2017年12月10日 (日)

かたよせ会 秋のファッションショー 青春時代にカムバック

 シニアファッションを手がけるアパレルメーカーのアイエムユー(岡田たけ志社長)が、10月19日、世田谷区の社会福祉グループ「かたよせ会」(高山都規子代表)のイベントで、上北沢区民センターにて「秋のファッションショー」を開催しました。
 同社は毎年この時期に、シニアに向けたファッションイベントを行っています。「変身して元気に楽しく青春時代に戻りませんか」と呼びかけて、すでに10年以上にもなるとのことです。私は今回初めて見せていただきました。

Img_38061jpg  司会役は浅草系の芸人さん、風呂わく三さんです。漫談師とあって愉快なトークで幕が開き、ショーがスタートしました。

 会場に集まった40名ほどのシニアが、思い思いImg_38101のファッションを披露していきます。 その着姿についてひとり一人に、司会がインタビューし、スタッフが着こなしをアドバイスするという、楽しいファッションショーでした。

Img_38131 中には80代や90代の方、またお孫さんとご一緒の方、さらに男性シニアもいて、堂々とランウェイをウオーキングする姿に目がテンになりました。

 出演したシニアたちは、事前にご自身でアイエムユーが提供するファッションモデルを選び出し、全身をコーディネイトされています。そのコメントがまたなかなかのもので大変興味深かったです。
 「いつもパンツなので、スカートがはけてうれしい」、「フリルやレースの服を着てみたいと思っていた願いが叶いました」、「普段、黒や色のないものばかり着ているけれど、赤や明るい色を着てみたらいい感じです。これからはきれいな色を着たい」など。
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 シニアのファッションというと、どうしても従来の常識にとらわれがちです。でもこういうイベントに参加して、これまで体験したことのないファッションに挑戦すると、新しい視界が見えてくるものです。
 考え方にもきっとポジティブな変化があったのではないかと、私も心楽しく思いました。ほんとうにすてきなファッションショーで、ご関係の皆様にエールを送ります。

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2017年12月 9日 (土)

デザイナート 「普通とは何か」テーマにデザインイベント

 このブログ2017.12.6付けでご紹介した「デザイナート(DESIGNART)」では、この10月、都内各所で、秋のデザインやインテリアアート関連のイベントが開催されました。
 実はこのイベントはこれまで毎年外苑前絵画館で行われてきた東京デザインウィークを刷新したものです。昨年学生の作品が発火して、5歳の男の子が死亡するという痛ましい事故が起こったことは記憶に新しいところですね。そこで今年はこれを中止し、心機一転、デザインとアートの祭典「デザイナート(DESIGNART)」として再スタートしたのです。

 様々なイベントが開催されるなか、私が注目したのがインテリアライフスタイルショップ「シボネ アオヤマCIBONE Aoyama」で催された「普通とは何か What is normal」をテーマにしたコレクション(「エル・デコ」主催)でした。デザインの発展のためには、normalを打破し、新しい普通をつくっていくことが重要という趣旨のエキシビションが二つ行われていました。
 一つは「Merci meets CIBONE」で、パリのセレクトショップ「メルシー」のテーブルウェア“LA NOUVELLE TABLE”コレクションです。
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Img_41831   とくに同ショップのアーティスティック・ディレクターでコレクターとしても名高いダニエル・ローゼンストロック(Daniel Rozensztroch)氏のスプーンコレクションから厳選200本の展示があり、珍しい貝のスプーンなど大変興味深かったです。 

 もう一つはベルトイアン・ポット(Bertjan Pot)のロープワーク展です。
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 本邦初のお披露目だそうで、しなやかなロープを使い自由自在に様々な表情の人の顔を表現しています。このアートワークは、このようなマスクだけではなく、様々な場面に使えそうで、可能性が広がります。
 子どもたちが面白そうに見ていたのが印象的でした。

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2017年12月 8日 (金)

装飾は流転する―今と向き合う7つの方法展 山縣良和作品

 東京都庭園美術館で今、「装飾は流転する―今と向き合う7つの方法展」が開催されています。同美術館のオープニングイベントとして行われた「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」ファッションショー(昨日のブログに掲載)の後、展覧会を内覧しました。
 国籍や年齢が異なる7組のアーティストが出展していて、今という現実を見つめる多様な「装飾」表現を披露しています。
 その一人が山縣良和さんです。自身のブランド「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」を設立した2007年以来の作品を発表しています。

20171117_1916021jpg  2階に上るとまず目にするのが、神々のファッションショーです。
 ファッションの起源は神々が動物に向かって行ったショーであるという物語に基づく衣装です。


 

20171117_1924051  神々のもとから逃げ出した女の子が眺めるレースの地球儀も展示されていました。

 
 
 

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 七福神のお祭り装飾を過剰なばかりに採り入れてファッションとして表現した話題作です。

 
 

 

20171117_1924381jpg_2  2016年から取り組んでいる3部作「フラワーズ」から、「アフターウォーズ(戦後)」テーマの花におおわれた「棺」の作品です。

 
 

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 前夜のファッションショーにも登場した「インバネスコート」です。
 何人もの少女たちが集団で着装し、ちょっと不気味でした。

 

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 「アフターウォーズ(戦後)」の「山」ルックです。 

 「ファッションとは何か、装飾とは何か」を問いかけ突き付ける、興味深い展覧会です。来年2月25日まで開催されます。

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2017年12月 7日 (木)

2018春夏リトゥンアフターワーズ 最終章「戦後」テーマ

 昨日このブログで紹介した山縣良和さんが手がける「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」のファッションショーに先月17日、行ってきました。場所は予告通り東京都庭園美術館前の広場で、展覧会「装飾は流転する」の開幕イベントでもあり大観衆を集めてのランウェイでした。大行列して入場し、人気のすごさを実感しました。
 同ブランドは今年で10周年を迎えるそうです。テーマは「After Wars(戦後)」で、戦前から戦中と続いて来た昨年来のストーリーである「Flowers(フラワーズ)」の最終章とのことでした。
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 冒頭、「仰げば尊し」のミュージックが流れて、懐かしさに襲われるなか、映画で見るような敗戦後間もない日本の風景や竹の子生活を連想させるようなモデルが、走馬灯のように出現しました。

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 焼け焦げた服やボロ服、くたびたれた軍服、詰襟の学生服、赤い頭巾の子どもの集団、それらとともに妖精のような雰囲気のドレス、平和への思いを込めた花々や千羽鶴のモチーフ、さらにリヤカーや何と棺桶も現れ、さらに自然をイメージさせる巨大な樹木も登場し、驚かされました。

 まさに現代の若者たちの愛と平和へのメッセージが伝わってくるスペクタクルショーといってもいいでしょう。
 戦争で全てを失った頃の空気感が、ポップにワイルドに、またユーモアたっぷりに表現されたコレクションでした。

 来場者には谷川俊太郎の詩「十二の問いかけ」が配布され、「ファッション・装いとは何か」を問いかけていたのも心に残りました。
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2017年12月 6日 (水)

デザイナート初日PechaKucha Nightに山縣良和さん登場

  この秋、アマゾンファッションウィーク東京と同時開催したのが「デザイナート(DESIGNART)」です。デザインとアートの造語で、その素晴らしさを発信、共有していくための活動といいます。10月16日に開幕し、そのオープニングを飾った「ペチャクチャ  ナイトPechaKucha Night」が表参道ヒルズで行われました。
 これは東京発で世界600都市に拡大中のイベントだそう。クリエイターたちが自分の作品や活動についてプレゼンするというものです。20秒ごとに変わる20枚のスライドを使って400秒のプレゼンテーションを行うのがルールといいます。
 ペチャクチャというように、楽しいおしゃべりが飛び交う、お祭りのようなにぎわいの中、真っ先に登場したのが、リトゥン・アフターワーズ(writtenafterwards)の山縣良和さんでした。
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Img_32821  山懸さんはご自身のこれまでの取り組みを語り、最後に11月18日から東京都庭園美術館で開催される「装飾は流転する」に参加しファッションショーを披露すると発表しました。ショーを行うとは伺っていましたが、まさかこのような美術館でとは思っていませんでしたのでびっくり! ほんとうに大活躍の山縣さん、すばらしいです。

 この後、訪れたリトゥン・アフターワーズの展示会では、夢のような幻想的な美しさに、しばしうっとり----。
Img_39291 優しいパステルの彩りや布を折り合わせて仕上げたギンガムチェックなど、どこかはかない印象が漂っていたのを思い出します。
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2017年12月 5日 (火)

日本綿業振興会賞に北欧をイメージした作品

 第55回全国ファッションデザインコンテスト(一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催)が、10月14日にSUGINO HALLにて開催され、 日本綿業振興会賞に中国の周 尚琴(しゅう しょうきん)さんの北欧をイメージした作品が選ばれました。 

071 今回は応募総数1695点の応募があり、デザイン画から40名の方が入選され、実物制作を経て最終審査のファッションショーに臨んだのは39名でした。この中から、文部科学大臣賞を始めとする各賞が授与され、日本綿業振興会賞に私も審査員の一人として参加しました。
 受賞した周 尚琴さんは、現在、浙江理工大学服装学院デザイン科服装設計コース4年生で、デザインを学んでいるといいます。(ちなみに同大学は杉野学園の交流校で国立大学として著名です。) 

 作品は、北欧の風景に着想したという、スポーティでさわやかな感覚のニットウェアです。一見シンプルに見えますが、ひし形模様の編み地を変形させて、個性的に仕上げています。写真では後部が見えないのが残念ですが、非対称のカットやリボン結びのディテールなど、よくある形ではない、一味工夫したデザインも評価されました。
 白と鮮やかな赤やブルーとのカラーコントラストも清新で、北欧の清々しい透明な空気感が伝わってくるようです。 

Img_31791  周さんに、北欧のどこを意識したのか、と伺いましたら、本で見たというデンマークでした。その自由闊達な精神性や自然豊かな暮らしに憧れるといいます。とくに惹かれるのはインテリアや家具の温かな居心地のよさだそうです。確かにデンマークは民家の茅葺屋根や木工家具など、自然素材や職人技にこだわり、使いやすくて美しいデザインを生み出しています。
 素材も心地よい自然素材のコットンが大好きといい、本作品も綿100%の糸でつくったそうです。工場には何度も足を運んで、自身で編み立て作業に取り組み、一週間がかりで制作したといいます。

 レストランを経営するご両親のもとで育ち、子どもの頃から服を自分でつくるのが楽しみだったそうです。卒業後は大学院へ進み、デザイナーを志望していると話してくれました。今後の雄飛が期待されます。

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2017年12月 4日 (月)

ファッションワールド東京2017 秋の「デザイナーエリア」

 「ファッションワールド東京2017 秋」展の「デザイナーエリア」に出展した新進気鋭のデザイナーブランドたち。ブランドを立ち上げて間もない若手デザイナーも多く、フレッシュな顔触れです。そのいくつかを2018春夏コレクションとともにご紹介しましょう。

KARMA et CARINA
 花模様のエレガントなワンピースの展示に魅せられました。年齢に囚われないエイジレスなラグジュアリーがコンセプトだそう。デザイナーは北迫秀明さんで、パリのエスモード卒業後、劇団四季などのコスチュームデザインを担当し、本展直前の今年10月初旬に、このブランドを立ち上げたばかりだそうです。
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 ブランド名のKARMAは「宿命」、CARINAは「花弁」の意味で、俳優やアーティストたちの「心の芯」を包み込んできた衣装づくりの精神を受け継ぎ、優しさと芯の強さを表現していくといいます。

ハトメ洋装店
Img_30561_2    手の込んだフリルや、細い黒リボンをあしらった白いコットンのブラウスが、ロマンティックなコレクションです。
 デザイナーは瀬越 優さん。「ハトメ」とは、ひもを通す小穴、あるいはそのための環状の金具のことで、デザインから縫製まで、一点一点手仕事で洋服を作っているという、職人らしいブランド名です。
 トレンドからは一歩引いた視点で、永く愛され、定番となりうるデザインを継続的に産み出せるブランドを目指しているといいます。

Alaris
Img_30661  沖縄県在住沖縄出身のデザイナー、久場睦幸さんが手がけるブランドで、自然体でリラックスした、少しエスニックなムードも漂うコレクションです。
 ベーシックを基本にしながら、少しひねりを加えた今風のスタイルを表現し、百貨店や全国セレクトショップにて展開中だそう。
 商品はすべてMADA IN JAPANといいます。

by RYOJI OBATA
Img_30641jpg  ナチュラルでシンプル、ソフトな雰囲気で誰にでも着やすそうなコレクションです。
  デザイナーは小畑亮二さん。2015年より、アパレルブランドとして既製服の製作を本格始動させたといいます。福岡県にアトリエを構え、近々路面店をオープンするとのことでした。

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2017年12月 3日 (日)

国際 生地・素材 EXPO 注目のコットンファブリック

 先般の「ファッションワールド東京2017 秋」で開催された第3回 国際 生地・素材 EXPOでは、今回も注目のコットンファブリックが出品されていました。

播州織工業協同組合のクラッシュ加工
 クラッシュ加工はこれまでも数々の賞を受賞している「知る人ぞ知る」のテキスタイルです。私も何度も取材し、その都度驚かされてきました。
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 これは播州織が生み出したやわらかな紋様を織り出した綿織物で、Img_30721 緯糸の配列を曲線状に移動させる技術でつくられています。最初は糸がひっかかって切れやすいと思っていたのですが、今ではそんなことはなくて、手触りは滑らかで表現も洗練されていると感じました。
 シャツを始め、バッグや傘など様々な製品にアピールしていました。

オールブルーのパイルデニム
 オールブルーは、デニム・ジーンズの町として知られる岡山県倉敷市児島地区を本拠とするメーカーで、今回はオリジナルのパイルデニムを訴求していました。
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Img_30791jpg  インディゴのロープ染め糸をタオルのジャガード織機で織り上げたパイルデニムで、ジャカードなので多様な柄が表現されています。
 綿のふっくらした風合いが気持ち良いファブリックです。

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2017年12月 2日 (土)

国際アパレルEXPO 東光リミーの温感・冷感「テラックス」

 「ファッションワールド東京2017 秋」の国際アパレルEXPOで、オヤッと思ったが、東光リミーの「テラックス ホット」です。 先般のプルミエールヴィジョン(PV)パリでは東光商事が冷感生地「テラックス クール」を発表していて、このブログの2017.10.7付けでご紹介したことを思ったからです。
Img_31601jpg_4  こちらの方は温感生地で、テラックスは温感・冷感の双方に対応できる生地をつくれるのですね。 
 テラヘルツという人工鉱石を使用し、この鉱石をImg_31641_2パウダー化して生地にプリントしたり、練り込んで糸にしたりすることで、温・冷、それぞれに使い分けられるといいます。
 人工鉱石の主成分は金属シリコンで、これに数種類の鉱石がブレンドされているのです。冷感用には石英や大理石など、温感用にはマグネシウムやマンガンなどとのことですが、㊙のようです。 

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 テラックス クールはプリント部分を衣料品の表に用いて、人体と衣服内にこもった熱を大気中に放出する機能を付加した鉱石が媒体となって涼しく感じさせ、またテラックス ホットは、蓄熱効果のある鉱石を使ったプリント部分を裏に使用することで、+3度の快適な温かさを保つそう。
 スポーツやカジュアル、インナーウェア向けに好評で、売れ行き好調といいます。今後は寝装・寝具やタオルにも広げていきたいとか。今後の動きに注目です。

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2017年12月 1日 (金)

「未来の購買体験」を演出するITサービスのスタイラー

 先般の「ファッションワールド東京2017 秋」展で行われた特別講演会で、ITサービスに関するお話しに興味を惹かれ、参加しました。講師はスタイラー(株)CEO小関 翼氏です。Img_31541_2 「ユーザー体験から未来の購買体験を考えよう!~海外の先端事例から探るファッションITサービス動向~」をテーマに、ファッション×テクノロジーの未来を語りました。
 元々金融マンだったという小関 翼氏は、アマゾンに入社し、アマゾンにも苦手な分野があることに気づき、スタイラー(Styler)を立ち上げたといいます。アマゾンはEC業界の中でもっともユーザー中心の企業で、安価で品揃え豊富、便利に購入でき、コモディティ商品に強い。しかし人間はそれほど合理的ではないし、そうではない特別な価値を求めていたりもします。とくにファッション商品は情緒的価値が重要で、答えは一つではないといいます。同氏はそうしたニーズをとらえて、コミュニケーション型コマースを開発し、「未来の購買体験」を演出するサービスを提供しているのです。
 たとえば同社の「フェイシー(FACY)」というアプリには、ユーザーのニーズがリアルタイムで流れています。「オフィスに着ていけるキレイ目のトップスを探しています」などと情報を書き込むと、様々なショップからおすすめの服が提案されます。ユーザーはそれらの中から好きなものを選んでネットで購入、あるいは実際の店舗に行って買うこともできます。
 グーグルなど検索サイトでは、ユーザーは知っているアイテムしか購入できませんが、これでしたら思いがけない商品に出会えます。ショップの方も、新規顧客を店舗へ誘導できるとあって導入が進んでいるといいます。
 このサービスは、ユーザーとショップをつなぐだけでなく、モノづくりにも生かせそうです。ユーザーの書き込みを基に、ニーズを分析して的確な企画を立てることが可能になってくるからです。
 ファッション業界の構造が、またしても変わってきそうです。

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2017年11月30日 (木)

デサントが語る「スポーツ×ファッションの可能性」

 先月10月11~13日開催された「ファッションワールド東京2017 秋」展で、業界活性化&若手応援のための特別講演会が行われました。
 その一つが、「スポーツ×ファッションの可能性」と題した講演です。登壇したのはデサントジャパン取締役 常務執行役員 第1部門(アスレチック&アウトドアブランド)長 小川 典利大氏で、この4月に現職に就任され、20年間ずっと身も心もスポーツ中心に歩んでこられたといいます。そして今、何よりも思うことは、スポーツ事業を世界レベルに引き上げること、そのために業界の枠を超えて多くの方々と協働したいと挨拶。スポーツとファッションの未来には、どのような可能性が広がるのか、デサントの展望を交えて語られました。

 まず取り上げたのは、スポーツマーケットの魅力です。今やスポーツはライフスタイルの一部となりましたが、そのきっかけとなったのは2002年のサッカー日韓だったと振り返ります。当時はベッカムスタイルなども登場し、スポーツ量販店が拡大、セレクトショップではジャージ、つまりトラックトップが大々的に展開されるようになり、ランニング人気もあってスニーカーブームが起こり、スポーツシーンが一般化していったといいます。
 世界的なスポーツイベントの影響はかくも大きく、これからも2018年パンパシフィック水泳選手権、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックと目白押しです。健康・美容面から自己を鍛えるトレーニング人口も増加するなど、スポーツカルチャーの一大ブームも予想され、過去最大のチャンス到来とあって、需要の大幅アップは間違いないと断じました。
 次にファッションとの関わりです。スポーツとファッションの境目が曖昧になり、両者は同じ土俵で一つになり、融合すると指摘します。但しファッションブランドが流行り廃りのあるデザインからスタートするのに対して、スポーツブランドは機能から入ると、違いも強調しました。デサントはトップアスリートと共同開発を進めています。当然ですが機能が生み出す美やデザイン性を重視し、機能をファッショナブルにするスポーツモードを目指しているといいます。
 さらに今後の方向について、とくに来年10周年を迎えるオルテラインのImg_48451 「水沢ダウン」(写真右 デサントショップ東京)に触れ、このようなシンプルで高機能にこだわったスポーツウェアが、少しずつ市民権を得られるように努力していくと述べました。水沢ダウンは、同社岩手県水沢工場でのみ生産される高品質なハイテクダウンジャケットです。ステッチが無く、水を通さないので雨や雪の日にも着用できる画期的な製品で、ショップに出すとすぐに売り切れる「知る人ぞ知る」のジャケットです。
 最後にスポーツファッションの可能性はますます大きいとしながらも、ポイントは世の中の動きに流されない独創性にあるときっぱり。機能にイノベーションを推進しながら、「ブランドらしさ」をつくっていく、このためには「変えない勇気」も必須要素と直言しました。
 示唆に富んだ提言あふれる講演でした。

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2017年11月29日 (水)

「デンマーク・デザイン展」 ヒュゲを愛する暮らしのかたち

  今年は日本・デンマーク国交樹立150周年記念の年とあって、様々なイベントが開催されています。20171123_poster 今月23日から東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で始まった「デンマーク・デザイン展」もその一つです。先週25日のTBSテレビ人気番組「世界ふしぎ発見」もデンマークがテーマでしたね。
 先日この内覧会があり、デンマークの「快適でモダン。伝統と機能美。ヒュゲ(デンマーク語で<温かな居心地のよい雰囲気>の意)を愛する、暮らしのかたち」とはどのようなものか、見聞してきました。

 冒頭、デンマーク大使館公使参事官マーティン・ミケルセン氏が 「デンマーク・デザインの第一義は、温かさと居心地のよさ」と語られ、「民家の茅葺屋根や木工家具など、自然素材や職人技にこだわり、シンプルで機能的なものを生み出しているところは、日本との共通項」と挨拶しました。
Img_45261 デンマークは世界で一番幸せな国といいます。国連の幸福度ランキングではいつもトップクラスを誇っています。ちなみに日本は先進国で最下位です。いろいろな面でやはりデンマークと日本は違っている、と思いながら、ギャラリーを巡りました。
 (写真は美術館より特別に許可をいただきました。)

 展示構成は、次のようです。

第一章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン
Img_45351 18世紀、マイセンを通じて広まった「ロイヤルコペンハーゲン」の磁器が出品されています。
 美しいコバルトブルーのブルーフリューテッドというたて縞入りの絵付けのものと、ブルーフラワーのものが展示されていて、フラワーが余白を活かし左右非対称に配されているのは、ジャポニスムの影響といいます。こんなところにもジャポニズムとは!驚きました。

第二章 古典主義から機能主義へ
 コーオ・クリントの「レッドチェア」(1927年)が展示されています。
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 コーオ・クリントは古代ギリシャに着想した直線的な形態の家具の中で、人間の体に合った機能的なデザインを生み出し、近代デザインのパイオニアと呼ばれているデザイナーといいます。何と日本の提灯をヒントにしたランプシェードも制作していたのですね。

第三章 オーガニック・モダニズム ― デンマーク・デザインの国際化
 本展のメインとなっているのがこの章です。第二次大戦後の「ミッド・センチュリー(20世紀中頃)」と呼ばれるデザイン史上の黄金期で、このとき創り出された多くの優品が、現代のデンマーク・デザインの大きな特徴をなしているといいます。

 ハンス・ウェグナーの「ラウンドチェア/ザ・チェア」。
Img_45421 アメリカで1960年、アメリカ大統領選挙でジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンがこの椅子に座ったことで有名になり、「ザ・チェア」という愛称がつけられたといいます。この時代、デンマーク・デザインを国際的に知らしめた重要な作例になった椅子です。

Img_45371  アーネ・ヤコブスンの「アントチェア」です。
 デンマークで初めて大成功した大量生産のスタッキングチェアで、座と背が一体化した最初の椅子といいます。

 

Img_45461  ポール・ヘニングスンのペンダント・ランプで、「アーティチョーク(西洋野菜で和名チョウセンアザミ)」の形がユニークです。
 革新的なモダニストと言われたこの人は、独創的な照明器具を次々に生み出していったといいます。

Img_45101jpg  
 デンマークの典型的な民家のリビング・ダイニングルーム。

Img_45201  ヴェアナ・パントンの「パントンチェア」。
 1960年代のポップカルチャーにインパイアされたという、強烈な色彩と挑発的なフォルムで、デンマークというとよく見るハート型の椅子もみられます。

 

Img_45241jpg  お馴染みのレゴ社の「レゴ」です。
 レゴは、デンマーク語で「よく遊べ」を意味する言葉から来ているとか。
 今や、子どもの創造性を広げる教育玩具として世界的に評価されていますね。

第四章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン
Img_45541jpg ここでは何と自転車の最新モデルが出ていました。
 デンマークは「デザイン大国」であると同時に「自転車大国」でもあったのですね。

Img_45561jpg  
 写真のように、荷台付き三輪車も街の中を普通に走っていると聞いてびっくりしました。

 デンマーク・デザインの魅力に迫る大変興味深い展覧会でした。会期は12月27日までです。(URL http://www.sjnk-museum.org/program/current/5062.html) 

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2017年11月28日 (火)

典雅と奇想 明末清初の中国名画展 激動期の画家の傑作

 今、東京の泉屋博古館分館で「典雅と奇想 明清末初の中国名画展」が開催されています。開幕前日の2日に内覧会が催され、中国絵画を鑑賞する絶好の機会と訪問しました。

 まず野地耕一郎館長が挨拶され、概要を説明されました。00089441_2
 これによると本展は、中国が明から清朝へ、つまり漢民族から北方異民族に変遷する激動期に生きた画家の傑作にスポットが当てられています。明に仕えた画家たちは先の見えない時代の中で、時代の先の絵を描こうと、より大きな創造力を発揮するようになっていったといいます。こうした中、正統派の画家が活躍する一方で、典雅な山水表現に背を向ける異端の画家たちも現れるようになります。彼ら奇想派の画風は、雪舟をはじめ若冲や蕭白らにも影響を与えたといいます。まさに江戸絵画の素地をつくっていったのですね。「典雅と奇想」というタイトルの意図がようやくわかった気がしました。
 それにしてもこれら名画の最高作品がこの日本に存在していて、その一つがこの住友コレクションであり同館が所蔵していることを初めて知りました。明治末から大正期、中国の辛亥革命により明清の名品が日本にもたらされて、他国に流れないようにしっかり保管していたのですね。何という先見の明でしょう!

 次いで、板倉聖哲東京大学東洋文化研究所教授によるギャラリートークが行われました。私にはちょっと難しくてとっつきにくいと思っていた山水画でしたが、楽しく鑑賞させていただきました。(なお写真撮影は、美術館より特別な許可をいただいて撮っています。)
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 会場は6章仕立てになっていて、明末正統派の巨匠、菫其昌(とうきしょう)から八大山人、石濤(せきとう)、清初の正統派といわれる惲寿平(うんじゅへい)まで、同館のコレクションを軸に他の美術館・博物館からの名品を集めて、54点が展示されています。

 中でも私がもっとも印象に残ったのが、第2章の「明末奇想派」です。
20171102_1824281jpg 右は、板倉先生が米万鍾(べいばんしょう)の「寒林訪客図」を解説しているところです。
 この絵は仰るように、樹木の大小が、前景の木と主山の頂のそれと、それほど変わりない大きさで描かれていて、それが幻想的な雰囲気を強調しています。
 絹地の水墨画で、赤い彩色も施されています。それにしても水墨画にこんなにも色彩が見られるとは、思っていませんでした。

20171102_1824431jpg  また同様に米万鍾の「石柱図」(右手前)も奇石を表現したシュールな絵です。この画家は当時盛んだった怪石趣味にはまっていたといいます。
 絖本という、特殊な光輝の素材の上に描かれていて、光の具合によって輝くのも不思議です。

 この他見どころ満載です。開催は12月10日まで、中国絵画に興味のある方はどうぞお早めにお出かけください。(URL https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/ )

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2017年11月27日 (月)

高級感あふれる「米沢テキスタイルコレクション2018AW」 

 山形県米沢産地の2018秋冬向けテキスタイルを発表する「米沢テキスタイルコレクション2018AW」(米沢繊維協議会主催)が、先月10月26-27日、東京都千代田区の東京交通会館で開催されました。
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 参加したのは、同産地の14社です。インデックスコーナーには各社得意の高級感溢れるエレガントな新作が並びました。開発した生地で仕立てたワンピースやスカート、ジャケットも展示され、会場で実際に着用もされました。
 全体にシルエットの出せるしっかりしたハリ・コシのある化合繊が中心で、その天然複合も多く見られます。
 シルキーなジャカード織を主体に、クラシックをひねったカットジャカードや明るい色調のグラフィカルな幾何学柄も目立っていました。そのいくつかをご紹介します。

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青文テキスタイル Pe57/ C43        峯田織物 C35/ Ry35/ Pe30  

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ワボー C84/Ny16            タケダ実業 An32/ Pe30/ C16/Ry15/ Ny7 

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2017年11月26日 (日)

2018/19秋冬向けBishu Material Exhibition 盛況裡に閉幕

  2018/19秋冬向け尾州産地展「Bishu Material Exhibition(BME)」が、「BISHU YARN FAIR(BY)」を併催し、東京・北青山のテピアで10月11日~13日、開催されました。来場者は、前回秋冬展よりは少ないものの2,000名近い来場者があり、盛況裡に閉幕した模様です。

 第15回目を迎えたBMEには、尾州産地のテキスタイルメーカー16社が出展し、また昨年に続く第2回目のBYには、同産地の糸業者10社が参加しました。今回は初めてBMEとBYのコラボレーション生地の展示も行われ、好評だったといいます。本展を主催した一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)は、尾州産地の川上から川中の強みや特長を広くPRできたとポジティブに受けとめている様子です。
 サンプルリクエストでは、総じてヘアリーで高品質な獣毛混コート素材や軽やかなチェック柄のもの、またフクレやワッシャーなどの表面変化素材に注目が集まったとの報告もありました。

 会場内にはいつものようにインデックスコーナーが設置され、パリのトレンド発信企業のネリーロディ社の情報を基に開発された生地約180点とガーメント(製品)16点が、下記の3つのテーマで分類され、展示されました。

カントリー COUNTRY
  簡素で有用な職人仕事や自然とつながる生活様式への憧れ。
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フィーリング FEELING

  感覚的でフェミニンな視点、しなやかで柔軟、流動性----のメッセージ。
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ワイルド WILD
  ヒューマニズムや自然の尊重、同時に宇宙の原初であるカオスの魔法に立ち返る幻想的なイメージ。
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2017年11月25日 (土)

2018-19秋冬TN JAPAN東京展 ~あったか~

 今シーズンも日本全国の産地のテキスタイル職人による合同個展、テキスタイル ネットワーク ジャパン(TN JAPAN)東京展が、10月12-13日、渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催されました。出展したのは8社5団体です。2018-19秋冬に向けて~あったか~をテーマに、各社得意の新作が披露されました。

福田織物(静岡)
Img_31501  「BECCO ベコ」のこれまでにない幾何学的なデザインのコレクションが興味深かったです。
 ベコとは別珍・コーデュロイのことで、遠州では昔からこう呼んできたのですね。世界中のバイヤーから引っ張りだこです。

渡辺パイル(今治)
Img_31561  タオルの今治産地にあって、タオルとは思われない生地を提案しています。
 コットンをベースにウールやアルパカなどの高級獣毛使いで、タオル織機の特徴を活かしたパイルやワッフル、ガーゼ、また後加工のシャーリング起毛など、注目の素材が目白押しです。

播州の機屋 播州織工業組合(兵庫)
Img_31431  遠孫織布と加富織物、コンドウファクタリーの合同ブースで、ファンシーなジャカード織物や、変化のある先染め多重織、ストレッチのものなどが見られます。
 前シーズンよりも洗練されたシックなデザインが多くなっているようです。

HCN浜松コットンネットワーク(静岡)
 ざっくりとしたやわらかい風合いにこだわる杉浦テキスタイル、これまでにない革新的なからみ織りの遠州ネット、それに手染めのローケツや注染、柿渋の二橋染工場が参加しています。全体に繊細な表面効果の綿100%素材が好評の様子です。
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2017年11月24日 (金)

NY拠点に活躍するパタンナー 大丸隆平氏のクリエーション

 ニューヨーク(NY)を拠点に活躍するパタンナーの大丸隆平氏が自身のクリエーションを語るトークイベントが、Img_29761 先月初め 行われたユニバーサルファッション協会定例会で、東京・代官山のブティックを会場に開かれました。
 大丸氏といえば、2015年度毎日ファッション大賞で鯨岡阿美子賞を受賞し、私も表彰式でご挨拶したことが思い出されます。
 現在、デザイン企画会社大丸製作所代表で、ニューヨーク(NY)に「大丸製作所2」があり、この春、東京に新拠点となる「大丸製作所3」を開設したといいます。
 福岡出身で、実家は家具屋だったそうです。16歳頃、自分で着るモテ服をつくりたいと、自力で服作りを学んだとか。パタンナーの仕事をきっかけに単身NYに渡り、多くのブランドの企画デザインやパターンを製作、サンプル縫製などを請け負うようになり、9年前マンハッタンに会社を設立。ミッシェル・オバマ大統領夫人のコートも手掛けたそうです。そして3年前に初の自社ブランド「オーバーコート」を立ち上げたといいます。 
Img_29901  ブランドのテーマは「ニューヨークを着る」で、主役は文字通りコートです。場内にはシンプルなエッグシェル型とトレンチスタイルの2種類のコートが用意されていました。何人かが、その場で試着。私もその一人となって、袖通しのよさを実感しました。ラグラン袖やドルマン袖で、肩に傾斜がつき、いわゆる肩線がないのが特徴です。後ろサイドにプリーツがとられていて、サイズを調節する仕様になっています。これなら男女両用、ジェンダーレスでエイジレス、モデル数も絞り込まれていてシーズンレスでもあります。またコートに見えても上に何かを重ねれば、コートではなくなるように、アイテムの曖昧化、アイテムレスという考え方も念頭にデザインしているといいます。
 素材はすべて日本製、ちなみにアトリエのスタッフも全員日本人だそうです。

 東京に新しい拠点を構えたこともあり、これからは日本との繋がりをより強化し、受け皿をつくっていくとのことでした。

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2017年11月23日 (木)

超スマート社会に貢献する先端繊維素材 化繊6社発表

 先般10月3~6日開催されたIT技術とエレクトロニクスの国際展示会、CEATEC JAPAN 2017で、日本化学繊維協会が開いたセミナーに参加しました。テーマは「超スマート社会に貢献する先端繊維素材」です。化学繊維メーカー6社が開発を進めている先端繊維素材及びその応用領域の拡大の事例が紹介され、会場では実物の簡易展示も行われました。

東レ「hitoe」
 プレゼンターの東レ機能製品部 主任部員 浅井 英 氏が、同社とNTTが共同開発したウェアラブルデバイス「hitoe」の活用事例(作業者見守りサービスほか)を、実演を交えて紹介しました。
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 「hitoe」は、「humain intelligence to expand」の頭文字をとって命名されたそうです。ポリエステルナノファイバーに導電性高分子を練り込み、高い導電性を持たせた繊維で、NTTのモバイルサービスとつなぎ、計測していることを意識することなく安定的に収集して、いつでもメディカルチェックができる機能素材であるといいます。
 スポーツウェア分野ではゴールドウィンと組み、トレーニングに効果を発揮し、健康増進・ヘルスケア分野では、作業員の健康状態を把握し、病気や事故予防、健康管理に役立てている、さらに医療サポートでは、在宅での検診診療などに活用されているといいます。
 超高齢社会を迎えた日本に、また世界に向けて、これはもうなくてはならない画期的な技術と思いました。

東洋紡「COCOMI🄬」
 同社のフィルム状導電素材「COCOMI🄬」を使用したセンサー測定器、ユニオンツールの「My Beat」による作業者の見守り技術を応用した「居眠り運転検知システム」を発表しました。Img_29721
 眠気が生じたときの拍動の特徴から異常を検知し、70%の検出率があったといいます。
 夜間、バスやトラックなどを運転するドライバーとって、ありがたいシステムになりそうです。

ユニチカ「感温性フィラメント」 
 ここ数年、普及が進む3Dプリンターで、とくに材料押し出し型向けに開発した新素材「感温性フィラメント」を提案しました。Img_29581_2 これは造形後に安全な低温域、たとえば体温程度で温めるだけで、形状を自由に変更できる特殊ポリエステル樹脂で、摂氏70度で熱処理すると硬化するといいます。
 右の白いバラの花はこの樹脂でつくられているそうで、私も指で押してみました。花びらの形が簡単に変わって、「あっ」と思いました。これでしたら3Dプリンターで成型しても、最後にちょっと調整できます。フィギュアの関節部分など、様々な用途に使われそうです。

クラレ「ベクトラン」
 ポリアリレート系の高強力繊維「ベクトラン」使用の人工筋と「ベクトラン」を使った導電糸を紹介しました。
Img_29601jpg 通常のポリエステルの5倍の強度があり刃物にも強く、非常に細くすることができるので、束にしても太くならないしなやかな人工筋がつくれるそうです。
 またこの導電糸は耐熱性があるので高温ハンダが可能、吸水性も低く吸湿による電気トラブルがないなどの特徴があり、導電不織布は電磁波シールド材などに利用されているといいます。同社の登録商標である「マジックテープ」も導電化することで、生体センサーの固定用に需要を見込んでいるとのことでした。

帝人「圧電組紐センサー」
 関西大学と共同開発した「圧電組紐センサー」とその応用例が紹介されました。これは、今年1月開催のウエアラブルエキスポで初公開されたもので、このブログの2017.1.26付けで記事を掲載しています。ご参照ください。Img_34401jpg写真はそのときのものです。
 日本の伝統工芸である「組紐」の技術を用いることにより、1本の紐で「伸び縮み」「曲げ伸ばし」「ねじり」といった動きを検知し、多様な形状に加工できる、世界初の組紐状ウェアラブルセンサーで、植物由来のPLA繊維が使用されているといいます。小型のコネクター付きで接続も簡単であることもアピールしていました。

旭化成「ロボ電🄬」
 ポリウレタンのスパンデックス「ロイカ」を用いた伸縮電線、「ロボ電🄬」の特長と用途についての発表がありました。これは、ロボットの皮膚に伸び縮みする電線が必要になってくる、との思いで開発したものだそうです。電気抵抗が低い、断線寿命が長い、信号伝送性がよいといった特徴があり、ロボットの配線に最適といいます。

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2017年11月22日 (水)

桐生テキスタイルコレクション2018秋冬 独自新作を発表

 先月5~6日、東京・北青山テピアで桐生織物協同組合主催「桐生テキスタイルコレクション2018秋冬」が開催され、行ってきました。
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 桐生テキスタイルは、様々な素材による織りの演出家揃いです。出展したのは11社で、ジャガードやドビー、先染物、後染物、ニードルパンチ等の加工物、ストールなど、産地の技術を駆使した独自の新作を発表していました。

ミタショー
Img_29001_2  白黒の大胆なジャカード使いのコートを展示し、際立っていました。
 グラフィックなモノトーンは一大トレンドですね。

 中でも注目は、表面変化があってふくらみのある、しかも軽い素材です。
 CO78/PE22のジャカード       CO85/ NY11/PE4  
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小林当織物

 ジャカードのリバーシブルや伝統柄をひねった大柄タイプなど、同社得意の素材がラインナップしています。
 合繊中心の中、上質なコットン100%のシックなジャカードのものも見られます。
 左はストライプ、右はレオパード柄のものです。
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トシテックス

 同社オリジナルの一布多彩(いっぷたさい)をアピールしていました。この布は、ハサミで切って、糸を引き出すと、また別の表情で楽しめる不思議な布です。
 デザインの可能性が広がるすばらしいアイディアと思いました。
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Tex. Box

Img_28981  いつもニードルパンチによる楽しい織物を展開しています。

 今シーズンは伝統的なチェック柄とのコンビネーションを多数提案していました。

津久弘織物工場
 とくにフリンジ織りに注目です。
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  フリンジのような長い糸を出したカットジャカードです。
 混率はPE48/RA33/CU12 /NY7。
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2017年11月21日 (火)

2018春夏ミキオサカベ 現代カワイイと和のミックス

 今シーズンのアマゾンファッションウィーク東京の最後を飾ったのが、「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」。ブランドを手掛けるのは、デザイナー 坂部三樹郎とシュエ ジェン ファンです。

 その2018年春夏コレクションは、現代のカワイイ文化と過去の日本の和の文化をImg_43201jpgミックスした、チャレンジングなデザインで、もうまさに驚きの連続でした。
  まずはモデルの厚底靴にびっくり!高さは25cmくらいありそうです。モデルたちはまるで花魁道中でもしているかのようにウォーキングしました。ヘアも日本髪を思わせる不思議なアップスタイルです。
  袖の誇張や、肩のずれ、左右非対称なバランス感など、そこかしこに和の感覚が取り入れられているようですが、しかし一見そのようには見えません。

 ミキオサカベらしい力量発揮といったコレクションでした。

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