« 日本初の磁器は白い陶石発見から | トップページ | 鯉が竜になる! »

2012年8月15日 (水)

「ファッション・ショーの舞台裏:ヘアメイクの視点から」

 ファッション・ショーを見ることはあってもその楽屋をのぞく機会はなかなかありません。このほど、そうしたショーの舞台裏をヘアメイクの視点から語るという、大変興味深い講演会が、「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展の関連イベントとして開催されました。
 講師は資生堂ビューティトップスペシャリストの岡元美也子さんと計良宏文さんで、コーディネーターはモデルでビューティジャーナリストのSAKURAさん。
 まずは、資生堂主催により1977年に初めて日本で行われたパリコレ「6人のパリ」の話から始まり、当時人気モデルだった山口小夜子さんは、すれ違う時には必ず背筋を伸ばして背を高く見せたというエピソードなどを紹介。
 
 ヘアメイクの歴史について、ファッションを絡めながらのトークがありました。
・1950年代―オードリー・ヘップバーンに代表される映画女優風に、とくに赤いリップが人気。
・1960年代―太めの眉、大きい目で未来風に。ツケマし、白眼を大きく見せるため、縁に白を入れることも。
・1970年代―バサッとしたボリュームをつけたヒッピー風ヘア。カラフルなアイシャドーが登場し多色使いのメイクに。細く薄い眉でけだるいムードを演出。
・1980年代―強い眉、メンズっぽいヘアのパワー・ウーマン。
・1990年代―ボディコンの女性らしい曲線的ラインが戻り、アーチ型の細い眉、グレーの目元、ベージュの口紅で、作り込んだナチュラルメイクへ。
・そして現在はナチュラルメイクが主流。ポイントはメイクしていないように見せることで、素肌のように見えるファウンデーションや描いているのに描いていないように見せる眉、健康な素の唇の色の口紅など。ヘアはざっくりとまとめた無造作な感じのナチュラルヘアに。

 次に、デザイナーのアイディアをヘアメイクにいかに落とし込むかを、実例で披露していただきました。 
 たとえばNYコレクションで、ア・デタッシェの「日本」をテーマにしたショーのとき、外国人から見た日本の古典的イメージを出すため、髷を採り入れたヘアにしたことや、ミゲル・アドローヴァーのショーではアマゾン原住民風に見せようと、映画の特殊メイクを使って顔に棒を刺すメイクにしたことなど。
Cimg75912_2
 ミキオ・サカベのコレクションで、アニメキャラクターの依頼があってつくられたという発砲スチロール製フィギュア。
 



Cimg75871_8  リミ・フーのヘッドホン型ヘアアクセサリー。
 

 
 

 最後に実際のモデルを使った実演が行われ、写真下のように、今秋冬のTOGAのコレクションで見られたヘアメイクが再現されました。
 
Cimg75821_5  この秋は、男性的な強さのあるファッションが来ていることから、眉はしっかりとりりしく、口元は唇の中央上下に口紅をさすワインステイン(赤ワインを飲んだときのように内側からつける)、チークはなしで、シャープな雰囲気に。ヘアは風に吹かれて髪がほつれた感じを表現。
 

 
 華やかなファッション・ショーの舞台裏で、ヘアメーキャップアーティストたちが非常にアート性の高い仕事をされている、そのことに強い感銘を覚えました。

|

« 日本初の磁器は白い陶石発見から | トップページ | 鯉が竜になる! »

ファッション・アクセサリ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ファッション・ショーの舞台裏:ヘアメイクの視点から」:

« 日本初の磁器は白い陶石発見から | トップページ | 鯉が竜になる! »