東は「ふわっと」あったか西は機能重視のシキボウ展示会
シキボウの来秋冬向け展示会が先週、東京の同社プラザマーメイドで開催されました。
まず目についたのが中央の展示で、「ふわっふわ」と題された温かな生地グループです。打ち出されたのは、ハイバルキーで肌触りのよいアリゾナ綿「ハイマイソフト」とレーヨンの「エアリーフ」。いずれもふくらみ感と弾力性に富んだ風合いが特徴です。トレンドが今、天然繊維に戻ってきていることから、繊維中の空気層を増やし軽くて保温性の高い素材に焦点を当てたとのこと。やわらかなガーゼ天竺など、肌着やインナー向けにぴったりです。
精紡交撚糸「デュアルアクション」も進化し、究極の甘撚りや、188双のプレミアムソフトが登場。またウォッシュ加工のチノシリーズやストレッチなど、様々な高級カジュアル素材が提案されていました。
また入口付近では今、注目の新消臭加工「デオマジック」をビデオで紹介。新開発のチョコレートの香りのスプレーをふりまき、ちょっとした人だかりになっていました。介護用の不織布ベッドパッドが商品化され展示されていたのが、印象に残っています。濡れるとカプセルが砕けて香り成分が出てくるのだそうですが、香りというのは、やはりその性質上長持ちさせるのは難しく、使い捨てになってしまうようです。
同社お得意の健康・機能加工では、ポリエステルへの加工を可能にした消臭加工「スーパーアニエール9」が発表されました。加齢臭ノネナールにも対応し、洗濯により消臭効果を回復するといいます。抗菌加工「ノモス」や抗カビ加工「ノーサム」もナイロンに応用できるようになり、水虫対策のソックスなど用途を拡大していくとのこと。また汗をかいても肌がべたつかない吸汗速乾「スウェットコントロール」生地の実演コーナーもあり、多くの来場者が体感していました。
同展は既に大阪で前週に行われましたが、関西ではユニフォームメーカーが多いこともあり、機能加工を軸に展示。今回の東京展はファッションアパレル向けに、感性重視のあったか素材を前面にプッシュしていて、東西の違いがこのようなところにも出るのかと、改めて再認識した展示会でした。
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