2017年6月23日 (金)

UKカルチャー回顧展「71-84」パンク盛りの時代リアルに

 1971-84年における UK カルチャーといえばアングラなサブカルチャーです。中でも70年代後半にイギリスで生まれたパンク・ロックにはものすごい勢いがありました。
Img_82701
 当時を回顧する展覧会「71-84」が今、東京・神宮前のThe Massで行われています。Img_82291パンクやニューロマンティック真っ盛りの時代でした。その一時代を築いた様々なカルチャーが、ポスターや写真、イラスト、それに実物も、リアルに展示されていて、「エーッ、こんなの初めて!」とびっくりするような資料もありました。15歳未満入場禁止は納得です。

 パンクファッションの女王、ヴィヴィアン・ウエストウッドがマルコム・マクラーレンと1971年に立ち上げたブティック「セックス」、1976年には改名されて「セディショナリーズ」となっていく、そんなシーンも一コマ一コマ見ることができます。
Img_82191_2  
Img_82511jpg_2 上はアナーキー・シャツです。
  マルクスやナチなど、政治運動に絡んだ反体制ファッションがあったことなどが思い出されます。
 ちなみにパンクとは俗語で「青二才、チンピラ、役立たず」の意味です。当時の若者たちの反逆精神が蘇って、ちょっと身震いを覚えたほどでした。
Img_82401jpg  
 パンクにインスパイアされたファッションは、今も連綿と引き継がれています。
 ファッションデザイナーを志す人は必見の展覧会でしょう。
 なお開催は25日までです。お急ぎください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月22日 (木)

「書・石井明子 織・故吉岡洋子 姉妹展」美しき布たち遺して

 「書・石井明子 織・故吉岡洋子 姉妹展」が、銀座かねまつホールで25日まで開催されています。ご案内が吉岡さんのお姉様、書道家の石井明子さんから届き、行ってきました。
 昨年、訃報を受け、今年は少し寂しいお正月でした。吉岡さんとは長年、年賀状のやり取りを続けていたからです。
Img_82301jpg
 姉妹展を拝見して、すばらしい作品を目に焼き付けました。大きなタペストリーが壁を飾り、たくさんのストールも展示されています。
Img_82251jpg
Img_82221jpg  よろけ織やもじり織、浮き織、ほぐし織----。糸をかせ染めして、織機で一本一本、コツコツと織り上げ、思い描いた意匠を完成させた労作です。3年前から仲良し姉妹で姉妹展を計画されていたといいます。それが遺作展になってしまうとは! 
 微妙なニュアンスのグラデーションを描く、こんなにも美しい布たちを遺して、天国に行ってしまわれたのですね。追悼、吉岡洋子さん!

 会場で染織工房「夢織りびと」を主宰する横山由紀子の本を見つけ、吉岡さんが横山さんに師事していたことに気づきました。今年2月パリの手芸展でお目にかかったすてきな作家です。(このブログ2017.2.12付け参照)
 不思議なご縁を感じます。

 また石井家は岡山県の由緒ある家柄で、国の重要文化財に指定されている「矢掛本陣」であることも知りました。今度ぜひ訪れてみたいです。旅する楽しみが一つ増えました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月21日 (水)

MAISON & OBJET コンラン氏が語る岐阜の商品デザイン

 パリで開催されるMAISON & OBJET(メゾン・エ・オブジェ)は、1_2デザイン、インテリアデザイン&ライフスタイル業界を世界規模で結ぶ展示会です。 まさに「Be Inspired(インスピレーションの宝庫)」といっていいでしょう。
 その次回9月展に先立つイベント「MAISON & OBJET DAY in TOKYO」が、先日、東京・渋谷のクオーツギャラリーで開かれました。
 来日した主催者SAFIのCEOフィリップ・ブロカール氏の挨拶や、ゲストの乃村工藝社A.N.D.クリエイティブディレクターの小坂竜氏のトークに続き、出展社向けセミナー講師としてセバスチャン・コンラン氏が登壇しました。
Img_79661  同氏は「コンランショップ」の創始者であるコンラン卿のご子息で、商品デザイン開発会社セバスチャン・コンラン・アソシエイツの社長でもあります。ヤマギワとLEDデスクランプを開発したり、NTTドコモの携帯電話や日産と「プラスコンラン」モデルの自動車のデザインを手がけたり。デザインの様々な分野で活躍しています。 
 今年のメゾン・エ・オブジェ1月展では、岐阜県と連携し「セバスチャン・コンラン・ギフ・コレクション」を発表して、好評を博したといいます。2年前に岐阜県知事と出会い、岐阜の伝統産品を新しい目でつくり直すよう要請され、急速に話が進んだそうです。
 そのコレクションから県内企業10社との商品づくりを映像で紹介しました。「美濃和紙」や「木工」、「陶磁器」、「刃物」など、いずれも清流が育んだ素材や独特の技法を持つものばかり。それら職人技をいかに現代に活かし次世代に伝えていくか、レガシーとして残すことが重要と強調します。
 今後も国内外での展開が期待されます。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月20日 (火)

FB学会特別講演 「ファッションビジネスにAIがもたらすもの

 ファッションビジネス(FB)学会東日本支部の特別講演会が、Img_79401jpg3日東京・杉野学園で開催され、カラフルボード代表/人工知能科学者の渡辺祐樹氏が登壇、 「ファッションビジネスにAIがもたらすもの」をテーマに講演されました。
 ところで私は以前、WEFセミナーで同氏の講演(このブログ2016年8月10日 付けも参照)を伺ったことがあります。でも今回はより掘り下げた内容で、大変興味深く拝聴しました。
 お話はまず2014年にリリースしたファッション人工知能アプリ「SENSY(センシー)」から。これは人間行動の理由を司る感性を解析し、その人の好みに必要なものを届けるAIで、そのヴィジョンはあらゆる人に人生が変わる出会いを演出することといいます。
 次にAIテクノロジーについて。AIとはArtificial Intelligenceの略語で、人間のように考えて行動するプログラムのこと。現在この第3次ブームが来ているといいます。
 AIには2種類あり、一つは汎用AIでロボットのようなもの、もう一つは特化型AIです。SENSYは後者の特化型で、その人が服を購入することになった背景を分析し、その人の感性を理解して、その人が欲しいと感じる商品やサービスを提案します。
 プロダクツとして、BtoC向けのSENSYアプリと、BtoB向けの店舗接客、EC接客の「SENSY CLOSET」、パーソナライズDM等を紹介。一人一台のAI開発を目指すといいます。
 ファッションと冠っていますけれど、客に合わせたメッセージを送れるので、単にファッションを推薦するだけではなく、レストランガイドといった食のサービスなど、様々な分野に活用できるとも。ソフトバンクと連携してペッパーが接客したワインの試飲会では、人の味覚を解析することにより販売が大きく改善したそうです。現在、ヘルスケアやコスメ、旅行、音楽など様々な案件が進行中とも語りました。
 さらに需要予測の判断もできるので、ファッション業界が抱える在庫管理の問題解決に役立ちそうです。
 まさにAIでファッションビジネスが変わる! です。ほんとうにすごいことになってきましたね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月19日 (月)

かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展 小さなもの愛でる文化

 東京・世田谷の静嘉堂文庫美術館で開催されている「~かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展」のトークショー・内覧会に行ってきました。 
 香合とは香を入れる合子(蓋つきの容器)のこと。本展では、同美術館の香合コレクションの優品と香炉の名品,香道具など約100点が公開されています。

 トークショーでは、長谷川祥子学芸員と陶磁研究家の森由美さんが青い日記帳Takさんをナビゲーターに、本展の見どころを語りました。Img_81342写真は左からTakさん、河野元昭館長、森由美さんです。(特別な許可をいただき撮影しています) 
 私も以前、お香の会に参加したことがあり、何種類かの香木の香りを聞き当てる香道を体験しました。そのときは「いやー! 難しかった」ですね。でもこの座談会でお話しを伺い、親しみを感じました。
 日本には小さなものを愛でる文化があります。香合・香炉は、そうした「香りのうつわ」なのですね。
 長谷川学芸員に導かれて、実物を拝見し、日本の精神文化の塊のようなものと得心しました。季節の変化に合わせて、色やかたちは様々、実に繊細で、細部にまで神経が行き届いています。何しろ小さくって可愛いのです。見ているだけで楽しくなります。

Img_82251jpg  最初に目に飛び込んでくるのが、野々村仁清作の「白鷺香炉」です。伸びやかな首から嘴の美しさに目を見張ります!
 煙を出す穴は背中にあり、何と目元にも小さな穴が開いているのがわかりました
Img_81431pg  
 上の写真で前景、手前に置かれているのが、やはり仁清の「色絵法螺貝香炉」です。虹色に輝く造形美はさすがにすばらしい!

Img_81461  続いて右は、地味な感じですが、最古の香炉という、平安時代の銅製の香炉です。
 これは手で提げられるようにもなっているとのことです。これを持ち運んだ女官の姿が想像されます。

Img_81391  江戸時代にお香は女性の教養として重要な地位を占めるようになり、香箱という香道具は嫁入り道具として整えられたといいます。
 金銀蒔絵の贅沢な一式も展示されています。

 香合は、本来香炉と組み合わせて用いられてきたそうですが、茶の湯の炭点前の成立によって、香炉から離れ、趣向豊かなものが登場してくるのですね。茶席で「かおりを飾る」茶道具として好まれるようになっていったといいます。お茶にも疎い私は知らなかったのですが、今日でも茶道で人気の高いお道具だそうです。

 香合には大きく二つの種類があり、それが「風炉」と「炉」です。
Img_81551jpg
 解説によると、「風炉」は夏季の季節で、漆芸の香合に白檀などの香木片を用い、「炉」は冬季で陶磁香合に練香が用いられたそうです。

Img_81781  右は古染付陶磁の香合です。
 陶磁香合は型物と呼ばれ、中国や東南アジアからも盛んに輸入されて珍重されたといいます。ベトナム船で運ばれて来たという交跡(こうち)とか、呉州(ごす)や祥瑞(しゅんずい)など、狸や猿、鹿など動物の形をしたものも多く、Img_81601江戸後期には相撲番付にあやかって「型物相撲番付」がつくられたりしているのも、興味深かったです。

 塗物香合は色が美しくてカワイイものが多いですね。

 国宝の曜変天目茶碗も展示されています。低い位置に置かれていますので、模様をしっかり見ることができます。偶然に表われたという青が神秘的な光沢を放っていました。
Img_82181jpg
 曜変天目は最近中国で破片が見つかったそうですが、世界中で現存しているのは日本にある3点のみだそう。その一つがこれで、まさに国のお宝です。

Img_82111   ロビーには中国南宋時代の香炉も出品されていて、青磁香炉のひび割れた様子などをじっくり見せていただきました。

 久しぶりに雅な世界を堪能した一日でした。

 展覧会開催は8月13日までです。
 なお匂い香づくりを体験するワークショップが7月1日に行われるそうです。ご関心のある方は、チェックしてみてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月18日 (日)

デザインの視点や発想がますます重要

 昨日のブログに掲載した「付加価値ある意匠デザインを実現するものづくり技術2017」では37社がブース出展していました。S_p1050281_3

   わずか1日で新しいデザイン提案に役立つ情報が得られるとあって、来場者は1,000人以上だったようです。私も初めて参加して、盛況ぶりにびっくり! デザインの視点や発想がますます重要とみられていることを実感しました。

2_2  とくに惹きつけられたのが家田紙工の「カミノシゴト」という美濃手漉き和紙の製品です。イヤリングやピアスなどの小さくて可愛いアクセサリーをズラリと展示していました。軽くて水にも強いそうです。 
 
Img_77591  心地よさそうな水うちわは、透過光が美しかった!
 さらに手漉き雁皮紙和紙による綿毛のような繊細でふんわりした羽根や葉、雪の結晶モチーフもあり、グリーティングカードなどに使われています。

 まさに伝統と今が、未来を創る----技術ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月17日 (土)

特別講演 枠組みを問い直す―つくり方をつくるデザイン

 「付加価値ある意匠デザインを実現するものづくり技術2017」が、去る5月19日、東京・日本橋で開催され、特別講演でTAKT PROJECT代表取締役の吉泉 聡 氏が登壇しました。S_p1050356 以前、デザイン展で作品を拝見したことがあり、これまで見たことがないようなものをつくるデザイナーと注目していました。テーマは「枠組みを問い直す―つくり方をつくるデザイン」です。

 冒頭、ご自身が立ち上げた創業4年目のTAKT PROJECTを紹介。タイトルにある「つくり方をつくる」とは、「別の可能性をつくる」意で、同社はこれを基に新しい価値軸をつくることを重視して活動しているといいます。

 お話の中で、印象に残ったプロダクツは次のようです。
 まず量産ではないもう一つの可能性を追求した作品、「Dye It Yourself」(このブログ2015.11.30も参照)です。これは白いプラスチックのテーブルやイスなどの家具に、ユーザーが思い思いに染色をする事が出来るというものです。素材は「多孔質プラスチック」という、水分を吸収する工業用プラスチックで、染めると色が滲んで交じり合います。色彩は揺らぎ、一つとして同じものはありません。サクラや藍、紅花などの草木染染料を用いることで、懐かしい温かみのある表情が出せるのも魅力です。ユーザーはまるで水彩画を描いているかのように、創作を楽しめます。均質に大量生産されるプラスチックが、ユーザーによってたった一つの存在となる、カスタマイズの好例ですね。
 次に「Composition」です。これは透明アクリルのモダンなフォルムの中に、家電の電子部品が一見バラバラに封入されているオブジェです。導電性のある複合材が使われていて、家電として機能するといいます。通電すると光を発し、スマートフォンで調光できたり、傾きを感知してON・OFFしたり、また非接触式充電もできるとのこと。
 このアイディアを思いついたきっかけは、木の家具の上に置かれたガラスのコップだったとか。透明なこけし人形のような形をした懐中電灯など、家電の新しいデザインの可能性を拓くすばらしいアイディアと感銘しました。
 さらに「Deposition」というのもおもしろい。金属と樹脂を一体化させる三井化学の特殊技術を用いて生まれた新素材で、工業素材の特性を活かしながら、自然素材の形をそのままに残すプロダクト、たとえばアルミで木の年輪や竹の節、マーブルのような効果を出したランプシェードやアクセサリーなどを提案。工業素材のもう一つの可能性を生み出すものと期待されます。

 この他UVプリンティングなど、ツールの新解釈で別のつくり方が生まれるといった例をいろいろ披露していただきました。

 最後に、既存の枠組をよく知り、そこから新しい枠組、つまり価値軸をつくっていくことが重要と強調。「デザインは付加価値ではなく本質価値」の言葉で締めくくりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月16日 (金)

AW17/18 ユキコハナイ 「やわらかなクローゼット」

 花井幸子デザインチームが手がける「ユキコハナイ (Yukiko Hanai)」の2017/18秋冬もの展示会が、6~7日、東京・千駄ヶ谷で行われました。
Img_79441
  テーマは「やわらかなクローゼット」で、クリスマス・シーズンに向けて、個性的なコートやドレス、ロングスカートにフレアパンツ、ニットウェア----。それらにリボンやコサージュ、刺繍など、装飾ディテールもたっぷり。とはいえ取り外しできるところがポイントで、シンプルにも着こなせる汎用性のあるデザインになっているのが、うれしいところです。

Img_79411 コートの上に重ねたファンシーなベストや、襟のようなふんわりしたスヌード、ファー使いなど、美と機能が兼ね備わっていて、工夫されています。
 素材はラメ入りのツィードやベルベット、アルパカやモヘア、光沢のある高密度素材などゴージャスなものばかり。ちょっとスイートなプリントなどのパターンも魅力的です。

Img_79501 Img_79461

 

_











ハナイらしい、若々しくフェミニンなラグジュアリー感あふれるコレクションでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月15日 (木)

特別講演 安達市三氏が語る「ファッションデザインの軌跡」

 ファッションビジネス学会総会が文化学園大学で5月20日に開催され、恒例の特別講演会にコルクルーム代表 安達 市三氏が登壇しました。テーマは「ファッションデザインの軌跡」です。Img_78501_2 ファッション業界の担い手として、道を切り拓かれてきたご自身のデザイン活動をたっぷりと語られました。(右は安達氏。資料を前に)
 とくに既製服の黎明期から自身の企画会社コルクルームを設立された頃までの体験談は、実に生き生きと具体的で、当時の光景が眼前に広がってくるようでした。知らなかった世界の扉が開けた思いがしました。

 そのクライマックスを大きく2つ挙げて、レポートします。

 一つは、三宅一生氏とともに立ち上げた青年服飾協会のお話です。
 熊本県人吉市出身の同氏は、絵を描くのが好きで上京して早稲田大学美術学科に入学します。同時にファッションへの興味から、桑沢デザイン研究所でファッションデザインを学ぶダブルスクール生活をします。こうしたなかで知ったのが「世界デザイン会議」という日本初の国際デザイン会議でした。ここでは建築デザインは高い評価を受けていましたが、ファッションデザインはデザインとして認められないとされて、参加することができなかったそうです。そうした折り、装苑で三宅一生氏の投書を読み、彼もこのことを憤慨していることに気づきます。早速手紙を出すなどして、三宅一生氏を会長に昭和34年、青年服飾協会を創設したといいます。メンバーは高田賢三氏を始めとする錚々たる顔ぶれでした。このような方々が、ファッションデザインの地位を高め、デザイナーとしての地位を高めていかれたと思うと、感無量です。

 もう一つは、ボディ(人台)の開発です。
 卒業後入社した三菱レイヨン商品開発部で、同社の顧問デザイナーだった安東武男氏と出会います。そして同氏のアシスタントとして、オーダーから既製服へ切り替わろうとしていた業界の指導に乗り出します。立体裁断への機運が高まりを見せていた頃で、まずは既製服にこの技術を導入しようと働きかけました。しかしサイズがないと既製服はつくれません。そこで文化服装学院に協力を仰ぎ、18~30歳の女性2万人のデータを収集、それを基に5号、7号、9号、11号という奇数表示のサイズをつくったといいます。ちなみに米国のサイズは偶数表示です。
 服のフォルムも、オートクチュールのジャン・パトゥのデザインを紹介するテレビ番組で安東武男氏の助手を務め、本物を見る機会に恵まれ、毎回研究したそうです。学生時代に、三宅一生氏が新聞紙を使って立体裁断で服をつくったことも披露、これも印象に残るエピソードでした。
 工業用ボディ作成には様々な試行錯誤があったようです。米国から帰国して立体裁断講習会を開いていた大野順之助氏に、共同制作を持ち掛けます。米国ではヌードボディだけではなくゆとりの入ったボディも用いられていることが分かったといいます。そして1965年、ついに既製服用ボディ「アミーカ」を発表しました。ピンワークしやすいゆるみ入りのボディで、製造はキイヤです。その後、各社が開発に乗り出し、改良を重ねて、現在に至っています。

 この開発がなかったなら、日本のアパレル産業の急成長もなかった、そう思うとますます同氏のご尽力に頭が下がりました。
 改めて深い敬意を表します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月14日 (水)

「ファッションとアート 麗しき東西交流」展 シンポジウム

Img_79291jpg  横浜美術館で開催されている「ファッションとアート 麗しき東西交流」展で、5月27日に行われたシンポジウムに参加しました。(本展について、このブログの2017.5.1付けでオープニングの記事を掲載しています。)

Img_79321
 シンポジウムの主題は「ファッションとアートにみる東西交流の諸相」です。

 第一部は基調講演で、京都服飾文化研究財団理事/名誉キュレーターの深井晃子氏が登壇しました。「ファッションとしてのジャポニズム」をテーマに、19世紀後半の絵画の中の着物を中心に語られました。
 ジャポニズムとは19世紀後半、欧米に広がった日本の芸術文化の影響で、とくに万博をきっかけに日本ブームが巻き起こったといいます。
 当時の絵画には、日本の着物を纏った女性像が数多く見られ、画家たちは着物姿とともに、屏風や扇、花瓶、傘、浮世絵など、様々な日本のモチーフも好んで描いたようです。
 同氏は本展で展示された絵画作品4点を取り上げ、ジャポニズムが単なる異国趣味を超えて、生活文化の広い範囲に及んでいたことを解説されました。画家たちがいかに日本趣味にはまっていたのか、それらにまつわるエピソードを交えながらの楽しい講演でした。

 第二部は発表です。
 最初は岡部昌幸氏(帝京大学教授、群馬県立近代美術館館長)による「ジャポニズムの広がりー19世紀末から20世紀の工芸・装飾美術・生活芸術」です。
 最近発見されたという「女性芸術家の部屋」という古書から、ジャポニズムと当時の人々の生活との結びつきを紐解かれました。日本趣味が当時の西洋の人々の暮らしの隅々にまで入っていたことを知る手がかりになります。
 とくに当時の女優サラ・ベルナールに関するお話が印象的で、現在サラ・ベルナール展を準備中とのこと。これも楽しみです。

 次に周防珠実氏(京都服飾文化研究財団キュレーター)による「輸出された室内着」。
 当時、横浜の絹織物商、椎野正兵衛が輸出した室内着についての研究発表で、大変今興味深かったです。上質な羽二重に手刺ししてつくられたというキルティングの室内着で、服飾品の輸出の嚆矢となったといいます。室内着といっても、ティーガウンとしてお客様をもてなすホステスガウンだったとのことです。背中心に縫い目のない一枚仕立てで、スカートにはマチ布がはめこまれていて、スカートの裾広がりに対応しています。
 展示品を鑑賞して、そのあたりをチェックし、洗練されたおしゃれなガウンだったと再確認しました。

 最後に内山淳子氏(横浜美術館主任学芸員)による「日本画に描かれた洋風ファッション」です。
 大正から昭和初期にかけて、洋装は皇族だけではなく、一般庶民にも浸透し始めたことを、当時の画壇の日本画から検証されました。とくに鏑木清方作品の美しさが心に残り、今度はぜひ清方作品を集めた美術館に行ってみようと思ったことでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月13日 (火)

服飾文化学会大会作品展示 和服地でデザインする現代服

 たんすにはたくさんの着物が眠っていると言われます。ネット検索するとその数、何と8億枚とか。この着物をリメイクして、その良さを活かしながら生まれ変わらせようという動きが広がっています。
 先月5月13、14日に開催された服飾文化学会大会の作品展示の部でも、和服地でデザインする現代服が多々発表され、この影響を強く感じました。
 いずれも着物本来の持ち味はそのままに、機能的でサスティナブルな作品に仕上がっていたのが印象的です。

○和服地でデザインするフレアーの簡単ブラウス
 ファッションデザイナーの梶間充子先生は、テーマを「ユニバーサル」に置き、和服地で簡単につくれるブラウスを提案されました。
Img_76831 Img_76841















 これなら着衣もし易く、胸元からのフレアーが体型を自然にカバーしてくれます。脇には別布で三角マチも入っていて、エレガントです。車椅子の方も着物のリメイクを気軽に楽しめるデザインと、感銘しました。

○古着物を利用した現代服の制作
 これは文化学園大学の高木幸子先生による、絽の長着のリメイク作品です。
 最近よく行われている着物のリフォームは、フォーマル過ぎたり、シニア向けだったりします。 若者が街で普通に着られるようなファッション感覚のあるアイテムがないことに気づき、Img_76921_2今回、カジュアルな現代服の制作を思い立ったとか。ストレッチ素材やスポーツウェアのディテールなどを組み合わせたデザインは、ジェンダーレスで今風なかっこよさがあります。 

○「一枚の布」で表現されるドレス
Img_76771もう一つ、私が注目したのが「一枚の布」で表現されるドレスです。文化学園大学の矢野真由子先生をはじめとする4名の先生方による「環境問題に配慮したファッションのデザイン設計」の軸として発表されました。
 ドレープが優美な繭型のシルエットで、たたむと長方形の一枚の布になってしまうというデザインです。裁断や縫製の無駄が省かれサスティナブルで、しかも美しい。
 アパレル企業など外部へのプレゼンでも好評を得たといいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月12日 (月)

2018クラボウグループ繊維展  注目の新素材

 今年も「2018クラボウグループ繊維展」が、5月25~26日、東京・時事通信ホールにおいて開催されました。同社独自の様々な技術による繊維製品やサービスと、新しいライフスタイルを提案する展示会です。 
 その注目の新素材をご紹介します。

<アクアティック AQUATIC>
 色落ちしにくく、また乾いた状態でこすれても他の生地に色移りしにくいデニムです。だからこのジーンズなら白いトートバッグを提げても、白が青くなるようなことはないといいます。洗濯で白いものを青く染めてしまったというような失敗も、もうこれでなくなりますね。雨に濡れても、汗をかいても色が染み出たりしないので安心です。
 「アクアティック」の名は水と共存するからだそう。
 そうした特徴があるのにも関わらず、本格デニムのビンテージ表現、たとえば削れたような加工、ヒゲ加工やダメージ加工なども可能とのことです。
Img_78801jpg_2
Img_78771jpg  デザインの幅も広がりました。白色や淡色素材と組み合わせてコントラストをつけることができますので、変化に富んだおしゃれなスタイリングを楽しめます。

Img_78841jpg  もちろんこれまでなら考えられなかったデニムの寝装・寝具やクッションカバーなど、インテリア用途にも使えるようになりました。

 デニムらしさを残しながら、今までタブーとされてきた領域へ踏み込んだ新しいデニムです。同社技術陣が3年がかりで開発したとのこと。今までありそうでなかったデニムですね。今後の展開が大いに期待されます。

<ループラス L∞PLUS>
 これは「もったいない」精神から生まれた「もっといい」素材です。 「ループ」は循環の意味で、リサイクルという「プラス」の価値を持つという意を込めて、「ループラス」と造語したといいます。 
Img_78871 
 服をつくるときにどうしても出てしまう裁断くずは、これまでゴミとして捨てられていました。同社はこの裁断くずから新しい付加価値素材を開発したのです。従来も紡績の落ち綿は再資源化されていましたけれど、それに裁断くずが加わったことになります。
 なおこの取り組みは衣服だけではなく、紙製品やプラスチック製品の原材料としても活用されるといいます。ファッションを楽しみながら、環境にも貢献できるとは、うれしい話ですね。その独特な杢調表現もどこか懐かしい自然な趣があって好感されることでしょう。
 さらなるサスティナブルなライフスタイルへ向けて出発です。

<こだわり素材>
 こだわりの原綿と紡績技術を結集させた素材群です。
Img_78921
・ダンディライナー DANDELINER
  タンポポの綿毛をイメージさせる、ふんわりとやわらかい、ふくらみ感のある立毛加工の素材です。

・グレースファインGRACEFINE
 コットンの体になじんだやさしいナチュラルな感覚をとことん追求した素材です。グレースというようにキレイ目で心地よい持ち味が特徴。

・AT2020
 「アスリートが喜ぶタオル」を目指すタオル専用糸です。しっかりとした手持ち感ながらもソフトな風合いでさらっと汗をぬぐえるといいます。

 この他、ユニフォーム向けでカジュアル感覚に仕上げたものなど、同社の強みを活かした新開発素材も多数展示されました。色どり豊かに、なかなか壮観だったことを付け加えておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月11日 (日)

2018春夏「京都スコープ展」 新しい装飾感のシーズン

 2018春夏に服地はまたしても装飾性を強めそうです。先月24~26日、東京・南青山スパイラルホールで開催された「京都スコープ」展では、この流れを新たにしました。同展に参加した京都本拠地の生地商社、5社は、プリントやジャカードなどを中心に色や柄ものの新作を打ち出し、新しい洗練された装飾感のシーズンを予感させています。
Img_78981jpg
 各社の提案をご紹介します

○伊吹
Img_78991  キャッチフレーズは「ガ・ラ・ランド」です。本年度アカデミー賞受賞映画を思わせる言葉ですが、「ガ・ラ」は「がら(柄)」にかけて名付けたものだそうです。
 プリントを中心に刺繍などで花模様を前面に打ち出していました。ノスタルジックな雰囲気ですが、スイートになり過ぎない、大人のヴィンテージ感を表現しています。

○協友
Img_79161jpg  百花繚乱、様々な花が咲き乱れるプリントを、布帛やジャージーで見せています。植物のモチーフや地中海リゾートのイメージを取り入れた柄も目に付きます。
 とくに一押しは、コットンのサイロジョーゼットで、優れたキックバック性と爽やかなシャリ感が魅力です。

○大松
Img_79111  「クリアーナ・クール」シリーズを充実させています。クリアーナは日清紡が開発したコットン糸で、超長繊維綿の特徴を活かし、光沢感があって、軽くてしなやか、速乾性があります。同社が20年以上前から手がけ続けているロングラン商品です。
 テーマは「ニューリアル」で、シルク/コットンの半透明な質感や線構成の先染め、また幾何学柄やトライバル調の柄、ボタニカル柄などを訴求していました。

○外村
Img_79041  「スポーティ・マインド」がテーマというように、軽快で爽やかなムードが感じられるコレクションです。
 エレガントでクールな大人のスポーツテイストを、カットジャカードやオパール加工の透け感+ラメ糸の組み合わせといった洗練された高級感漂うクオリティで提案しています。

○京都吉忠ロマン
Img_79261  「ニュー・クラフト・オーセンティック」をテーマに、フクレやカット、シースルー、光沢感などの意匠素材が支持されているといいます。
 オリジナル花柄プリントやジャカード、レースが好評で、それらの組み合わせ、例えばレース・オン・プリントなども人気だそう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月10日 (土)

2018春夏栃尾テキスタイル展「おりなす とちお」発信

 新潟県長岡市にある栃尾は織物の町です。糸から織物に至る工程が地域内に集約されている、全国でも珍しい産地です。
 この5月17~18日、この産地の織り、編み、染色企業10社による「栃尾テキスタイルコレクション2018春夏」が東京・表参道の新潟館ネスパスで開かれました。合言葉は「おりなす とちお」です。
Img_77491  
 天然繊維と化合繊の複合を軸に、同産地ならではの差別化素材を発信しました。得意とする先染め織物を中心にニットも揃っている、多彩な品揃えです。幅広い分野に対応できる産地なのですね。
 それを統一感のとれた構成で、産地全体が一丸となって表現していたのが印象的です。
Img_77691jpg 素材はいずれも最近のファッションを意識したシャツやドレス、スーツ地で、洗練された高級感にあふれたものばかり。とくに各社一押しの素材を1点、服に仕立てて展示したコーナーはわかりやすくて好感しました。

 今回、私がとくに注目させられたのが、「銅布」です。
Img_77531  これは同産地企業の港屋が、銅の抗菌性・殺菌性・通電性に着目して、銅線を織り込んだ織物を研究開発したというものです。用途としては、雑草の除草作業低減とか害獣防止とか、農業資材向けシートとのことですが、衣料用への活用も期待されます。

 この他、目に留まった織物とニットを各2点、ご紹介します。

木豊工場 しっかりしたガーゼ風C98/Ac2   ハセックC70/Silk30    
Img_77561jpg Img_77611







栃尾ニット ファンシーボーダーC100    白倉ニット C65/Ny26/Pu9
Img_77681 Img_77651  

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 9日 (金)

2018春夏ショーワ展示会 キュプラデニムをアピール

 デニムのメッカ、岡山県児島を拠点とする「ショーワSHOWA」が、5月15~17日、東京・南青山で2018春夏もの展示会を開催しました。
Img_77461jpg
 今シーズンは本格派デニムとともに、新しく開発したキュプラデニムをアピールしていました。キュプラのロープ染色に初めて成功したといいます。軽くしなやかで光沢があり、レディス向けに人気を集めそうです。
 コットンファームにも力を入れているとのことで、収穫したコットンを使用した生地も提案されていました。

Img_77411  また同社の概要を伝えるビデオを上映、さらにプルミエ―ルヴィジョン・パリ2月展で発表したパリのサンディカ・クチュール校とのコラボレーション企画も展示していました。
 同社のモノづくりやその背景、世界発信の様子を上手に構成して見せた展示会でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 8日 (木)

2018春夏米沢産地展 カジュアル感のあるコットン混も

 米沢繊維協議会主催「米沢テキスタイルコレクション2018 SS」が、先月5月11~12日、東京・有楽町の東京交通会館で開催されました。
 出展したのは山形県米沢産地のメーカー15社です。一堂に会して、2018年春夏向けテキスタイルコレクションを発表しました。
 同産地は、シルクを中心とするジャカード織のエレガントなフォーマル素材が得意です。とはいえ季節は春夏とあって、カジュアル感のある軽やかなコットン混のものも多く見受けられました。

Img_75721
 目に付いたのは、清涼感のある透ける素材やカットジャカード、またフクレ織で凹凸を強調したものなど、全体にこの産地ならではの手の込んだ生地でした。

○阿部吉
 米沢織の伝統を受け継ぐ老舗織元です。最近はミラノウニカにも出展するなど、 海外進出に力を入れています。
Img_75781 素材はシルクを中心に、綿や麻、ウール混のものも多くなっているようです。
 今シーズンはとくに右のような柄を際立たせたジャカード織が目立っていました。C/NYです。 

○青文テキスタイル
 ミラノウニカに継続出展し、世界に販路を広げている注目企業です。
 ジャカード織物や丸編みニット生地に定評があり、そのオリジナルなクリエーション力にいつも感心して見ています。

 からみジャカードC44/NY18/L38    ジャカードニットC100 
Img_75641 Img_75731

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 7日 (水)

2018春夏PTJ展 ⑷ デニムも軽く今風に加工

 「プレミアム・テキスタイル・ジャパン (Premium Textile Japan)」では、カジュアルなコットンやデニムメーカーも多数出展し、アップデートされたコレクションを発表しています。しっかりとしていても薄く軽く、またニットのようにストレッチしてフィット性に富むもの、フレアーの出せるレディスを意識したものなど、定番ではあっても今風のトレンドを意識したクオリティに進化したものが多くなっています。これまでとは一味違う表面感をもたせた加工にも注目です。

○山政テキスタイル
 丹後産地の老舗服地メーカーです。Img_74221 “made in Kyoto”をテーマに、その独自の加工技術で他にない立体感を表現するデニムを提案していました。
 その一つがシュリンク加工(右)で、プリント加工により独特のフクレ(凹凸柄)をつくっています。

Img_74241  またもう一つ、オパール加工です。右のようなデニムとレースのような透ける効果を演出していて、そのコントラスト感に魅せられます。
 この他きらびやかなプリント加工の箔加工など、京都ならではの様々な後加工技術を見せていました。

〇ダックテキスタイル
 軽量の光沢感のあるキレイな表面感のデニムImg_74861で、フレアーが出せるように、とくにレディス向けに力を入れているといいます。
 右は、シャンブレーの“デコボコふんわり”ジャカード織です。
 洗い加工を組み合わせて模様を浮き上がらせるなど、表面感や風合いにこだわっています。

○ジャパンブルー
 既成概念にとらわれない発想で、Img_75001jpg 「新しいものづくり」を目指すという同社のCOLLECT事業部が出展していました。
 伝統技法と現代の最新技術を融合した新作ジーンズを発表しています。

Img_75051  ときに実験的なものもみられます。
 右は、経糸だけの生地「タテロン」です。編み物のようなざっくりとした組織ですが、織物といいます。

○カイハラ
 デニムメーカーといえば最大手のカイハラ。今シーズンも「EX FIT」など、独自のストレッチ素材など、時流をおさえた様々なデニムを提案していました。
Img_74761jpg
○コヤマインターナショナル
Img_74381jpg  天然繊維を中心に様々な風合い加工を施しているメーカーです。
 打ち出されていたのは、右のような紀州備長炭による墨染めです。素材はリネンが中心で、ヴィンテージ調の存在感があります。

○シバタ
Img_74951  今回初出展した広島県福山市の新進デニムメーカーです。
 独自に開発した厚地でも軽いデニムの提案が光っていました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 6日 (火)

2018春夏PTJ展 ⑶ 軽やかで表情豊かなプリント

 ファッションが装飾的な傾向を強める中、プリント加工への関心も高まっています。今回の「プレミアム・テキスタイル・ジャパン (Premium Textile Japan)」でも、プリント回帰が話題となりました。春夏ものとあって、軽やかで表情豊かなプリントがたくさん見られます。そのいくつかをご紹介します。

○北高
 ファッションを着るのが楽しくなる、旬のデザインが勢揃いしています。
Img_74651
Img_74661  同社はパリのプルミエ―ルヴィジョンなど海外の見本市にも長年出展している、日本を代表する生地商社です。プリントが得意とあって、その手法は多岐にわたります。
 右の小花柄は、一見刺繍のように見えますが、発泡顔料によるプリントです。

○イマダ
Img_74181_2  今季は前シーズンの抽象柄から一転、花模様を前面に打ち出していました。
花はプリティなガーデンフラワーで、ドレスを美しく彩ります。
 毎月30柄以上を生産していて、プリントのソフトではどこよりも勝るといいます。

○クリスタルクロス
 今回初参加の大阪本拠のコンバーターで、最終製品を見据えた企画開発力を武器に、右肩上がりに売上を伸ばしているといいます。
 ブースでは、塩縮加工で布に立体感をつけた表現のもの(左下の写真)や、レースのようなオパール加工(右下の写真)が目につきました。
Img_74931 Img_74911

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 5日 (月)

2018春夏PTJ展 ⑵ 軽やかで爽やかなタッチ

 先般の「プレミアム・テキスタイル・ジャパン (Premium Textile Japan)」では、全体に軽やかで爽やかなタッチの薄地が多く見られました。高級感のある無地や無地調、あるいは先染めを中心に、とくに印象に残ったものをご紹介します。

○福田織物
 非常に洗練されている、エレガントな超高級細番手綿糸使いの高密度織物で、他に類をみないメーカーです。Img_74431 今回も120番手や140番手など、100番手糸以上の繊細な織物を充実させていました。
 右は、綿100のカットボイル・ラティスです。
 綿ボイル格子空羽や、塩縮加工により表情に変化を持たせたものなど様々。

○カゲヤマ
 生地をハンガー仕立てにして見せていたのが目新しく映りました。
Img_74511
Img_74501  メンズ向け先染めシャツ地を得意とするメーカーですが、今季はとくにレディス向けも意識して提案したといいます。
 右は、清々しい、爽やか感あふれるカットドビーストライプです。綿100%。

○播
Img_74331  とくに右のようなメッシュクロスを訴求して、人気を集めていました。これは織物でニットのような風合いを持つ生地です。綿100なのにストレッチ性があり、ウオッシュ&ウェアの形態安定性に優れていて、サラリと快適な吸水速乾性、通気性のある織組織なので涼しい。織りと編みの両方の良さを兼ね備えています。
 またセルヴィッジインディゴも好評だそう。機能加工も様々なものを展開していて、いつも注目しています。

○クロスジャパン
Img_74741  意匠性の高い素材を提案しているコンバーターです。
 今シーズンは、右のダイナミックな大柄のハンカチーフチェックに目が向きました。
 引き続き大胆なカットジャカードも人気といいます。

○杉岡織布
 清涼感のある「高島ちぢみ」、その良さをジャケットにし て見せるなど、綿楊柳のバリエーションが拡がっていることを印象づけられました。
Img_74691
 上は、グレー杢糸のグラデーションボーダーの鬼楊柳です。

○浅記
 新潟産地ならではのスペックムラ染使いのシャドーチェックを多数提案しています。落ち着いたシックな意匠が好評といいます。
 左下は、綿100のボイルローンシャドーサテンです。透け具合が涼しそう。右下は綿混スペックシャドーチェックです。
Img_74601jpgImg_74551








〇渡辺パイル織物
 今治タオルの同社が、タオル織機で織ったシャツ地を提案していました。
Img_74781
 パイルのないタオルの織物というと、ガーゼやワッフル織が中心です。ふくらみ感があってやわらかい、心地よい感触が特徴ですね。
Img_74821jpg  今シーズンはそれらに加えて、新たに開発したオックスフォードやヘリンボンといったシャツ地を打ち出していました。
 タオル織機で多様な反物をつくることができることに、改めて感動します。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年6月 4日 (日)

2018春夏PTJ展 ⑴ 原点を見直し新たな挑戦へ

 2018春夏テキスタイルを発表する「プレミアム・テキスタイル・ジャパン (Premium Textile Japan)」が、5月9~10日、東京国際フォーラムで開催されました。
 今回は97件・129.6小間(PTJ2017SSは94件・122小間)と過去最大の出展社数でした。Img_74131jpg_2とくに新規/復活出展が14件19.5小間と多かったのが特徴だったといいます。これは衣料品の販売不振で、原点を見直し新たな挑戦へと打って出るテキスタイルメーカーが増えている表れではないかとみられています。
 来場者は前年並みを確保したとのこと。商談は活況で、情報交流も活発に行われた様子でした。
 
 トレンドフォーラムでは、明るいソフトで優しい色使いが目立っていました。ピンクやモーブ、ブルー、イエローといった春らしいカラーです。
 素材では、洗練されたナチュラルなクオリティが多く、軽やかで心地よい、表情のあるものが注目されます。

Img_74101

 提案されたテーマは下記、4つです。

      ときめきのスキャット        自然へのオマージュ
      Crystal Jazz Scat           Homage to Nature
Photo_trend_b_s_2 Photo_trend_a_s_2
















      祭りの後先              日々のしつらえ
      Festive Flows             My Daily Ritual
Photo_trend_d_s Photo_trend_c_s

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«夢二が描く大正ファッション 大和撫子からモダンガールまで