーン」も、数年前の横浜開港150周年記念イベントで、2匹の巨大蜘蛛を見に行ったことがあり、これを造ったのが、このアトリエでしたから、興味深々。いつか行ってみたい場所です。
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 この機械仕掛けのゾウ(グラン・エレファン)には50人もの人が乗れて、ナント市のマスコット的存在といいます。
 

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 クワガタ虫? 巨大生物のメリーゴーランド。
 


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 ペガサス(天馬)のような想像上の動物の乗り物も。

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2012年11月19日 (月)

職人ファクトリーのテキスタイルをホームファッションに

 

Cimg02061 静岡県浜松市一帯は日本有数の綿織物の産地です。この産地を代表する遠州織物工業協同組合が、「ジャパンテックス2012」に出展し、日本の伝統的な普段着、作務衣や、また祭礼用半纏などを出品して、ホームファッション分野で販路を開拓する活動をされていました。
 素材も柿渋墨染めや絞り染めなど、熟練した職人の手仕事の技を現代に生かしたものが中心です。
 

 このインテリアトレンドショーを始めギフトショーにも、数年前から出展されているとのことで、実績も上がっている様子です。織布メーカーもテキスタイルだけではなく、このように製品を提案していかないと生き残れない時代になりました。

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2012年11月18日 (日)

「ノン・モスキート」みどりのカーテンで節電生活

 今回のインテリアトレンドショー「ジャパンテックス2012」で、「これはいいな!」と思ったのが、山越(さんえつ)の「ノン・モスキート」みどりのカーテンです。夏になると人一倍、蚊に刺されやすいと自認しておりますので、「蚊が寄り付きにくい」の一言に惹きつけられました。
 Cimg01981_2 ごく普通の白いチュールレースのカーテンに、蚊の嫌がる除虫菊の成分が糸に練り込まれていて、その上にはみどりの葉がふさふさと生い茂っています。これはガラス窓の外側に取り付ける用途のカーテン、「ガーデンカーテン」です。

  これを付ければ、一般のレースカーテンよりも約6倍の遮熱効果があり、何もない状態よりも約9度室温を下げることができ、夏の4か月で約155円の電気代を節約するといいます。
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 偶然いらっしゃった同社山中社長にお話しを伺うと、みどりは、「ぶどう」の葉を模したフェイクグリーンで、ポリエステルのポンジーという超緻密な織物でつくられているとのこと。耐久性があって、常に常緑を保つ素材です。原糸メーカーで暮らしの進化系を目指す同社らしい新提案です。
 大震災後、省エネが求められて、夏場は涼しく過ごせるようにとゴーヤのようなつる性の植物栽培が推奨されていますが、この生垣ならフェイクなので、カーテンのように開閉自在。実はこの開閉機能で実用新案を取得したとのことでした。

 昨夏発売以来、既に1,000セット以上販売したという人気商品です。木漏れ日がもたらす陰翳が涼しげですし、何よりも蚊が来ないというというのがいいですね。

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2012年11月17日 (土)

高齢者施設は住環境を極端に変えない在り方で

 インテリアトレンドショー「ジャパンテックス2012」が、14~16日、東京ビッグサイトで開催され、恒例の町田ひろ子アカデミーセミナー第3弾「住まいにおける高齢者福祉の在り方」が行われました。

 今回は、町田ひろ子アカデミーが納入した最新の福祉施設の事例として、この7月にオープンした特養ホーム「まんてん塩津」を紹介しながら、高齢者施設におけるインテリアの要点を話されました。
 この中でもっとも重要な点は、これまで高齢者が暮らしていた環境と極端に違うことがないように配慮しているということでした。たとえば色ですが、高齢になると目が悪くなるので、一般に明るい方がよいといわれますが、実際にはそうではなくて、イエロー系よりも目になじんだ暗めな赤系の暖色系がよいとか、漆喰の塗り壁はオレンジ色系統にすると顔がきれいに見えるとか、また天井もそれほど高くする必要はないなどということがわかりました。
 一つ一つのユニットは一軒の木造家屋のようになっています。高齢者にはやはり木造が好まれるとのことで、日本の格調高い伝統にモダンな要素を採り入れた瀟洒な佇まいです。床は畳仕上げだったり、手すりも丸棒ではない細長いカウンターのようなつくりのものが用いられていたりします。

 写真で拝見したお年寄りたちの顔は和やかで穏やか。ここでの暮らしを楽しんでいらっしゃる様子が伺えました。
 インテリアが介護に発揮する力は、本当に大きいということを改めて認識しました。

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2012年11月16日 (金)

「花のサンフランシスコ」に想うユニバーサルデザイン

Cimg00261_2 「ビューティ&ハピネスフォーラム」(日本経済新聞社主催)が、8日、東京・大手町日経ホールで開催され、ユニバーサルファッション協会名誉会長てSUDI湘南くらしのUD商品研究室室長今井啓子さんを講師に「ユニバーサルデザインがつくる女性の美と幸せ」と題した基調講演が行われました。

 ユニバーサルデザインとは、ユニバーサルが「普遍的な」、「だれでもが」の意であるように、「あらゆる人のためのデザイン」を意味します。障がいの有無や年齢、性別、国籍、人種等にかかわらず、多様な人々が気持ちよく使えるようにあらかじめ都市や生活環境を計画する考え方なのですが、それが女性の美や幸せをつくるといっても、なかなかイメージがわかないのではないでしょうか。

 今井さんは今回のご講演の冒頭で、名曲「花のサンフランシスコ」を引用し、このユニバーサルデザインの精神を大変わかりやすく伝えてくれました。「花のサンフランシスコ」とは、言うまでもなくシニア世代にとって懐かしい1960年代のヒッピーソングです。この曲をBGMに、「サンフランシスコへ行くなら、花を髪にさしなさい。きっとやさしい人たちに出会うはず」の訳詞を紹介され、やさしさと思いやりのある社会を目指す歌詞に、ユニバーサルデザインの世界が歌われていると、語りかけられました。

 日本は急ピッチに高齢化が進んでいます。2030年には人口の3分の1が65歳以上の高齢者になります。寿命も伸び、人生90年代時代が幕開けしています。しかもその8割以上が介護不要のアクティブシニアで、おしゃれへの関心が高く、「もっとおしゃれをしたい」と考える層は6割を超えるといいます。
 年間消費支出100兆円を超えるといわれるシニア市場ですが、衣服関連支出の優先度は実はかなり低いというのも、データで示していただきました。それは何故かと言うと、日本ではファッションというと、欧米と違い、長年にわたって若い人のものと考えられてきたからです。シニア向けマーケティングといってもすべて60歳以上でひとくくりにされているのですから、ほとんどないに等しいでしょう。サイズや形などに対して、7割もの人々が不満を持っているというのも、頷けます。感覚的にいいと思ったデザインでも、体に合わないといったことが多いのです。
 
 こうした現状に、今井さんは警鐘を鳴らされます。そしてここにはビジネスの芽がいくつも眠っているといいます。
 私たち自身も「もう歳だから」とあきらめないことが肝心です。年齢を重ねても「キレイ」と言われたい女心は誰しも同じ。それには「鏡を二枚用意して自分自身をよく見ること。これがおしゃれ感覚をみがく第一歩」と話されました。
 ファッションは、それを身につけることができるというだけでワクワクする、楽しいハッピーな気分にさせられるものです。その心が元気を、美しさをつくります。ユニバーサルデザインは、そうした心を生み出せる思いやりのデザインなのです。

 さあ、私も髪に花をさして、サンフランシスコへ行きたくなりました!

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2012年11月15日 (木)

東京国立博物館特別展「中国王朝の至宝」

 東京国立博物館平成館で「中国王朝の至宝」展が開催されています。今年は日中国交正常化40周年で、これを記念する展覧会です。今から4000年前の初の王朝、「夏」から1000年前の「宋」まで、約3000年にわたる168点が出品され、その6割は国宝級の「一級文物」。中国との関係が悪化する中、よくもこれだけ集まったと思う貴重な文物です。(写真:クリックで拡大)

 Cimg0033 先日、トーハクの学芸企画部長松本伸之氏によるギャラリートークに参加し、知られざる中国の歴史を知って、興味を持つようになりました。
 
 Cimg00681_2 同氏が「中国は一本道ではない」というように、広い中国では同時代に異なる王朝が栄え、違う文化を生み出しています。本展では、「黄河流域」と「長江流域」というように、それらを対比しながら、見学することができるように展示されています。ですから初心者でもわかりやすい、と思いました。

 全体は一~六章に章立てされています。
 まず第一章「王朝の曙」は、紀元前2000年頃の「蜀」と「夏・殷」。日本は縄文時代です。「長江上流域」の「蜀」には、黄金や仮面の文化があり、「黄河流域」の「夏・殷」は、もっぱら青銅器で祖先を祀り、人の形を表象するものはなかったといいます。
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「古蜀」の青銅製「突目仮面」。目が飛び出ていて、びっくりさせられます。
 


 第二章「群雄の輝き」は、「楚」と「斉・魯」。「魯」では孔子が誕生し、黄河文明を育んだといいます。青銅器には甲骨文字が書き込まれていました。
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 謎が多いという「楚」の「羽人」。仙人の最初の形象とみられているそうです。 


 

 
  第三章「初めての統一王朝」は、「秦」と「漢」。日本は弥生時代です。始皇帝により統一された「秦」ですが、わずか15年で滅び、その後の「漢」は400年続く安定した王朝となり、漢字や漢方薬など漢文化の基礎を築いたといいます。「秦」の始皇帝陵で出土した兵馬俑は8,000体もあり、等身大の超リアルな人物像ですが、「漢」のものは60㎝足らずの大きさで形も違っています。
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  「秦」の兵馬俑。
 
 

 
 第四章「南北の拮抗」は、「北朝」と「南朝」。映画「レッドクリフ」の時代で、華北の仏教文化と華南の貴族文化が次第に融合し、青磁の原型や仏像がつくられたりしています。
 
 第五章「世界帝国の出現」では、「唐」―長安と洛陽。ようやく私たちにお馴染みの「唐」が出てきます。国際色が強くなり、色彩も豊かになっています。
 Cimg00951_2 この時代の女性俑は太目で、あの楊貴妃も「マツコ・デラックスのようだったのでは」、という面白い話があって、興味深かったです。これは唐三彩のもの。
 

 
 
 第六章「近世の胎動」は、「遼」と「宋」。「宋」は鎌倉に禅宗を伝えた王朝。この時代になって初めて人間に対する精神性の芽生えがみられるようになり、書画や陶磁器に代表される中国文化の一つの頂点が現出します。
Cimg00521_5   2008年に南京市で発見された北宋の仏塔、「阿育王塔」。金メッキされ瑪瑙や水晶が填め込まれています。日本初公開。

 
 
 この貴重な展覧会は12月24日まで開催されています。

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2012年11月14日 (水)

2013/14秋冬服地―デザイン性の高い確かな価値

 Cimg01841jpg 第72回京都スコープ(京都織物卸商業組合主催)展が、13-15日、東京・青山で開催され、京都の有力服地コンバーター5社(大松、ロマン吉忠、伊吹、外村、協友)が参加。2013/14秋冬向け服地が発表されました。
 インデックスコーナーでは、3つのカラーグループ、①白/黒、②赤~紫系、③ベージュ~オリーブ系に分かれて、サンプルが展示されました。
 トレンドとしては、デザイン性の高い確かな価値が求められる傾向です。ジャカードやレースなど装飾的で、しかも洗練されたエレガントな感覚を表現している素材が中心。ソフトで軽く、温かい質感が継続し、とくに伸縮性のあるものが多くなっています。(写真:クリックで拡大)
 
ロマン吉忠
 Cimg01731 ジャカードを意識したデザインをメインに据えて、プリントでジャカードっぽく見せたり、フロッキーもジャカード風に加工したり。過去の古い資料を掘り起し、今風に演出。

 Cimg01721 タペストリー柄のプリント。ポリエステル100%。
 




大松
 Cimg01741jpg テーマは「モダン・バロック」。バロック調のジャカードも薄く軽くしなやかに、ストレッチを効かせてモダンに表現。
 


 Cimg01551jpg_3 ラッセルレースを起毛し、コパー箔を部分的にかけたレース。コットン/ナイロン。


 
  
 Cimg01601_3 フラワーストレッチジャカード。椅子張りによく使われるゴブラン織をヒントにデザインしたもの。ソフトで伸縮性が高い。コットン88/ナイロン10/ポリウレタン2。
 
 Cimg01791_2 ラミネート箔をオーバープリントしたフェイクファー。ボリューム感があって軽い、ポリエステル100%。



伊吹
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「ジェントル・ウーマン」のテーマ。ブラウス地は、シンプルなウインドーペインチェックのグラデーションをインクジェットプリントで表現したもの。

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2012年11月13日 (火)

光るジュエリーを装飾ディテールに

 今人気を集めているのが、キラキラ光るジュエリーを装飾として採り入れたファッション。ジュエリーといっても圧倒的に多いのはスワロフスキーのようなクリスタルのラインストーンやイミテーション・パールの粒。
Cimg01441_3 それらをニットやカットソーといったウェアやコートなどの襟や襟周り、前立て、肩など、目に付く位置に取り付けたデザインです。1_5 
 
 
 


 
 ラグジュアリーなモードの世界では、存在感のある宝飾アクセサリーを服に組み込む手法が数年前から目立っていました。それが今季、巷で大流行の様相です。
 これも先行きの見えない時代に、希望の道を光るもので見出したいという、ささやかな欲求のあらわれなのでしょう。
 

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2012年11月12日 (月)

インナーからアウターまで人気のリラックスウェア

 ルームウェアとしても、またちょっとしたお出かけにもおしゃれなリラックスウェアが人気を集めています。
 Cimg01291 デザイナーの川田剛さんが手がける「ボッコbodco」はそんなブランドです。このほど7シーズン目の展示会が行われ、来春夏向け新作が披露されました。
  超細番手高級綿糸使いのシャツ地を使ったシャツやドレスが多数デザインされています。これまで肌着一辺倒だったブランドのイメージが塗り替わった感じがします。いつも使用されているスマイルコットンの綿100%カットソーも、天竺からリブ、パイルと幅広くなり、とくに綿パイルのジャケットは好評とのことです。布帛のシャツ地を袖に使うなど、布帛と組み合わせたり、裏カットソーで表布帛というように、両面着用できる仕立てだったり、アウター感覚が強まって広範に着こなせそう。カラーはブルー系やベージュ系のシックな色使いですが、大胆に切り替えたカラーブロックもあり、今の時代の気分を上手に表現していると思いました。                                   

 Cimg01261_2 リバーシブルのブルゾン。表シャンブレー 綿100%、裏パイルニット 綿100%。価格税込み34,650円。

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2012年11月11日 (日)

袖を交換できる「コモン・スリーブCOMMON SLEEVE」

 袖は、ヨーロッパ中世においては身頃と切り離されたパーツで、いろいろな意味が込められていたといいます。戦いに行く騎士に恋人が愛の印として袖をプレゼントしたり、戦陣では袖を幟旗に使ったりもしました。袖は昔、アクセサリーのようなものだったのです。
 Cimg01851 この袖を身頃と別に販売しているお店があるのを、先日、東京・表参道で発見しました。それが東京・表参道ヒルズにあるニュー・リサイクルショップ「パス・ザ・バトン」のポップアップストア「コモン・スリーブCOMMON SLEEVE」です。18日まで期間限定でオープンしています。
 袖回りがファスナーになっていて、袖をとりはずしできるようになっていますから、袖と見頃を自由に組み合わせられ、それらを友だちと交換したり、共有したりすることができます。
 Cimg01871 これは「YEAH RIGHT!!」(デザイナーの河村慶太と井村美智子)が、昨秋来スタートさせているプロジェクトで、東京コレクションなどで活動しているデザイナーブランドやアーティストらが、30以上も参加しています。サイズはSとMのみですが、ブランドを超えたミックスも自由自在です。
 Cimg01911 昨今、「シェア」の概念が広がっています。「コモン・スリーブCOMMON SLEEVE」を見ていると、古着のリサイクルやリメイクだけでなく、ファッションの現場にまで、それが広まっている思いがします。

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2012年11月10日 (土)

お寺に似合う十月桜

 秋晴れの今日、円覚寺雲頂庵へ行きましたら、十月桜が満開でした。春と晩秋に2度咲くのだそうで、冬桜と呼ばれたりもするようです。小さな八重咲きの淡いピンク色の花で、上からお寺を見下ろすと、ふんわりと白いものが舞っているように見えます。お寺に似合う風景でした。Imgp00071_2

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2012年11月 9日 (金)

高野口パイルファブリック展“ぷわぷわ―8”

 Cimg01021 高野口は高野山の麓に位置し、江戸時代以来、パイルやシールなどの特殊なテキスタイルの生産が盛んな世界で唯一の総合パイルファブリック産地です。この産地展が8~9日、東京・渋谷で開催されました。
 紀州繊維工業組合の参事西正幸氏によると、「東京展は“ぷわぷわ―8”をテーマに、今回で8回目。これまで3月に行っていたのを11月に変更して初めての展示会で、出展社は11社。アパレル中心に2日間で約500名の来場があった。」といいます。目に付いたテキスタイルは次のようです。(写真: クリックで拡大)

妙中パイル
 1_3 同社はルイヴィトンやポールスミスといった有名ブランドにも輸出しているパイルファブリックの最大手。写真のサンプルドレスは、高密度で薄地の高級細番手糸使いの綿100%ベルベット。人気の定番素材で、60色の色揃え。
 また液晶パネルの生産工程に欠かせない研磨剤として、スーピマ綿ベルベットが稼ぎ頭となっているとのこと。

○杉村繊維工業
 Cimg01151 再織と呼ぶシェニール織を得意としているメーカー。一度織り上げた織物をタテ方向に裁断しモール糸に仕上げて、次にこの糸をヨコ糸に使って再度織り上げることから再び織る、再織と呼んでいるとのこと。人気はやはり写真のような黒地の花柄で、バッグなどに愛用されているといいます。

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 また新作として大正紡績とコラボしたオーガニックコットン使いのものも。



青野パイル
 Cimg01131_2 リバーシブルのやわらかい裏毛が大人気で、表は綿100%天竺 裏は綿/アクリル混ボア。
 

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2012年11月 8日 (木)

「美術にぶるっ!ベストセレクション 日本近代美術の100年」

 東京国立近代美術館で開催されている「美術にぶるっ!ベストセレクション 日本近代美術の100年」特別内覧会に行ってきました。
 Cimg99971 この展覧会は同美術館開館60周年記念展で、同館所蔵の12,000点の中から明治以降の名作500点を展示しているといいます。ですからこれを見れば、日本の近代美術史が大体わかります。3ヶ月かけてリニューアルされたという館内は、落ち着いた色調で見やすい優しいつくりになっていると思いました。
 ところで「美術にぶるっ!」とは何と変わったテーマでしょう。主任研究員の鈴木勝雄氏によると、作品を見たときの衝撃を「ぶるっ!」という言葉で表現したとのことです。美術品に対峙して震えるような体験や感動を覚えることがありますが、これこそ美術鑑賞の原点。見る人に美術と対話して欲しいとの思いからネーミングされたといいます。
 
 Cimg00141_2 展覧会は第一部と第二部に分かれていて、第一部は4階から始まり2階までとなっています。明治から1970年頃までの100年の歴史が概観できるようになっていて、同館の60年間のコレクションの成果、とくに重文に指定された13点が一挙公開されています。土田麦僊の「湯女」や上村松園の「母子」、また横山大観「生々流転」、安田靫彦の「黄瀬川陣」など、写真でしか見たことのなかった名作がたくさん展示されていて感激しました。また「戦争の世紀」にある藤田嗣治の戦場画を再び見て、改めて心を揺さぶられました。
 Cimg00231 第二部は1階で、「実験場1950年代」と題されています。これは美術館らしいジャンル横断的な企画展です。同館が開館した1952年は日米平和条約が調印され、日本が独立を回復した年でもあるとの位置づけから、ここでは政治や社会に目を向けた展示を前面に押し出しているのがユニークです。原爆被害に始まり、砂川闘争や米軍基地反対など、戦後史の現場を映す作品に目を奪われると同時に当時を想い、心が痛んだりもしました。粟津潔の「海を返せ」などもあり、当時のアーティストたちが現実に働きかける作品を多々残していたことに「ぶるっ!」とさせられました。活力があったのですね、50年代は!
 2時間くらいではとても見切れない、ボリュームたっぷりの充実した展示内容。さすが国立の美術館と唸ってしまいました。展覧会は1月14日まで開催されます。

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2012年11月 7日 (水)

“糸にこだわる”T・N JAPAN(テキスタイルネットワークジャパン)

 Cimg99811 2013/14秋冬服地を発表するT・N JAPAN(テキスタイルネットワークジャパン)展が、6-7日、東京・青山で開催されました。参加したのはテキスタイルメーカー26社。
 同展委員のお一人、野末和志氏のお話によると、「この展示会はテキスタイルメーカーが共同で個展する場所。しかし自社の魅力をより積極的に訴求しやすくするため、今回は敢えて“糸にこだわる”を統一テーマに掲げた」といいます。
 糸が変われば服地は変わります。確かに各社とも、糸の撚りや糸処理、糸の組合せなど、糸づくりにこだわった服地を前面に押し出していたのが印象的でした。目についたものをいくつかご紹介します。(写真: クリックで拡大)

古橋織布: 不況をものともせず、売上は好調とのこと。低速シャトル織機で織り上げた布は、ふっくらと味わい深く、優しい風合い。
 Cimg99471 100単ボイルのコード織。コード糸は20番手糸使いで、波状の凹凸感を演出。綿100%。
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 甘撚りオックスフォードとピーチ風フラノのリバーシブル。綿100%。

○川邊莫大小: お得意の綿の超細番手糸カットソーに、今シーズンはカシミアやアンゴラなどの高級獣毛混使いを提案。
 Cimg99551 ボーダーストライプ、綿70/アンゴラ30。



宮下織物: 甲斐絹の技術を生かしたジャカードに輝くラメ使い。
 Cimg99601 プリズムのように光るホロスモジャカード。ポリエステル92/キュプラ8


福田織物: 細番手織物が得意。
 Cimg99641jpg 綿の300番手双糸のローンやボイルを大きく提案。スーピマ・プレミアムコットンなども。


福井経編興業: 新感覚な表情のニット素材に注目。
 Cimg99691 同社はパリのプルミエールヴィジョンにも出展していますが、そこでもっとも人気を集めた素材が、このメッシュのように見えるダブル・ラッセル。ナイロン62/ポリエステル38。

○中嶋機業場: ファンシーなカットジャカードやオパール加工など。
 Cimg9973_1 ダイア柄ジャカード綿54/ウール46。



林キルティング: キルティングに刺繍をミックスした服地を提案。
 Cimg99761 ベルベットの上にオーガンジーをのせてオレンジ色の糸でステッチをかけ、オーガンジーを縮めて、ふくれジャカードのように見せたもの。

遠州ネット: カラミ組織と強撚糸の糸使いによるストレッチ織物。
 Cimg99821 ニットのようによく伸びるカラミ織ボーダー。美しいカラー展開。綿100%。

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2012年11月 6日 (火)

「Life(生)」と共鳴する体感型インスタレーション

 今、エスパス ルイ・ヴィトン東京で、ブラジル人アーティスト、エルネスト・ネトによる「狂気は生の一部 Madness is part of Life」と題した展覧会が行われています。そのメイン展示が、「われわれは生という体の一部Life is a body we are part of. 」をテーマにした体感型インスタレーションで、生命の懐に抱かれているような感覚を感じてきました。
 会場に入ると目に飛び込んでくるのは、天井から宙づりにされた巨大なハンモックです。
Cimg99351_3  Cimg99391_3


 


 
 来場者は地上に降りているハンモックの細い入り口から通路を伝って、一番奥の広い空間まで行くことができます。歩くたびにかぎ針編みのロープが揺れ、足元もプラスティックのボールを詰めたチューブなので、この上なく不安定ですが、終点までたどり着くと、安定していて、寝転ぶこともでき、「いつまでも居続けたい」と思うような気持ちのよい場所になっています。通路は精子の通り道を、また終着点は子宮を表現しているという作品の意図を体感しながら、戻ってくると、「青竹踏み」でもした後のようなすっきりした感じになりました。
 まさに人間の「Life(生)」の感覚と共鳴するインスタレーションです。開催は2013年1月6日まで。

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2012年11月 5日 (月)

「宝物風入れ」円覚寺は山野草の寺

 20121104134042imgp00401 今年も北鎌倉の円覚寺で「宝物風入れ」の行事が行われました。五百羅漢像や夢窓疎石、無学祖元、徳川家康らの肖像画や、雪舟、応挙の絵など、重文展示を見学し、国宝の舎利殿 (写真は門前) をお参りして、境内に咲く山野草に深まる秋を感じてきました。

 20121104131158imgp51991_2 つわぶき(石蕗) 石垣に控えめに咲いていました。

 


 
20121104135356imgp5282_2_4  シュウメイギク(秋明菊) 菊とはいってもアネモネの仲間だそう。
 
 


 
 20121104132420imgp52381jpg_4 ムラサキシキブ(紫式部) 赤紫色の実が神秘的。 

 
 


 20121104132752imgp00301_3 ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)の群生 遠くから見るとピンクの絨毯のよう。

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2012年11月 4日 (日)

癒されたプサルタリー&ギターコンサート

 文化の日、久しぶりに出かけたクラシックギターの安藤三七子先生企画・主催によるプサルタリー&ギターコンサートで癒されました。
 プサルタリーは以前にも何度かその響きを耳にしたことがありましたけれど、一度にこんなにたくさんの曲を聴いたのは、今回が初めてでした。天使の声のように澄んだ高音から鈍い低音まで、またクラシックから“こぶし”の効いた演歌まで、どんな曲にも合わせられることに驚きました。Cimg99001_2  プサルタリーとギターのアンサンブル“Sola”の演奏風景です。 
 
 プサルタリーpsalteryは古代ヨーロッパの弦楽器で、これにキーボードがついてチェンバロに発展し、その仲間の一つがピアノへ進化したという、三角形の箱型をした楽器です。Cimg99011 安藤先生の、そのまた先生でいらっしゃる大御所の加藤誠先生(右の写真)は、ご自分の工房でこの楽器をつくられていて、材質や大きさなどにより音色が皆違うといいます。つくり方は簡単とおっしゃっていましたが、演奏家だから楽器がつくれるのだとも。
 楽器づくりは私にはとうてい無理としても、ちょっと弾いてみたい気になったコンサートでした。
 

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2012年11月 3日 (土)

藤布を現代に蘇らせた工房―遊絲舎

 今回の「タンゴ・ファブリック・マルシェ」の和装フロアで、「藤績(ふじう)み」の実演をされていたのが、遊絲舎の小石原充保さん(写真)。Cimg98771
 遊絲舎は全国で唯一丹後に残る藤布を現代に蘇らせ、幾多の工程を経て現代の織物と融合した作品を創っている工房です。主に藤糸と絹糸の交織による帯地を制作されています。
 昨年9月、パリで開催されたテキスタイル見本市「プルミエールヴィジョン」の世界の匠の技を集めたエリア「メゾン・デクセプションMaison d’ Exception」に招待出展され、話題を集めましたが、来年2月展にもまた出られるそうです。前回はご両親の小石原夫妻がパリへいらっしゃっていましたが、次回は若い充保さんが行かれるとのこと。今後の展開が楽しみです。
 

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2012年11月 2日 (金)

京丹後職人芸を現代に―「タンゴ・ファブリック・マルシェ」

 京都・丹後産地の織物総合展「タンゴ・ファブリック・マルシェ」(丹後織物協同組合丹後ファッションウィーク開催委員会主催)が東京・渋谷区代官山で10月30-11月2日、開催されました。
 京都・丹後地方は日本最大の絹織物産地で、とりわけ縮緬(ちりめん)の里として有名です。昨年、服飾文化学会の夏期セミナーで訪れた地でもあり、再会を楽しみに訪問しました。
 参加したのは洋装9社、和装11社。伝統に培われた職人芸を織り込んだファブリックが和洋のフロアに分かれて展示されています。その多くは丹後で織り、染色仕上げ加工は京都で行う産地間コラボから生まれたものといいます。そのいくつかをご紹介しましょう。(写真:クリックで拡大)

 Cimg98721 吉村機業: 絹織物を中心にした織物の総合メーカーで、昨夏京丹後市の本家をお訪ねし、お蔵の反物を見せていただいたことなどが、懐かしく思い出されました。お話を伺うと、和装が9割、洋装1割くらいだそうです。洋装では著名デザイナーブランドが顧客とのことで、今回の新作では、ダブルシフォンやコード織に綿リッチ混が数多く提案されていました。エレガントなふくれジャカードも美しく、思わず惹きつけられます。オレンジやピンク、イエローといった今シーズンの人気カラーがのせられています。
 Cimg98621 コード織(シルク27/綿73)




 Cimg98701 バラの花のジャカード(シルク50/ウール50)
 




 山政テキスタイル: 注目されたのは来秋冬向けウールタッチのポリエステル糸使いのウォームシャギー縮緬。ラミネートやうるし調、金箔加工などが施されたものも。加工では絹よりも、セット性の高いポリエステル使いが好ましいとのこと。1 海外高級ブランドへの輸出も多いそうで、同社生地使いのマーク・ジェイコブスのスーツが展示されていました。
 Cimg98551 うるし調加工でオプティカル柄 
 


 Cimg98581jpg
金箔加工


 
 
 宮眞: サッカーなど繊細な表面感のある生地や、Cimg98471_2 写真のシルク50/和紙50のプリント地が目立っていました。

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2012年11月 1日 (木)

思考をトレードする「DESIGNTIDE TOKYO 2012」

 「思考をトレードする場」をキャッチフレーズに、「デザインタイドトーキョーDESIGNTIDE TOKYO 2012」が、11月4日まで、東京ミッドタウンをメイン会場に開催されています。ここでは、30組以上ものデザイナーが参加して、生活環境をよりよいものにしていくための作品が発表されています。展示会であると同時に、デザイナー本人から購入することができるマーケットでもあるのです。
 ここで見つけた気になるモノをご紹介します。
 
○スマカルゴsmatcargot (スマートなエスカルゴを語源にした造語) 「大沼敦デザイン事務所
 Cimg98221 このスクーターのようなビークル(乗り物)は、家具とモビリティが融合した新しいコミニュケーションツールです。室内での移動用に開発されたものですが、スピードは時速10㎞以下ですので運転免許なしで乗れて、電動車椅子のように歩道を行くこともできます。Cimg98251 椅子やテーブル、照明、PCが脱着可能で、各パーツは切り離してそれぞれの用途で使うこともできるようになっています。Cimg98231


 

 
 

 材質は木製と透明アクリル樹脂製の二種類。「最先端技術こそ身の丈に合った道具であるべき」と考えるデザイナーの大沼さんに私も大賛成。とくにシニア向けに期待の一品と思いました。
 
○供養具「偲(しのぶ)」 「まなか
 Cimg98171 これは故人を偲ぶための道具、つまり現代の形に合った新しい供養具(仏壇)で、プロダクトデザイナーの鈴木啓太さんが仏具の「まなか」のためにデザインしたもの。
 近年、核家族化や先祖意識、宗教観などが変化し、故人を偲ぶための従来の道具が馴染まないライフスタイルが増えてきましたが、人が人を思う気持ちはいつの時代も変わらないはず。このようなシンプルな箱型なら、どこにでも置けて持ち運びも簡単です。神聖な竹製のものから、栃製、大理石製のものなどが揃っています。

○シマトート 「ハトバカルチュラルメゾンフォーアーツ
 Cimg98371_2 同社は1998年結成のファッションブランドで、全て色の組み合わせが違う一点もの「ボーダーシリーズ」を商品化しています。主力商品は、上下の色の組み合わせを自由にカスタム出来るTシャツですが、このほどトートバッグを新発売しました。リバーシブルで裏も別色で楽しめます。デザインは代表取締役でデザイナーの國時誠さん。綿100%帆布製で税込み15,540円。

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