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2012年11月 8日 (木)

「美術にぶるっ!ベストセレクション 日本近代美術の100年」

 東京国立近代美術館で開催されている「美術にぶるっ!ベストセレクション 日本近代美術の100年」特別内覧会に行ってきました。
 Cimg99971 この展覧会は同美術館開館60周年記念展で、同館所蔵の12,000点の中から明治以降の名作500点を展示しているといいます。ですからこれを見れば、日本の近代美術史が大体わかります。3ヶ月かけてリニューアルされたという館内は、落ち着いた色調で見やすい優しいつくりになっていると思いました。
 ところで「美術にぶるっ!」とは何と変わったテーマでしょう。主任研究員の鈴木勝雄氏によると、作品を見たときの衝撃を「ぶるっ!」という言葉で表現したとのことです。美術品に対峙して震えるような体験や感動を覚えることがありますが、これこそ美術鑑賞の原点。見る人に美術と対話して欲しいとの思いからネーミングされたといいます。
 
 Cimg00141_2 展覧会は第一部と第二部に分かれていて、第一部は4階から始まり2階までとなっています。明治から1970年頃までの100年の歴史が概観できるようになっていて、同館の60年間のコレクションの成果、とくに重文に指定された13点が一挙公開されています。土田麦僊の「湯女」や上村松園の「母子」、また横山大観「生々流転」、安田靫彦の「黄瀬川陣」など、写真でしか見たことのなかった名作がたくさん展示されていて感激しました。また「戦争の世紀」にある藤田嗣治の戦場画を再び見て、改めて心を揺さぶられました。
 Cimg00231 第二部は1階で、「実験場1950年代」と題されています。これは美術館らしいジャンル横断的な企画展です。同館が開館した1952年は日米平和条約が調印され、日本が独立を回復した年でもあるとの位置づけから、ここでは政治や社会に目を向けた展示を前面に押し出しているのがユニークです。原爆被害に始まり、砂川闘争や米軍基地反対など、戦後史の現場を映す作品に目を奪われると同時に当時を想い、心が痛んだりもしました。粟津潔の「海を返せ」などもあり、当時のアーティストたちが現実に働きかける作品を多々残していたことに「ぶるっ!」とさせられました。活力があったのですね、50年代は!
 2時間くらいではとても見切れない、ボリュームたっぷりの充実した展示内容。さすが国立の美術館と唸ってしまいました。展覧会は1月14日まで開催されます。

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