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2012年8月11日 (土)

色鍋島の今右衛門窯を訪ねて

 佐賀といえば有田焼。有田焼は、日本のクールジャパンを代表するトップブランドです。
 中でも色鍋島は、江戸時代に鍋島藩によって秘密裡につくられた精巧無比な色絵磁器で、その色絵付けの工程を任されたのが、赤絵屋の中でもっとも技術の秀でた今泉今右衛門家でした。その技術は現代に伝えられ、昭和46年色鍋島今右衛門技術保存会として重要無形文化財保持団体の総合指定を受け、平成元年13代今右衛門は重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。現在は14代今右衛門さんがその後を継いでいらっしゃいます。
 まさに名門中の名門、今右衛門窯を、服飾文化学会夏期セミナーで訪れることができました。その上特別に工房も見学させていただきました。
 まずは色鍋島の特徴をスタッフの方のお話しからまとめてみましょう。
1. 色は上絵(赤絵)の赤、緑、黄の3色と下絵(染付)の青の計4色のみが用いられ、色数が絞られている為に、図案は写生そのものではなく文様化されています。限定された色合いが、より高い格調と新しい意匠を生み出しています。これは7~8色程度使う柿右衛門などとの大きな違いです。
2. 大名などへの献上品としてつくられましたから、桃や松竹梅といったおめでたい吉祥文様が用いられています。
3. 釉薬は、彩色の青色と同調させるため。少し青みのある白が使われます。
4. 色鍋島の代表的なものは、形状、文様とも格式を感じさせる木盃型の高台皿になっています。
5. 裏面や見えない部分にもこだわってつくられていて、表に合わせて裏にも模様がしっかりとつけられています。
6. “墨はじき”と呼ばれる白抜きの技法も特徴です。これはろうけつ染めによく似た技法で、主文様を引き立てるために背景の表現方法に多く使われています。

  次に14代今右衛門さんが古陶磁美術館を案内してくださいました。             Cimg77761_4 「ヨーロッパへ輸出された派手な古伊万里と違い、色鍋島には“墨はじき”のような優しい控えめな技法が用いられていて、細やかに行き届いた神経の遣い方がみられます。人が気付かないところに手間暇をかけていることが鍋島らしい品格に繋がっているのです。」と語られ、また、色鍋島が名品と謳われた理由として、①殿様の美意識の高さ、②優秀なデザイナーの存在、③優れた職人の技術を挙げられました。これは今の日本のものづくり全般に通じる言葉でもあります。     

 Cimg77481_3 14代の作品は、白の微妙な雰囲気の「雪花墨はじき」や周りの光を取り込む「プラチナ彩」など、実に斬新で現代的です。 「現代の新しいものをつくることが現代の伝統だ」とおっしゃっていたことも心に響きました。
 
 工房では、昔ながらの手仕事の現場や窯の様子を拝見させていただきました。

                    釉薬をかけているところ。Cimg77571

                       成型しているところ。Cimg77621

Cimg77721_4







                         
                          窯の正面です。

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