2017年3月30日 (木)

AW17/18 ティート トウキョウ 少女時代へのノスタルジア

 合同展などで注目の新進気鋭のブランド、「ティート トウキョウ(tiit tokyo)」が、AFWT渋谷ヒカリエで、2017/18年秋冬コレクションを発表しました。
Img_62021  ブランドを手がけるのは岩田翔と滝澤裕史の二人のデザイナーで、テーマは「ハーズ(hers)」です。インターネットがなかった頃に思いを馳せ、夢多き少女時代へのノスタルジアを感じさせるワードローブを揃えました。

 素材にもこだわりが感じられます。様々な形状の糸から織られたツィードや裂き織地、またジャカードかと思えばプリント、その逆のジャカードといったトロンプロイユのものなど、その約7~8割はオリジナルといいます。

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 招待状にも使われていたリボンをあしらったデザインも多く見られました。リボンは顧客とデザイナーをつなぐシンボルでもあるようです。ちょっとしたことですが、デザインにはそんなデザイナーの思いが込められいるのです。

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2017年3月29日 (水)

AW17/18 ミュージアムバイエイチフラクタル 3ブランド発表

 「ミュージアム バイ エイチフラクタル(MUSEUM by H>FRACTAL)」が、AFWT渋谷ヒカリエで初めてのランウェイショーを開催し、2017/18年秋冬コレクションを発表しました。

 ディスコのような音と光の異空間の中、披露されたのは「ミューズ(MUZE)」、「ザ テスト(THE TEST)」、「パラドックス(PARADOX)」の3ブランドです。いずれもストリートカルチャーの影響が色濃く感じられる、ユニセックス感覚なコレクションでした。
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Img_6167fractal1 Img_61691jpg  スタートは「ミューズ」で、テーマは「Invalid(インヴァリッド)」。
 “役立たず”といった意味で、黒レザーや赤がポイントのパンクな雰囲気です。 

Img_61761jpg_2 Img_61751  次に「ザ テスト」です。
 グラフィックアート感覚で、蛍光色使いのビッグなシルエットのドレスなど、近未来的なアイテムが多数展開されています。 

Img_61791_2 Img_61861jpg_2  最後が「パラドックス」で、ギリシャ神話に登場する「クロリス=花の女神」がテーマ。ヴィンテージ調のリラックスしたカジュアルなスタイリングです。ヒョウ柄が多く見られました。

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2017年3月28日 (火)

AW17/18アウラ 多様性テーマ「アットトウキョウ」始動

 今期で2度目の冠スポンサーとなったアマゾンは、アマゾンファッションウィーク東京(AFWT)のサポートプログラムとして、今シーズン初めて、同社のECプラットフォームと連動した「アットトウキョウ」を立ち上げました。
 同プログラムには、これまでウィークに進出したことのない3ブランドが参加しています。一般客も招待してショーが行われ、関連イベントの「東京ボックス」も始動しました。これは、コレクションで見た服をお店ですぐに買える“シーナウ、バイナウ” の企画です。

Img_61621jpg  その先陣を切ったのが、デザイナーの川島幸美が手がける「アウラ(AULA)」です。
 3シーズンぶりのランウェーショーで、テーマは「ダイバーシティ=多様性」。人間の持つ様々な要素を取り込み、新しい美を生み出したといいます。
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 素材ではプロテクト性の高いレザーと繊細なレースの組み合わせに焦点を当て、デザインでは左右アシンメトリックなカットやシャツやブルゾンなどの不揃いのディテールにこだわったそう。
 フリルやスリット、肩出しなど、トレンドを上手に採り入れ、変化をつけた素敵なコレクションでした。
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2017年3月27日 (月)

AW17/18 ドレスドアンドレスド ジェンダーレスな美

 北澤武志と佐藤絵美子の二人のデザイナーが手がける「ドレスド アンドレスド(DRESSEDUNDRESSED) 」の2017/18年秋冬コレクションが、東京・渋谷ヒカリエで発表されました。
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Img_61181 このブランドらしい、男女の差を超えたジェンダーレスなコレクションでした。
 シンプルですっきりとした、切れのいいカットが美しく、身体を覆い隠すビッグなロングコートやテント風のアウター、またメンズのスポーティなショートパンツのコーディネイトも人気を集めそうです。
 動くたびに手足をちらちらと見せる、長いスリットの多用も印象的で、そのスイングするシルエットにも魅了されました。

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2017年3月26日 (日)

AW17/18 ファイブノット 「旅とヴィンテージ」テーマに

 アマゾンファッションウィーク東京(AFWT)が、20日開幕し、約50ものファッションブランドが2017/18秋冬コレクションを発表しました。そのトップを務めたのが「ファイブノット(5 - knot)」です。
Img_61041jpg  西野岳人さんと鬼沢瑛菜さんが手がける湘南発のブランドで、東京コレクションは初参加です。以前「JAFICプラットフォーム2014(このブログ2014.8.21付け参照)」で取材したことが思い出されました。

 サーフィンを基調にしたサーフブランドで、今シーズンはサーフトリップで出会ったモロッコでの旅の記憶から「旅とヴィンテージ」をテーマに展開しています。デニムパンツをベースに、リヤドの宿の朝食で出た赤いザクロのモチーフが随所に見られる、心に残るコレクションでした。

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2017年3月25日 (土)

まぜこぜアート展 なりたい自分になるファッションショー

 女優でタレントの東ちづるさんが理事長を務める「Get in touch」が主催する「まぜこぜアート(MAZEKOZE ART)」展が、4月5日まで東京・青山の伊藤忠アートスクエアで開催されています。“まぜこぜ”とは“多様性”の意味です。ここでは障がいのある人もない人も、誰もがそれぞれの個性を生かして、豊かな人生を創造できる共生社会の実現を目的に、様々な創作活動や表現活動が行われています。
 先週の日曜日、この一環として「まぜこぜファッションショー」が、アマゾンファッションウィーク東京(AFWT)に先駆けて開かれました。キ―ワードは「なりたい自分になる」で、色とりどりのマイノリティがモデルとなってランウェイを歩きました。
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Img_60421_2  フランス人形になって登場したのは身長115cmのイラストレーター・デザイナー、後藤仁美さん(このブログ2015.6.30参照)です。本当に可愛らしい!
 本人は「一度こんな格好をしてみたかったので、とってもうれしい」と話していました。

 リオのパラリンピックで女子走り幅跳びに初出場して入賞した義足の陸上選手、大西瞳さんも出演、また自閉症ミュージシャンのGOMESSさん、ダウン症の高校生、伊藤美憂さん、ダウン症アーティストの田久保 妙さん、ダウン症の福祉型大学生の内海隼吾さん、さらにドラァグクイーンの松坂牛子さんも妖艶な美しさを振りまいていました。

 とくに目を見張ったのが、車いすダンサーのかんばらけんたさんのパフォーマンスです。 車いすの上に飛び上がったり、下りたり、車いすを解体したり----。それにしてもあれほど素早く動けるとは、びっくりしました。
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 全盲のシンガーソングライター、佐藤ひらりさんの澄んだ美しい歌声にも魅了されました。
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 車いすのコラムニスト、伊是名夏子さんの温かな笑顔も忘れられません。写真はご家族と一緒に登場した伊是名さんです。
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 このようなマイノリティを支援する活動に取り組む東ちづるさんと「Get in touch」に頭が下がりました。ほんとうにすばらしい!です。感銘しました。
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2017年3月24日 (金)

「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展 

 「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展が4月16日まで、東京・渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
Img_67121  昨日、この内覧会があり、参加しました。
 暁斎は、幕末から明治期の天才絵師、河鍋暁斎(かわなべ きょうさい 1831-1889)です。動物や妖怪のユーモラスな姿を描く浮世絵師と思っていましたが、仏画など幅広い画題で、しかも様々な画法を用いて描いていたことがわかりました。

 展示されているのは180点で、すべてイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品だそうです。ロンドンの画商だった同氏は、浮世絵に相当思い入れが深かったようです。

 最初に登場するのが、蛙をモチーフにした愉快な作品です。(なお写真は、特別な許可を得て撮影しています。)
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 小品ですがこの蛙の絵を、ゴールドマン氏は転売することなく、手元に大切に保管されていたといいます。

Img_67221jpg  次に鴉の絵です。闇夜の鴉など印象的な名作が集まっています。
 鴉を題材にした作品は、第2回内国勧業博覧会で日本画の最高賞を受賞したこともあり、暁斎がとくに好んだものだったといいます。何しろ数百枚もの鴉の絵が残されているそうです。

 動物の絵はたくさんあって、イソップ物語の挿絵もあり、見ていて楽しいです。

Img_67411  明治時代になり、西洋人や中国人のいる風俗画も見られます。当時の服飾の貴重な資料ですね。

 ラクダが描かれていたりするのも不思議です。

 ちらしやポスターに使われている「一休と地獄大夫」です。
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 右側の絵には、三味線を弾いている骸骨が描かれていて、ぎょっとしました。この故人は三味線好きだったのですね。あの世でもこうして三味線を弾いています。
 禅僧の一休にとって、生きている者も死んだ者も違いはないということを表現しているといいます。Img_67471

 その隣に置かれていたのが、シルクハットにスーツを着用した骸骨です。(写真左)
 やはり三味線を弾いている姿で描かれていて、これも大変面白い作品と思いました。

 大作のニ双の屏風絵「百鬼夜行」です。
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 鬼たちが行進している様子を描いたもので、一匹一匹が個性的です。思っていたほど怖くなかったです。

 この他にも見どころはたくさんあって、飽きさせません。私もたっぷり楽しませていただきました。
  公式HP http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/

 

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2017年3月23日 (木)

プラグイン3月展 秋色のカジュアルなレディスウェア

 上質なファッション・アート・ライフスタイルブランドの「プラグインPLUG IN 3月展」(主催 繊研新聞社)が、この15-17日、渋谷ヒカリエで開催されました。約150のブランドが参加し、3日間で3,614人が来場したと発表されています。
 バッグや靴、帽子などの服飾雑貨の出展が目立つ中、気になったのはレディスウェアです。新しい秋の新色に染まったカジュアルな大人のドレスのブランドをご紹介します。

○ダブル・フェース(Doubleface)
Img_59971  東京・目黒区の小さなアトリエで、レディスファッションの企画、生産を手がけるアパレルメーカーです。今シーズンは秋らしいカラーや葉柄プリントのドレスを提案。洗練されたエレガントな趣を漂わせています。
 日本製にこだわっているといいます。 

○ヨリオリ(Yoriori )
Img_60011  ティスリーが手がける同ブランドは、以前このブログで取り上げたことがあります。(2015.12.8付け参照)
 晩夏向けの軽やかなデザインのドレスに使用されているのは、細番手高密度の綿ローンで、浜松の古橋織布のものとか。さらっと爽やかな風合いが心地よさそうです。

〇フラミンゴファーム(flamingo firm)
Img_60021  大阪発エフエムクロージングによるレディスカジュアルブランドです。
 ブルーデニムやダンガリーのシワ加工と白の組み合わせを、若々しい、大人のべーシックに上手に落とし込んでいます。

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2017年3月22日 (水)

「ルームス34 Final」次回に続く“ファイナル”テーマに

 先月半ば、2月15-16日、ファッションとデザインの合同展示会「ルームス34 Final」が開催されました。出展したのは450ブランドで、19,000人が来場したといいます。
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 アッシュペー・フランスが主催するこのイベントは一般入場も可能で、広場ではマーケットが開かれ、場内ではミュージックフェスのようなライブも行われます。
 今回テーマは“ファイナル”でした。このイベントは“もうこれでおしまいなの”と思いましたら、そうではなくて、会場の国立代々木競技場第一体育館を使用できるのがこれで最後ということでした。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、同館のような大ホールは今、どこも使えなくなっているようです。次回開催地は未定とか。
 ともあれ次回に続くことがわかって一安心しました。

 初登場のベビー&キッズエリアからアウトドア、エシカル、地場産など、本展ならではの切り口のブースを一巡し、とくに注目したブランドをいくつかご紹介していきましょう。

○七彩
 京都はマネキン発祥の地だそうです。この古都で誕生した七彩も今年で創業70周年を迎えるといいます。
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 AI技術を搭載した会話するマネキンが展示されていて、驚かされました。何と甲冑を着けた侍のマネキンがしゃべり出すのです。

○SAKUSI (錯視)
 目の錯覚、つまり錯視を利用して、身に付けるだけで今よりもImg_56251_2ほんの少しだけスタイルがよく見える衣服を提案するブランドです。
 右の二着のTシャツは同じに見えますが、右側のにはバスト下に透明シートが貼ってあるのです。この効果で、よりほっそりと見えました。写真ではわかりにくいです。

○kapoc (カポック)
 「割烹着を知っていますか」と問いかける、おしゃれ割烹着のブランドです。Img_56481
 割烹着は1900年の日本で、着物が汚れないようにと料理教室の先生が発明したといわれています。それをハウスワーキングコートとして現代によみがえらせている、その発想に興味を引かれました。
 あのスタップ細胞で世の中を騒がせた小保方晴子さんの割烹着姿が思い出されます。

○ハクア
 和信化学工業がデザイナーの辰野しずかさんと共同開発した「ハクア (haqua)」は、箔から生まれたタトゥー・アクセサリーです。
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 シール状になっていて、水を含ませて貼ります。Img_56631jpgそこでキャッチフレーズが“箔と水のアクセサリー”というわけなのです。 
 私もブレスレットを試しにつけていただきました。一週間ほどで消えましたけれど、タトゥーといっても上品な感じで、「いいね」とよく人に言われました。

○小石川染色工房
 東京のど真ん中文京区で100年以上の長きにわたりImg_56531営業している染色工場、内田染工場が、東東京ものづくり商店街に出展していました。
 昨年J∞Qualityに認証され、ファクトリーブランドの「小石川染色工房」をスタートさせたといいます。板締め染めの斬新なデザインで、手ぬぐい3,000円です。

○コンポジション(com + position)
 桐生で帽子製造を営まれている同社のコーナーでは、職人さんが帽子づくりの実演をされていました。
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Img_56701 今では日本で手作りの帽子をつくれるのは、この方しかいないのだそうです。

 ブランドネームはUSINEです。


○三陽商事
Img_56741  京都発信のキッチンクロス「ティータオル」を提案していました。
 ティータオルは、キッチンアイテムとしてヨーロッパで親しまれているといいます。表裏プリントなので、工夫次第でいろいろ楽しめそうです。

○白河産業
Img_56461jpg  会津地方の伝統工芸メーカーで、昔懐かしい会津木綿の風呂敷のバッグを見せていました。
 最近、風呂敷は何にでも使える万能な布製品として見直されています。今回のルームス展でも、随所で見かけましたね。

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2017年3月21日 (火)

「金子國義×コシノヒロコ EROS 2017」展

 今、KHギャラリー銀座で展覧会「金子國義×コシノヒロコ EROS 2017」が開かれています。テーマは何と「EROS」で、ちょっと衝撃でした。 

Img_59661 先日の16日、オープニングレセプションがあり、コシノヒロコさんが金子國義氏との思い出を語られました。この日は同氏の命日で、金子氏を「ネコ」の愛称で呼ぶコシノさんは、パーティをするなら命日にと決めていたのだそうです。 

   会場には、聖なるエロスの画家と評されたネコ氏の妖艶な絵とコシノさんが描く大人のエロスの絵が展示されています。

 ギャラリートークはネコ氏の本邦初公開という油彩画の横で行われました。
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Img_59721jpg_2 「本人がセクシーではないので---」とおっしゃるコシノさん。ファッションデザイナーがこのような絵も描くのかと私もびっくりしましたが、「春画」展を見に行き、そのとき現代の春画を描こうと閃いたそうです。
 「天国にいるネコの絵をじっくり見て、偲んでください」と結ばれました。

 セッティングもイマジネーションを掻き立てるもので、ネコ氏が好きだったというインテリアを集めたコーナーがあったり、Img_59671挿絵を担当したジョルジュ・バタイユ作品に登場する娼婦エドアルドの部屋にインスパイアされたという「娼婦の部屋」が設えられていたりします。

 名画の裏に潜む妖しげな世界観に、ドキドキさせられる展覧会です。会期は5月7日までとなっています。

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2017年3月20日 (月)

特別展「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」

 先日、江戸東京博物館で開催中の「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」の内覧会が行われ、参加してきました。 
Img_58931g_2  江戸時代は鎖国していたとはいえ、中国交易は公認され、長崎を窓口にして文物の流れが滞ることはなかったのです。本展では江戸と北京の暮らしにスポットを当てて、様々な角度から当時の生活文化を比較しています。

 見どころはやはり、江戸と北京の街並みをそれぞれ描いた絵巻でしょう。(撮影には博物館より特別な許可をいただきました。)

Img_59071pg  一つは「熈代勝覧(きだいしょうらん)」(写真右)です。ベルリン国立アジア美術館から11年ぶりに里帰りしたという絵巻で、18世紀末の日本橋風景を描いています。行商人など1,700人もの人々が往来している図で、大通りをカメラで俯瞰するように活写していて、なかなか興味深かったです。

Img_59521  もう一つは「乾隆八旬万寿慶典図巻」(写真左)で、清朝最盛期の第6代皇帝、乾隆帝80歳の祝典パレードをカラフルな色彩で描いた絵巻です。
 故宮博物院からのもので、これは国外初公開だそうです。

 さらにもう一つ重要な絵巻「万寿盛典」も出品されています。康熙帝の60歳の誕生日を祝う書物だそうですが、色彩はなく、ちょっとわかりにくかったです。

 「商う」とか「育てる」、「遊ぶ」、「学ぶ」など、18世紀の江戸と北京の生活文化に係る展示が続く中、私がとくに関心を持って見たのは「装う」の展示でした。

Img_59261jpg  右は「染分麻地水辺風景鶴模様帷子」で、腰から下が水辺風景、上半身が飛翔する鶴を表しています。腰部分で色や模様を変える意匠は、18世紀前半によくみられる形式といいます。武家ではなく町人階層の女性所用の着物とみられているそうで、華やかな着姿が偲ばれました。

 上の着物とほぼ同時代の北京・首都博物館所蔵の婚礼服が下の写真です。
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 短い上着と裙子(スカート) で漢人女性のものと思われます。繊細な刺繍が美しいです。
 また満州族の女性が履いていたという盆底靴という10cmくらいのハイヒールも展示されていました。

 18世紀の江戸と北京、似ているところもありますけれど、違いも大きいと感じました。とくに色の好みは全く異なっていて、江戸のさっぱりとした粋な色に対して、北京は鮮やかな赤や青、緑、それに黄金色と華やかです。民族色といいますが、不思議です。

 最後にビデオコーナーで見た江戸城と北京の紫禁城の解説がすばらしかったこともお伝えしておきます。

 なお、こうした試みの展覧会は初めてとのこと。4月9日までの開催ですので、ご興味のある方はお急ぎください。

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2017年3月19日 (日)

エルメスの手しごと展 “アトリエがやってきた”

 今、「エルメスの手しごと展 “アトリエがやってきた”」が表参道ヒルズで開催されています。
 以前、東京国立博物館で見たエルメスの「レザー・フォーエバー」展(このブログ2014.12.18付け参照)が、素晴らしかったので期待しながら行ってきました。
Img_60281jpg  
 金曜日の夕方だったからかもしれませんが、もう、ものすごい人出でびっくり! しました。
 フランスのエルメスのアトリエから、職人たちがやって来て、伝統の技の数々を実演しているのですが、何重もの人の輪がとり囲んでいて、人の頭を見に行ったみたいでした。

 皮革職人とか靴職人、手袋職人、時計職人、クリスタル職人、 シルクスクリーン製版職人など、何人もの職人がその技術を披露しています。Img_60151その技に観客もチャレンジできるのです。参加型という、これまでにないスタイルで、何とも楽しい雰囲気でした。

 右は鞍職人です。

 

Img_60201jpg  宝石をジュエリーに固定する石留め職人の仕事は本当に細かい作業です。
 このコーナーでは誰もが顕微鏡を覗き見ることができるようになっていて、私もダイヤのキラめきを体験、その美しさに感動しました。 

Img_60091  左はネクタイ縫製職人です。
 一本の糸で丁寧に手縫いしています。

 開催は19日までということで、実は今日が最終日です。きっと相当に混むことでしょう。でもせっかくの職人技を間近に見ることのできる希少な機会です。どうぞお見逃しないように、お薦めいたします。

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2017年3月18日 (土)

2017桐生テキスタイルプロモーションショー「センス」軸に

 織都1300年の歴史を誇る桐生の産地展「2017桐生テキスタイルプロモーションショー」が、8-9日東京・北青山テピアで開催されました。
 参加したのは洋装部門26社、和装部門9社です。中央に設けられたコンセプトゾーンには、各社得意のサンプルが展示されました。テーマは「センスSENSE」です。センス=感覚を軸に、というように、この産地独特の磨き抜かれた洗練されたものづくりの感性は素晴らしくて、感銘させられました。
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 とくに今回私が注目した、ジャカードなどの技術ノウハウを駆使しているメーカーをご紹介します。

イヅハラ産業
 同社のような織物の技術を持つメーカーは、世界広し、といえども他にはありません。他社に先駆け、織物の段階でスカート等の形状を形成できる、コンピュータ制御のジャガード織物「イヅハラ織」を発明し、右のような様々な一点もののプレタスカートやワンピースを創造しています。縫製は脇のみで、ウエストフリーなのでお腹を締め付けません。プリントでは表現できない高級感があります。 
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 織りの段階でベース布とフリル布を同時に織り上げる技術「フリル織」と、表裏異なるデザインを同時に織り上げる新技術「リバー織」、緯糸をループ状に隆起させる「ウエーブ織」は、各々特許を取得されています。ウエーブ織のマフラーも拝見し、フリンジ部分も手作業によるカットとのことで、美しさにびっくり!

 私は以前、パリの服地見本市プルミエール・ヴィジョンに出品されていたこのイヅハラ織を見たことがあります。そのスカートが実際にプランタン百貨店で販売されているのを目撃し、ヨーロッパで人気を集めていたことが思い出されました。

 現在も世界に発信中です。日本の巧みの技に改めて驚嘆しました。

トシテックス
 金属チェーンの編み込み技術に定評があります。
Img_58441g 従来手縫い等で後付けしていた金属チェーンを、同社は細巾ラッセル編み機を用いて、衣料用生地に直接、金属チェーンを編み込んで作る方法を開発したのです。
 右はその一つです。

 またもう一つ、ダブル・カットジャカードImg_58381も発表していました。
 これは透けるオーガンジーの間にカットヤーンが入っています。糸のカットは何と手作業で行ったそうです。
 右はその生地に線描の花柄をプリント加工したものです。

テックス・ボックス Tex. Box
Img_58521  ニードルパンチのテクニックで、新作は何かといつも楽しみにしているメーカーです。
 今シーズンも原反ニードルパンチ機と縮絨機による、大胆な色柄の楽しいテキスタイルをたくさん見せてくれました。

アライデザインシステム
 和装部門で出展の同社は、「絵画織」が見事!
 日本画や浮世絵を織り柄で、繊細かつ細密に表現し、見え方も実に立体的です。画素の点描表現による特殊な技法で特許も取得、最高百色以上の色表現が可能といいます。
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 これまでは帯地を中心につくってこられましたが、用途を広げようと、「iPad(アイパッド)」ケースやブックカバーなど小物も提案。外国人観光客の恰好のお土産になりそうです。

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2017年3月17日 (金)

「播州織メッセ!2017」 播州織でファッションショーも ⑵

 今回の「播州織メッセ!2017」では、ブース展示に加えて、モノづくりに興味のある人材を西脇市の播州織を紹介し、産地に呼び込もうというジョブフェアや、ファッションショーも併催されました。

 ショーには、日本アパレル・ファッション産業協会所属のデザイナー5名が参加し、播州織を使用した作品をキャットウォークで披露。各デザイナーとも、播州の先染めの魅力をいかんなく伝えるすてきなコレクションを見せてくれました。
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 右は角野文蔵さんが手がける「AMBELL」のドレスです。

 左下は村松啓市さんによる「everlasting sprout」、右下は「MIDDLA」の安藤大春さんデザインです。この他、小野原誠さんの「motonari ono」、城間志保さんの「SHIROMA」の作品もありました。
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 来場者は学生などが若い人が多く、播州織の認知度を高めるという主催者の期待通りの展開になったのではないかと思いました。
 すばらしい試みに拍手です。

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2017年3月16日 (木)

「播州織メッセ!2017」 7年ぶりの東京開催 ⑴

 先月21-22日、播州織総合素材展2017「播州織メッセ!2017」が北青山テピアで開催されました。
 東京での開催は7年ぶりとのことで、ジョブフェアやファッションショーも併催され、官民挙げて力の入ったイベントでした。出展したのは20社、1団体、1グループ、また来場者も多かったようで、1,200人と発表されています。私も足を運んでみて、盛り上がっているという印象を受けました。
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 “変幻自在”をテーマに、テーマゾーンも設置され、7社の産元、機業(丸萬、丸和商事、カゲヤマ、Img_59641島田製織、コンドウファクトリー、橋本裕司織布、斎藤商店)が開発した新作サンプルを自由に持ち帰ることができるようになっていました。(右は私がいただいたサンプルの一部です。) このサービスは産地PRに大いに役立ったものと思われます。

 注目したブース展示をご紹介します。

丸萬
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 「POLS(ポルス)」ブランドを大きく打ち出していました。これは同社がKAJIWARA DESIGN STUDIO(代表はテキスタイルデザイナーの梶原加奈子さん)とのコラボレーションし、2015年に誕生したものだそうです。先染めジャカード織によるカラフルで大胆なジオメトリック柄のコレクションに目を奪われます。デザイナーの力って本当に大きい!

島田製織
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Img_577711  自社ブランド「hatsutoki」を前面に押し、なかなか好調のようです。繊細な美しい綿織物を活かした大人のカジュアルウェアで、着心地よさそう。
 右は、動きのあるヘリンボンをイメージしたカットジャカードで、さりげなくラメ糸も
使われています。綿94/ポリエステル6。

岡治織物
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 ジャカード織物の老舗に飛び込んできた若手デザイナー、佐藤 健さんが手がけるジャカードのアイディアが面白い。100周年を迎える同社を記念してデザインしたポストカードが壁に貼られていて、それを自由に持ち帰ってもよいといいます。しかし100年後に返却してというのです。
 産地に新しい風を吹き込む若い力に期待です。

桑村繊維
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Img_57461  得意のチェックとボーダー&ストライプを軸に展開していました。

 塩縮など表面感のあるものや、明るい色使いのカットものが人気のようです。

大城戸織布
Img_57561jpg  綿織物以外に、麻やウールなど様々な素材を使い、織機も駆使して、他にない独創的な織物を提案しているテキスタイルメーカーで、いつも感嘆してみています。
 今回はテグス使いや、虹色ラメ糸の長いカットヤーンが魅惑的なジャカードなどを提案していました。

オザワ繊維
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 「綿花の女王」といわれる東洋紡の「マハラニ」シリーズを大きく訴求。その上品な光沢や美しい色、洗練された風合いに魅了されます。

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2017年3月15日 (水)

ビワタカシマ2018春夏素材展 テーマは「自然回帰」

 第31回ビワタカシマ2018春夏素材展が先月半ば、東京・表参道で開催されました。出展したのは高島織物工業組合傘下の9社です。

 Img_55831テーマは「自然回帰」で、コットンを中心とした優しい自然素材がベースになっています。
 この産地ならではの巧みな織り技術や加工を駆使してつくられる「高島ちぢみ」やその変わり織から、透け感のある繊細なクレープ、楊柳、微妙に変化するグラデーション、またデニム調のものやこだわりの先染め、しっかりとした「高島帆布」まで、さらに緑黄色野菜やかんきつ類などベジタブルダイによるフレッシュなカラーパレットの打ち出しもみられました。

木村織物
Img_55931  「高島ちぢみ」の変わり織、とくに先染め、強撚、よろけ柄、かすり調のものなどに関心が集まっていました。
 右は綿100%の先染めよろけちぢみです。

高橋織物
Img_56091jpg  改質綿糸使いの先染めエンボスクレープのバリエーションを拡大。とくにテンセル混をアピールしていました。
 右はテンセル70/綿30のもの。

杉岡織布
Img_55861jpg  美しいカラーグラデーションのちぢみを提案しています。
 今シーズンは先染め楊柳の、とくにネイビーのグラデーションが気になりました。
 右は楊柳先染めネイビー、綿100%。

マスダ
Img_56161  コットン/和紙の交織を前面に打ち出し、細番手の綿糸使いを中心に、非常に薄く軽い、透け感のある布を見せていました。
 右は綿65/和紙40のもので、「細和紙目ずれします」との注意書きも添えられています。

本庄織布
 綿やポリエステル、レーヨン、ポリウレタン混など複合による「高島ちぢみ」の変わり織が注目されます。
 左下は杉綾楊柳で、綿40/ポリエステル40/レーヨン20。
 右下はサッカー風の楊柳ハイストレッチ 綿98/ポリウレタン2。
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2017年3月14日 (火)

2018年春夏コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、プレスリリース(NEWS)の3月10日付けで、「2018年春夏コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。
 http://www.cotton.or.jp/pr2017-03-10.htmlをクリックしてご覧ください。

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2017年3月13日 (月)

コットン・ファッション・セミナー開催のお知らせ

 今シーズンもまた、コットン・ファッション・セミナーを下記の通り開催いたします。
 皆様のご参加をお待ちしています。

 なお、一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「イベント」ページで、「コットン・ファッション・セミナー開催」の記事が掲載されています。http://www.cotton.or.jp/seminar.htmlをクリックしてご覧ください。

                   記

テーマ:「2018春夏~2018/19秋冬コットン・ファッションと素材の傾向」
講 師:柳原美紗子(ファッション・ディレクター)

日程および申し込み先
■ 大阪 4月7日(金) 2:00P.M~4:00P.M. 大織健保会館8階
  主催/協同組合 関西ファッション連合 
  申し込み先/電話06-6228-6525

■ 東京 4月10日(月) 1:30P.M~3:30P.M.  東京ウイメンズプラザホール
  共催/東京織物卸商業組合、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
  申し込み先/一般財団法人日本綿業振興会 電話06-6231-2665

* 大阪と東京の各セミナーは主催団体が異なります。お申込み・お問合せは、必ず直接それぞれの団体にお願いします。

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2017年3月12日 (日)

「ミントデザインズ 2001~2017」服づくりの集大成展

 東京・銀座のクリエイションギャラリーG8で、25日まで、ミントデザインズ(mintdesigns)が服づくりの集大成となる展覧会を開いています。

   同ブランドは、デザイナーの勝井北斗、八木奈央が2001年に立ち上げました。その特徴は大胆な色合いの、グラフィカルなモチーフのテキスタイルです。
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Img_58051jpg    会場に入ると、最初に目に付くのが、現在までのアーカイブ作品です。その奥に加茂哲也が手がけたヘッドピースやテキスタイルの原画などが展示されています。

   これを見ると、二人がトレンドに左右されることのない、プロダクトのような服づくりを目指してきたことがわかります。
   そのオリジナル発信の裏側を知る展覧会、デザイナーを目指す人に必見です。

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2017年3月11日 (土)

「吉岡徳仁 スペクトル」展 プリズムの光を体感

 今、「吉岡徳仁 スペクトル」展が銀座の資生堂(SHISEIDO)ギャラリーで、26日まで開催されています。
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 副題は「プリズムから放たれる虹の光線」です。闇の中、プリズムの7色の光が輝く様子は、まるで宇宙空間にでもいるかのよう。そんなちょっと不思議な気分を体感してきました。

 吉岡徳仁氏といえば、結晶の椅子などガラスのプロジェクトで世界的に高く評価されているアーティスト/デザイナーですね。今月15日には、ミラノのバグッタ通りにイッセイミヤケの旗艦店がオープンするそうで、この店舗デザインを手がけたのも同氏といいます。
 次回ミラノに行く楽しみが一つ増えました。

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