「コットンの日2023」⑷ 講演 米国及び世界の綿花需給の見通し
続いて、「米国および世界の綿花需給の見通し」について、綿花販売協同組合カルコットのポール・ブッシュ(Paul Bush)社長兼CEO(最高経営責任者)が講演しました。
世界の綿花市場に影響を与える主な懸念要因を指摘し、需要面ではインフレ、利上げ、経済成長鈍化、供給面では天候問題、綿花相場の低下、生産コスト高が懸念されているといいます。
天候や経済状況など様々なデータを紹介しながら、米国の農家の事業環境は厳しいものの、綿花需給は昨年とそれほど大きく変わることはない、との見方を示しました。世界の綿花消費量と世界のGDPの推移には相関関係があり、コロナ禍が一段落した2023年はこの相関関係が復活し、今後は通常に戻ると楽観視しているとのことです。
気になる米綿綿花相場も、このところの高値がそろそろ落ち着いて、2019年後半頃の70~90セントの間で推移すると予想しているとのことでした。
最後に2023USピマ綿に触れました。今年は昨冬来、最大産地であるカリフォルニア州が異常気象に襲われていて、記録的低温が続き洪水が発生しているとのことです。生産減少が見込まれるUSピマ綿、今後の動向に注目です。