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2012年10月

2012年10月31日 (水)

2013/14秋冬トレンドヤーンの傾向― トスカーナヤーン展示商談会から

 トスカーナヤーン展示商談会Workshop Filati Toscani2012が、30-31日、東京・渋谷で開催されました。昨年の12社から、今年は16社が集結。イタリアのトスカーナからだけではなく北部ビエラからの参加もあり、地域が広がりました。
Cimg98081_2  同時に「2013/14秋冬トレンドヤーンの傾向」についてセミナーも行われ、エレメンティ・モーダのジェネラルマネージャー、オメラ・ビニャーニさんが講演されました。その概略をご紹介しましょう。
 
 ニット用の糸への関心はますます高まり、そのテーマは大きく次の6つがあります。
①グレイスGrace: 優雅なエレガントを象徴するテーマ。カシミアやアルパカ、アンゴラを中心にした、軽くて温かいソフトな糸で、エキストラファインから5~3番手の太い糸まで様々。
②ゴー・ネイチャーGo Nature: 「自然に帰ろう」をテーマに、シェットランドツイードに代表される英国風トラッドの提案。カラーミックスや変化のあるジャカードやボーダー、雲や霧など自然をイメージさせるものも。
③ヴィンテージVintage:  とくに1970年代頃に流行ったものを、現代風に再現させたもの。太糸と細糸を交互に組み合わせる編地や多色使いのグラデーション、インディゴデニム・ニットなど。
④アクティブ・アーバンActive Urban:  アクティブスポーツウェア感覚を採り入れた日常着の提案。防水など機能性を持たせた素材で、色鮮やかなボーダーなど。また布帛のような仕上がりのニットも。
⑤グラフィック・ブラックGraphic Black: 時代を超えて重要な黒と白。とくにグラフィカルな柄に焦点を当て、オプティカル、キネティックアートにヒントをとった立体感のあるレリーフ編に注目。
⑥オピユレンスOpulence: 豊かでリッチ。スーパーキッドモヘアにシルク混使いや宝石のように輝く色彩、玉虫色やメタリック、マットなものに金糸や銀糸を組み合わせるなど、光や反射がシンボルとなるテーマ。

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2012年10月30日 (火)

東は「ふわっと」あったか西は機能重視のシキボウ展示会

 シキボウの来秋冬向け展示会が先週、東京の同社プラザマーメイドで開催されました。
 Cimg97931jpg_2 まず目についたのが中央の展示で、「ふわっふわ」と題された温かな生地グループです。打ち出されたのは、ハイバルキーで肌触りのよいアリゾナ綿「ハイマイソフト」とレーヨンの「エアリーフ」。いずれもふくらみ感と弾力性に富んだ風合いが特徴です。トレンドが今、天然繊維に戻ってきていることから、繊維中の空気層を増やし軽くて保温性の高い素材に焦点を当てたとのこと。やわらかなガーゼ天竺など、肌着やインナー向けにぴったりです。
 精紡交撚糸「デュアルアクション」も進化し、究極の甘撚りや、188双のプレミアムソフトが登場。またウォッシュ加工のチノシリーズやストレッチなど、様々な高級カジュアル素材が提案されていました。

 Cimg98001 また入口付近では今、注目の新消臭加工「デオマジック」をビデオで紹介。新開発のチョコレートの香りのスプレーをふりまき、ちょっとした人だかりになっていました。介護用の不織布ベッドパッドが商品化され展示されていたのが、印象に残っています。濡れるとカプセルが砕けて香り成分が出てくるのだそうですが、香りというのは、やはりその性質上長持ちさせるのは難しく、使い捨てになってしまうようです。

 Cimg97971 同社お得意の健康・機能加工では、ポリエステルへの加工を可能にした消臭加工「スーパーアニエール9」が発表されました。加齢臭ノネナールにも対応し、洗濯により消臭効果を回復するといいます。抗菌加工「ノモス」や抗カビ加工「ノーサム」もナイロンに応用できるようになり、水虫対策のソックスなど用途を拡大していくとのこと。また汗をかいても肌がべたつかない吸汗速乾「スウェットコントロール」生地の実演コーナーもあり、多くの来場者が体感していました。
 
 同展は既に大阪で前週に行われましたが、関西ではユニフォームメーカーが多いこともあり、機能加工を軸に展示。今回の東京展はファッションアパレル向けに、感性重視のあったか素材を前面にプッシュしていて、東西の違いがこのようなところにも出るのかと、改めて再認識した展示会でした。

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2012年10月29日 (月)

第50回全国ファッションデザインコンテスト              日本綿業振興会賞は白い「カオス」

 一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催の第50回全国ファッションデザインコンテストが、13日に開催され、吉川健大郎さんの「CHAOSカオス」と題した作品に、日本綿業振興会賞が贈られました。
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 作品の写真は先日、杉野学園から送っていただいたものです。  
 吉川さんは岐阜県在住の23歳で、この春名古屋モード学園を卒業し、染色工場「ディープカラーズ」に勤務しています。作品は、綿を中心にボイルやシフォン、オーガンジー、サテン、レースなど、いろいろな素材の生地にプリーツや染色加工を施し、それらを重ねて立体的シルエットに合わせていくことで美しさを表現したといいます。        
 白をベースにしたのは、オフホワイトをかけたり、洗ったり、脱色したり、白には良くも悪くも多様な可能性があるからだそうです。その様々な表情を持つ白い布の組合せを「カオス」と捉え、そこからふんわりと優しい動きのある、しかもエレガントなドレスデザインを引き出そうと試みました。今回の作品はその結実です。一見するとシンプルでさりげない感じに見えますが、近づいてよく見ると細かな手作業が加えられていて、精巧に仕立てられています。込み入ったカットなのに、誰もが街で普通に着こなせそうな仕上がりに才能を見ました。
 将来の夢はもちろんファッションデザイナーになること。現在はたくさんの生地に触れる修行をしているそうで、今回の受賞を機に、大いに羽ばたいていかれることでしょう。

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2012年10月28日 (日)

2013春夏ノゾミ・イシグロ・オートクチュール―「裏側から見た東京」をテーマに

実はノゾミ・イシグロ(石黒望)のショーを見たのは、今回が初めて。そのオートクチュールのコレクションには、現代消費社会を批判するメッセージが込められているようで、感動しました。
 Cimg97881jpg_2 靄に霞む場内で、ホーメイ(モンゴルの伝統歌唱)とロックバンドのライブが響く中、静かに始まったショーは、「裏側から見た東京」がテーマ。薄布やレースを無造作に重ね合わせ折りたたんだドレスは、左右が非対称だったり、生地に穴が開いていたり、切りっ放しだったり。またちらし広告をコラージュしたようなプリント柄が使われていたりもします。色は白を基調にグレイッシュなトーン。煤けたような感じもして、少しけだるいムードが漂っています。昭和の東京の消費社会に疲れ果てた頽廃ぶりが表現されているようです。しかしそれをクチュールの確かな腕で、美しいシルエットに仕上げています。心に残るコレクションでした。

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2012年10月27日 (土)

2013春夏トクコ・プルミエヴォル―「モーリシャス」から大人のファンタジー

 トクコ・プルミエヴォル(Tokuko 1er Vol)のデザイナー、前田徳子さんは「服を着ることで誰もが元気になる、楽しくて美しい服づくり」がモットーといいます。Cimg97621
 このほど発表された来春夏コレクションも、白を基調に目の覚めるようなオレンジやピンク、ブルー、グリーンといった色使いで、東アフリカのインド洋上に浮かぶ島国「モーリシャス」をテーマに、明るい大人のファンタジーを展開しています。貝殻や熱帯魚のモチーフが夏らしいトロピカルな雰囲気を盛り上げていました。

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2012年10月26日 (金)

使って楽しいデザイン「アッシュ・コンセプト」

 先週、東京ビッグサイトで開催されたインテリアライフスタイル・リビングで目についたのが、「アッシュ・コンセプト(h concept)」。これは、2002年にデザイナー応援として立ち上げた「+d(プラス・ディー)」に、東京・墨田区ものづくりコラボレーションから生まれた8ブランドとの合同ブースです。
 ここで見つけた、使って楽しいデザインプロダクツを3点、ご紹介します。いずれも生活に楽しさや喜びを感じさせてくれるモノばかり。こういうモノこそ、ユニバーサルデザインではないでしょうか。機能だけではなく、楽しさや面白さ、おしゃれなデザイン性が備わっています。
Cimg96681_3  キャンディスプーン「+d(プラス・ディー)」
  カラフルなキャンディ型スプーン。キャンディ? いえ、これはスプーンなのです。これだったら、何でも甘く美味しくいただけそうです。

Cimg96641  アニマルラバー「マルサバルーン」
 子豚の形をした可愛い風船。触った感じがグニョッとやわらかくて癒されます。風船はもう子どものみならず、大人も楽しめます。100%天然ゴムで、昔ながらの手作り製法とのこと。


Cimg96881  ボーダースポンジ「テラモト」  
 波型の凹凸がお皿のフチなどにフィットして汚れを落とす食器洗い用スポンジ。アクセントカラーがキッチンを楽しくしてくれそうです。

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2012年10月25日 (木)

工芸美の極致を究めるヤコブ・シュレイフファー

 ヤコブ・シュレイファーJAKOB SCHLAEPFER社が、先週、東京ビッグサイトで開催されたインテリアライフスタイル・リビングに出展し、セミナーを行いました。
 同社はいつもパリのテキスタイル見本市プルミエールヴィジョン(PV)に出展している、世界最高峰の刺繍やレースのメーカーで、私はPVへ行くたびにブースを訪れ、他にはない技術と創造力から生まれた美しいテキスタイルに驚嘆している一人です。

 今回はインテリア部門担当のデザイナー、ミケーネ・ロンデリ氏からお話を伺いました。創業は1904年で、スイスのサン・ガレンが本拠地です。スタートはコットン産業、次いでリネン、それから刺繍やレースを手掛けるようになり、スワロフスキーを最初に用いたことで有名になります。ビジネスの主な拠点をパリとニューヨークに置き、ハイファッション、とくにルイ・ヴィトン、シャネルなどオートクチュール・メゾンを顧客に飛躍します。転写プリントを導入し、1993年、初めてスティールやブロンズ、コパーといったメタリック糸を用いたテキスタイルを打ち出します。2008年、インテリア部門を起ち上げます。このときこの部門のチーフに同氏が起用されたそうです。同社はレーザーカット刺繍技術で既にその名を馳せていますが、それをさらに発展させて、2011年、レーザーで生地を切るのではなく削ることに成功。今年、二枚の薄地をボンディングして、片面をレーザーで削って柄を浮き上がらせる「ジャスパーJasper」(右の写真)Cimg96831 を発表しています。
 
 毎年、約3,000点もの新作を展開し、現在は2014~15年向けコレクションをデザインしているという同氏のデザインに対する考え方は次のようです。常に市場の先を行かなければなりませんから、デザインのアイディアは、既存のファブリック以外の分野、発明、発見といった科学分野などからインスピレーションを受けて得ることが多いとか。またデザインは新しいものをつくり出すことですけれど、それはトレンドを生み出すことではなく、いかに心地よい空間を創出するかにあるともいいます。美のみではなく、ラグジュアリーな空間を想い描いて、コスト抜きに、デザイン性から入っていくそうです。
 織り上がった生地に仕上げし、デコレーションを施す過程は、すべてコンピューターではなく、手描きや手縫い、手貼りなどミリ単位の手作業が加わっていて、その精緻なテキスタイルはまさに工芸美の極みです。
 
 最後に今のファッション・トレンドについて―、刺繍やジャカード、アールデコ調の細かい手仕事の技を駆使したリッチなテキスタイルにあり、カラーは赤や黄色など、原色でコントラストをつける方向。とくにきらめくスパンコールが人気で、ウールなどマット感のある素材に組み合わるのが新しい傾向になっているとのこと。

 ブースで取材した同社のオリジナルをいくつかご紹介します。(写真:クリックで拡大)
 Cimg96811 「ファントムPhantom」と呼ばれる、世界一軽い1㎡当たり10gの超ファインポリエステル100%。
  

 Cimg96731 手で触ると変化するジャクソン・ポロック調のメタリックなスパンコール、「ポロックPollock」。
  


 Cimg96611 光る箔やスパンコールをプリントにのせたカラフルなカーテン地。

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2012年10月24日 (水)

「あなたがもっと輝ける女の仕事術」とは?

 「男女格差 日本は101位に後退」(世界経済フォーラム調査)のニュースは衝撃でした。日本は働く女性が生きにくい男女不平等国だったことを数字で突き付けられました。
 
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 こうした折、「女性力の活かし方」と題したシンポジウムが日本ファッション協会うらら会主催で開催され、日経BP社ビズライフ局長麓幸子さんが講師として登壇、「あなたがもっと輝ける女の仕事術」をテーマに基調講演をされました。若い女性が対象のセミナーでしたが、働く女性すべてに通じるお話でした。
 麓さんは「日経ウーマン」をはじめとする日経の女性媒体の総責任者で、1962年生まれの50歳、一男一女の母であり、また某大学大学院で経営学を学ぶ学生でもあるとのことです。大学時代はキャリアウーマンに憧れ、独身を貫くつもりでしたのに、23歳の若さで結婚することになり、仕事と育児に追われていましたが、現在はすっかり自由になって、人生を楽しんでいらっしゃるそうです。20歳の頃に考えていた人生と、今はまったく違う人生を送っていると、まずは「人生は想定外の連続」と語られました。
 次いでご自身の体験を通じて、編み出された10の仕事術を披露されました。
1. 自分なりのミッション(使命、任務)を持つこと。
 マスコミに入社したのは、日本は女性差別が当たり前という女性が生きづらい国で、女性は若くて美しければよいという価値観があるのを変えたいと思ったからで、働く女性が生きやすく働きやすい社会づくりに貢献したいという使命感を常に持っているといいます。ミッションは毎年変わるので、元旦に手帳に書きとめ、それを基に歩まれているとも。また最近は良い兆候も表れてきていて、日本政府が指導的役割に占める女性の割合を、現在の約7%から2020年に30%にするという目標を掲げていることなども挙げられました。
2. 座右の銘は「日々是好日」。
 今日という日はかけがえのない一日であり、全身全霊で生きることを心がけているといいます。
3. 真摯に一生懸命に働くこと。
 チャンスは真摯に主体的に取り組む人にやってきます。
4. 正しい知識と情報を得ることが重要。
 女性は高学歴化(4大進学率:2008年42.8%)し、働く女性が増えたものの、賃金格差は縮まらず、子どもを産みたいのに産めない状況(出生率:2008年1.37)が続いています。日本は社会福祉が充実していない上、男女格差、所得格差も大きい国。しかし今ようやく、女性の力を活かす企業が増えてきています。それは女性を活用する方が「儲かる」からなのです。男性の考え方も変わり、政府も「ワークライフバランス」策定を急いでいます。これからは男女共同参画社会になり、生き方や働き方のイノベーションが起きるといいます。
5. 自分を愛し、リスペクトすること。
 日本では外国人に比べ「自分は良い母親ではない」など、罪悪感を抱く女性が多いけれど、ミッションを持ち、それを愛していくことが大切とのこと。
6. 「女性力」を適度に活かすこと。女性性を否定せず、女性であることを楽しむことも必要です。
7. 人は何かを始めるのに遅すぎることはないと思うこと。「歳だから」は断捨離しましょう。
8. 挨拶と共感で人の輪が広げること。
9. 自分以外はすべて御師匠さん。
10. この世に生きていること自体が奇跡と思うこと。

 以上、誰もが生きるヒントになることばかり。本当にすばらしいご講演でした。
 

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2012年10月23日 (火)

毎日ファッション大賞記念パーティでショー

 18日、東京・日本橋で開催された第30回毎日ファッション大賞表彰式に行ってきました。その後に行われた記念パーティで、新人賞・資生堂奨励賞を受賞した新進ファッションデザイナー、タロウ・ホリウチ(堀内太郎)の2013春夏コレクション・ショーを見る機会がありました。
 Cimg96561jpg ベルギーのアントワープ王立大出身者と聞いていたので、てっきりコム・デ・ギャルソン風のくずした演出の服が出てくるのかと思っていましたら、きちんとしたシンプルでスポーティな「大人の服」が続々登場してきました。真っ青なブルーや黄色、光るシルバーといったカラーのコートやドレスは、モダンアートを見ているかのようです。
 受賞理由は、きっとこのアート性にあったのでしょう。洗練された完成度の高さも圧巻でした。今回の受賞をバネに、世界へ大きく羽ばたいていって欲しいと思います。

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2012年10月22日 (月)

尾州産地発ツイードを前面に!

 Cimg95461 尾州とは、昔の尾張(おわり)国の通称で、愛知県一宮市を中心とする一帯を言い、繊維業界では毛織物の産地として有名です。
 
 この尾州の2013/14秋冬向けテキスタイルを発表する「尾州マテリアルエキシビション」が、このほど東京・青山で開催されました。参加したのは16社、総出品数は1,905点といいます。とくにパリの「ネリーロディ」の情報を基に制作した180点の新作は、4つのテーマ―― ①ダークにビビッドな彩りを添えた「80年代風」、②ナチュラルな色調の「晴れやかな質素」、③ソフトなパステル系の「スイートガール」、④ダークにメタリックな輝きを加えた「マダム・アストラル」に区分され、インデックスコーナーに展示されて、来秋冬のトレンドを発信していました。
 
 テクスチャーとしては、前面に打ち出されていたのがツイードで、厳しい経済環境にもかかわらず、順調に推移しているそうです。今年はシャネルツイードで有名な英国のリントン社が設立100周年記念の年でもあり、先般三越銀座店で行われた「ミュージアム・オブ・リントン」キャンペーンは大好評だったとのこと。また「銀座ファッションウイーク」では、銀座松屋と尾州ツイードがコラボして企画生産した商品が販売され、人気を集めていました。Cimg9707 Cimg9707_3 写真はその一つで、ツイードといってもラフではなく、原料にこだわったソフトでやさしい感触のものでした。
 
 今回の展示会では尾州ツイード研究会という組織があることを知りました。上質ファッション分野でのツイードの採用拡大を目指しているそうで、期待しています。

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2012年10月21日 (日)

2013春夏インプロセス―ストレスからの解放

Cimg96141 インプロセス(IN-PROCESS)の2013年春夏コレクションのテーマは、「都会の苦悩」。
 ショーは暗い色調から徐々に白や明るいブルーへ、またチェーンや包帯を巻くといったディテールからフィナーレのパラシュートへ、移り変わります。ストレスや制約で身動きがとれなくなっている現代人が、次第に解放されていく様子を、ランウェーで表現していました。デザイナーは、スティーブン・ホールと大原 由梨佳の二人組です。
 

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2012年10月20日 (土)

2013春夏アンリアレイジ―「BONE(骨)」のカタチ

 東京コレクションでもっとも衝撃的な作品を発表するアンリアレイジ(ANREALAGE)。今シーズンも、デザイナーの森永邦彦は「BONE(骨)」をテーマに、骨組みだけの服を創作し、話題を集めています。
 Cimg95421jpg まず登場したのは、暗闇の中で光を放つドレスです。再帰反射加工の素材が使われているのでしょう。19世紀のクリノリンのような枠組みのフォルムが浮かび上がり、場内は幻想的な雰囲気に包まれました。 
 Photo_2 明かりがつくと、骨組みの下にドレスを着て、顔を黒塗りにしたモデルが続きます。この骨組みは次第にフォルムから服そのものの構造をレーザーカットやオパール加工で表現したドレスやコート、ジャケットへ変わっていきます。規則的に細かくカットワークされて、線だけになった服は、インナーと組み合わさり、これまでに見たこともない色や凹凸の重ね効果を生み出しています。
  服の肉を剥がし、削ぐことにより、隠されていたカタチ、すなわち骨を露わにすることで、現代を語る新しいストーリーを紡ぎ出したデザイナー。そのデザイン力に圧倒され、最後はスタンディングオベーションの渦となりました。

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2012年10月19日 (金)

2013春夏“matohuまとふ”―「見立て」の美学

 “matohuまとふ”は、日本独自の美意識を基にファッションに新風を送り続けている注目のブランドです。デザイナーは堀畑裕之/関口真希子のお二人で、今シーズンのコレクションのテーマは「見立て」でした。これは「そのままではありふれていて気にもとめないものを、まったく違う使い方に転用することで新鮮な価値を創造させる」ことといいます。彼らはレイヤードを多用して、この美学を表現していました。一つ一つなら何ということもないシンプルな服も重ね合わせることにより、色が少しずつずれて、新しさが生まれます。“まとふ”らしい洗練された静謐なたたずまいのルックスですが、通常は服に用いない和紙やカーテン、ソファといったインテリア用の布地も使われていました。Cimg94901

 たまたま隣に座られていたのが、同ブランドの創業時から生地を制作し提供し続けてこられた、みやしん社長の宮本英治氏でした。同社の生地を使ったモデルが登場する度に、私に生地のことを教えてくれました。それなのに先日廃業を発表されましたこと、本当に残念でたまりません。“まとふ”のお二人も「今回のコレクションを宮本さんに捧げたい」と話していたと伺っています。
  

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2012年10月18日 (木)

2013春夏カミシマ・チナミ ― テーマは「Butterfly」

  いつもシンプルで洗練されたカットの美しいドレスを発表するカミシマ・チナミ
 Cimg94761_2 来春夏コレクションは「Butterfly」がテーマで、やわらかな春の日差しの中で蝶が舞う、自然の揺らぎに見る色やモチーフが使われています。チナミさんらしい凛とした女らしさを感じさせるコレクションでした。

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2012年10月17日 (水)

2013春夏ユキ・トリイ―エレガントなパリジェンヌ

 ユキ・トリイの来春夏ファッションショーは、エレガントなパリのお嬢さん風。シャネル調のツィードのスーツや花柄プリントのドレス、レースやデニムのドレスなど、明るい爽やかなパステルカラーの色とりどりのコーディネートは、ユキさんらしいコケティッシュなイメージです。ウエストをマークしたフィット&フレアのシルエットに、どこか懐かしい既視感を覚えました。Cimg95181

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2012年10月16日 (火)

2013春夏ヒロコ・コシノ―海のいのちの輝きを映して

 Cimg94481_3 2013春夏ヒロコ・コシノのコレクションは「海の色、光の影」がテーマ。ランウェーショーは、遠い国の海の底か水族館の中にいるかような映像から始まり、熱帯魚を思わせる鮮やかな夏色で身を飾ったモデルたちが登場しました。 下手なデジカメで撮ったものですが、ご紹介します。
 海はエーゲ海? コシノさんが先日おっしゃっていたシチリア島でしょうか? つややかで美しく、さながら海の女神のようでした。
 

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2012年10月15日 (月)

「鷺森アグリとSUMIDAのファクトリー」展

 この10月11-12日、「鷺森アグリとSUMIDAのファクトリー」 (東京・墨田区国際ファッションセンター主催) 展が開催されました。歴史と職人の技を誇る墨田区のファクトリー9社と、鷺森アグリさんとのコラボレーションにより生まれた新商品が発表され、初日からバイヤーらが列をなして訪れ、賑わっていました。
 
 Cimg94171_2  鷺森アグリさん(写真右)は、2010年毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞を受賞した新進気鋭のファッションデザイナーです。1985年生まれのフレッシュな27歳で、今シーズンも東京デザイナーコレクションに参加しています。
 
 展示会場は黒/白で統一され、美しくも妖しいサギモリワールドでした。そこにはモードと匠の技が共存する空間が広がっていました。真ん中に設置された細長いテーブルの上には、鷺森さんデザインのファンタジックなガラス製品やクチュールバッグ、クラッチバッグ、エンボススタッズの長財布、たがねの技術でつくられたシックな羽や鶴といったモチーフのアクセサリー類が、まるで貴族の食卓のようにアレンジされています。サイドにはウェアのハンガーラックが並べられ、使われている生地はほぼすべて、川辺莫大小のファインな超細番手綿100%ニット地です。

 鷺森さんのお話によれば、1年前にコラボの話があり、実際に企画がスタートしたのは今年の3月頃だったとか。9社という業種・業態の異なる各社の製品を、一つのデザインコンセプトに合わせてつくり上げることは初めての経験だったといいます。作業は大変でしたけれども、ご自身のコレクションを創作する上で大きな刺激になったそうです。これからも常に新しいことに挑戦し続けたいとおっしゃっていました。
 
 Cimg94101_2 テーブルの椅子に腰かけているのは、アラベスク模様のボーダー入りカットソーを着たマネキン。ビーコンポのミセスウェアで、鷺森さんはこれを若々しいデザインに仕上げています。
 

Cimg94111_4  鷺森さんが初めてスポーツウェアのデザインに挑戦したという百瀬繊維のヨガウェアのラック。シャツは綿100単糸使いです。
 



 Cimg94121_2 鷺森さんのアイコンの一つ、蛾のモチーフをインクジェットプリントしたタオル地でつくった大石メリヤスのバスローブやルームウェアのラック。

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2012年10月14日 (日)

栃尾産地から「織り成す」発信

 Cimg94261 このほど新潟県栃尾産地の2013/14秋冬素材を発表する展示会(栃尾織物工業協同組合主催)が、東京・表参道で開催されました。「織り成す」を合言葉に、織物10社、ニット2社が出展し、総数828点の生地サンプルが出品されました。

化合繊・天然繊維の新複合やストレッチを中心に、先染めを得意とする産地で、今シーズンは「追求」がテーマ。昨年のテーマ「一息つこう」から改めて服地づくりを追求する、意欲的な取り組みが見られます。

中でも目に付いたのは、加工に加工を重ねた表面効果のあるもの。伝統的な先染めにオーバープリントや、リップル効果、光るものなど、それらを組み合わせて、従来あるものを一新させた素材です。(写真:クリックで拡大)

Cimg94311_2
 タータンチェックにオーバープリント。光る銀の顔料プリントをプラス。
C68Ny29Pu3 (渡健)



 Cimg94331_6 リップル加工のグレンチェック。  
C98Pu3 (渡健)

 
 

 Cimg94371_4 立体感のあるふくらみに優しい温もりを感じる丸編みニット。W100 (栃尾ニット)

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2012年10月13日 (土)

特別展「維新の洋画家―川村清雄」

 20120925_301031 江戸東京博物館開館20周年記念特別展「維新の洋画家―川村清雄」が開催されています。その記念式典・特別鑑賞会に招待されて行ってきました。
 川村清雄と言われても、どういう画家なのかと、戸惑いました。ちらしにも幻の洋画家とか、近代日本美術の知られざる先駆者と書かれています。
 清雄は明治初頭に留学し、ヴェネツィア美術学校で優秀な成績を収めます。しかし帰国した清雄を待っていたのはフランス美術の強い影響に染まる日本洋画壇で、清雄の修めたイタリア伝統の油彩画法は時流に容れられず、長年不遇をかこっています。しかし近年とみに評価が高まり、今回100点もの絵画を一堂に会した大回顧展が実現したといいます。
 記念式典で、竹内誠館長が概容を解説されましたが、お話の通り、肖像画は魅力的で、外見だけではなく、その人の心も描いているようでした。勝海舟や福沢諭吉、天璋院篤姫、家茂ら将軍の像は、生きて言葉を発しそうです。とくに清雄が一生手元から離さず、時折筆を入れて大切にしていたという勝海舟の「形見の直垂」は、白い直垂をまとった少女が息を飲むほど美しく感動しました。
 またポスターに使われている「建国」という作品は、フランスの美術館の要請で描かれ、パリのオルセー美術館から初めて里帰りした絵画。清雄は「どうせフランスに行くなら純日本的なものを」と考え、天の岩戸の神話をテーマにしたといいます。ここに描かれている「常世の長鳴鶏」は、フランス国家のシンボルの一つ「ガリアの雄鶏」を連想させ、これは「日仏友好の象徴として重ねて託された」といい、大変興味深かったです。
 この他、ヴェネツィアのゴンドラが行きかう図や、パリでコローに感化されて描いたといわれる風景画など、見どころ満載です。 
 江戸東京博物館は美術館ではなく博物館なので、博物館らしく川村清雄の生涯や人となりを立体的な構成で展示しているのも、わかりやすくてすばらしいと思いました。
 展覧会は12月2日まで開催されます。

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2012年10月12日 (金)

2013/14秋冬コットン素材傾向-欧州素材展PV・MUより   コットンファッションセミナーのお知らせ

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、プレスリリースの10月10日付けで、「2013/14秋冬コットン素材傾向 PREMIERE VISION PLURIEL 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。http://cotton.or.jp/ をクリックしてご覧ください。                                     

 なお、コットンファッションセミナーも下記の通り開催いたします。皆様のご参加をお待ちいたしております。                 

                  記

テーマ:「2013/14秋冬~2014春夏コットン・ファッションと素材の傾向」

講 師:柳原美紗子(一般財団法人日本綿業振興会ファッション・ディレクター)

日程および申し込み先

◆大阪   11月2日(金) 2:00P.M~4:00P.M. 大織健保会館8階                

  主催/協同組合 関西ファッション連合
  申し込み先/電話06-6228-6525
 
◆東京   11月7日(水) 1:30P.M~3:30P.M.  東京ウイメンズプラザ
  
  主催/一般財団法人日本綿業振興会
  申し込み先/電話06-6231-2665
 

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2012年10月11日 (木)

パリモードを売る百貨店160周年記念イベント

 長い歴史を育んできたパリモード。その夢を売る百貨店の老舗「ル・ボン・マルシェ・リーヴ・ゴーシュ」が、今年で創業160周年を迎え、この9月、記念イベントが開催されました。
 「ル・ボン・マルシェ・リーヴ・ゴーシュ」は世界最古の百貨店として知られ、1852年に誕生しています。折しもこの年はナポレオン3世による第二帝政が始まった年でもありました。政情も安定し、暮らしが豊かになっていく中で、当時の人々は百貨店に集い、さぞかしおしゃれを楽しんだことでしょう。
 
 Scimg9004bon_marche_2この記念イベントで、メインキャラクターに起用されたのはフランスを代表する大女優のカトリーヌ・ドヌーヴでした。同百貨店玄関の上部には写真のように金髪の彼女のイラストが掲げられました。
 このイラストをはじめウィンドーなどディスプレーに使われた絵はすべて、イラン生れのフランス在住イラストレーター、マルジャン・サトラピが描いたものです。白地に黒いサインペンのようなもので描いたシンプルでモダンな彼女のイラストはあちらこちらに立体的に展示され、シックなパリモードを強調していました。
 記念パーティには、カトリーヌ・ドヌーヴも来場し、シャンパンがふるまわれ、オーケストラが入る華やかなものだったようですが、残念! 私は行けませんでした。
 
 Scimg9023bon_marche1 10種あるウィンドー・ディプレーの一つ。サン・シュルピス広場の噴水でカトリーヌ・ドヌーヴが人魚姿で描かれています。カトリーヌは、ここリーヴ・ゴーシュのサン・シュルピスに居住しているのです。
 
 
 Scimg9020bon_marche1_2 様々な記念グッズの売場風景。
 




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 カトリーヌをイメージしてデザインされたコートドレスで、見る間に売れていましたから、相当出たものと思います。

 なお、このイベントは10月6日で終了しました。

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2012年10月10日 (水)

ハイライズスキニー復活

 ジーンズといえば、このところはローライズばかりです。どうにも腹部が落ち着かなくて、はきにくいと思っていた私でしたが、先月行ったパリの百貨店ギャラリー・ラファイエットのリーバイスコーナーで、ハイライズスキニーを見つけました。お店の方によると「1960年代中頃まで、ジーンズはすべてハイライズでした。そこでリーバイスでは、スーパースリムな606型をハイライズ仕様に変更し、細身のロング丈ストレッチジーンズに仕立てました。」といいます。
 これはまさにクラシックとモダンのアイコンともいうべきジーンズです。シニアにとってはとりわけうれしい一本でしょう。価格も65ユーロくらいからあります。Scimg8766levis

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2012年10月 9日 (火)

ジーンズのカスタマイズ・サービス始まる

 服を購入して「お直し」を頼みたいと思うことはよくあるものですが、そうしたサービスカウンターがあるのは、たいてい建物の上階とか奥の片隅です。ところがこの9月、ロンドンのリージェントストリートにあるジーンズの老舗「リーバイスストア」に立ち寄って「おやっ」と思いましたのは、この「お直し」カウンターが入り口中央にドーンと設置されていたからです。 Scimg8717levis
 メジャー(物差し)を持ったマネキンたちに誘われて中に入ってみると、カウンターには「TAILOR SHOP テーラーショップ」のパネルがあり、糸やデニム地とともにミシンが置かれています。テーラーの職人も常駐しているようです。「丈直し無料、テーパリング(裾を細くする)10~15ポンド、リペア5~10ポンド、リップ5~10ポンド」の料金表も出ていました。 1ポンドは今、130円くらいなので、これなら気軽に注文できます。
 Scimg8716levis_2  
 いよいよお客の要望に合わせて服を加工するカスタム・オーダー時代が来たと思ったものでしたが、東京・新宿にも今月初め、このサービスのあるリーバイスの「グローバルコンセプトストア」がオープンしました。
 人とは違うこだわりのスタイルを求める人々が増えている昨今、このようなカスタマイズ・サービスはますます広がりそうです。

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2012年10月 8日 (月)

鎌倉の秋を感じる海蔵寺

 Cimg93871 連休の一日、鎌倉の海蔵寺を訪ねました。鎌倉の寺社はすべて行ったことがあると思っていたのですが、ここだけは見逃していて初めてでした。
 扇が谷の奥深い渓間に佇む臨済宗建長寺派の古刹です。崖にはやぐら(洞穴)がいくつもあり、清水が滾々と湧く秘境といった感覚の不思議な場所でした。秋の花々も美しかったので、ご紹介します。
Cimg93911 ○洞穴の中にある十六ノ井、奥に弘法大師の像がある。



Cimg93951jpg_2 ○蛇がまきついた姿の宇賀神の像が祀られているやぐら。



Imgp50041_3 ○風に揺れる萩の花。






20121008140052imgp50361_6 ○ひっそりと咲いていたリンドウ。






Imgp50181_10 ○苔むす庭の彼岸花。





Cimg93811 ○楚々としたシオンの花。

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2012年10月 7日 (日)

テキスタイルネット合同展に見る2013春夏テキスタイル

 生地やアパレル副資材の仕入れサイト、テキスタイルネットが今回初めて単独で合同展を東京・原宿で開催。12社が出展し2013春夏テキスタイルを発表しました。全体に春夏らしいコットンやコットンのバリエーションが多くみられました。
 
Cimg93261_2三政テキスタイル
 高級綿使いのシャツ地を扱い、160双から200双の超細番手糸使いまで出品。人気は70単のストライプとのこと。メンズのドレスシャツ向けが中心かと思っていましたら、客層はレディスの方が多く、レディス6に対してメンズ4の割合だそう。

Cimg93321_4ダックテキスタイル
 ジーンズテキスタイルの専門メーカーで、デニム生地が中心。ソフトで伸びるストレッチデニムが圧倒的人気で、カラーもオレンジやグリーンなど明るい色揃えが新鮮。またシャツ地向けのシルキーなタッチの薄地シャンブレー(写真)、スーピマ綿100のものが好評とのこと。

Cimg93361_2シャルト
 シャツ、ブラウス用の生地を製造販売し、綿の先染、無地が中心。かつて東京・堀留にあったシャツ地コンバーターの猪股が元とお聞きし、親しみを感じました。きれい目カジュアル狙いの、80双から100双のシャツ地が人気で、とくに売れているのがダンガリージャカードやオックスジャカード。セルビッチも多い。

Cimg93381_2宇仁繊維
 ふくれジャカードやレースが好評。光るラメ入りなど綿混のファンシーなものも多い。キモノ柄をプリントしたちりめん地で小物(写真)をつくり、前面にディスプレーしたためか、和柄地も大人気だったとのこと。

Cimg93411_2伊吹
 人目を引くのが、京都産地らしいブライトカラーの大胆な花や果物柄のインクジェットプリント、綿100のもの。また水玉とチェックのリバーシブル、綿80/リネン20や、リネン100の水玉プリントも人気。またオパール加工やレース。さらにエプロン用という抽象的な幾何柄プリント地も。

丸紅テックス
 綿タイプのニット生地が主体。コンピュータージャカードのボーダー、シャーリングやリップル、ラメ入りのものなど、複雑な編成のものが好評だったといいます。

 

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2012年10月 6日 (土)

「純化」プリスティン来春夏もの展示会

 Cimg93081_3 オーガニックコットンのパイオニア、アバンティの製品ブランド、プリスティンの来春夏もの展示会が開催されました。テーマは「純化」で、ブランド名のプリスティンが「ピュア(純粋)」という言葉に由来することから、「素に還る」、「リセットする」の意味が込められているそうです。
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 いつものように無染色の白と生成りのコレクションですが、とくに穢れのない純粋無垢な白が打ち出されています。透明感のある軽やかなコットンのシャツやドレスは、ふんわりと風をはらむシルエットで、布帛とジャージーを組み合わせたデザイン。織物の方はすべてバイアスカット使いなので、やさしい、やわらかな雰囲気です。Cimg93211 白地に施された不透明な白いプリントのモチーフは、ふわっと風に乗って飛ぶ綿花、コットンボールをイメージしているといいます。

 また起毛糸の太糸使いによるざっくりしたケーブルニットや、リネンを表に裏面にコットンを張ったシンプルなTシャツなども見られます。
 
 1_3 もう一つ目に付いたのが、東日本大震災の被災者たちが残布を利用して、裂き織ならぬ裂き編で編んだバッグやボックス型のカゴ。このブランドらしいエシカルな商品です

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2012年10月 5日 (金)

「田中一光とデザインの前後左右」展

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 日本を代表するグラフィックデザイナー田中一光のデザイン展「田中一光とデザインの前後左右」が、21_21デザインサイトで2013年1月20日まで開催されています。
 このほど関連プログラムとしてオープニングトーク「祝福された時間と創作」が行われ、本展ディレクターの小池一子氏と本展会場構成・グラフィックデザインを担当された廣村正彰氏が出演されました。
 
  トークでは、小池氏が「これは田中一光の純粋な回顧展ではない。後の時間に何を提案できるのかを思い、まとめた展覧会」と概要を述べられました。テーマに掲げた「前後左右」とは、「それぞれ未来、過去、東、西のことで、地平につながれた同時代を共有する文化を全方位的に見据えてデザインされた一光さんの思いを伝える言葉」であり、「戦後のモノクロームな社会の色が、米国文化の洗礼を受けて色のある美しい生活へ変わっていく中で、一光さんの才能が東京で開花。多彩なテーマをこなし、あらゆる領域に好奇心を持って立ち向かい、困難な条件を乗り越えた、その時代を祝福された時間として区切った」といいます。11年間、師事した廣村氏は「60年代は社会に活気があり、70年代はデザインの絶頂期で、80年代はバブルだった。田中一光デザイン室に入ったのは1976年で、日々田中先生の魔法を目の当たりにしてきた。今回は4か月という長丁場で、先生ならどういうことを考え、ことに当られたかを展示の中に入れて会場構成した」などと話されました。
 
 その後、田中一光によるグラフィックの仕事の中から選んだ代表作7点の魅力と誕生秘話を軸に、祝福された時間と呼ぶ、その時代と創作について解説があり、郡山の大日本印刷倉庫にある整理されたアーカイブや、田中一光明朝体のタイポグラフィの話など、様々なエピソードが語られました。中でも興味深く思ったのは、1973年の「青空のピラミッド」という作品で、この基本的な色彩構成から、□と△と○のみで構成された後の名作、西武劇場や日本舞踊のポスターなどができていることを改めて認識させられました。また三宅一生と出会い、「一枚の布」にヒントを与え、その色彩に影響を及ぼし、また服をたたみ、広げると立体が生まれる考え方を、一生が「リアリティラボ132.5」で実現させたことなど、常に時代の先を見ていたデザイナーだったと、またしても感じ入りました。
 無印良品についての展示もあり、10年前に他界されるまで、その誕生から20年間、チーフアドバイザーを務めた一光さんは、当時の生活の在り方やデザインの方向性を憂えて、「質素は豪華にひけをとることはなく、素のまま、そのものの価値を引き受ける」という哲学で、生活のすべてをデザインされました。
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 この後、美術館を出て通りかかった無印良品の店のショーウインドーが、田中一光のデザイン一色だったことも印象的でした。今、無印では大々的に一光さんが打ち出されているようです。

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2012年10月 4日 (木)

「スティービーアワード」金賞受賞のエコマコ「光のカケラ」

 環境に配慮したエコロジー&エシカルなファッションスタイルを提案しているブランド、エコマコが、今年8月、米国でビジネス界のオスカーと称される「スティービーアワード」の金賞を受賞しました。これは2009年、同賞の「ビジネス女性大賞」ビジネス女性団体カテゴリーで大賞受賞に続く快挙です。

 同ブランド代表でデザイナーの岡正子さんは、長野県在住のナチュラルライフコーディネーターでもあり、2003年のブランド発足以来、デザインコンセプトは「エコロジー」「ヘルシー」「フリー」を貫いています。「エコロジー」は自然に戻せる素材を使って、環境・社会に対する責任を果たすこと、「ヘルシー」は肌にやさしく安全であること、「フリー」は自由なライフスタイルで、ファッションを通して、グリーン原料の周知をはかるとともに、人と地球にやさしく、女性らしいエレガントなスタイルを打ち出しています。この岡さんの姿勢が、世界の有力企業が多数応募する中での2度目の栄冠となったのでしょう。
 同ブランドの強みは、大きく二つあります。一つはトウモロコシを原料としたポリ乳酸繊維をはじめとする先端技術を駆使した高度な素材を使用し、他のブランドでは真似のできない機能、すなわち非常に軽く体への負担がほとんどない、シワになりにくく旅行や出張に便利、弱酸性で人間の皮膚に近いPH値、廃棄して2、3年で土に帰る働きを衣服に持たせていること。
 二つ目は日本伝統の手仕事を採り入れた独自の制作スタイル。染色は京都の伝統工芸士の手染めによる高度な染色技術によるもので、ぶどうの搾りかすやバラの花など植物由来の染料を使用。手染めなので、毎回同じ色を再現することは難しく、それが工業製品ではない良さにつながっています。また刺し子や刺繍、パッチワーク、端切れを生かしたモザイクなど、温かい手づくりが随所にあしらわれていることも特徴です。

 Cimg92561 このほど2013年春夏展示会が、ホテルニューオータニ・サンローゼ赤坂の直営店で開催され、エコマコの新しいエシカルな視点を発見しました。
 それは今シーズンのテーマでもある「光のカケラ」プロジェクトです。光は色の源でもあることから、カラーアナリストでもある岡さんが、色の持つ力を知ってもらおうと、親子で色にふれあい、色を楽しむワークショップをスタートさせたのです。故郷、長野県飯山の菜の花、中野のシャクヤク、大町のあやめに続き、佐久浅間のカーネーション、いずれも規格外の花々から染料を抽出し、生地を染め、作品を作った後の残布は小さくカットして、幼児教室の貼り絵の材料に使われます。最後の最後まで布を余すところなく使い切る、これは岡さんの当初からのモットーです。また長野市を代表するお祭り、「長野びんずる」で、Tシャツに花のモチーフ「フキコFuxico、別名ヨーヨーキルト」をつけて提供したりもしています。

 2013年春夏の新作には、このフキコやアップリケ、プリーツやオリガミテクニック、手絞りなど熟練した職人の技が目立っていました。

Cimg92581_2 ○最先端とアーカイブを融合させたグループ
  60年前のアンティークなジャカードを再現し、ルネ・ラリックなどに見られるアールヌーボー調のプリントや刺繍をのせたドレス。



Cimg92611_2 ○新たに開発した黒やダークカラーのグループ
  ビジネスシーンでの黒の可能性を追求したもので、軽く、伸縮性があるので、スポーティー感覚に着用でき、ストレスフリーな着心地。



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○とくに手仕事ワークを駆使したグループ。


                               

Cimg92631_5 ○今後、ますます力を入れていくというウエディング・コーナー
  
 
 岡正子さんは現在OKA学園長野ファッションカレッジ校長であると同時に、杉野学園ドレスメーカー学院院長でもあり、その輝かしい経歴に驚きを覚えます。今後もまた目を見張るような活動をされることでしょう。ご活躍を期待しています。

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2012年10月 3日 (水)

「こだわりの布」展示商談会

 Cimg92821 この9月末、「こだわりの布」2013展示商談会が、東京・青山で開催されました。これは各都道府県から一社ずつ、匠の技にこだわる生地を出品する展示会で、2007年より始まり、次第に出展社が増えて、今回は愛知・岐阜・京都・和歌山・兵庫・滋賀・静岡・石川・福井の10府県からそれぞれ10社が参加しました。
 会場を回って、注目された生地をご紹介します。
(写真:クリックで拡大)
○多重織
 Cimg92671 後染めで微妙な色の変化をつけた二重織 <綿75/ポリエステル25>高橋織物(滋賀県)

 Cimg92651 三重織ガーゼにエンブロイダリーレースで凹凸感を演出<綿100>高橋織物(滋賀県) 

○ジャカード
Cimg92731  ペーズリー柄の綿ジャカードにシルバーの箔加工<綿100>久山染工(京都府)

Cimg92811  和風ステッチ<ポリエステル100>山本絹織(石川県)


 Cimg92791_4 かすり調ボーダー<ポリエステル100>山本絹織(石川県)



○ファンシードビー
 Cimg92921 経糸100番単糸使いのストライプ <綿100>島田製織(兵庫県)

 Cimg92911 ステッチ入りデニム<綿62/毛38>島田製織(兵庫県)


○プリント
 Cimg92711 綿ツイルに発泡プリント<綿100>久山染工(京都府)


 Cimg92701_3 ソフトな楊柳にプリント <綿100>高橋織物(滋賀県)


○ニット調
Cimg92961  経糸・緯糸とも強撚糸使いでストレッチするブライトン(ワッフル組織)<綿100>カネタ織物(静岡県)

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2012年10月 2日 (火)

PVで出展10周年を祝う鏡開き

 パリのプルミエール・ヴィジョン(PV)初日の9月19日、小松精錬(石川県能美市)が出展10周年記念のレセプションを開催し、日本式に鏡開きでお祝いしました。Scimg9088_3
 同社は世界一といわれる合繊織物の染色・後加工技術を武器に、2003年に合繊として初めてPVに出展し、以来休むことなく年2回の出展を続け、今期20回目。レセプションには、PV会長のフィリップ・パスケ氏も駆けつけ、同社中山会長夫妻や社長ら幹部とともに法被を纏って、掛け声とともに樽酒の蓋を割る鏡開きのイベントが行われ、有力顧客やプレス関係者約100人に枡酒がふるまわれました。
 パスケ氏はこの後の記者会見で、「日本企業の中には創造性はあっても輸出のための体制が整っていないところがある。日本の特殊構造を国際的に再編成する必要があるのではないか」と述べた上で、「小松精錬は、創造性と価格競争力の双方が揃っていて存在感がある。他にない新しいものを常に提案し、ハイグレードな顧客の要望に応えて人気を集めているし、きちんとした体制を持っている」と同社を高く評価しました。
 
 なお、同社を含むPV出展の日本企業について、寄稿した記事が本日付け繊維ニュース紙に掲載されました。合わせてご参照ください。

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2012年10月 1日 (月)

PVエクスポフィルに日本の機械メーカーがなぜ出展?

 プルミエール・ヴィジョン(PV)に隣接するエクスポフィルは、糸とファイバーの展示会。この9月展では51社が参加し、日本からはアクリルを中心とする合繊メーカーの三菱レーヨンと繊維機械メーカー、村田機械のMURATEC VORTEXの2社が出展しました。
 ところでこの村田機械ですが、日本を代表するハイテク機械メーカーでありながら、機械を展示することができないPVに、なぜ出るのかと疑問に思い、取材しました。一つには大阪繊維機械見本市OTEMASが終了するなど、繊維機械見本市が少なくなってしまったこと。もう一つはPVが同社の技術力をPRできる最高の場所であるからといいます。出展するのも今回でもう5回目とか。

 Cimg9250murata1_5 VORTEXは、20年前に同社が開発したエアジェット・スピニングによる精紡機です。これは100年ぶりに精紡の歴史を塗り替えたといわれる画期的な発明だそうで、ピリング(毛玉)が出ない、摩擦に強い、型崩れしにくい、斜行が少ない、吸水発散性が高い、ケバが少ない、生産性が高い、省エネなど数々の優れた特性があります。
 中でも今もっとも関心を持たれているのが、ピリングが出ないことだそうで、最近リヨセルやモダールといったセルロース系繊維が増えていることもあって、この問題で困っているメーカーが多くなり、VORTEXの人気を押し上げているといいます。レンチングLENZING社は既に採用しているとのことですが、ヨーロッパをはじめ世界各国のメーカーにもっと広めたいと参加しているといいます。その上、ここでなら新しい技術の話が聞けるし、中国と違って英語が通じることが何よりもうれしいと話していました。

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