「プロジェクト トーキョー(PROJECT TOKYO)」は、「connecting fashion + culture」をコンセプトに掲げ、年に2回、東京で開催されている国際的なファッションの合同展です。第7回目となる展示会が、楽天ファッションウィーク東京(RFWT)の会期中、3月16日~17日、東京国際フォーラムにて開催されました。出展したのは老舗ファクトリーブランドから新進デザイナーズ、ライフスタイル雑貨まで約170の厳選された国内外のファッションブランドです。
とくに目についた新進アパレルブランドをご紹介します。
ミランニ (Millanni)
ブランドを手掛けるのは根本貴史と伊藤里恵子のデザイナーデュオです。ブランド創業10年の節目の年、2021年にブランド名を「ヴェントリロクイスト」から「ミランニ (Millanni)」に変更したといいます。そのことを知らなかった私は、ちょっとビックリしました。
22/23秋冬は「祖母のノート(Quaderno della nonna)」がテーマです。ルックブックも表紙はイタリアの骨董市で見つけたという何十年も前の子ども用ノートがコラージュされていて、昔のものを尊重し、形や素材、色、また仕立てや技術などを参考にデザインしているこのブランドらしい構成です。
ブースでは職人の手を加えて1点1点、多くの時間と手間をかけてつくったというドレスを前面にプッシュ、また端切れやレース、フリンジ等資材の余りを使用するなどサステナブルな素材使いも注目です。
リコレクト (rikolekt)
「記憶の手ざわり」をテーマに、忘れかけていた記憶を思い起こさせるような服をデザインしています。
右のコートは、身幅をたっぷりととったポンチョのようなシルエットです。
テキスタイルは綿のモール糸をベースに、光沢のあるシルケットコットン糸使いで、植物にインスピレーションを受けて描いた柄が表現されています。
ミディウミソリッド (MIDIUMISOLID)
マザーズインダストリー(Mother‘s Industry)ディレクターの笹野信明がディレクターを、ターク(TAAKK)デザイナーの森川拓野がデザイナーを務めるブランドで、スタートしたのは2016年春夏からとか。
テキスタイルや技法に日本古来の手法や、着物で取り入れる加工を採用、ブルーやホワイトのクリーンな仕上がりが目を惹くコレクションです。
カズコオオニシ (PJC KAZUKO ONISHI)
美しい花模様のドレスは、よく見ると刺繍でした。一針一針、丹念なステッチワークで仕上げられた草花のやさしい表情が優美です。これは大西和子デザイナーによるオリジナル エンブロイダリー レースのテキスタイルブランドPJCの「特別な日常着」、手の温もりを感じさせる贅沢なコレクションです。
リミュ (Limue)
ブランド名は、フランス語でライラックを意味する“リラ(lilas)”とスズランを意味する“ミュゲ(muguet)”を掛け合わせた造語です。この名前のようにテーマは美しい花々を象徴する「ナチュラルな華やかさ」、繊細で柔らかい、しかも芯の通った強さもあるスタイルを提案している魅力的なブランドです。
ローランダー (LOWRUNDER)
22/23秋冬は、変わり行く時代に立ち向かう変化する服を提案。デッドストックのウールツイードに摩天楼の刺繍を施したコートをはじめ、レザーのパッチワークジャケットや定番のコラージュニットなど都会の片隅の風景をコラージュした遊び心あふれるコレクションです。
ブルー (BLUE by ymf lab.)
2022年にスタートしたばかりのブランドです。こだわっているのはブルーとピンタック(ピンのように細いタック)で、ブルーは製品染め、またピンタックは熟練した職人が手作業でつくっているそうで、完成度の高さはほとんど芸術的です。
蔵 (KURA)
プリントシャツのブランドです。ヴィンテージ感のあるインディゴ抜染+着色抜染、インクジェットプリント、ダブルプリント(スクリーンプリント×インクジェットプリント)といった手法を駆使して、シャツのバリエーションを提案しています。プリントとはいえ、ほんものの先染めのようで驚きました。