「スティービーアワード」金賞受賞のエコマコ「光のカケラ」
環境に配慮したエコロジー&エシカルなファッションスタイルを提案しているブランド、エコマコが、今年8月、米国でビジネス界のオスカーと称される「スティービーアワード」の金賞を受賞しました。これは2009年、同賞の「ビジネス女性大賞」ビジネス女性団体カテゴリーで大賞受賞に続く快挙です。
同ブランド代表でデザイナーの岡正子さんは、長野県在住のナチュラルライフコーディネーターでもあり、2003年のブランド発足以来、デザインコンセプトは「エコロジー」「ヘルシー」「フリー」を貫いています。「エコロジー」は自然に戻せる素材を使って、環境・社会に対する責任を果たすこと、「ヘルシー」は肌にやさしく安全であること、「フリー」は自由なライフスタイルで、ファッションを通して、グリーン原料の周知をはかるとともに、人と地球にやさしく、女性らしいエレガントなスタイルを打ち出しています。この岡さんの姿勢が、世界の有力企業が多数応募する中での2度目の栄冠となったのでしょう。
同ブランドの強みは、大きく二つあります。一つはトウモロコシを原料としたポリ乳酸繊維をはじめとする先端技術を駆使した高度な素材を使用し、他のブランドでは真似のできない機能、すなわち非常に軽く体への負担がほとんどない、シワになりにくく旅行や出張に便利、弱酸性で人間の皮膚に近いPH値、廃棄して2、3年で土に帰る働きを衣服に持たせていること。
二つ目は日本伝統の手仕事を採り入れた独自の制作スタイル。染色は京都の伝統工芸士の手染めによる高度な染色技術によるもので、ぶどうの搾りかすやバラの花など植物由来の染料を使用。手染めなので、毎回同じ色を再現することは難しく、それが工業製品ではない良さにつながっています。また刺し子や刺繍、パッチワーク、端切れを生かしたモザイクなど、温かい手づくりが随所にあしらわれていることも特徴です。
このほど2013年春夏展示会が、ホテルニューオータニ・サンローゼ赤坂の直営店で開催され、エコマコの新しいエシカルな視点を発見しました。
それは今シーズンのテーマでもある「光のカケラ」プロジェクトです。光は色の源でもあることから、カラーアナリストでもある岡さんが、色の持つ力を知ってもらおうと、親子で色にふれあい、色を楽しむワークショップをスタートさせたのです。故郷、長野県飯山の菜の花、中野のシャクヤク、大町のあやめに続き、佐久浅間のカーネーション、いずれも規格外の花々から染料を抽出し、生地を染め、作品を作った後の残布は小さくカットして、幼児教室の貼り絵の材料に使われます。最後の最後まで布を余すところなく使い切る、これは岡さんの当初からのモットーです。また長野市を代表するお祭り、「長野びんずる」で、Tシャツに花のモチーフ「フキコFuxico、別名ヨーヨーキルト」をつけて提供したりもしています。
2013年春夏の新作には、このフキコやアップリケ、プリーツやオリガミテクニック、手絞りなど熟練した職人の技が目立っていました。 ○最先端とアーカイブを融合させたグループ
60年前のアンティークなジャカードを再現し、ルネ・ラリックなどに見られるアールヌーボー調のプリントや刺繍をのせたドレス。 ○新たに開発した黒やダークカラーのグループ
ビジネスシーンでの黒の可能性を追求したもので、軽く、伸縮性があるので、スポーティー感覚に着用でき、ストレスフリーな着心地。
○今後、ますます力を入れていくというウエディング・コーナー
岡正子さんは現在OKA学園長野ファッションカレッジ校長であると同時に、杉野学園ドレスメーカー学院院長でもあり、その輝かしい経歴に驚きを覚えます。今後もまた目を見張るような活動をされることでしょう。ご活躍を期待しています。
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