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2012年8月17日 (金)

世界のタオルブランドとなった今治タオル

 最近ニューヨークから帰ってきた友達が、買ってきたタオルを見せてくれました。それは全部日本製で、「いいタオルと思ったのはみんな今治ブランドだった」と言っていました。
 今や、世界のタオルブランドとなった今治タオルですが、ここに至るまでの道のりはなかなか険しいものがあったと思います。
 
 元来、肌触りがよくて吸水性に富み、世界最高レベルの品質と謳われる日本のタオルです。しかしそのタオル業界は、バブル経済崩壊後の1990年代以降、産業の空洞化に見舞われ、産地は衰退の一途をたどっていました。こうした中で、今から6年前に、経済産業省の地域産業活性化のためのJAPANブランド育成支援事業としてスタートしたのが、「今治タオルプロジェクト」でした。今治タオルのブランド構築に向けた取り組みが始められ、ブランディングプロジェクト・クリエイティブディレクターに佐藤可士和さんが就任されました。
 このほど、この佐藤可士和さんの「グローバルブランド戦略」と題した講演(Hitachi innovation forum 2012)を聴く機会があり、今治タオルについて次のように話されていましたのでご紹介します。
 
 可士和さんは、タオルを使ってみて、本当に気持ちがよかったので、その良さをきちんと伝えることがもっとも重要だと考えたといいます。中国やアジアから入ってくる安価なタオルに打克つにはクオリティしかありません。そこで素材本来の質感のよさを見せるために、あえてデザインを施さない白いタオルをキーアイテムに定め、当時輸入ギョーザ問題などで不安が募る世相に、純白のタオルで安心・安全・高品質を訴求したのです。
 従来、今治タオルは贈答用が中心で、プリントのような柄物こそ高級品とみなされていました。白といえば粗品という扱いでしたから、これにはかなり抵抗があったそうですが、白いタオルの打ち出しは大成功でした。
 ブランドが発足して1年目に、新宿・伊勢丹本店にアンテナショップを立ち上げ、次いでフィンランドのハビターレ展やイタリアのマチェフ展に出展し、世界へ進出します。
 同時に、タオル選びのアドバイザーを育成する「タオルソムリエ」制度や、匠の技を教育する熟練した職人に「タオルマイスター」の称号を与えるなど、産地でのものづくりの環境を整備。知名度が上がるとともに、生産量もうなぎ上りに回復して、今年6月に東京・南青山に今治タオルのコンセプトショップをオープンさせました。一時は対応しきれないくらい、客が入ったそうです。
 
 写真は南青山店の店内です。正面の棚には真っ白なタオルがずらりと並べられています。

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 コンセプトをきちんと決めて、良いものを信じてコミュニケーションをはかればうまくいく、世界戦略も夢ではないという、今治タオルのブランド構築はそうした好例の一つといえるでしょう。

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