2018年10月19日 (金)

コットン・ファッション・セミナー開催のお知らせ

 今シーズンもまた、コットン・ファッション・セミナーを下記の通り開催いたします。
 皆様のご参加をお待ちしています。

 なお、一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「Newsプレスリリース」ページに、「コットン・ファッション・セミナー開催」の記事が掲載されています。http://cotton.or.jp/seminar.htmlをクリックしてご覧ください。

                   記

テーマ:「2019/20秋冬~2020春夏コットン・ファッションと素材の傾向」
講 師:柳原美紗子(ファッション・ディレクター)

日程および申し込み先
■ 大阪 11月9日(金) 2:00P.M~4:00P.M. 大織健保会館8階
  主催/協同組合 関西ファッション連合 
  申し込み先/電話06-6228-6525

■ 東京 11月12日(月) 1:30P.M~3:30P.M.  東京ウイメンズプラザホール
  共催/東京織物卸商業組合、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
  申し込み先/一般財団法人日本綿業振興会 電話06-6231-2665

* 大阪と東京の各セミナーは主催団体が異なります。お申込み・お問合せは、必ず直接それぞれの団体にお願いします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月18日 (木)

2019/20年秋冬コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「Newsプレスリリース)の10月15日付けで、柳原美紗子が寄稿した「2019/20年秋冬コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。http://www.cotton.or.jp/pressrelease.htmlをクリックしてご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月17日 (水)

「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」内覧会

 先月末の28日、パナソニック汐留ミュージアムで特別展「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」のプレス内覧会に参加しました。本展は同ミュージアム開館15周年、ルオー没後60年を記念した展覧会です。ルオー財団理事長ジャン=イヴ・ルオー氏も来日され、監修者の後藤新治氏(西南学院大学 教授)、担当学芸員の萩原氏とともにギャラリートークをしていただきました。

 ルオーといえばフランスを代表する宗教画家です。とはいえその宗教画は当時としてはさぞかし革新的だったことでしょう。宗教という古典的画題でありながら、それを実に現代的(モデルニテ)に表現しているのですから。そこで副題が「聖なる芸術とモデルニテ」なのですね。
 この聖なる芸術を軸に作品を生み出していったルオー。その一つ一つに当時の社会に対する「祈り」が込められているようです。展覧してみて心にジンと来るものを感じました。「愛のすべて。」というタイトルコピー、まさにぴったりです。

 展示されているのは約90点で、4章立て構成になっています。
 (なお画像は特別な許可を得て写真撮影しております。)

第1章 ミセレーレ:蘇ったイコン
 「ミセレーレ」とは、ルオーの銅版画集で、慈悲と戦争をテーマにした作品です。
Img_69571 Img_69571_2
 「生きる苦悩」と「愛の救済」が、沈鬱なモノクロームを通して伝わってきます。

第2章 聖顔と聖なる人物:物言わぬサバルタン
 ルオーは最晩年まで、「聖顔」を描き続けたといいます。このキリストの顔の正面だけを描いた「聖顔」には、サバルタン(被制圧者)たちへの思いも表象されているのですね。
Img_69611
 慈愛に満ちた優しい表情の中に、虐げられた人間の苦悩が込められているように思われ、本当に印象的でした。

Img_69661jpg  上右は「ヴェロニカ」という作品。ポスターやちらしにも掲載されています。潤いを湛えているような大きな瞳が美しい!

Img_69381  上左は「サラ」です。ジャン=イヴ・ルオー氏が、ルオーのオフィスに長年架かっていたルオー最後の作品の一つと、紹介してくださいました。

第3章 パッション:受肉するマチエール

Img_69781  上は「受難(エッケ・ホモ)」。荘厳な気持ちになります。

 この頃からルオーは「削り取る」から「積み重ねる」手法へ技法を変化させていったことがわかります。

第4章 聖書の風景:未完のユートピア

Img_69911jpg  ここではルオーがイメージする理想の社会を描いた絵が展示されています。そこには人々が佇む広場があり、三角形の道の奥には建物が建っていて、周りは海だったり、木々の向こうに山々が連なっていたり、天空には必ず太陽か月が描かれています。
 これはルオーの理想郷だったようです。理想ゆえに現実との落差がより強調されている、神秘的で奥深い絵です。

 この他にも興味深い作品が多数ありました。
 開催は12月9日まで。詳細はhttps://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/18/180929/にてご確認ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月16日 (火)

PVパリ⒇ デザイン力の高さを示す日本の品質

 2019/20秋冬は全般に洗練されたエレガントな趣の中に、思いがけない装飾効果が求められるシーズンです。
 トレンドフォーラムでも、目が向けられたのはファンシーな表面変化や仕上げ加工のもので、日本の高いデザイン力を見せる素材が数多く見られました。

 サンコロナ小田は、同社のシンボルでもあるエアリーなオーガンジーをベースに、中肉ストレッチを強化していたのが印象的です。Img_64331
 とくに注目は右のモルフォデニムです。
 スパッタリング手法による薄膜の玉虫シャンブレーが、幻想的なイマジネーションを呼び起こす美しい素材です。


Img_62691jpg  宇仁繊維
の小紋工房では、右の木の葉柄のカットジャカードが一番人気といいます。
 植物の葉という自然を連想させるモチーフと、イエローカラーに注目が集まる、シーズントレンドを上手に反映した生地です。 

Img_62951  桑村繊維は先染めシャツ地が好調の様子です。とくにシャーリングによる不規則な凹凸の表面感に、モールヤーンを格子状に打ち込んだ織物が好評とのこと。
 柄は大柄化しているといいます。

Img_61301jpg プリント生地の北高では、伊藤若冲の絵柄から取った柄が人気で、右の雄鶏の柄はフォーラムでも大きく掲げられていました。
 今年はパリで「ジャポニスム2018」のイベントがくり広げられています。この影響もあるのでしょう。日本的なイメージは例年になく受け入れられているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月15日 (月)

PVパリ⒆ アスレジャーを推進する日本のニット

 今期PVパリが推進したのがエコ素材と、もう一つがスポーツです。スポーツ&テックエリアを新設するなど、スポーツを業界の戦略的発展の軸と位置付けていました。
 多くのメーカーがスポーツウエア向け素材や機能性素材にスポットを当てるなか、日本のカットソーのニットメーカーでは、アスレジャーを推進する動きが広がっているようです。アスレジャーとは、「運動競技(Athletic)」と「余暇(Leisure)」を組み合わせた造語で、スポーツウエアを普段着として着用するスタイルを指しています。 

 エイガールズでは、テーマを「アクティブ・ラグジュアリー」とし、スポーツのムードを採り入れたニットを提案していました。
Img_62321  
Img_62301  ウールの段ボールニットや裏毛、右のようなスエード調のブークレ・ブラッシュト・ジャージー(綿/ナイロン)など。
 今シーズンは「オーガニック」コーナーを設け、サステナブルもアピールしていました。

Img_64101jpg  宮田毛織では、キルティングのベストを仕立てて展示、新開発のキルティングニットを訴求していました。
 右はコットンにポリエステルやポリウレタン複合のもの。
 ダウンに代わる軽くて温かい素材です。

Img_64191  ミナミはパーカ向けなど裏毛が得意。今シーズンも独自のオリジナルを提案しています。
 とくにゴツゴツした感じに見えて実はしなやかなパイルや、ポリウレタンコーティングでレザー調に仕上げたしっかりしたタッチのジャージーが好評といいます。

Img_64141  カネマサでは、布帛風のきっちりとしたジャージーが人気といいます。
 たとえば右のようなハイゲージのニットです。千鳥格子などとのダブルフェイスのジャカードニットで、右は綿100%のものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月14日 (日)

PVパリ⒅ エコ素材を発信する日本企業が増加

 今期PVパリは、“責任あるクリエ―ション”を掲げる「スマート・スクエア」が、エリア面積を倍増する1,000㎡規模で開設されるなど、サステナビリティの重みが急速に増すシーズンとなりました。もとよりエコなコットンも、より環境負荷の少ない生産体制へ動きを強めています。
 こうした中、エコ素材を発信する日本企業が増加しています。

 タキヒョーでは、循環社会を意識した取り組みを訴求し、とくにコットンで合繊のスポーツ機能を採り入れた合繊風コットンをアウトドア向けにアピールしていたのが印象的でした。綿100の薄地オイルコーティングやかすりのように見えるものなど、綿高率混で展開しています。
Img_62821_2 Img_62841jpg


 またリサイクルポリエステルやリサイクルナイロンも、天然風に見えるものを追求しているといいます。
 さらに同社独自の英国式紡績糸によるシェットランドウール素材も軽さと肌触りの良さで人気だそう。この他ヤク/オーガニックコットンのブランケットなども揃えて、天然素材に力を入れている様子が伺えました。 

 シバヤも自然素材にこだわるメーカーです。
 今シーズンはテキスチャードな特殊加工が一押しでした。たとえばコットンのペーパーライク加工Img_63891やウールのラフな凹凸加工の「バンピー・フィニッシュ(Bumpy finish)」など。
 またフェイクファーやパイルでは、右のようなリサイクルウール使いで、海のマイクロファイバー汚染を防ぐ提案を見せています。

 瀧定名古屋のJAファブリックでは、自然環境への配慮をブース全体で打ち出していました。カラーは暖色系に統一、什器はすべて木製で、北欧調の演出です。主軸のウールはRWS(レスポンシブル・ウール・スタンダード)認証のものだそうです。ポリエステルもリサイクルを増やし、エコを訴求していました。
Img_63181  
Img_63111  チクマも、リサイクル合繊やキュプラ、クリーニング不要のウォッシャブルなウールなどを提案、エコに的を絞った展開を見せていました。
 右はウール/ポリエステル混です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月13日 (土)

PVパリ⒄ ニッケ デニムを大々的に打ち出す

 ニッケ(NIKKE 正式名称は日本毛織)といえば日本が誇る毛織物製造のトップメーカーです。PVパリが日本に門戸を開いて以来、毎シーズン出展し、PVアワードにも入賞しています。 
Img_63021  今回、その社名のサインボードにデニム生地が貼り付けられていて、ちょっとびっくり!
それもセルビッチデニムです。

 同社は今季、来秋冬シーズン向けにデニムを大々的に打ち出していたのです。もちろん最高級の梳毛デニムです。日本でも展開しているニュージーランド産の希少なエキストラスーパーファイン「マフ」ウールデニムと思われます。ストレッチ性を持たせたものも多く、綿混もほんの一部でしたが見られました。
Img_63051  
 インディゴ調のカラーリングで表現したデニムの質感には、滑らかなものからツィーディなタッチのものまで様々。いずれもウールならではの柔軟性や弾力性があって洗練された高級感があります。
 デニムはもうカジュアルだけにとどまらない、テーラードなスーツやドレス、パンツ地にも広く受け入れられる素材になっていることを、改めて印象付けられました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月12日 (金)

PVパリ⒃ クラボウデニム「リターン・コットン」訴求

 サステナビリティ(持続可能性)への関心が強まるなか、PVパリのジーンズエリア「アッパー・ジーンズウェア」に出展した企業も、エコを前面に打ち出していました。
 その一つがクラボウデニムです。
Img_63711 
 今シーズンは同社デニムのプレミアムライン「プライムブルー」をメインテーマに、「リターン・コットン」の名称で、“責任あるクリエ―ション”を訴求していました。
Img_59941  これは紡績工程で発生した未使用繊維を利用したリサイクルデニムです。
 紡績の際、どうしても発生してしまう落ち綿を、日本では「もったいない」精神もあって昔から再資源化してきました。とはいえ品質の方は今一だったのですね。
 それをクラボウでは、遜色ないデニムとして生まれ変わらせていました。
 今や、リサイクルされた素材であることが付加価値を生む時代。クラボウのような大手メーカーが乗り出したことで、この動きますます広がりそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月11日 (木)

PVパリ⒂ デニムに勢い 日本製デニムに熱い視線

 デニムが秋冬も勢いづいています。日常に使いやすい居心地のよいデニムを中心に、80年代風のビンテージ感覚な本ものデニムや、きちんとした感覚のすっきりとしたダークなデニムなど様々。

  PVパリのジーンズエリア「アッパー・ジーンズウェア」に出展した日本企業は今シーズンも、他にはない差別化されたデニムを提案。バイヤーの熱い視線を浴びていました。

◇ショーワ

 中でも人気を一身に集めていたのがショーワです。

Img_59861_3  バリエーションに富んだ展開で、とくに工夫をこらしたオリジナルデニムに関心が寄せられていました。

Img_59831jpg_2  右はパンチング加工のメランジデニムです。
 温かそうなボコボコしたケバと、カラフルなカラーミックスが楽しい、綿100%のデニムです。
 PVトレンドフォーラムでもひときわ目を引いていました。
 ブースでもこのシリーズは好評だそう。

Img_59901jpg_2  また加工でもう一つ、マークされていたのが、プリーツデニムです。
 右はプリーツにブリーチングした、ポリエステル混デニムで、今後はこの分野にもより力を入れていきたいといいます。

◇日本綿布
Img_63681_2  
Img_63671jpg_2  ベーシック調に加えて、同社が誇るジャカードデニムの新作が目に付きました。
 バイヤーの入りも上々といいます。

◇クロキ
 来場者が少ないと言いながらも、固定客はがっちりつかんでいる様子です。
Img_63741_2 前面にデニムのトップスを並べるなど、品揃えの一層の充実を図っていました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月10日 (水)

PVパリ⒁ 「i-プレーティング」を実演した島精機に人垣

 プルミエールヴィジョン(PV)パリの「ニットウェアソリューションズ」エリアで、またしても人が押し寄せたのが島精機です。ちょっとした人垣ができていました。
Img_64621
 いつものように設置された巨大なマシーンから出てくる編地の模様は複雑です。 よく見るとそれはマリリン・モンローの顔でした。
 (顔の額の部分が光って上手く撮れていませんが、ご容赦ください)
Img_64641_2 お話を伺うと、今回の主役はホールガーメント機ではなく、同社が誇る世界初の技術「i-プレーティング」と呼ばれるオプションの訴求にありました。ブースではこのオプションを公開、実演されていたのですね。
 ところで「i-プレーティング」とは何かというと、多様な編成が可能な添え糸編です。i(アイ)は、「インテリジェント(intelligent)」の頭文字で、プレーティングは2本の編糸を同時に表裏に編分ける添え糸編のことだそう。
 この技術でジャカード柄のデザインを天竺編みで効率的に編成できるようになったといいます。

 新開発の「i-プレーティング」が搭載されてさらにパワーアップした島精機の成型編み機、ますます目が離せません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 9日 (火)

PVパリ⒀ PVアクセサリーに初出展した注目の2社

 次に初出展したのが、青山産業研究所(兵庫県篠山市)とユタックス(同西脇市)です。
 両社ともにホール最奥に位置していたこともあり、来場者は少なめだったようです。とはいえスタッフは満面の笑みで、初めてのビジネスに大きな感触を得たと話していました。
 この注目の2社をご紹介しましょう。

 青山産業研究所は、大正8年創業の“こはぜ(小鉤)”のメーカーです。「青山こはぜ」と言った方がわかりやすいですね。欧州市場に足がかりをつかもうと、PVアクセサリーにブースを出しました。
Img_64461  
 ところで“こはぜ”とは何かというと、足袋やImg_64401_2脚絆・手甲などの合わせ目を留める爪型の留め金のことです。主に真鍮やアルミ製で、金・銀製のものもあるそう。
 歴史は古くて、平安時代に始まるといいます。

Img_64441
  着物を着る人が少なくなった今、需要が衰え、その伝統の技を活かした新商品の開発に乗り出しているのですね。

 色も金、銀、黒といった通常のものから、ピンクやブルーなどカラフルなものも手掛け、バリエーションを拡大しています。

 スーツやシャツのボタン代わりに、またアクセサリーにと様々な使い道を提案し、「これがあの“こはぜ”!」と、私もびっくり。バイヤーの目を惹きつけていました。

 ユタックスは、既におなじみのグローバルカンパニーです。この7月のインナー素材の見本市「アンテルフィリエール・パリ」にも出展していました。とくにインナー資材や接着の技術は世界的に高く評価されています。実は私もその接着加工による縫い目の無い製品に注目している一人です。
Img_64531  
 今回、初出展したPVアクセサリーでは、「リキッド接着」加工を重点的に取り上げていました。 これはリキッド接着剤を使用したボンディングです。
Img_64521 これにより塗布する量や面積、布厚、形状を自在に調整、形成でき、生地や製品の伸びや張り、圧力などを、自由にコントロールすることが可能になったといいます。
 インナーに限らず、スポーツウェアなどアウター向けに用途拡大を見込んでいるとのこと。さらなる広がりが期待されます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 8日 (月)

PVパリ⑿ 初出展の丸正ニットファクトリーは手応え上々

 今年の日本の繊維品輸出は復活傾向にあるといいます。日本繊維輸出組合によると、18年上期(1~6月)は、前年同期比13%増だそうです。プルミエール・ヴィジョン(PV)パリでも、PVアワードで東レとスタイレムの2社が入賞し、日本の企画力・技術力の高さを世界に見せつけました。
 出展した日本企業は見本市全体で58社、集客が今一つ、というところもありましたけれど、全般に表情は明るかったです。

 まず初出展した企業を取り上げていきましょう。

 最初は「ニットウェア ソリューションズ」エリアに出展した丸正ニットファクトリー(新潟県見附市)です。
 ブースでは差別化された超高級糸を用いて、島精機の無縫製横編み機「ホールガーメント」で編み上げたニットウェアを提案、手応え上々といった様子でした。

Img_63231
 その一押しは極細メリノウール紡毛糸「プレボウ(PREBOW)」です。
 これはカシミヤよりもグレードが高いという極細メリノウール紡毛糸で、細さはカシミヤの15.5マイクロメーターに対し、プレボウは14.3マイクロメーターしかないとか。産地のオーストラリアでは羊にコートを着せて特別のプロテイン入りの飼料で育てているそうです。
Img_63331_2  この素材の48番手(よんぱち)双糸使いのニットは、とくに高難度で、世界にも類をみないといいます。私も触れてみて、そのふんわりとやわらかい、温かな感触にうっとり!
 この他カシミヤ、アルパカを始めとする超高級素材がずらり。コットンではウズベキスタン綿のコットン100%ホールガーメントのニットウェアがラグジュアリーブランドで人気といいます。
 デザインもエレガントで洗練されていて、しなやかさも抜群、さぞかし心地よいことでしょう。
 次回もまた、期待がつのります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 7日 (日)

PVパリ⑾ イタリアのメンズウェア アーカイブ特別展

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリ9月展では、もう一つのイベントとして、「“RITMOEMOTIVO ANYTHING WORKS”<エモーショナルリズム(感情のリズム)  コレクション>」というイタリアのメンズウェアに焦点を当てた特別展が行われました。
 これはフィレンツェ出身のファッションデザイナーでクリエイティブディレクターのステファノ・チアサイ(Stefano Chiassai)氏が、その約40年のキャリアの中で収集した選りすぐりのヴィンテージウェアを展示するもので、娘のコリンナ・チアサイ(Corinna Chiassai)さんの協力で実現したといいます。二人は2016年に、15,000点ものアーカイブをまとめた著書を出版、これが評判を呼んで、このほどPVパリでゲスト展示することになったとか。

 そのコレクションは次の3つのセクションで展示されていました。

◇ジャカ―ディング
Img_55531jpg_2  
◇ユニフォーミング
Img_55521
◇スポーティング

Img_55511
 さすがファッション大国、イタリアのメンズファッションって、奥が深いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 6日 (土)

PVパリ⑽ イエール国際フェスティバル グランプリ展

 今年もまたプルミエール・ヴィジョン(PV)パリ会場内で、イエール国際モード・写真フェスティバルのグランプリ作品展が行われました。
Sk412271
 このフェスティバルは若手デザイナーの登竜門といわれています。4月末に開催されたコンペティションで、2018年審査委員大賞(プルミエール・ヴィジョン賞)グランプリを受賞したのは、オランダ人新進デザイナーデュオでした。ロシュミー・ボッター氏&リシ・ヘレブロ氏の二人によるメンズコレクションです。ボッター氏は、オランダ領キュラソー生まれ、リシ・ヘレブロ氏は母親がドミニカ共和国出身というカリブにルーツを持っているといいます。

Img_62671
Img_62661  作品のテーマは“魚の戦い”です。
 展示されたワードローブ30点は、浜辺にうち捨てられていた廃品と思われるもので装飾されていました。

 ボッター氏は、故郷のキュラソー島が汚染され荒廃していることを知り、ビニール袋や漁網のしわ寄せ、シェルなどをデザインに取り込んだといいます。

 環境と海洋の保護という深刻な問題を、底抜けに明るく陽気に、ポップに表現した、実にユニークなコレクションでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 5日 (金)

PVパリ⑼ スポーツはPVのスーパースター

 ここ数シーズン、かつてなかったほどファッション業界に影響を与えるようになったのがスポーツです。プルミエールヴィジョン(PV)パリ9月展では、「スポーツはPVのスーパースター」と位置づけ、業界の戦略的発展の軸に据えています。
 出展エリアやフォーラムも再編成され、スポーツ&テックセクターをホール6に設置。これまでPVファブリックのテックセクターに出展していたスポーツウエア向け素材・機能性素材を提案する企業74社が、ここに出展しました。
Img_59421  
 フォーラムも一新され、新設されたのが「スポーツ&テック」フォーラムです。これは前シーズンまで「テック・フォーカス」と呼ばれていたフォーラムです。 

 このフォーラムでは、"FLUENT MOTION"(なめらかな動き)のテーマの下、高機能でクリエイティブな素材をはじめ最終製品のプロトタイプなども展示されました。
 その主な方向性を4つご紹介します。

◇アーバン・ライダー
Img_59751  自転車をはじめ、キックスケーターや立ち乗り電動スクーターなどのパーソナルモビリティ(1人乗りの移動支援機器)が登場し、新たなニーズが生まれています。そこで自宅、職場、レジャーの場を、軽快かつスピーディに移動するために、都会的でスポーティ、悪天候をものともしない素材が求められています。
 汎用性のある、軽くてエレガントなミックス調の素材が数多く提案されています。

◇アウトドア・アドベンチャー
Img_59451  登山や冒険といった昔ながらのスポーツに、トレイルランニングやクロスカントリースキーといった新たな活動が含まれるようになっています。
 安全で、保護性能に優れたウエアに、高性能でこれ以上ないほどコンパクトで軽量な素材が選ばれています。

◇アクティブ・スノー
Img_59471  スキーウエアは超高機能でありながらも、デザインは一見シンプルです。
 ゲレンデでも街でもエレガントに着用できるものが多く、素材はしなやかで柔軟性のあるのが中心。
 ウエアはボリュームがあっても快適で、動きやすいものになっています。

◇インドア・ウェルネス
 Img_59601 ヨガやピラティスといった軽めの運動が普及し、健康や幸福感を追求する人々が増えています。
 彼らが向かうのがアスレジャーな製品です。着心地がよくて、着る化粧品ともいえるような特性を持ったウエア、しかも見た目もよく、パーソナライズされたものが求められているのです。

 「スポーツ&テック」フォーラムでは、連日、スポーツとファッションの関係を掘り下げるカンファレンスプログラムが組まれていました。

 PVパリのこの動き、日本では東京オリンピック・パラリンピックを控えていることもあり、今後大きく波及していきそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 4日 (木)

PVパリ⑻ 「PVスマート・スクエア」エリア面積倍増

  プルミエールヴィジョン(PV)パリでは、今期で3回目となる「PVスマート・スクエア」を、ホール3に開設しました。エリア面積は1,000㎡に倍増され、責任あるクリエーションを重視していることがわかります。初日の記者会見が「PVスマート・スクエア」で行われたことも、そのあらわれだった、と思われます。
Img_56781
 このスマート・スクエアは大きく5つのエリアで構成されていました。
 中心となっていたのは「スマート・マテリアル」です。革新的でエコな素材(テキスタイル、レザー、ヤーン、服飾資材・部材)や、仕上げ加工の専門業者(染色やプリントのテクノロジーなど)、環境に優しい製造に取り組むメーカーたちが出展する、エコ素材などが提案されました。

 日本からの参加は3社で、旭化成のキュプロとロイカが新規出展、またシンドー(SHINDO)とYKKが継続出展していました。

Img_56721_3 右の写真はシンドーです。藍染めのグログランコットンやシルク、リサイクルポリエステルのニットテープ、オーガニックコットンのトーションレースなどを紹介しています。

Img_56691
 右はYKKで、リサイクルポリエステルのナチュロンやテンセル、オーガニックコットンとコアスパンのテープなどを出品していました。

Img_56351  「スマート・ワードローブ」では、実績のあるファッションブランドのウエア10点や、バッグ、シューズが展示されました。生地はPVパリ出展社のものが使われています。

 下は、アディダスAdidas x Parleyのランニングシューズです。
 Img_56381_3海洋プラごみをアップサイクルしたものだそう。
 2016年に日本でも発売されて人気を集めているといいます。

 この他、厳選された認証機関、協会、コンサルタントなどがブースを構えて、出展社や来場者にアドバイスを提供する「スマート・サービス」や「スマート・ライブラリー」、それに「スマート・トーク」も連日行われて、セミナーやパネルディカッションなどが開かれました。 Img_57651jpg_2  上はケリングによる「明日の贅沢をつくる (Cratfing tomorrow’s luxury)」と題したトークイベント風景です。グッチのようなラグジュアリーブランドを保有するコングロマリットだからできる、スケールの大きいサステナビリティへの取り組みが語られ、認識を新たにしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 3日 (水)

PVパリ⑺ 「マーケットプレイスPV」始動

 今期のプルミエールヴィジョン(PV)パリで、WEBサイト「マーケットプレイスPV」が始動しました。
Img_55361
 昨年9月展で構想が発表されて以来約1年がかりで、ようやくの出船です。会場の6ホール入口付近には、来場者が専門スタッフのアシストを受けながら、このプラッフォームを体験することのできるスペースが設けられていました。また会期中、マーケットプレイスの使用方法に焦点を当てたイベントも行われました。

 出展企業はこのサイトに登録することでプロフィールと素材6点まで掲載が可能です。年中無休でバイヤーとの関係を築ける一方、バイヤーは新しいサプライヤーを特定し、年間を通じて新しいクリエイションについての情報を得ることができるのです。
 既にPVファブリック出展企業の750社がアップされているといいます。

 なお、このサービスは今のところ、PVファブリックだけですが、2019年2月からPVレザー、2019年9月からPVアクセサリーがスタートするそうです。中期的には1,500の出展者と10万品目のコレクションの提供を目指すといいます。

 いよいよPVパリで始まったネット取引、見本市の機能を補完するものになっていくのか、今後を注視していきたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 2日 (火)

PVパリ⑹ 「コットンの新機能」でアメリカ綿出展

 今期もアメリカ綿のCOTTON USA(CCI国際綿花評議会 本部:ワシントンD.C. )がプルミエール・ヴィジョン(PV)パリの糸とファイバーの見本市「PVヤーン」に出展しました。これで3シーズン目となります。
Img_55551  
 ブースでは「コットンの新機能 WHAT’S NEW IN COTTON? 」をテーマに、最新のアパレルイノベーション技術を提案していました。
 その中から、初披露されたテクノロジーを4つ、ご紹介します。

◇DROPEL
 Img_55591jpg ニューヨーク発のDROPEL FABRICSは、合成繊維の性能を天然繊維の綿に取り入れた、パフォーマンス性の高い綿繊維を開発しています。
 DROPELTechコットンは、綿布の自然な柔らかさと通気性を維持しつつ、撥水性や防汚性にも優れているのが特徴です。
 また生地づくりのプロセスにおいても、サステナブルな技術で生産されているといいます。

 

◇DRY PROTECT
Img_55651  フランスのバイオテクノロジー・カンパニー、プロニームPRONEEM社が開発した抗汗、脱臭、抗菌機能加工です。
 古くから使われている化粧品に触発されて、アルムストーン(alum stone)とタルクという二つの天然鉱物が綿繊維に練り込まれています。

汗など、身体の湿気を完全に吸収し、嫌な臭いも防いでくれるそうです。


◇FIBREMARK SOLUTIONS
Img_55611  
同社は綿のトレーサビリティができる革新的なテクノロジー「ファイバー・トレース」を開発したメーカーです。本拠地はオーストラリアのクィーンズランドにあります。
 このテクノロジーにより、トレーサビリティだけではなく、リアルタイムの結果や情報もクラウドに転送されるようになり、綿花ブランドの完璧性を確信できるようになりました。
  コットン業界の持続可能な未来を達成するためには、完全な透明性と説明責任が不可欠です。「ファイバー・トレース」により、これが可能になったといいます。

◇ inTech
Img_55691_2  インテック デジタル テクノロジー(INTECH DIGITAL TECHNOLOGY)はグローバルなデジタルプリント・カンパニーです。
 トレードマークは、「ゼロD (ZERO-D)」と反応性顔料、「ドライ・ダイ(DRY DYE)」で、水を使わずにあらゆる種類の生地に、自由自在に直接染めることができるといいます。

 クリーンでサステナブルなデジタルプリント、今後ますます広がりそうですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 1日 (月)

PVパリ⑸ 「PVパースペクティブ」の素材ポイント

 プルミエールヴィジョン(PV)パリのトレンドを発信しているフォーラムが、「PVパースペクティブ」です。
Premierevisionparissept2018fabricsd  
 ここでは2019/20秋冬に向けてマークすべき素材がレザーやアクセサリーも含めて展示されています。
 全体に洗練された感覚で、しかもインフォーマル、つまりそれほどフォーマル過ぎず、またカジュアル一辺倒でもない、ほどほどの「カジュアル・シック」が中心です。
 とくに今シーズン新しく浮上しているのが、「堅牢」とか「荒々しさ」、「無頓着」といったキーワードです。とはいえ高級感や繊細、華麗といったテイストも兼ね備えています。

 ここで見られた素材のポイントとイメージ画像は下記のようです。

◇ミネラル(鉱石)
Img_67361  これは今シーズン、もっとも注目されているテーマです。
 未加工な外見や不規則なストラクチャー。
 岩石や樹皮、未発見の土地の風景など。

◇ブルータル(粗っぽさ)
Img_67021 
 触覚と視覚で遊ぶ。想像力をかき乱す。
 ランダム、乱気流へのアプローチ

◇ノンシャランス(無頓着)
Img_66452
 無造作でくったくのないカジュアル・シック。
 しなやかで心地よいボリューム感。

◇ソリディティ(堅固)
Img_67791
 スポーツやワークウェア感の機能性。
 耐久性のあるしっかりコンパクトな質感。

◇コンポジット(複合)
Img_66691
 自由な発想でミックスし、個性化。 大胆、かつ巧みに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月30日 (日)

PVパリ⑷ 2019/20秋冬カラーは暖色系にシフト

 2019/20秋冬は、暖色系のカラーが広がりそうです。
 前シーズンの春夏は、ブルーやグリーンの爽やかな色調が多かったのですが、秋冬には、明度や彩度を少し落とした中間色へシフトしています。
Img_56841  
 上はプルミエールヴィジョン(PV)パリ全体のトレンドフォーラム、「PVパースペクティブ」の2019/20秋冬のシーズンカラーです。
 暖かな赤茶系から鉱物を思わせる微妙なニュアンスのニュートラルなど、まろやかな雰囲気のカラーが多くなっています。
 ここではカラーパネルがモビールのように吊り下げられ、揺れ動いていました。お互いに補完し合えるカラーレンジであることを視覚的に表現したインスタレーションで、興味深かったです。 

 またもう一つ、とくに会場内で目立っていたのが、紫系のスモーキーなカラーで、随所に散見されました。
Img_62231jpg  右は、プレスルームのインテリアです。モーブカラーの床に濃紫の椅子が配されていて、それを引き立てるように壁にはイエローの流れるラインが描かれています。このイエローはグリーン味の鈍い黄色で、ネームホールダーの紐にも使われていました。

 カラーハーモニーは、多少の不協和音はあっても総じて調和のとれた穏やかな方向へ動いているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«PVパリ⑶ メインヴィジュアルからトレンドを読み解く