クリエーション・アムール展 「心地良い上質を楽しむ」

 今年も4月16日~18日、渋谷のトランクホテルにて「CREATION.AMOUR(クリエーション・アムール)」展が開催され、行って来ました。
 愛あるブランドストーリーや丁寧なものづくりにこだわるライフスタイルの展示会で、「心地良い上質を楽しむ」がテーマ。百貨店などへの出展実績のある15ブランドが集合し、次シーズンに向けたビジネス商談でにぎわっていました。

とくに気になったブラントを紹介します。

TEU YAU (テウヤウ)
 ハイクオリティの「モダンクチュール」といった佇まいのウィメンズウェアのブランドです。東京ファッションウィークに参加しているデザイナーの林 秀三 氏と千葉県旭市に所在するアパレル工場「ソーイングアサヒ」がタッグを組んで、今年設立されたばかりのファクトリーブランドで、本展示会がデビュー展といいます。
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 コンセプトは、シンプルながら一癖ある「イージーエレガンス」です。リラックスした雰囲気なのにきちんとした感覚のデザインに、「和」に通じる様式美を感じて、伺ってみると、デザインの根幹に日本の伝統文化である着物があるとのことでした。
 つくりはイージーオーダー方式で、どんな体型でも優美にフィットするフォルムを追求しようと、アイテムをあえてシャツとブラウス、ドレスに特化しているそう。
 素材はサステナブルなシルクで、シックな無彩色。福井の坪由織物のシルク織物と米沢の行方工業によるシルクタフタが使われているとのことで、これも「日本のラグジュアリー」、と思いました。

petite la ‘ deux (プティラドゥ)
  女性の可能性を開花させる「女性性開花のお店」がキャッチコピーのインナーウェアのブランドです。
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 ルームウェアやパジャマの縫い目は外側でストレスフリー、足首ウォーマーはミニカイロを入れるポケット付き、“カワイイ”にこだわった布ナプキンなど、素材はすべてオーガニックコットン100%で心地よい肌触りです。縫製は青森県にある自社工場で、ひと針ひと針、丁寧につくられているとのこと。女性のためのすてきなブランドです。

WAYUULA (ワユーラ)
 地域貢献のエシカルブランドで、南米コロンビアの先住民族、ワユー族の女性たちがひと編みひと編み、編んでつくったバッグを展開しています。
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 2018年に日本にデビューして、百貨店でポップアップショップに出店をスタートさせたとか。南米らしい幾何学模様にも惹かれました。

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2024年5月13日 (月)

25年春夏尾州マテリアル・エキシビション 来場者大幅増

 第27回「尾州マテリアル・エキシビション」(尾州ファッションデザインセンター主催)が4月16、17日、東京・原宿で開催されました。プレスリリースによると、尾州産地のテキスタイルメーカー12社が出展し、25年春夏の新素材、合計1035点が発表され、来場者は879人で昨年同時期の1.5倍となり、大幅に増加したとのことです。

 全般的な傾向としては、透け感や光沢感があり、表情豊かな質感の素材、リネンやファンシーツイードが人気。またカラーはナチュラルなカラーや鮮やかな色合いが好評だったといいます。

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 トレンドコーナーではパリのトレンド発信企業、ネリーロディの情報をもとにした開発素材146点が、次の3つのテーマ、クワイエット・ラグジュアリー、プレッピー・ポップ、ワイルド・エステティックに分類されて展示されました。

 メガトレンドは反逆者(Rebel)です。反逆というと権力を拒否することですが、ここでは今日的反抗の意味で使われています。ですから反逆者といっても平和主義者であり、自由な表現を称賛し、混沌とした世界に対話や相互理解、調和をもたらす人々を指しています。
 その3つのテーマと注目素材を紹介します。

クワイエット・ラグジュアリー QUIET LUXUARY
 文化的寛容や平和が称賛されると、重要になってくるのがラグジュアリー、平穏、逸楽です。カラーは永遠不変のニュートラルなパレットが中心。
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左 : 岩田健毛織㈱ リネン/コットンギンガム ナチュラルな表情のリネンギンガム
右 : 三星毛糸㈱ リネン/コットンツイード リネンとコットンの意匠糸使い

プレッピー・ポップ PREPPY POP
 最大限の楽観主義で抑圧や不平等に立ち向かう陽気な反逆者の姿とともに。ミルキーパステルをベースにしたカラフルなカラーレンジです。
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左 : 森織物(資) コットンリングファンシー コットンリング糸を羽根調に表現したグログランツィード
右 : 林実業㈱ ナイロンテープカット・ジャカード 桐生とのコラボ

ワイルド・エステティック WILD AESTHETIC
 リサイクル、バイオ素材・加工などが野性的なニュエイジという時代を創始します。ワイルドな美学のもと、カラーはナチュラルが主調です。
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左 : ファインテキスタイル㈱ コットンチエック PU使いのサッカーチェック
右 : みづほ興業㈱ インディゴデニム風 糸で色落ちがほとんどないインディゴ染料を練り込んだデニム風生地

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2024年5月12日 (日)

プラグイン/エディトリアル 来場者が2000人超で商談活発

 恒例の合同展「プラグイン/エディトリアル展」が東京・恵比寿のエビス303で4月17~19日に開催されました。出展企業は74社100ブランドで、初参加が75%を占め、新興ブランドや日本初進出の海外ブランドが目立ちました。
 来場者も前回を上回る2,041人と発表され、活発な商談風景でした。

  アパレルを中心に、気になったブランドを紹介します。

 まず注目したのが、「PDMスタジオ」です。婦人服のキュリアスデザイン、帽子の水野ミリナー、靴のオギツの3社による協業ブースで、今シーズンの「プラグイン/エディトリアル・グランプリ」に選ばれました。
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 ブースでは、キュリアスデザインが手掛けるParc.1(パルクアン)のコートがステキでしたね。
 ブランドの原点という「黒」を引き立たせる素材・色・フォルムの組み合わせたデザインは、モード感たっぷりです。

 次に、天然繊維使いにこだわるアパレル「テガミ」と「ワシフク」です。ともにブランドディレクターの八木清次氏が手掛けるブランドとか。

 「テガミ」は、インドの手仕事を感じさせる、モノトーンの落ち着いたデザイン。綿や麻を中心に、付属はシェルボタンを使うなど、天然素材にこだわったレディスアイテムを揃えています。Img_66701
 「ワシフク」は、和紙糸を使用した、ドライなタッチが魅力のゆったりとしたセットアップが中心。

 また韓国ブランドが目に付いたのも今季の特徴でした。
その一つが、「People of the world」です。コンセプトは「グレー」で、理知的で都会的なユニセクシュアルなムードを醸し出しているブランドです。Img_66541

Img_66791  さらにサステナブル、アップサイクル標榜するブランドとして、「イフェメル/ダブルフェイス・トーキョー(Ifemelu / Doubleface Tokyo)」に注目しました。
 上質な日常着を長く着るという考えのもと、生地は国産を使用、地方の小さな工場とモノ作りを行っており、トレーサビリティに責任を持っているといいます。
 縫製には「カンヌキ」を施して長持ちする商品を目指しているとも。

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2024年5月11日 (土)

Tokyo Creative Salon 24 特別トーク「明日へのヴィジョン」

 Img_63561pg 先般、クリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2024」が東京ミッドタウン・デザインハブで開催され、特別トークイベントの一つに株式会社ユナイテッドアローズ 上級顧問 クリエイティブディレクション担当 栗野宏文氏が登壇、Panoramatiks 主宰/TCS 統括クリエイティブディレクター/2023年度グッドデザイン賞審査委員長 齋藤精一氏を聞き手に「Vision For Tomorrow(明日へのヴィジョン) (Social Stream and Creative Direction of Tokyo 2024)」と題して、日本のクリエイティブにおける美意識の方向性を5つのキーワードで解説されました。
 以下、その概略です。

1. インディヴィジュアリティ (individuality主体性)
 気候変動など問題山積の現代において重要なのは「主体性」であると提言。主体性を大切にしている人物の代表として、45万部のベストセラーとなった『人新世の「資本論」』の斎藤幸平氏や、杉並区で初の女性区長に選出された岸本聡子氏、日本の食の在り方を研究する藤原辰史氏、『ぼくはイエローでホワイトで、ときどきブルー』の著者ブレイディミカコ氏らを挙げました。時代をブレークスルーするのは彼らのように自分で考え、自ら行動し、伝え、オーガナイズする、主体的な人たちと推挙されていたのが印象的です。

2.  ユニティ (unity共生)
 人が集まり、ともに活動し、補い合って生きる社会的価値の重要性が高まっています。格差や分断の無い世界へ、ファッションもその役割を果たせると、ユニティを感じたファッション、ブランドやショーを紹介しました。
 一つはメンズファッションフランドの「COGNOMEN(コグノーメン)」です。サッカー好きなデザイナー、大江マイケル仁が秩父宮ラグビー場で開いた初のランウェイショーは、テーマが「ファイトフォー (Fight for)」。チーム一丸となって闘い、最後は敵味方無しのノーサイド、その精神に感動したといいます。
 もう一つは、22/23年AW 「ダブレット(doublet)」のショーです。モデルたちはお面をつけてウォーキングし、フィナーレでマスクを脱ぐと、そこには様々なモデルたちの顔が現れました。それはダイバーシティを体現するショーで、1960から70年代のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの「ユナイト」を喚起させます。ブランドを手掛けるデザイナーの井野将之は、この演出を通じて、多様性が本当の意味で実現されるのは、それが誰からも意識されないときであることをアピールしていました。ファッションに社会を変える力があることを示すコレクションでした。

3. インヘリット (inherit 継承) 
 クリエーションというと前のものを否定して新しいものを追う、と思われがちですが、伝統を継承することにもブレークスルーが伴います。
 たとえば「スズサン(suzusan)」という有松絞りのブランドがあります。代表の村瀬氏は、デュセッドルフで海外のセレクトなどとコラボレーションして、有松絞りの技術を文化財ではない、コンテンポラリーなものに活かして成功されています。他にも西陣や漆など、日本には世界に通用する有力な伝統技術が残っていますから、いろいろな分野でこういう方が出てくるとよいと話されました。
 「素材と用途は捨ててもよいが、技術は継承したい。変えてはいけないもののために変えるべきものを変え続ける」との氏の名言に、感銘しました。

4. アウトサイダー( outsider突破者)  
 アウトサイダーはクリエイターであり、クリエイターはアウトサイダーでもあります。アウトサイダーを極め続けることが未来を拓くといいます。
 その代表がコムデギャルソンの川久保 玲です。異端を正統にしてしまうところは誰も真似できない、すばらしいことと賛辞を送りました。他にもアンダーカバーの24春夏コレクション、また山梨県・富士吉田市を舞台にした「ここのがっこう」の卒業制作展、アウトサイダーアートの展覧会など、先が見えない現代はアウトサイダーを求めていると強調しました。

5.  エクレクティック(eclectique 折衷) 
 和 ✕ 洋の折衷に着目。
 LVMHプライズ2023のグランプリを受賞した日本人デザイナー、桑田悟史の「セッチュウ(SETCHU)」は、サヴィルロウで培った経験を活かし、2024春夏コレクションでシルエットや丈を自在に変えることができる「折り紙のような服」を提案しています。キモノには無駄がありません。テーラードとキモノの組み合わせに未来性を感じているといいます。

 複雑なファッションクリエーションの今後の展望を分かりやすい言葉で語られた、大変興味深いトークショーでした。

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2024年5月10日 (金)

Tokyo Creative Salon 24 特別トーク「デザイナーの美意識」

 この3月中旬、ファッションウィークとデザインウィークの同時開催によるクリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2024」が開催され、「日本のクリエイティブにおける美意識を考える」と題した特別トークが東京ミッドタウン・デザインハブ内インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで行われました。

 その一つが、日本を代表するプロダクトデザイナーでデザインスタジオエス プロダクトデザイナーの柴田文江氏と、服飾デザイナーでSOMA DESIGN クリエイティブディレクターの廣川玉枝氏による対談です。

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 「デザイナーの美意識」をテーマに、作品への想いや美意識がざっくばらんに語られ、大変興味深いセッションとなりました。

 まずは最近、手がけた作品について、柴田氏はコンランショップ丸の内店で開いたポップアップショップの話をされました。タイトルは「どちらでもないもの」で、たとえば旅行というより「旅情」を感じさせる革カバンなど、新しいけれどどこか懐かしい空気感のあるものに惹かれているといいます。
 廣川氏は、第二の皮膚をコンセプトに2006年に誕生したニットウェア、「スキンシリーズ」を進化させ、3Dクチュールの最新作として新作ジャケットやトップスを発表されています。その一方、新時代の和装「ソワハ(SOWAHA)」を提案。一幅の絵を纏う、重ねの美でキモノのような洋服もデザインされています。
 柴田氏からイッセイミヤケに就職したのは何故、と問われた廣川氏。「縫うことがそもそも嫌い」だったし、布がそのまま服になるイッセイに共感したからと率直。一本の糸で立体を創るニットの魅力を語ったり、男女デザイナーの視点の違いを述べたり。男性デザイナーによる女性もののデザインは、想像力たくましく造形的に美しいものが多いけれど、女性デザイナーは自分が着用したいと思うものをつくっているなど、おもしろい。
 また柴田氏は、異質なものをミックスした、どこか愛嬌があるデザインが好きで、シュッとしたかっこいいものを良いデザインとは思えないそう。シンプルも密度がないと単に簡素なものになってしまう、などと語られていたのが印象的でした。

 最後にデザイナーにとっての美意識とは――。
 柴田氏は、「単純にきれいということだけではない、皆の心の中にある思い出とか記憶みたいなことに共感するものがあると、それがいいと言ってくれるように思うのです。懐かしさとか気持ちよさといったもの、そんな記憶みたいなものをいつも探しています。」
 廣川氏は、「美意識は多様化していますが、根本は一つです。それは人間の直感的感覚に触れるものであり、時代を超えて長く生き続けられるデザインです。人間の美的感覚で本来持っている感覚は自然の美しさと思っています。例えば花は人間の本能に訴えます。デザインは目に見えない感覚をカタチにしていく作業で、それをカタチにすることができたら、長く続けられる美しいものがつくれるのかな、とよく考えています。」と。

 デザイナーの美の深層を垣間見た気がしたトークセッションでした。

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2024年5月 9日 (木)

日本クリエイション大賞とシネマ夢倶楽部表彰 合同表彰式

 日本ファッション協会が主催する「日本クリエイション大賞」と「シネマ夢倶楽部表彰」合同表彰式が、この3月19日、帝国ホテルで開かれました。華やいだ雰囲気の会場には約200名が集い、私もその一人として参加しました。
 「日本クリエイション大賞」の大賞に輝いたのは、世界に先駆けてペロブスカイト太陽電池を開発した宮坂 力氏(桐蔭横浜大学 特任教授、ペクセル・テクノロジーズ株式会社 代表取締役)です。
1_20240518083301   ペロブスカイト太陽電池は、軽量・薄型で曇天でも発電可能な次世代の太陽電池で、折り曲げやゆがみにも強く、ビルの壁や窓など多様な場所に設置できるとのことです。私も以前から、驚くべき発明と注目していました。主要原料であるヨウ素の生産で日本は世界第2位のシェアを持っているといいますし、早期実用化が期待されます。(写真はホームページからお借りしました。)
  ノーベル賞の候補にも挙げられている宮坂教授、受賞が待たれます。

 もう一つ、着目した賞が、「しあわせ職場賞」です。この賞は日本理化学工業株式会社に贈られました。
 日本理化学工業株式会社は、環境に配慮した「キットパス」と「ダストレスチョーク」を製造・販売している企業ですが、すばらしいと思ったのは、同社のものづくりを担っているのが知的障がい者たちということでした。
 1_20240518083302米ぬか由来のライスワックスが主原料の、窓ガラスや鏡に描いて消せるお絵かき道具も、国内シェア70%を誇るダストレスチョークも、社員の約7割を占める知的障がい者たちがつくっていたのです。
 (写真はキットパス、ホームページからお借りしました。)
 同社の製品に「愛」を感じてうれしくなりました。

 この他、「交流と文化の町賞」は東川町(北海道上川郡)、「宇宙浪漫賞」は安全で燃費に優れた小型衛星用“水エンジン”を開発した株式会社Pale Blueが受賞しました。

 次いで「シネマ夢倶楽部表彰」では、ベストシネマ賞の一位に「PERFECT DAYS(パーフェクトデイズ)」が選ばれ、今の世相を反映しているなと思いました。
 私はこの2月、パリでこの映画を鑑賞したのですが、ささやかな日常生活がとても新鮮に描かれていて、共感しました。アカデミー賞を取れなかったことが残念だったのですが、今回の受賞でもやが晴れました。

 すてきな表彰式でした。

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2024年5月 8日 (水)

25春夏テキスタイルネットワーク展 ジーニング・ラプソディ

 日本全国の産地のテキスタイル職人による合同展示会、「テキスタイルネットワーク・ジャパン(TN J)」展が4月8日~9日、東京・原宿のWITH HARAJUKU HALLにて開催され、15の企業団体が2025年春夏の生地コレクションを発表しました。
 今季のテーマは「ジーニング・ラプソディ」です。会場にはブルージーンズをイメージした生地の展示コーナーが設けられ、各社のブースにはブルーのファブリックが前面に展示されていました。デニム生地専門のメーカーは出展していませんでしたが、各メーカーが得意とする技術で開発したジーニング素材には、重苦しいムードを一掃する爽やかな風が吹き抜けているようでした。

有限会社 福田織物
 静岡県掛川市を拠点に超高級細番手からリサイクルコットン、「ベコ」の名で親しまれているコーデュロイまで、様々な綿織物を手掛けている同社。データではわからない織りあがった生地を徹底的に手で触り、感じることで他社との差別化を図りオリジナルの生地に仕上げているといいます。
Img_65371  今季は、シャンブレーを前面に打ち出していました。

株式会社 近藤紡績所
 糸からの一貫生産体制を確立しているKONDOBOだからこそできる、世界最高水準の綿糸による「クワイエットラグジュアリー」なニットを提案。美しいブルーに魅せられます。Img_65681pg

Img_65651_20240517114001 株式会社 匠の夢
 新潟県見附市の老舗機屋で、綿を中心としたドビー織りとジャガード織りが人気です。
 今回は0.5mから販売可能な生地も紹介していました。


株式会社 東匠猪俣

Img_65621_20240517113901  創業明治29年という米沢織機屋でシルクサッカーに定評があります。
 今シーズンはシルクデニムを提案。軽い、薄い、シワになりにくい着心地の良い商品に仕上がりました。

遠孫織布 株式会社
Img_65571  兵庫県西脇産地のジャカード織物専門工場です。綿または綿混で、多彩な色柄や、立体感のある大胆でアーティスティックな表現が得意です。
右は、荒ぶる波のようなジャカード織です。

株式会社 貴志川工業株式会社
 和歌山の丸編み産地でチーズ染色による糸の染色加工を行っている吉田染工。グループ会社である貴志川工業では生地の整理加工も手掛けており、グループ全体で糸から生地までの染色対応が可能です。
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 また、工場内にニット機械を導入し、糸染から編みまでを一貫して行う〈SOMEKARA〉プロジェクトが人気を博しています。特にSRYと呼ばれるインレー組織を活用した特殊なニット生地の開発と提案に力を入れ、ニットと布帛のハイブリッド企画として他にはない新しい感覚を追求しています。

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2024年5月 7日 (火)

アクティブシニア 購買心理を理解したマーケティング

 今年はシニアビジネス元年といわれています。歴史上初めて日本は人口の2人に1人が50歳を超える国となりました。
  先般開催された第7回ライフスタイルウイーク東京では、市場規模が拡大しているシニアのニーズを把握するため、シニアマーケティングに関するセミナーが実施され、大変興味深かったです。
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 登壇者は㈱オースタンス代表取締役社長 菊川 諒人氏です。「アクティブシニアの消費行動~購買心理を理解したマーケティングとは~」をテーマに、様々な事例を交えて語られました。

 下記、そのポイントです。

1. シニアマーケットがトレンドとなっている理由
・人口構成比率の高齢化による市場の単純拡大 ―― 来年にも市場規模は100兆円を超える見込みで、シニアビジネスは日本でまれに見る成長産業です。
・日々増加する高齢者の保有資産 ―― 個人金融資産約1,700兆円のうち、約6割(1,000兆円)の資産を保有しているのが60代以上です。
・中高年層以上の急激なデジタル化 ―― シニアのインターネット利用率は、60代で約90%、スマホ利用率は急増し、65歳以上の保有率は約77%に達しています。デジタルを使いこなすシニアが多くなり、デジタルでモノやサービスを届けられるようになっています。
・健康寿命/労働寿命の延伸による消費の加速 ―― 2020年の法改正で企業に対し70歳までの雇用確保が努力義務化され、70歳まで給与所得者になり、これまで年金所得者だった世代の財布の紐が緩む可能性があります。また医療の充実により健康寿命の向上によるシニア世代の拡張も必至です。

2. シニアマーケティングで陥りがちな状況 
 シニアマーケットに取り組む上で、よくあるバイアス(思い込み)を払拭して欲しいといいます。
・シニア世代のイメージは人によって異なります。 ―― 白髪のおじいさんやおばあさん像だったり、50~60代をイメージしていたり、乖離があります。
・情報収集の中心はテレビ ―― テレビの割合は高いが、一方でインターネットでの情報収集の割合も高い傾向にあります。
・デジタルリテラシーが低そう ―― 2020年段階で60代の70%以上がスマホを利用していると回答。仕事でPCを使うのは当然だった人たちなので、インターネット利用率も80%を超えています。
 シニアと言っても状況は多種多様。60代と80代ではライフスタイルが全く異なっています。仕事を続けているかどうかで金銭感覚も異なり、大都市圏と地方都市とでは価値観も異なっています。この他、同居する子どもの有無や孫の有無、友達の有無などもあり、一括りにはできません。 
  またマーケティングで頻繁に直面する難しさは、企画者との世代間ギャップで、自分ごと化がし難いことです。このギャップを埋めるために、顧客を見る解像度を高める必要があるといいます。

3. 顧客解像度を高く見るための方法
 菊川氏の会社、㈱オースタンスでは、解像度を高く顧客を見ることができる分析ツールとして、クレイトン・M・クリステンセン教授が発表した “ジョブ”理論という考え方を活用しているとのことです。
 これは状況で対象を分析する、状況でみると因果関係がわかる、因果関係を押さえると解像度がアップするというもので、これを基に、同社では、なぜその人はその商品を購入したのかなど、その購買行動に関する、しっかりとした消費者調査を数千人規模で行っているそうです。
 インタビューやアンケートでは、アノマリー、その裏の心理に着目することと、とくにシニアマーケティングで重要なのが、少し長い時間軸で見ることと、ステークホルダー(関係者)をしっかりと捉えることと指摘しました。
 またシニア顧客を理解する上での着眼点を4つ、挙げました。
・生理的観点 ―― 身体の衰えに起因する変化、認知能力低下等。このことを捉えないと手に取ってもらえない。
・資源的観点 ―― 収入構造の違いや可処分時間などに関連する変化。年金所得のみかどうかなど。
・心理的観点 ―― 成人発達理論など精神的な変化。たとえば年を取ると人との出会いが少なくなる、ライフイベントが変化するなど。
・社会的観点 ―― 社会情勢により形成された価値観。たとえば10年前は冷凍庫をつくっても売れなかったが、現在は冷凍食品の品質向上で積極的に利用されるようになっているなど、社会通念の変化もあります。
 顧客の解像度を高めるには、属性ではなく上記のような状況に注目することが大切で、これにより行動の因果関係を理解することができる、と強調しました。

 最後に、購買意欲を高めるための考え方について述べ、顧客心理を捉えたマーケティング施策を紹介しました。これには「売り込み」と感じさせないよう、知的好奇心を引き出し、好感を持たれるアプローチが重要で、この好感を得るための3つの要素として、入り口の建付けを工夫すること、商品を無理に勧めないこと、時間をかけて丁寧に説明することが肝要と解説して、締めくくりました。

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2024年5月 6日 (月)

「受け継がれし明治のドレス」昭憲皇太后御大礼服 特別展

 今年は昭憲皇太后百十年祭・霞会館創立百五十周年の式年にあたるとのことで、これを記念し、明治神宮ミュージアムでは「受け継がれし明治のドレス」をテーマに記念展が開かれています。

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 ここでとくに注目されたのが、京都の大聖寺が所有する昭憲皇太后御大礼服の展示です。これは明治時代、昭憲皇太后が女性皇族で初めて洋装した現存最古の大礼服で、約5年間かけて修復され、昨年に完了し、本展で初公開となったものです。
 私は4月6日のシンポジウムに参加し、修復プロジェクトに携わった国内外の研究者の方々のお話を拝聴しました。その一人、中世日本研究所(京都市)所長のモニカ・ベーテさんは刺しゅう糸から、この大礼服が明治20年代に日本で作られた可能性が高いことを指摘されました。
 その実物を目にして、当時の刺繍や織り方はまさに超絶技巧の技が駆使されて仕立てられていたことが分かりました。
 またこのシンポジウムには秋篠宮妃紀子さまも聴講されていました。じっと耳を傾けていらっしゃった、その気品のあるお姿が印象的でした。

 ミュージアムでは宮中へ洋装が導入される以前の重要儀式で昭憲皇太后がお召しになられていた装束、いわゆる十二単なども併せて、広く紹介されていたのも興味深かったです。 
 なお、本展は前期と後期に分かれていて、後期は5月25日~6月30日まで、前後期で展示品は全て入れ替わるとのことです。

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2024年5月 5日 (日)

24/25秋冬ハトラ 「Orbs (オーブ=球体)」をテーマに

  「ハトラ(HATRA)」は東京ブランドの中でいち早くファッションとテクノロジーの関係性に着目し、3DクロスシミュレーションやAI技術の応用を通して、新しい身体感覚の在り方を模索しているブランドです。

 ブランドを手掛けるファッションデザイナーの長見佳祐さんは、コンセプトに「リミナル・ウェア」を挙げています。これは分解人類学の領域で「境界性」という意味で用いられている「リミナリティ」に由来する言葉で、日常と非日常、インドアとアウトドア、プライベートとパブリックなど、異なる場面をシームレスに繋ぐ「境界線上の服」です。また心理的に揺れ動く人間関係の中にいることが不安になるなど、誰にでもあるそうした「境界的な」状況に寄り添うための服でもあるといいます。
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  そんなハトラの今季は「Orbs (オーブ=球体)」がテーマです。会場となった東京・恵比寿のギャラリーには曲線的なラインが印象的な、身体を包み込むようなシルエットの服が勢ぞろいしていました。
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  中でも注目されたのが、ジャカード・タペストリーレーベル「ヴィジョン(VJQN)」のデビューです。デジタルイメージをコンピューターの起源とも言われるジャカード織機で織り上げ、再現したアイテムで、新作の「VJQN-Orbs」には揺れる水面のようなグラフィックが施されています。
  現在、オンラインにて受注を受け付けているとのこと。布によるグラフィック表現の新しい可能性、期待されますね。

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2024年5月 4日 (土)

24/25秋冬リトゥン・バイ 「ほろ苦いシンパシ―」テーマに

  リトゥンバイ(written by)は、デザイナーの山縣良和さんが手掛けるリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)のセカンドラインです。
その24/25秋冬ものを発表する展示会が、目黒区駒場で開かれ、行ってきました。
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 テーマは「bittersweet sympathy (ほろ苦いシンパシ―)」です。忙しなく過ぎ去っていく日々の細やかな喜びや切なさ、日常の情景からインスパイアされた新しい家族をモチーフに展開しています。

 Img_64451_20240515084001 中でも目を惹くのがプリント柄です。
 丁寧につくられた紙のちぎり絵や切り絵が取り入れられていて、誰もが心の奥底のどこかに持っている郷愁を誘います。
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 手づくりのあたたかな温もりを感じさせるコレクションでした。

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2024年5月 3日 (金)

24/25秋冬「ネスト」合同展 今季も3ブランド出展

 ネスト・クリエーション・ラボの24/25秋冬ファッションブランド合同展が、この3月末の3日間、南青山のギャラリーで開かれました。
参加したのは前回同様、ゾエル(ZOELLE)とトーゲントーゲン(tohgentohgen)、モディスト(Modiste)の3ブランドでした。

ゾエル(ZOELLE)
 クリエイティブディレクターは、かつてイッセイ・ミヤケのプリーツ・プリーズのデザイナーを務めていたゾーイ・チェン( Zoe Chen)です。彼女は、グラフィックを通じて華やかでアート性の高いファッションを表現しています。とくにプリーツが特徴的な、動きのあるワンピースやスカートが印象的です。Img_64571_20240513195201

Img_64591 トーゲントーゲン(tohgentohgen)
 スーチングスタイルを中心に据え、ダイバーシティムードをテーマに、スタジオ54(Studio 54)に集うセレブリティの煌びやかな装いに焦点を当てています。このクラブは1977年にマンハッタンでオープンし、伝説となっています。

モディスト(Modiste)
  パリに一軒しかない木型屋さんla formeの木型や、1880年から続くlegeronのコサージュたちと共に、フランス仕込みのエスプリとクチュールテクニックと共に日本のアトリエで一点一点丁寧に作ったハット&ヘッドドレスが人気のブランドです。1_20240513195201

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2024年5月 2日 (木)

東京ケアウィーク’24 ⑵ 介護予防・健康長寿商品

 先般の東京ケアウィーク’24で、気になった「介護予防・健康長寿」商品を二つ、紹介します。

 一つは、フットマーク(株)の車椅子用ワンタッチベルトキーパーです。
 最近、車椅子で転倒する事故が増えているようです。もしもそんなことが起きたら死に繋がりかねません。それぐらいベルトキーパーは大切なツールです。
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 今回、同社が発表したベルトキーパーは、前方でも留められるように工夫されているので、一人でも装着できる利点があります。日本医療科学大学作業療法学専攻の研究者と共同開発したもので、車椅子ユーザーにとってより使いやすいものになっているとのことです。

 もう一つは、ユニチカトレーディング(株)のELECTEX(エレクテクス)と「くぅぽの」です。
 ELECTEX(エレクテクス)は、心電計測用の繊維型電極モジュールで、これが画期的なのは、繰り返し使える、リユーザブルであることといいます。
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 心電データのモニタリングで電極は必要不可なパーツの一つですが、現在、主流となっているのは、「使い捨てパッチ」と呼ばれるものや、「粘着剤」を使用したものだそうです。このELECTEXは繰り返し洗濯しても性能が衰えない、新しいタイプの電極で、繊維型でもあり、肌に直接触れる電極として金属型やゲル型と比べて装着時の冷たさがないのというのも訴求ポイントです。

 「くぅぽの」は、3Dプリンターで作られている自助具です。材料に感温性フィラメント「TRF」が使用されているので、ドライヤーや温水等の簡単な加温で使う人に合わせて形を調整することができます。
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 商品は食事のサポートを主としたユニバーサルデザインの手指固定具3タイプです。(上の写真参照。この写真はホームページからお借りしました。)
 これがあれば、これまで使えなかったカトラリーのスプーンやフォークを持って食事ができるようになります。
 身体が不自由な人が日常生活の動作をより便利に、より容易にできるように工夫された道具、自助具に拍手です。

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2024年5月 1日 (水)

東京ケアウィーク’24 ⑴ KUTO「スルースリーブ」に注目

 東京ケアウィーク’24がこの3月12日~14日、東京ビッグサイトにて開催されました。これはケアテックス東京、ケアテクノロジー東京、ヘルスケアジャパン東京、カラダケアEXPO東京の4つの専門見本市から成る介護・健康施術業界必?の見本市です。超高齢社会を迎えるわが国では、健康長寿を促進する商品やサービスのマーケットの急拡大に伴い、ニーズが急激に高まっているとあって、今期も 約430もの企業が一堂に集結しました。

 「介護予防・健康?寿」に特化した商品・サービスを見て回る中、「おやっ」と目が留まったのが、(株)KUTOの「スルースリーブ(Through sleeve)」シャツです。麻痺があっても片手でらくに着ることができるシャツで、これなら誰でも自由に気軽にファッションを楽しめます。まさにユニバーサルファッションのシャツです。

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 その着やすさに特化したポイントは3つあります。
Img_61201  一つ目は、脇と肘が伸びること。左右の脇下にひし形のストレッチ素材を使うことで、肘が脇を通るときに脇の部分のストレッチ生地が伸び、腕を通しやすくなっています。


Img_61221   二つ目は、袖のカフスがゴム仕様であること。袖のカフスはゴム仕様にすることで、手を通すだけで留めることができます。また手の拘縮が進んだ方には、カフス部分が大きく広がるマグネットボタン仕様も用意されています。

Img_61211pg  三つ目は、マグネットボタンでらくらく開閉できること。前立てのボタンはマグネットのボタンを使うことにより、力を入れなくても一番上のボタン位置を合わせるだけで下まで簡単に留まるようにしてあります。

 メーカーの(株)KUTOは島根県松江市にある縫製工場です。同社代表取締役の福田圭祐氏は、「スルースリーブ」シャツ開発のきっかけを次のように語っています。
 「妻が闘病中に洋服の着替えに不自由を感じ、好きな服を着て前向きに生き抜いた経験から、身体障害者や医療機関、学校の関係者と協力し、実際のニーズに応える素敵なデザインの服を作りたいという思いで事業化を決意しました」と。
 日本には132万人もの人々が脳卒中やALS、パーキンソン病などの病気や障害により洋服の着替えに困難を抱えており、ファッションを楽しむことを諦めざるを得ない状況にあります。しかし、こうした方々は介護用の服や大きめの服を着たいわけではなく、一般的な服を着たいという願いを抱いているのです。
 福田氏は、彼らが特別なものを求めているのではなく、通常の生活を取り戻したいという願いを持っていることを知り、介助者にとって着せやすい服ではなく、自分で着られる服をつくろうと決意。その結果、袖を通すことに特化した「スルースリーブ」シャツを生み出したといいます。
 
 このシャツは、このほど国際ユニヴァーサルデザイン協会(IAUD)主催 「IAUD国際デザイン賞」で、銀賞を受賞しました。
 表彰式での審査員のコメントは、「見た目が他のシャツと変わらないデザインで、腕の動きが制限されていても、身なりを整えたい、そうした状況の人々の特別なニーズを満たしています」。

 襟付きのシャツを一人で着て出かけることで、もう洋服の着替えで家族や他人に迷惑を掛けないで済むのです。それだけで人は自尊心が守られ、前向きで幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。これもファッションの力です。
 「スルースリーブ」はこれまで服を着ることを諦めていた方々に希望を与えてくれることになるでしょう。

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2024年4月30日 (火)

「コダワリノヌノ2024」展 川村ニットの熟成綿に注目

 「コダワリノヌノ2024」展が、去る3月27日~28日の2日間、渋谷区文化総合センター大和田2Fのギャラリー大和田で開催されました。
出展したのは、泉工業(株)、井脇織物(株)、島田製織(株)、有限会社カナーレ、川村ニット(株)、(株)ワンエニー、カネタ織物(株)、宮下織物(株)、加栄レース(株)の1府8県9社です。各社の匠達が織りなすコダワリの生地が展示されました。

 中でも目新しく思ったのが、川村ニット(岐阜県)が手掛ける熟成綿です。
 熟成綿とは、水分を十分に吸収させて綿が開花した状況に戻したコットンのことです。
 熟成室という多湿の環境で綿のスライバーを20~40日間、保存すると(これを熟成すると言っています)、綿繊維1本1本の天然クリンプが増え、公定8.5水分率が8.5%近く上昇。綿繊維が膨れて太く柔らかくなり強度が増し、紡績し易い状態になるといいます。
 Img_64181   やわらかな肌触りが気持ちいい熟成綿ニットに注目です。

 島田製織(兵庫県)は播州織の産元で、洗練された高級感のある先染め綿織物に定評があります。シンプルなものからファンシーまで、様々。
 左はファンシーなコードレーンギンガムです。右はよろけ織です。限られた機屋でしか織ることができない希少な織物です。
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 井脇織物(和歌山県)
Img_64211jpg_20240513085401  コットン/レーヨンのロングパイルです。シルクのような光沢とふっくらしたハリ・コシ感、きしみ感があるのも魅力の生地です。

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2024年4月29日 (月)

Ifs未来フォーラム~2024年から始めるサステナビリティアクション~ ⑵ 「Z世代」×「旅」をテーマに

  「ifs未来フォーラム2024~2024年からはじめるサステナビリティアクション~」では、トークセッション1に続くトークセッション2で、「Z世代」×「旅」のテーマが取り上げられました。

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 セッションのタイトルは、「令和的非日常~ Z世代の旅から見えた、これからの『消費の兆し』と『マーケティングの方向性』~」でした。中村ゆい氏がファシリテーターを務め、(株)JTBコミュニケーションデザインの吉濵 舞氏とifsの小林脩人氏がゲストとして参加し、座談会形式でディスカッションが行われました。

  セッションではまず、旅から見えたZ世代の消費の兆しについて解説がありました。
 Z世代は、より高い目標の達成から等身大の目標の実現へと価値観がシフトしており、また社会への関心が一般的な社会全体から身近なコミュニティへと変化しています。彼らの消費キーワードは「小さな安心を積み重ねる消費」や「心理的なつながりを求める消費」であり、自己表現よりも自然な自己を重視し、SNSを日常の記録や思い出のアーカイブとして活用しています。

 次に、「令和的」マーケティングの方向性について、Z世代が内面的な満足感を求める傾向が強まっていることが強調されました。これに伴い、消費者との関係が平成時代のような一方通行から、より対話的で参加型の関係へと移行していくことが示唆されました。
 コロナ禍を経て、若者世代の旅の在り方が大きく変化していることが浮き彫りになった興味深いセッションでした。

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2024年4月28日 (日)

ifs未来フォーラム~2024年から始めるサステナビリティアクション~ ⑴ 「あしたの消費のドライバー」

 伊藤忠ファッションシステム株式会社(以下、ifs)が2月末に開催した「ifs未来フォーラム2024~2024年からはじめるサステナビリティアクション~(以下、未来フォーラム)」に参加しました。
Ifs  「サステナビリティ」というテーマにふさわしい、東京・南青山の緑豊かなLittle Darling Coffee Roastersを会場に、ファッションや化粧品、食、自動車、百貨店、不動産、商社など様々な業種から約200人が集う中、世の中の今と未来を読み解き、一歩先の新たなビジネスの可能性を考えるトークセッションが実施されました。 
 クローズアップされたのは環境意識が高いといわれる 1996年ごろ~2012年ごろ生まれの「Z世代」です。彼らは2020年には全人口の約3分の1となり、今後収入の4分の1を占め、未来を大きく動かす存在になると予測されています。

 トークセッション1では、「あしたの消費のドライバー」と題して、ifs 未来研究所の上席研究員である小原直花氏と浅沼 小優氏が登壇し、ファシリテーターにはifs未来研究所の所長代行である山下徹也氏が務めました。彼らは2024年の消費を動かすキーワードとして、「コミュニティコマース」、「ケアリングエコノミー(思いやり経済)」、「メタバースへの参加」、「ゆっくりとしたリカバリー」を挙げ、消費の牽引役となるZ世代の消費マインドを掘り下げました。

 特に注目すべきはifs独自の世代マーケティングです。コロナ禍が明けて、気候変動への意識が高まるとともに、人との交流が活発化しています。自己や周囲への関心が強まる中、男性は仕事、女性は家庭に重点を置く傾向も根強く残っており、年齢によって異なるライフステージの影響が顕著になっています。リタイア世代がのんびりとしたリラックスムードを楽しんでいる一方、40代以下は経済的な不安や政治への不信感から「いらいら」した気分を抱える人が多く、現役世代ではとりわけ経済的不安や人間関係、ストレスケアに対する不安・心配が高まっていると指摘されています。

 この中で浮上しているのが、ifsが新しく発表したオリジナル世代区分の「Self-D世代」です。Z世代の中の18~22歳、2001年~2004年生まれの若者世代を指し、“ Self-D”の “ D” はDiscipline(自律)/Diversity(多様)/ Defense(防御)を表しています。「不安定さ」、「あわただしさ」、「さみしさ」を感じつつも、新たなチャレンジや興奮を求める気持ちが強い世代とされています。

 その特徴は「自分の暮らしは自分で守る」、「他者の視点を積極的に取り入れて自身の可能性を広げる」、「成長の実感が不安を解消。常に動き続けることを意識する」、「お金は自分の選択肢を広げてくれるもの」、「消費は自分の成長を映すもの」にあります。企業はこれらの特性を踏まえた上で、新たなビジネスを創出していくことが重要だと強調されました。

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2024年4月27日 (土)

第11回綿織物産地素材展 新規増え活気のある商談風

 日本綿スフ織物工業連合会(綿工連)主催の第11回綿織物産地素材展が去る3月半ば、東京・六本木の綿工連会館にて開催されました。
出展者は、株式会社杉岡織布(高島)、高麻株式会社(高島)、辰巳織布株式会社(大阪南部)、東洋織布株式会社(知多)、株式会社ミツノブ(九州)、株式会社和紙の布(大阪南部)の6社で、辰巳織布と東洋織布は2年ぶりの出展でした。
 小規模ながら、活気のある商談風景が見られました。主催者によると新規の来場者が増えたとのことで、今後の動きが期待されます。

Img_61371 株式会社ミツノブ(九州)
 久留米絣の伝統を受け継ぐ久留米織の織元です。
 昔懐かしい感覚を残しながらもモダンに仕上げた生地が揃っています。
 多用途に使いやすそうです。

高麻株式会社 (高島)Img_61571  
 オリジナル高島ちぢみ、先染めで綿100%。
 2重ビームのサッカーちぢみなども。



株式会社杉岡織布(高島)
 撚糸技術を活かしたちぢみで、独特の繊細なカラーグラデーションが美しい先染め楊柳を提案しています。日本の蒸し暑い夏に最適な機能とファッション性を備えた生地です。Img_61391

株式Img_6174 会社和紙の布(大阪南部)
 和紙40/綿60 蜂の巣状の織り目を持つワッフル織。
 カサッとした独特の温かみのある風合いに惹かれます。

東洋織布株式会社(知多産地)
 昭和初期に一世を風靡した知多木綿の産地からの出展です。帆布からガーゼまで、様々な白生地コレクションです。Img_61301_20240511174701

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2024年4月26日 (金)

ネクストファッションデザイナー インクルーシブ受賞作品

 東京都主催の学生向けファッションコンクール「Next Fashion Designer of Tokyo 2024(ネクストファッションデザイナー オブ トーキョー2024) 」と日本独自の着物などの文化や伝統を現代のファッションの力により新たな形で世界に発信していく「Sustainable Fashion Design Award(サステナブルファッション デザイン アワード)」の最終審査作品発表会が3月20日、有楽町マリオン センターモールにて開催されました。
 今年で2回目の開催となるネクストファッションデザイナーには約1300件、サステナブルファッション・デザインアワードには約1000件と、昨年の4割増となる約2300件の応募が集まったそうです。
 応募者が急増した背景には、豪華な審査員陣や賞金だけでなく、提供される教育プログラムも大きく寄与したといいます。このプログラムは単なるアワードで評価されるための指導ではなく、クリエイターとしての視点からデザイナーとしてのビジネス展開に必要なスキルまで包括的にカバーしています。それが将来的なデザイナーとしての成功を目指す人々にとって大きな魅力となっているようです。

  各部門の受賞作品が表彰される中、とくに興味深かったのがインクルーシブ部門です。障害のある方の着用を前提としたデザイン部門で、大賞に輝いたのは、東京モード学園の速水美里さんでした。

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 上が速水美里さんの作品「あべこべ」です。視覚障がい者の方を対象とした前後裏表の無い四方面で着ることのできる服をコンセプトに、日常生活を送る上で、前後裏表を確認せずに容易に着脱できる服を制作したとのことです。柄は汚れが目立ちにくいマーブル模様を、ニードルパンチで表現しています。布にフエルトを打ち込んでいるため、立体感を出しつつ、汚れたりほつれたりした際もすぐに修正できます。ニードルパンチの特性であるダブルフェースという持ち味を生かし、裏表見え方の変わるデザインを意識したといいます。

 優秀賞は二人で、一人は東京モード学園の佐藤愛海さんの作品名「Color Freedom(カラーフリーダム)」です。
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 青色は人に落ち着きを与え、黄色は明るさや元気を与えるとされています。対比の強い色を使用することで異なる色を識別しやすくなり、青色と黄色は色盲の方でも識別が容易です。色は悩むものではなく、楽しむものとして捉えられるべきという考え方で制作されたとのことで、すばらしいです。

 もう一人が文化服装学院の松本優美永さんの作品名「Comme Je Suis(ありのままの私)」です。
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 着心地を重視し、ゆったりとしたサイズ感で、動きやすいストレッチ素材を使用。袖が汚れた際、簡単に取り外しができたり、スカートは紐を引っ張ることで、使い勝手の良さを考慮していたり、またその日の気分でフォルムを変えることができたり、機能的なデザイン性が評価されました。

 今年は初年度よりもインクルーシブというテーマへの理解が深まり、多様な視点から見た思いやり溢れる作品が多く集まっていた印象です。全体に見ごたえのある発表会でした。

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2024年4月25日 (木)

TOKYO AI Fashion Week/2024 A/W Contest 結果発表

 「TOKYO AI Fashion Week/2024 A/W Contest」の審査結果が発表されました。
 RFWT(楽天ファッションウィーク東京)のリリースによると、国内外から集まった応募総数1,900以上の作品の中から、最終審査に進んだ90作品に対して、一般投票と審査員による投票によって下記、最優秀賞と優秀賞の全3作品が決定したとのことです。

Ai1  最優秀賞「Ninja Revival - 令和に転生した忍者たちの裏甲賀すぎるランウェイ」
 Creator Name: Satoshi Sakai
 黒装束を纏わなくても、天井を歩いたり水の上を歩いたり壁をよじ登ったり、その動きは忍者そのもの。明るく楽しい令和版忍者が発現されています。

 Ai3 優秀賞「smoke to wear」
 Creator Name: こまれ
 煙を着る、そんな決まった形がない服に未来を感じます。



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 優秀賞「clothes for animals」
 Creator Name: つじ
 動物達の美しさを最大限引き出すために生み出したコレクションだそう。思わずギョッとさせられた刺激的な作品です。



 今や、生成AIによるデザイン革命が起こっています。新たなアイディアやデザインが次々と生み出され、従来の常識を覆すような斬新な作品が生まれています。この革命により、デザインの可能性が無限に広がり、創造性を持った人々がますます活躍する時代が訪れようとしています。そう思うと、ちょっとワクワクしてきますね。未来がどうなっていくのか、楽しみになります。

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