NINOW展 ⑴ 産地の生地と直に触れ合う貴重な機会

 「NINOW (ニナウ)」とは、テキスタイル産地を「担う」ことと、産地の「今」つまり英語の「NOW(ナウ)」を掛け合わせてつくった言葉です。NINOW展では、産地で活動する若手テキスタイルデザイナーたちが自ら制作したオリジナル生地を披露しています。

 コロナ禍に襲われ、展示会開催にはかなり悩まれた様子でしたが、この4月19日~30日、東京・月島のセコリ荘(糸編ギャラリー)にて開かれるというので、事前予約して行ってきました。初めて訪れたセコリ荘は、聞きしにまさる古民家でビックリ! 大都会のド真ん中にまだこういう家が残っていることに驚かされました。100年前の建物だそうです。

 古色漂う室内には、ハンガーにメーカー別に仕切られた生地がぎっしり詰まっていて、私がかつて携わっていたコットンファブリックライブラリーを思い出しました。Img_43971
 主催者の糸偏代表 宮浦晋哉氏によると、展示生地は全部で約400点あるそうです。それにしても、こんな風に産地の生地と直に触れ合える機会は今どきめったにありません。何と貴重と、感謝です。

 下記は目に留まったメーカーの生地です。
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  西脇産地でジャカード織を手掛ける遠孫織布の藤岡あやねさんデザインのテキスタイルです。

 
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 西脇産地の東播染工、小野圭耶/河野詩織さんによる播州織です。綿/麻で趣のある表情をかもし出しています。
 
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 倉敷帆布の産地からタケヤリの大岡千鶴さんによる帆布です。墨染めして洗いをかけるなど、帆布に限らない、アパレル向けの素材も提案しています。
 
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 京都大松の「かご染め」生地です。   

 

 

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 京都の久山染工によるヴィンテージ調の生地です。クラフトの技が光っています。
 

 この他いろいろ。
 

 現在、NINOW展はオンライン展となり、会期中に展示された生地の全品番がインスタグラムにアップロードされています。私も拝見して素晴らしい!と思いました。精細な画像で一部動画も見られますので、フィジカルでなくても質感をかなりイメージできます。
 https://www.instagram.com/textilejapanをクリックしてみてください。

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2021年5月14日 (金)

エアーかおる浅野撚糸「パーフェクテン」タオルを新開発

 撚糸・タオル製造販売の浅野撚糸はこのほど「パーフェクテン(Perfec10)」タオルを新開発し、今年8月末に販売開始の予定といいます。
 発売に先駆け、先般開催のビューティワールドジャパン展コスメティックゾーンに出展し、「パーフェクテン」を大々的に打ち出していました。ブースには「密」が心配されるほどたくさんの来場者が押し寄せ、関心の高さを伺わせていたのが印象的でした。Img_4349j1pg
 浅野撚糸といえば「エアーかおる」のタオルブランドで知られるメーカーです。「パーフェクテン」は「エアーかおる」の世界最高水準の技術とノウハウを詰め込み、長年の歳月をかけて開発した究極のタオルであるとのことです。従来の発想を転換して「もうタオルとは言わせない」、化粧道具の一つとして展開するといいます。 
 その特長は摩擦抵抗が非常に低く、肌や髪をやさしくケアすることだそう。一般的なタオルで髪を拭くと、キューティクルが削れたりはがれたりするのに対して、「パーフェクテン」のタオルでは整った状態を維持するといいます。毛髪の顕微鏡写真で画像を比較し説明していただきました。Img_43441
 これならドライヤーの時間を劇的に短縮してくれそうです。髪を傷めないですむタオルとは!画期的です。
 糸は40番手単糸のインド長綿糸使いで、浅野撚糸が「スーパーゼロ」と呼ぶ加工が施されています。「スーパーゼロ」とは世界初の特殊撚糸工法による「水に溶ける糸」と「綿糸」を撚ってつくられる糸です。水に溶ける糸だけが溶け、繊維の隙間にたっぷり空気を含むようになるので、この糸でタオルにすると、一般的なタオルと重さは同じなのに厚みは約2倍のボリュームがあるタオルができるのです。「エアーかおる」の秘密はまさにここにあったのですね。
 この「スーパーゼロ」を使用し、今治の名門「正岡タオル」で生産される「パーフェクテン」は、実際、軽くてふんわりとふかふかしています。肌触りは抜群で、驚きの水分吸収力であることも実感しました。毛羽落ちが少なく、洗濯後も毛足がふっくら立ってやわらかさが長持ちしています。
 販売にあたっては、一般のタオル売場ではなく、美容関連売場での展開を考えているそうで、まずはテレビショッピングで発売するとのことでした。
 タオルに「美しくなるための道具」という付加価値を加えて、美と健康に新たな販路を見出す浅野撚糸。今後は髪と肌に関する科学的データを取り、訴求力を高めていくとのことで、期待しています。

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2021年5月13日 (木)

シキボウ展“ニューノーマル”サステナブルや抗ウイルス

 繊維メーカー大手「シキボウ」の展示商談会が4月20日~22日、会場を新しく東京・日本橋プラザマームに移して、開催されました。
 テーマは“ニューノーマル(新常態)”です。これは新型コロナウイルス禍で激変するライフスタイルを指す言葉ですね。今回はこのニューノーマルに対応する素材を前面に打ち出していたのが印象的でした。

 ポイントは二つ、一つはサステナブル素材、もう一つは抗ウイルス加工素材です。
 まずサステナブル素材では、一押しが「USコットン・トラスト・プロトコル」です。米綿のサステナビリティ検証システムといわれているものです。同社がこのシステムを通じて調達した綿花を使った糸・生地の提案をしっかり行っている様子が見てとれました。Img_43651
 展示にはデリバリー用の段ボール箱も配置。よく見るとUSコットン・トラスト・プロトコルのロゴを入れてデザインを一新した箱でした。これならトラスト・プロトコル適用であることが明確に分かっていいなと思います。
 その隣のコーナーでは「オフコナノ」を提案。燃焼時の二酸化炭素排出量を抑制する特殊ポリエステル繊維で、CO2削減率は約60%だそう。環境負荷を低減できる素材としてアピールしていました。
 
 次の抗ウイルス加工素材では際立っていたのが「フルテクト(FLUTECT)」です。この3月のプラグイン展にも出展し来場者の関心を集めていました。(このブログ4.28付け参照)Img_43641jpg
 「アンリアレイジ」のデザイナーの森永邦彦氏が積極的に今春夏コレクションでフルテクトを採用するなど、今やフルテクトの勢いは目覚ましい限り。本展でもフルテクトマスクから羽毛用ダウンプルーフまで、幅広いアイテムで訴求していました。

Img_43601jpg  昨秋にアンリアレイジとオンワード樫山の協業ブランド「ANEVER」がデビューしましたが、その春夏ファッションもディスプレーされていました。シンプルで親しみやすいシルエットのコレクションで、コートなどにフルテクト加工素材が使用されているといいます。

 ニューノーマルに向けたシキボウの取り組み、今後も注視しています。

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2021年5月12日 (水)

“「和」に刺激されるファッション ” 寄稿

 先般、銀座ソニーパークで「DESIGN MUSEUM BOX (デザイン ミュージアム ボックス) 集めてつなごう 日本のデザイン」展(このブログ2021.5.1付け参照) が開催されました。これは日本各地に残る「和」のデザインに光を当てる展覧会でした。このところこのような「和」のスピリットを感じるデザインや素材が数多く発表されて、ファッションを刺激しているように思われます。そこで表題の記事を一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション2021年春号」のコラム「マーケティング・アイ」に寄稿しました。
 本紙と併せてご覧下さい。1_20210512195001

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2021年5月11日 (火)

2022春夏 尾州の新作生地展 天然素材やエコ素材人気

 一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)主催の2022春夏の尾州産地の新作生地展「Bishu Material Exhibition(ビシュウ マテリアル エキシビション)」が、4月13日から15日の3日間、東京都千代田区のアキバ・スクエアで開催されました。春夏展は2年ぶりの開催です。

 21回目となる今回のBMEには尾州産地のテキスタイルメーカー10社が参加し、約700点の新作を展示。来場者は573名(リアルおよびオンライン展示会来場者数)で、一昨年の春夏展と比較すると約半数だったとか。とはいえ出展企業からは、素材をリアルに見てもらえたことにより実りのある商談が行えたとの声が数多く聞かれたそうです。

 出展10社の合計サンプルリクエスト数は、点数で延べ3,801点、社数で延べ629社。人気素材の傾向としては、綿,麻といった天然素材やリサイクル,オーガニックといったエコ素材を使用したものが多かったといいます。
 
 注目はやはりFDCが提携しているパリのネリーロディ社のトレンドコーナーです。同社のトレンド情報を基に製作された開発素材130点が、下記3つのテーマで分類展示されました。

VESTIGES (痕跡) 
 過去の貴重な財産を利用して明日を創るグローバルなヴィジョン。Img_42861

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森織物 コットンダブルクレープ   林実業 サッカーストライプ
綿の肌触りとボリューム感    綿とリネン、Peの収縮差でサッカー調

AQUATIC (水)
 人類の生存と環境の最適化を徹底して目指す動き。Img_42981

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ファインTX
綿/キュプラ        宮田毛織工業 綿シルック
シャーリングワッシャー   シルク調光沢表現のハイゲージジャカード

OASIS DREAM (夢のオアシス)
 2020年代のヒッピーがイメージする新しい楽園。Img_43171

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西川毛織 C/W/Lボーダー 岩田健毛織 スラリット絣ドビーツイード
軽量ソフトドライタッチ素材     ファンシーヤーンのライトツイード

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2021年5月10日 (月)

「ルームス(rooms)展示ショールーム」⑵ BFGU 作品展

 「ルームス(rooms)展示ショールーム」では、別フロアーにて文化ファッション大学院大学(BFGU)の院生による作品展が行われていました。
  BFGUは日本初のファッション専門職大学院で、毎回「ルームス(rooms)」展に出展しています。
 Img_42841jpg 今回はファッションデザインコース14期修了生選抜6名による作品をリアル展示、なおオンライン展には25名が参加したといいます。

 (右) YI CHIEN SHEN
    シン ウィチョン 
   「FOR」と名付けられた作品。

  いずれも独創的で現代をとらえた驚きのクリエーション揃いでした。
 彼らの中から世界で活躍する人材が現れると思うとワクワクしますね。
 将来が楽しみです。

Img_42811 Img_42831 HAOXUE LIANG リョウ コウセツ    YINGBIN CHI チエンヒン
      「ツナガリ」             「FREEZE-THAW(解凍)」

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2021年5月 9日 (日)

「ルームス(rooms)展示ショールーム」⑴ 期間限定で開催

 先般、東京・南青山のアッシュ・ペー・フランス ショールーム内にて期間限定で開かれていた「ルームス(rooms)展示ショールーム」に行ってきました。
 「ルームス(rooms)」合同展は3月に予定されていましたがオンライン展示会となってしまいました。これを受けて急遽開催されることになったのが、この初のショールームでの展示でした。
 出展は約60社と発表されています。とくに興味を惹かれたブランドを3つご紹介します。
 
HAKURO (ハクロ)
 「なめらかに着て、しなやかに生きる」をテーマに、大人の肌に寄り添う肌着のブランドです。実際、心地よさそうなコットン100%のリブニットの肌触りの良さが素晴らしい! 80番手の極細糸でなめらかで柔らかく、よく伸びる身体にフィットする編地です。脇に縫い目がない仕様で、優しい肌当たりにはとりわけこだわっているといいます。
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 年齢を重ねるととともに肌は変化していきます。肌着は基礎化粧品を選ぶのと同じように選んでほしいというブランドのコピーに共感しました。

LUKA (ルカ)
 カラフルな毛糸で花模様を一筆描きしたようなマフラーのコレクションが個性的です。Img_42651
 毛糸をフエルト状にして定着させた、ふんわりとした風合いが気持ちよさそう。丁寧な手作業で作られているといいます。

Anmako Singapore (アンマコ・シンガポール)
Img_42671  シンガポール発のバティックを手掛けるデイリー・アパレルのブランドです。
 バティックは古来より東南アジアの人々に愛され続けてきた手染めの「ろう纈(ロウケツ染め」です。
 ハンガーには、インドネシア特産のバティックをモダンにアレンジした色柄のドレスが多数架かっていました。
 日本の夏は熱帯化してきていますし、涼しいバティックと日本の現代的なセンスを融合させたシックなデザインは、人気を集めそうです。

 バティック制作の動画も配信しています。

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2021年5月 8日 (土)

オンライン研究会 vol.1 UNIFAサステナブルトーク 「サステナブルなファッションから見るユニバーサルデザイン」

 少し前の2月27日、私が事務局を担当しているユニバーサルファッション協会(略称 UNIFA)で初のオンライン研究会、vol.1 UNIFAサステナブルトークを開催しました。スピーカーはユニバーサルファッション協会理事でMASATO YAMAGUCHI DESIGN OFFICE 代表 / デザイナーの山口大人氏で、テーマは「サステナブルなファッションから見るユニバーサルデザイン」です。

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 「サステナビリティ」はファッションの未来を拓くキーワードと言われています。直訳すると「持続可能性」で、SDGs(持続可能な開発目標)の世界を目指す動きの総称です。「誰一人取り残さない」というSDGsの原則は、UD (ユニバーサルデザイン)の基本理念である包括性(inclusivity)と合致しています。UDとSDGsは連動しているのです。 
 ユニバーサルファッションは、UDのファッションであり、サステナブルなファッションと呼んでも過言ではないと思います。そこで今回は世界的なサステナブルファッションの潮流から見たユニバーサルデザインを語っていただき、ユニバーサルファッションの本質とは何かを改めて考えてみました。参加者は17名(内、UNIFA会員10名)でした。

 冒頭、山口氏はサステナビリティについて概説、その上で世界のサステナブルファッションの潮流を次の2つのキーワードで解説しました。
 一つは「アソシエーション」です。大きく3つ、「FASHION PACT(2019年フランスG7サミットの際、誓約されたファッション協定)」、「Textile Exchange(アメリカ母体のNGO)」、「ACT (Action, Collaboration, Transformation 労働者の生活賃金を達成する組織)」を紹介。
 もう一つは「法による規制」です。たとえば2020年にフランスで在庫や売れ残り品の廃棄禁止法案が成立し施行されたことや、2022-23年、EUが廃棄繊維製品の分別回収規制を導入、適宜リサイクルや加工を進める予定であることなど。
 欧州ではこの二つ、企業間、産業間を超えた連携で課題解決に取り組む「アソシエーション」と、「法による規制」の重要性が増しているといいます。しかもその一方で、様々な分野の人々の連携により問題解決のためのイノベーションが生まれ、そこから新しいビジネスが出現していることにも言及しました。
 次に本題のユニバーサルデザイン(UD)についての考察です。UDもサステナブルファッションのように、「アソシエーション」と「法による規制」で推進されるのではないかといいます。
 障がいと一口に言っても、医学モデルと社会モデルがあり、後者の社会モデルはその多くが社会環境によって作り出されるものです。UDを推し進めるには、社会との関係性が何よりも重要であり、「アソシエーション」と「法による規制」で社会をUDにする、それがひいては持続可能な社会をつくることになるとの考えに、私も共感させられました。
 
 ディスカッションではこの難題に参加者から様々な意見が出され、時間切れとなりました。
 次回に期待です。

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2021年5月 7日 (金)

ミライロハウス「コオフク洋裁」ファッションイベント開催

 東京・丸井錦糸町店の「ミライロハウスTOKYO」(ミライロハウスについてはこのブログ2020.8.26も参照)で、3月20日~3月28日、「コオフク洋裁」(このブログ2020.11.22付けコオフクマスクの記事参照)のファッションイベントが開催されました。
 イベントは「新しいファッションの購入体験!」というものです。どういうことかといいますと、既製服というのはとかく障がい者にとって不満の多いものです。「着替えにくい」「ここにポケットがほしい」「ボタンが締めづらい」など、一人ひとりが服についての悩みを抱えています。「コオフク洋裁」ではそうした困りごとを聞いて、それぞれが着やすいデザインにつくり直します。制作期間は約1.5~2ヶ月で、ミライロハウスで販売されます。Img_42221  
 会場にはサンプルを着装したマネキンやハンガーが並んでいました。どれもとてもファッショナブルにリデザインされていて、パターンや仕立ての良さがわかります。

Img_42241 Img_42251jpg
 またこれらの元の服は、在庫買取業のショーイチ(shoichi)からコオフク洋裁に無償提供されたものだそうです。ですから古着ではなくてまさに新品です。お値段もお手頃ではないかと思いました。
 例えばパンツは、長時間座っても楽なように、後ろにスエット生地を使って履きやすく、トレンドのパッチワークでおしゃれにアレンジされています。7,500円です。
 スカートは長い丈の場合、トイレに入って汚したりひっかけたりしやすいです。そこでバルーンシルエットにリデザインして機能的で可愛く仕上げています。4,900円~。

 一日に数着は売れているようで人気は上々、とくに以前私がブログでも取り上げたマスクの売れ行きは好調といいます。

 コロナ禍の憂鬱を明るい気分に切り替えてくれるのは、やっぱりファッションです。今回のイベントは終了しましたが、次回を楽しみに、今後のコオフク洋裁に期待しています。

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2021年5月 6日 (木)

志賀高原で青空の下「春スキー」

 今年はGW後半、志賀高原一ノ瀬スキー場に行ってきました。常宿にしているホテルは連休中だけ営業しているというので、予約したのです。高速道路は一部で大渋滞していましたが、宿泊客の方は少なくてひっそりしていました。
 2年ぶりにやって来たホテルで、勝手が違うな、と思ったのは食事のスタイルです。いつものようなバイキング(ビュッフェ)式ではありませんでした。これもコロナ対策に万全を期している、ホテルのおもてなしの一つだったのですね。

 4日は快晴で、青空の下で春スキーを楽しみました。前日に雪が降ったそうで、軟らかい雪質でした。
Imgp09681  寺子屋スキー場の山頂からは北アルプスのパノラマが広がり、まさに絶景です。真ん中に見えるのは、東館山展望台です。
 Imgp85121  白馬三山から五竜、鹿島槍が遠望できました。こんなにも晴れ渡って山々が見えるなんて珍しい!
 Imgp09901jpg  白樺林に囲まれた雪解け水の湿地帯では水芭蕉が一面に咲いていました。でも霜でやられたのか、少し茶色くなっているのが痛々しい。水芭蕉の花は寒さに弱いようです。
 
 実は出かけるかどうか躊躇っていたのです。「県をまたいでの旅行は控えて」の言葉が胸に刺さっていました。でも大自然の中で少し息抜きができて、やっぱり行ってよかった、でした。

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2021年5月 5日 (水)

FW東京 春 ⑷ 上田安子服飾専門学校「UCF」21A/W展

 先般のファッションワールド(FW)東京 春 展のアパレルエクスポで、思いがけなく見つけたのが「UCF」というブランドです。感性あふれる独創的なデザインのドレスが勢揃いしていました。Img_41751jpg
 「UCF」は、上田安子服飾専門学校のトップクリエイター学科のパリコレブランドのことでした。2019年秋のパリコレで初のコレクションショーを開催し、その後も毎シーズンコレクションを発表しているといいます。さすが西日本最大級を誇る学校ですね。

 Img_41801 本展では2021A/Wのコレクション展示が行われていました。
 テーマは「PASSION and CONNECT」で、心の襞に触れるような素材と人との関係性を作品に込めたといいます。
 モノトーンの中に浮かび上がっていたのは、日本のテキスタイル産地の選りすぐり素材「兵庫県播州織」「富山県福井県経編」「群馬県桐生ジャカード」「滋賀県麻織物」の数々です。染色では「京都府深黒染め」、「愛知県有松鳴海絞り形状加工」(右)も効果的に使われています。
 学生たちは日本独自の素材を使い、ファッションの美しさと機能性を見事に表現していました。
 
 この3月のパリコレにはオンラインで参加したとのこと。そのときのPVも公開されています

 それにしても日本の学校がこんな風にパリコレに進出していたとは!
 若い才能に期待しています。

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2021年5月 4日 (火)

FW東京 春 ⑶ “ユニバーサルファッション”のシバタ

 ファッションワールド(FW)東京 春 展のアパレルエクスポで、目に留まったのがシバタ(岐阜県羽島市)のブースです。レディスブランド「シヴピュア (SiVPURE)」のセカンドラインで、“ユニバーサルファッション”を展開していました。
 テーマは、「年齢にかかわらずおしゃれを楽しむ~病院にもおしゃれして~」です。Img_41711jpg
 すべてに着やすく、ファッション性も豊かなウェアが揃っていました。もしかして病院に行くようなときでも、楽しく着こなせそうです。

 アイテムはワンピースが中心で、左肩線に斜めに、手が楽に届くコンシールファスナーが付いていたり、襟周りにゴムを入れてギャザーを寄せたデザインになっていたり。随所に着脱しやすい工夫が見られます。
Img_41701  前開き仕様のトップスは、途中開きのファスナーになっていて開くと100cm以上広がります。これならかぶりでの着脱が簡単、またファスナーを左寄りにしたことで上着を着れば隠すことができます。ファスナーは直接肌に触れないように持ち出し布のある安全でやさしいつくり。7分丈の袖丈や、フレアー袖のロマンティックなものも。
 ボタンなどの付属もユニバーサルデザインで、軽い力で留められるブロックテーピーやつかみやすい形状のファスナートップ、マグネットボタンなどが使用されています。
 素材も“美にこだわりたい”とシルクプロテインやヒアルロン酸ソーダなど保湿加工が施されているとか。

 コロナ禍の厳しい状況下、“ユニバーサルファッション”を提案しているブランドがあったことがうれしくて、良い結果に結びつくといいな---と願ったことでした。

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2021年5月 3日 (月)

FW東京 春 ⑵ 持続可能なアパレルの認証基準とは?

 ファッションワールド(FW)東京 春 展のサステナブルファッションEXPOで、関連セミナーが行われ、その一つにTextile Exchange(テキスタイル エクスチェンジ)アジア地区アンバサダー (一社)M.S.I. 理事 稲垣 貢哉が登壇しました。Textile Exchangeとはアメリカのテキサスに本部を置き、世界中の水・土壌・大気・人類において繊維産業の影響を軽減するため、農業、材料、加工、トレーサビリティ、製品寿命に関する最良の事例を特定し共有する非営利団体です。アメリカ綿も加盟していて、昨春からU.S. Cotton Trust Protocol(U.S.コットン・トラスト・プロトコル)が参加しています。Img_41541  上はTextile Exchangeの展示風景です。

 テーマは「持続可能なアパレルの認証基準とは? Textile Exchange認証基準と現状」です。サステナブル認証の視点から国内外のアパレル業界の現状を解説され、興味深く拝聴しました。
 
 まずは自己紹介です。大学卒業後、興和(株)に入社した稲垣氏。繊維事業部で15年、主に綿原料の生産管理に従事され、オーガニックコットンブランド「Tenerita(テネリータ)」を創業。2007年よりOrganic Exchange(現Textile Exchange)理事に就任されたといいます。
 入社した1987年頃、綿は繊維素材の60%を有していたそうです。それが年々縮小し、現状は50%以上がポリエステル、綿は30%弱になってしまいました。これは世界市場の拡大により、天然繊維が減少したというよりは化合繊が増加したことを表しているのですが、それでも綿は全繊維生産量でポリエステルに次ぐシェアとなっています。

 次にTextile Exchangeが掲げる「プリファード(preferred = 好ましい)」に関する説明です。今や業界を挙げての合言葉といえば「サステナブル」ですが、Textile Exchangeではこれを「プリファード」という単語で表現しているそうです。サステナブルなコットンは、「プリファードコットン」、またポリエステルは「プリファードポリエステル」などと呼ばれています。「プリファード」とはエコで社会的にも前向きな選択肢のより良いものをチョイスする意味で、使っているようです。
 このプリファードコットン、すなわちサステナブルコットンには、オーガニック、フェアトレードコットン、CmiA(コットン・メイド・イン・アフリカ)、BCI(ベター コットン イニシアティブ)、リサイクルコットンなどが含まれ、認証ごとにさまざまな基準が設けられているといいます。現在、全生産量の20%強がプリファードコットンであり、その内オーガニックコットンは0.1%にも満たないそう。フェアトレードコットンも0.1%でこれからといいます。またとくにシェアを伸ばしているのはBCIであるとも。
 Textile Exchangeでは「2025サステナブルコットンチャレンジ」で、2025年までにサステナブルコットン50%を目指しているといいます。果たしてできるのか、これも注目です。

 さらにサステナブル認証についてです。オーガニックコットンの認証には基準が2つあるそうです。一つは95%以上オーガニックの場合の100%ラベルと、もう一つはオーガニックが5%以上であれば良いというラベルです。いずれも表示された含有率のパーセントが正しいかどうか、トレーサビリティの確認が中心になるとのことです。
 国際認証が増える中、世界の趨勢は近年、オーガニックかどうかよりも動物福祉の方になっているとの指摘もされました。たとえば2014年にスタートしたRDS(リスポンシブル ダウン スタンダード)は非常な勢いで増えているそう。リアルな毛皮や皮革を使わないブランドも多くなっているといいます。生産が減り続けているウールも、動物愛護のRWS(レスポンシブル ウール スタンダード)を取得するメーカーが増加。人造セルロース繊維も森林保護など様々な取り組みが行われているといいます。
 リサイクルはポリエステルだけではなくコットンをはじめあらゆる繊維で、GRS(グローバル リサイクル スタンダード)やRCS(リサイクル表示基準)の取得が激増している様子です。

 最後に認証機関としては大きく次の3つがあるとのこと。①CONTROL UNION(コントロール ユニオン <オランダ>)、②ECOCERT(エコサート <フランス>)、③NSF(エヌ エス エフ<アメリカ>)です。Textile Exchangeはこれらの基準をつくり、認証機関がそれを審査しチェックする機能を担っているといいます。
 このように認証制度はいろいろありますが、ヨーロッパが中心で、審査に費用がかかるなど、どちらかというと日本に不利な制度になっているようです。
 ところがつい最近、日本のケケン試験認証センターがテキスタイルエクスチェンジの認証機関に登録されたというニュースが飛び込んできました。ケケンが国際認証機関になったとは!これまで認証になかなか動けていなかった日本のメーカーですが、まさに朗報ですね。
 
 今や小学生たちがSDGsを学び、ラベルが付いている製品を研究している時代です。多岐にわたる国際ラベルをサステナブル ラベルと総称し、それを選ぶことで未来を変えていこうという活動も始まっているといいます。繊維製品にリサイクルや認証付きが当たり前の社会がもうすぐそこまで来ているのですね。そんなことに改めて気づかされたセミナーでした。

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2021年5月 2日 (日)

FW東京 春 ⑴ 初の「サステナブルファッションEXPO」

 リード エグジビションジャパン主催の「ファッションワールド(FW)東京 春」展が3月23日~25日、東京ビッグサイトで開催されました。アパレル・バッグ・シューズ・アクセサリーなど、あらゆるファッション商材が出展する日本最大のファッション総合展です。同時開催展を含め、350社が出展し、12,913名が来場したと発表されています。
 とくに今回、注目されたのが、初の「サステナブルファッションEXPO」です。エコ、リサイクル、アニマルフリー、エシカル、オーガニック、フェアトレードなど、サステナビリティを考慮したファッション製品・素材を集積した専門展で、218社が出展、好反響を得て終了したといいます。

 サステナブルファッションEXPOで、とくに目立っていたのは広いスペースで複数のブランドを一堂に揃えた瀧定名古屋と豊島のブースです。
 瀧定名古屋は、エコ機能性素材の「37.5 ® TECHNOLOGY」と呼ばれる、暑いときは涼しく、寒いときは暖かくすることで、衣服内を快適にコントロールする米国特許のラミネートプリント テクノロジー、またリサイクル・機能性素材の太陽光を利用した蓄熱保温素材「WarmdArt」、環境配慮型抗菌防臭素材「Polygiene」を紹介。

 豊島は、トルコのUCAKグループと提携し、「TRUECOTTON」と名付けた農場と紡績工場の特定ができるトレーサブル(追跡可能な)オーガニックコットンを大々的に提案していました。
 
 またミヤモリ(富山県小矢部市)のハトムギエキスを配合したルーム・ナイトウェアブランド「Nercocia」にも注目。Img_41461jpg
 ハトムギには人の体を治療し健康にする効能があるといわれています。環境に優しい製法で作られていて、乳液やクリームのように肌からの蒸散=乾燥を抑え、しっとり潤いのある美肌を守るそう。そんな「美白・保湿」効果があるというウェアを前面に押し出していました。

 BANANA CLOTH推進委員会によるバナナの廃棄材が原料のBANANACLOTHも新鮮に思いました。サラリとした肌触りが特徴のトレーナーやTシャツ、デニムパンツなどをとり揃えています。

 さらにジャニスのスウェーデン発ライフスタイルバックパックブランド、ガストンルーガ(Gaston Luga)。すべての製品にヴィーガンレザーを使用しているそう。またパッケージには FSC 認証の紙、印刷には大豆製インクを用いるなど積極的にサステナビリティに取り組んでいるといいます。
 
 この他、興味深い製品が多数。

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2021年5月 1日 (土)

DESIGN MUSEUM BOX 森永邦彦氏“ハブラギン”展示

 先日、銀座ソニーパークで開催されていた「DESIGN MUSEUM BOX (デザイン ミュージアム ボックス) 集めてつなごう 日本のデザイン」展に行ってきました。(※本展は緊急事態宣言に伴い、4月24(土)までで終了してしまいました。残念です。)
 これは日本のデザインに新しい光を当てる展覧会でした。展示されていたのは、NHK番組「デザインミュージアムをデザインする」に出演した5人のクリエーターが各々見つけたデザインの「宝物」です。Img_44401jpg
 建築家の田根剛氏は、岩手の御所野縄文博物館「縄文のムラのデザイン」、デザインエンジニアの田川欣哉氏は、金沢の柳宗理記念デザイン研究所「柳宗理のデザインプロセス カトラリーを例に」、エクスペリエンスアーキテクトの水口哲也氏は、浜松のヤマハ イノベーションロード「トランスアコースティックピアノ 匠とテクノロジーの出会い」、映像作家の辻川幸一郎氏は日本玩具博物館「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」、そしてファッションデザイナーの森永邦彦氏は、奄美の宇検村生涯学習センター 元気の出る館/瀬戸内町立図書館・郷土館 「ノロの装束“ハブラギン”」を紹介、日本の各地にはすごい宝物が隠されていることを知りました。

 中でも感銘したのは、最奥に飾られていた森永邦彦氏による「ノロの装束“ハブラギン”」です。ノロとは、奄美地方の祝女(女性祭祀)で、“ハブラギン”とは祭事の際にノロが着用した衣装のこととか。3角形の布で構成されたパッチワークのきもので、コットンやシルク、柄と無地など異なる端切れが継ぎ接ぎされていて、何ともグラフィカルです。Img_44231jpg Img_44351
 この3角形のカタチには意味があり、“ハベラ”と呼ばれて蝶や蛾を意味し、霊魂が込められているといいます。つまり“ハブラギン”は、代々のご先祖様たちが着る人を守るという意志の詰まったデザインだったのです。
 森永氏は、服とは身を飾っておしゃれするだけではない、祈りや願いがカタチになったものでもある、といいます。
 Img_44281  上は森永氏がデザインしたパッチワークのジャケットです。光りを当てると一瞬にして光って柄が浮き上がるフォトクロミック素材が使用されています。まさに最新技術で現代に蘇った“ハブラギン”!
 
 新型コロナウイルスの脅威にさらされる今、ファッションデザインも“ハブラギン”のような目に見えないもの、人知を超えた存在へ向き合うことが求められているのかもしれません。

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2021年4月30日 (金)

21/22秋冬「まとふ」“一着のリレー”matohu 椿山にて

 堀畑裕之さんと関口真希子さんが手がける「まとふ (matohu)」は、日本の美意識につながる新しい服を創造しているブランドです。この「まとふ」の2021/22秋冬コレクションが3月30日~4月4日、オープンしたばかりのmatohu椿山にて発表されました。
 matohu椿山は、神田川をはさんで、椿山荘の向かい側にある「まとふ」の新しい本拠地です。これまで拠点としてきた表参道のショップが立て替えられることになり、アトリエとともに椿山に移転したといいます。
 窓からは関口芭蕉庵が一望出来る素晴らしいロケーションでした。私が訪ねたときは、桜が散ってしまって少し残念でしたが---。Img_42501

 今シーズンのテーマは“一着のリレー”です。これは2019年春夏シーズンから続く、「matohu(まとふ)」の「手のひらの旅」シリーズの第6回目となります。
 改めて「服を創ることについて考えてみる」から始まるムービーも発表されていますので、ご紹介します。

 一着の服はどのようにして出来上がるのでしょう。そこにはたくさんの人の手がリレーのようにつながり、長い過程を経てつくられているのです。それを想うと愛着も一入、大切に着ようと思います。
 ムービーを見て、藍染シルクは青梅の壺草苑で本藍染されて、八王子の文化ファッションテキスタイル研究所で織り上げられていること、また繊細な綿ニットは墨田区の川辺莫大小で編地として仕上げられていたことが分かりました。さすが「まとふ」は日本でも有数の工房と取り組まれているのですね。すばらしいです。

Img_42441  上は、前シーズンから続く江戸小紋のシリーズで、よろけ縞のコートです。
 若き伝統工芸士、廣瀬雄一氏の精緻な手仕事で染められた江戸小紋が、現代のファッショナブルな服に蘇っています。

 Img_42451 右は、ふっくらと暖かい、しかも驚くほど軽い着心地のジャケットです。
 生地はウール圧縮ジャカードで、花模様の更紗柄がシックです。

 他にも、本藍染でクラッシュした光沢が美しいパネベルベット(シルク/レーヨン)のドレスなど。ベルベットの藍染めはめったに試みられない、珍しいものです。
 
 静かな情趣を漂わせている、エレガントなコレクションです。

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2021年4月29日 (木)

第8回「綿織物産地素材展」 「エコ」な綿の確かな価値

 日本綿スフ織物工業連合会(綿工連)が主催する第8回「綿織物産地素材展」が、会場を東京・西麻布の綿工連会館に移して、2年ぶりに
開催されました。
 出展したのは次の6社、カネタ織物、ショーワ、高麻、辰巳織布、ミツノブ、和紙の布です。
 いずれもサステナビリティへ向けた綿を中心とする自然素材の確かな価値を打ち出していました。
 綿は元々、それ自身が「エコ」ですので、環境問題に対する差別化が難しい素材です。それでも他と一線を画そうということでしょう。本展でもオーガニックコットンやリサイクルコットンを使った生地が目立っていました。
 
ショーワ (岡山産地) 
 サステナブルな生地づくりに積極的に取り組まれているメーカーです。オーガニックコットンやリサイクルデニムなど。
 また他社にない独自開発のナイロン100%デニムにも引き合いが高いそう。Img_41951jpg

辰巳織布 (大阪南部産地)
Img_42011jpg  強撚糸使いの生地や上品な光沢のなめらかなギャバジンなど、高級感のある高密度織物を得意とするメーカーです。
 右は、玉虫のように光るツイルです。

ミツノブ (九州産地)
Img_42111  久留米織を製造している織元です。昔ながらの久留米絣かというと、決してそうではありません。
 見せてくれたのは、洗練されたデザインの絣織で、ビックリ! 


 この他、カネタ織物 (天龍社産地)は、超強撚ブロードやタイプライタークロスなど。高麻 (高島産地)は琵琶湖畔に群生する葦(よし)を原料にした和紙糸で作った「琵琶の葦糸」、さらに和紙の布 (大阪南部産地)は、間伐材を利用した木糸の生地などを展開していました。

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2021年4月28日 (水)

21秋冬「プラグイン」展 サステナブルと衛生用品に焦点

 繊研新聞社主催のファッション合同展「プラグイン(PLUG IN)」が、3月24~26日、EBiS303にて開催されました。
 リアル展への関心は高く、出展者は83社が、来場者は延べ2,108名と報告されています。
 トレンドはやはりサステナブルファッション、さらに新型コロナ対策を謳う衛生機能商品が際立っていました。

ダブルフェース トーキョー (Doubleface Tokyo)
 先シーズンも好感したダブルフェース トーキョー。「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」をトレーサビリティーしていくことを掲げ、安さや便利さではなく、地球に優しい素材を使った製品を提案しています。
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 「トラッドから半歩ずらした綺麗目、上質な日常着」というコンセプトで、細部まで丁寧に作り込み、上質な服づくりをしているブランドです。一貫して国産生地と国内生産にこだわっているといるのにも共感させられます。

シキボウ 「フルテクト」
 お馴染みのシキボウがブースを構えていてビックリ! 15年も前に開発した抗ウイルス・抗菌加工「フルテクト」を訴求していたのです。2020年には新型コロナウイルス対策にも効果を発揮することが分かって、人気はうなぎ上りです。Img_41921
 「フルテクト」はアンリアレイジの21春夏コレクションにも使われて、さらに有名になりました。シキボウは自社工場にバイオハザードの設備を持っていて、抗ウイルス性と抗菌性の試験を自社で行う事ができる数少ないメーカーです。今回は「フルテクト」加工の紹介に加えて、自社販売商品のマスクやスプレーなど多様な商品を展示し訴求していたのが印象的です。

信州セラミックス 「アースプラス」 
 「アースプラス」は信州セラミックスが開発した細菌、ウイルス、臭いなどのタンパク質だけを選択して吸着し分解する新素材です。地球にも身体にも優しい食品添加物(ハイドロキシアパタイト・銀・酸化チタン)を組み合わせた自然に優しく、安全、安心なセラミックスの複合材といいます。
 既に全国3,000の病院で採用されていて、医療機関では高い評価を得ているそうです。白衣やナース服から、タオル、カーテン、寝装などのホームファッション分野など、また海外でも広く応用されているとのこと。Img_41871jpg

 パンデミックに戦々恐々とする毎日が続いています。「フルテクト」や「アースプラス」のような衛生用品は、医療従事者ではない私たちにも、もう必要不可欠ね、と改めて思ったことでした。

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2021年4月27日 (火)

21/22秋冬「PRO1」展 ⑶ 服への想いや信念伝えるブランド

 「PRO1」展では、服づくりへの想いや信念が伝わる若手デザイナーブランドが数多く出展していました。私が出会った3つのブランドをご紹介します。

RURI.W (ルリ)
  デザイナーは渡邉瑠璃さん。2018SSのデビューコレクションで着想したのは、日本の伝統的な祭装束である白丁だったといいます。なぜ白丁かというと、そこには亡きお祭り好きだった祖父の姿があったそうです。
Img_39661jpg  祖父へのオマージュは、時代を超えて受け継がれてゆくものを大切にする、ブランドの精神を形成していったようです。
 渡邉さんは、どのような人物がいつ、何のために着用した服なのか、服の背景を探り、デザインのリサイクルをしているかのようにコレクションを制作しているそうで、今シーズンもこの創作のプロセスは変わらないといいます。
 右は、つけ襟のような大きい襟が印象的なシンプルなシルエットのドレスです。

N'enuphar (ネニュファール)
 神戸の古着屋「タナゴコロータス」よりスタートしたオリジナルブランドで、メンズウェアが中心です。デザイナーは、中村善幸さんで、コンセプトは「未完成でいて決して終わることのない美しさ 常に感じ 解釈し 表現する」といいます。
 Img_39891   今シーズンは、押井守監督のアニメ映画「スカイクロラ」をヒントに、空を飛ぶ戦闘機をモチーフとしたプリントのシャツを前面に押し出していました。

SARTOGRAPH (サートグラフ)
 ファッションデザイナーのSHINSUKE NAKANOが2020年に立ち上げたブランドです。
Img_39781    昨年秋の「rooms(ルームス)41」展にも出展されていましたので、このブログにそのときの取材記事を掲載しています(2020.11.19付け)。ご参考までに。
 ブランド名は「テーラリング」を意味する「Sarto」、これに「描く」を表す「graph」という言葉を組み合わせた造語です。この名称のようにコレクションはテーラリング技術を基に、ワークウェアの要素を加えた、現代的でミニマルなシルエットで構成されています。 
 今季の一押しはメンズコートで、ベルトにつけた大きなカラーポケットがアクセント。きちんとした中に、アートな遊び心のあるデザインです。

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2021年4月26日 (月)

21/22秋冬「PRO1」展 ⑵ アップサイクルに取組むブランド

 「PRO1」の合同展では、今シーズンも引き続きアップサイクルを手掛けるブランドが目に付きました。アップサイクルとは、古い布や古着、廃材、縫製後の余り生地など、従来ならば不用品(=ゴミ)として廃棄処分されていたような製品・道具を、新しい感性で生まれ変わらせることです。
 そうしたアップサイクルに取組む魅力的なブランドを2つ、ご紹介します。

Atelier KOHAL (アトリエ・こはる)
さ  デザイナーは齋藤こはるさんです。
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 佐賀県唐津市を本拠地に、洋服の製造過程で出るハギレを活かしたファッション商品を提案されています。技能五輪全国大会洋裁部門で銀賞を受賞されているとか。
 パッチワークのトレンチコートやサーキュラースカートなど、どれもスタイリッシュです。
 切りっ放しのほつれた布の端を活かしたデザインが、趣のある味わいを演出していますね。
 ボタンなどの付属品も希少な物やヴィンテージ品を多く使用しているそうです。
 
LOWRUNDER  (ローランダー)
 2009年、櫟 (いちい) 純也さんと斎藤菜奈さんのデザイナーデュオが立ち上げたブランドで、東京・台東区の台東デザイナーズビレッジ発だそう。Img_39931
Img_39961jpg  コンセプトは「時代を再構築する服」で、ヴィンテージ古着のリメイクからスタートしたといいます。二着の古着をミックスさせてコラージュしたり、丈や幅をリサイズして今風なシルエットに再構築したり。新品にありそうでないデザインが人気です。
 右は、デザイナーの斎藤菜奈さんです。二種類の小花を散らした裏切りドビーチェックを大胆な片身変わりにスタイリングしたワンピースを着装しています。その着姿がカワイイ!
 
 アップサイクルで独自の世界観をつくりあげているブランドに注目です。

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