2013春夏“matohuまとふ”―「見立て」の美学
“matohuまとふ”は、日本独自の美意識を基にファッションに新風を送り続けている注目のブランドです。デザイナーは堀畑裕之/関口真希子のお二人で、今シーズンのコレクションのテーマは「見立て」でした。これは「そのままではありふれていて気にもとめないものを、まったく違う使い方に転用することで新鮮な価値を創造させる」ことといいます。彼らはレイヤードを多用して、この美学を表現していました。一つ一つなら何ということもないシンプルな服も重ね合わせることにより、色が少しずつずれて、新しさが生まれます。“まとふ”らしい洗練された静謐なたたずまいのルックスですが、通常は服に用いない和紙やカーテン、ソファといったインテリア用の布地も使われていました。
たまたま隣に座られていたのが、同ブランドの創業時から生地を制作し提供し続けてこられた、みやしん社長の宮本英治氏でした。同社の生地を使ったモデルが登場する度に、私に生地のことを教えてくれました。それなのに先日廃業を発表されましたこと、本当に残念でたまりません。“まとふ”のお二人も「今回のコレクションを宮本さんに捧げたい」と話していたと伺っています。
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