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2012年10月 5日 (金)

「田中一光とデザインの前後左右」展

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 日本を代表するグラフィックデザイナー田中一光のデザイン展「田中一光とデザインの前後左右」が、21_21デザインサイトで2013年1月20日まで開催されています。
 このほど関連プログラムとしてオープニングトーク「祝福された時間と創作」が行われ、本展ディレクターの小池一子氏と本展会場構成・グラフィックデザインを担当された廣村正彰氏が出演されました。
 
  トークでは、小池氏が「これは田中一光の純粋な回顧展ではない。後の時間に何を提案できるのかを思い、まとめた展覧会」と概要を述べられました。テーマに掲げた「前後左右」とは、「それぞれ未来、過去、東、西のことで、地平につながれた同時代を共有する文化を全方位的に見据えてデザインされた一光さんの思いを伝える言葉」であり、「戦後のモノクロームな社会の色が、米国文化の洗礼を受けて色のある美しい生活へ変わっていく中で、一光さんの才能が東京で開花。多彩なテーマをこなし、あらゆる領域に好奇心を持って立ち向かい、困難な条件を乗り越えた、その時代を祝福された時間として区切った」といいます。11年間、師事した廣村氏は「60年代は社会に活気があり、70年代はデザインの絶頂期で、80年代はバブルだった。田中一光デザイン室に入ったのは1976年で、日々田中先生の魔法を目の当たりにしてきた。今回は4か月という長丁場で、先生ならどういうことを考え、ことに当られたかを展示の中に入れて会場構成した」などと話されました。
 
 その後、田中一光によるグラフィックの仕事の中から選んだ代表作7点の魅力と誕生秘話を軸に、祝福された時間と呼ぶ、その時代と創作について解説があり、郡山の大日本印刷倉庫にある整理されたアーカイブや、田中一光明朝体のタイポグラフィの話など、様々なエピソードが語られました。中でも興味深く思ったのは、1973年の「青空のピラミッド」という作品で、この基本的な色彩構成から、□と△と○のみで構成された後の名作、西武劇場や日本舞踊のポスターなどができていることを改めて認識させられました。また三宅一生と出会い、「一枚の布」にヒントを与え、その色彩に影響を及ぼし、また服をたたみ、広げると立体が生まれる考え方を、一生が「リアリティラボ132.5」で実現させたことなど、常に時代の先を見ていたデザイナーだったと、またしても感じ入りました。
 無印良品についての展示もあり、10年前に他界されるまで、その誕生から20年間、チーフアドバイザーを務めた一光さんは、当時の生活の在り方やデザインの方向性を憂えて、「質素は豪華にひけをとることはなく、素のまま、そのものの価値を引き受ける」という哲学で、生活のすべてをデザインされました。
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 この後、美術館を出て通りかかった無印良品の店のショーウインドーが、田中一光のデザイン一色だったことも印象的でした。今、無印では大々的に一光さんが打ち出されているようです。

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