2018年5月25日 (金)

2019春夏 尾州マテリアル・エキシビション

 「2019春夏 尾州マテリアル・エキシビション(Bishu Material Exhibition)」が、4月17日~19日、東京北青山のTEPIAにて開催されました。出展したのは、尾州産地のテキスタイル・ニットのメーカー16社です。新作1,150点が出品されたといいます。
 結果報告によると、来場者は1,431名で、前回春夏展比で減少、サンプルリクエスト数も約1割弱下回ったとのことです。その理由は今回併催事業がなかったため(前回は尾州染色整理加工展を併催)とみられているようです。
 素材としては、全般に薄く光沢のあるものや、リバーシブルが人気だったそうです。

 展示会場の中央部分に設けられたインデックスコーナーでは、ネリーロディ社のトレンドコンセプト(心奪われるもの)を基に開発された素材183点が、テーマ別に展示され、その一部は製品として披露されました。

 この3つのテーマを下記ご紹介します。

チーキー CHEEKY  (生意気な)
Img_97021  ひねりを加えたエレガンス、ずらしたエスプリでクチュールからのインスピレーション。

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渡六毛織                      岩田健毛織
綿グランドにポリエステルボーダー   ドビーブロックファンシー

アライブ ALIVE (生きている)
Img_96701  守られるべき自然がヒント。生態系と最先端テクノロジーの両立。

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鈴憲毛織                     西川毛織
清涼感あるサッカーガンクラブ    軽くナチュラル感のあるジャカード

サンセット SUNSET (日没)Img_96721  最古の時代の本能とルーツの探求。空、地、砂、太陽のパワー。

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虫文毛織                    ヒラノ
C/Pストレッチ      オーガンジーリネンコットンストライプのラメ入り

 また同会場内で「ジャパン・テキスタイル・コンテスト2017」の優秀作品展の展示も行われました。
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 右はグランプリ受賞作品です。
 Img_96761_2小塚毛織の金 才仙さんの「Multiplex」と名付けられた生地で、3重織のビッグチェックです。表面はやわらかいざっくりとした太番手のツィード、裏面はガーゼのやや硬めの仕上げになっています。その意外な組み合わせのリバーシブル、確かにすばらしい!です。

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2018年5月24日 (木)

2019 S/S T・N JAPAN 東京展「麻にこりまくりました。」

 「テキスタイルネットワークT・N JAPAN 東京」展が、4月19日~20日、東京渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催され、14社が出展しました。
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 今シーズンは麻素材が人気とあって、テーマは「麻にこりまくりました。上品の気流を着せたい」です。各社とも麻使いの新作を前面に打ち出し、商談は盛況の様子でした。そのいくつかをご紹介します。

匠の夢 (新潟県)
 グリーンのコットン混ダブルジャカードがフレッシュです。
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 今季は新たにインテリア向けのナイロン素材やリサイクルコットンを使用したテキスタイルも披露していました。

福田織物 (静岡県)

 今季おすすめの9品番をパネル状に展示していました。
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 綿の超細番手織物や強撚、先染めチェックやサッカーなど、いずれも継続生産しているものだそう。200mまで単価一律に提供するとのことです。

播州の機屋 播州織工業組合 (兵庫県)
 大城戸織布、遠孫織布、コンドウファクトリーの3社が合同で出展していました。

Img_96501jpg  上は大城戸織布のコーナーです。

Img_96471 高密度ジャカードや太番手使いのザックリジャカード、ストレッチ性のある生地や表面変化にこだわった生地などを提案。
 右は遠孫織布のさわやかなジャカードです。

宮下織物 (山梨県)
Img_96561  目を引くのが、右のような玉虫色に輝くファンタジックな素材です。
 40色のカラーバリエーションの先染め・細番手・高密度ジャガードをベースに、糸や組織に変化を加えた、洗練された美しいオリジナルが数多く提案されていました。

クレッシェンド米沢 (山形県)
 シルクを中心にした天然繊維のストールのコレクションが中心です。
 テーマの麻は、透けるような薄地のものを揃えていました。
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2018年5月23日 (水)

第6回綿織物産地素材展 得意の技あり素材を披露

 今年も日本綿スフ織物工業組合連合会主催 第6回「綿織物産地素材展」が4月5日~6日、東京渋谷の文化ファッションインキュベーションにおいて開催されました。連合会傘下の11社が出展し、各社得意の技あり素材が披露され、熱心な商談が行われました。その一部をご紹介します。

古橋織布
 浜松産地で有数の機屋さん。
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Img_95091_2  従来の織物より5~10%も糸密度を高くし、低速のシャトル織機で織り上げたという綿織物には、ふっくらと味わい深い、綿ならではの優しさがあります。
 右は綿100の細番手コードレーンです。

辰巳織布
Img_95111  大阪・泉州地域で、最高品質の綿織物を製造しているメーカーです。
 繊細な高密度織物の品質は、国内のみならず、世界の一流ブランドからも高く評価され、グローバルなファッションシーンを支えているといいます。

ミツノブ
 九州の筑後地方の特産品である「久留米織」製品を製造している織元です。
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Img_95251  久留米織は久留米絣に似ていますが、機械織で強力に織り上げ、幅も140~170センチの広幅です。
 伝統の和装だけではなく、洋服やバッグなどのファッションアイテムまで様々な製品を手がけているといいます。

高麻
Img_95271  滋賀県高島産地で「高島ちぢみ」を生産し、最大の特徴は220cm~245cmのドビー生地の生産だそうです。

 右はサッカー調楊柳チェックです。

和紙の布
 森林の整備で出る間伐材(スギやヒノキ)を使用してつくった糸「木糸」を織り込んだ布づくりで話題のメーカーです。
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 毛羽たちが少なく洗濯も可能で、エコな素材として注目されています。

大城戸織布
 西脇産地で無地から柄物ジャカードまで、他にないオリジナルを手がけています。
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 今回は虹のように輝く光沢糸使いの織物と、マットなシワ加工の織物を披露していました。いつも新しいことに挑戦している頼もしいメーカーです。

遠孫織布
 西脇産地でファンシーな織物といったら、やはりこのメーカーをおいて他にはありません。 今シーズンはやわらかなパステルカラーのグラデーション調ジャカードを提案。これまでとは異なる洗練された感覚が印象的でした。

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2018年5月22日 (火)

ファッションワールド春 ファッションエリアの注目ブランド

 ファッションワールド東京2018・春展のファッションエリアで、有力ブランドから新進気鋭のデザイナーブランドまで、世界中から多数の出展があり盛況でした。とくに注目したブランドをご紹介します。
 
竹村
 
「和のテイストを気軽に使って楽しんでもらう」をコンセプトに立ち上げた「和 遊 楽」を中心に、デニム着物のブランド「巡-meguru」を前面にプッシュしていました。
 デニム着物は、今までの着物のイメージを変える新しい着こなし、たとえばフード付きトレーナーやスニーカーなどと合わせたり、スマートフォンが入るポケットが付いていたり。またダメージ加工も加えて、ファッションアイテムの1つとして着こなせるように工夫されています。

Img_94781 上はデニム着物をまとった竹村 敏之代表です。

 和雑貨では、印伝調シリーズが目に付きました。Img_94731これは発泡樹脂を使って印伝らしく表現したもので、お値打ち感があります。また酒倉染めという、帆布生地にお酒を絞った時にできるようなムラを作ったシリーズも見られました。そうしたちょっと職人的アイディアのあるシリーズが印象的です。

ユニバーサルラボ UNIVERSAL LAB

 26年前にステンカラーを意味するブランドの「SOUTIENCOL」を立ち上げたといいます。デザイナーは三浦俊彦氏で、かつてヴァンジャケットでならしたという知る人ぞ知る人物だそう。 
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 定番をつくり込み、そこにオリジナリティーとヒネリを効かせた上質な大人服をコンセプトに、OLMETEX(伊)社のバーバリー素材を使用したステンカラーコートにラムのリアルファー、カンクリーニ(伊)社のリネンやコットンのボタンダウンシャツ、グレンチェックのウールのパンツ、アーガイルのソックス、ベルベットのハンチングなどトラッドな商品をつくり続けているといいます。息長く続くブランドであるように期待しています。
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エフティーデザイン

 スマイルコットンを使用したカットソーブランド「THYARD」を提案しています。スマイルコットンとは、撚った糸の撚りをほぐし、再び綿繊維に戻すことにより、嵩高で軽い、しかも驚くほど柔らかい風合いに仕上げた綿糸です。
 ブースでは、白で統一したシンプルなジップアップパーカやTシャツのコレクションを展示。20番手糸の天竺使いのもので、静かな人気を呼びそうです。
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2018年5月21日 (月)

生地・OEMエリア ⑵ 注目の素材や副資材

 先般のファッションワールド東京2018・春の生地・OEMエリアで、注目した素材や副資材をご紹介します。

YKK
 1934年に創業のファスナーのトップメーカーとしてあまりにも有名です。
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 ブースではスタンダードなファスナーから面ファスナーの「クイックロン」、繊維テープ・樹脂製品、スナップ&ボタンなど、様々な商品を展示していました。
 とくに目新しく映ったのが、止水性を持たせた「アクアガード」や、植物由来の原料によるエコファスナーなど、機能性を採り入れたファスナーです。

Img_94501jpg  上は「ソフレックス」というストレッチファスナーです。ファスナーのテープだけではなく、エレメント(噛合わせ部分)も伸びる工夫を施し、縦方向への伸縮を世界で初めて実現したものといいます。

 また目立っていたのがデザインファスナーです。
Img_94431  上はエレメントがビーズでできている「ビーズファスナー」で、色の組み合わせを選べることができるので、自由な配色が可能といいます。

1  さらに挿入補助パーツも楽しいものをたくさん提案していました。
 視認性が高まるとともに開口具の挿入操作が容易になり、手袋をしたまま操作も可能とのことで、ユニバーサルデザインのウェアや子ども服、スポーツウェアにおすすめだそう。 

ユタックス (UTAX)
 兵庫県西脇市に本拠を構える、インナーファッションを中心とした副資材メーカーで、接着製品、縫製品の企画・製造・販売を手がけ、グローバルに展開している有力企業です。
 今回初出展して、訴求していたのが自社ブランド「Smoon」、無縫製の接着インナーです。接着加工なので、縫い目が無く薄くてもアウターに響かない。肌に加わる着用圧も均一になるため、締め付け感がないといいます。
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 スポーツウェアにも使用されていて、以前ミラノウニカで見た展示が思い出されました。
 接着技術の進化に目を見張ります。

オーミケンシ
 昨年秋に立ち上げた「温故知新」シリーズ加工を大きく展開していました。
 Img_94381  これは古くから健康によいとされてきた植物、たとえばヘチマやヨモギ、アズキ、イチョウ、メロン、ブドウなどの抽出液で染めたものです。
 また沖縄月桃加工や温泉成分を加工した温泉加工なども提案し、健康と美容をアピール、さらに色褪せない優美な黒やネイビー、赤といった濃色生地等を提案していました。

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2018年5月20日 (日)

生地・OEMエリア ⑴ 血流改善ウェア登場!

 ファッションワールド東京2018・春が4月4日~6日、東京ビッグサイトで開催され、生地・OEMエリアには素材や副資材メーカーも多数出展していました。
 中でも人目を集めていたのが、プラウシオンテックス(PROUSION-TEX)の綿100%血流改善ウェアです。病気になる原因の8割は、血液循環障害という説もあります。「プラウシオン®」というミネラル混合体を配合した繊維は、血液サラサラ、血行促進、疲労回復、老化防止などの効果があるそうです。
 パンフレットによると、プラウシオン®は1990年に日本健康事業促進協会の橋本政和・生理学博士の研究により開発されたもので、物質の性質を変える触媒作用と固有な振動をさせる共鳴作用の性質を利用して、人体へ様々な有益な効果があることが、長年の実験と検証を繰り返し、確認されたといいます。 

Img_94331jpg_3  ブースでは血流改善効果を体感できるコーナーが設けられていて、私もやってみました。プラウシオン®生地でつくった手袋をはめて、はめていない方と比較し、手指先毛細血管の血流がどのように変化するかをモニターで観察するのです。手袋をはめた方は、明らかに血液の流れが速くなり、ビックリ! 流れがよくなり、少し温かくなったと実感しました。ミネラルが出す波動によって、温泉の湯治と同様の作用があると推測されているといいます。

Img_94281  上はプラウシオンテックスを使ったナイトウェアのブランド「リフランス(liflance)」です。100%コットンの3重織ガーゼのパジャマを前面に打ち出していました。
 これを着てぐっすり快眠を期待したいですね。

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2018年5月19日 (土)

シタテルのIT技術が生み出す「衣」のイノベーションとは

 衣服に関する技術のデータ化により、衣服生産に今、革命的な変化が起こっているのを感じます。このブログ2017.3.31付けで「服づくり4.0」プロジェクトで紹介したシタテル㈱代表取締役 河野 秀和氏が、先般のファッションワールド東京・春展で、ファクトリエ(昨日のブログ掲載)に続き、基調講演されました。テーマは「プラットフォームとイマジネーションで作り出す『衣』の新しい価値」です。

 同社は、2014年創業の熊本発ベンチャーで、「sitateru」というインターネットによる衣服生産プラットフォームを提供しています。これはデザイナーと全国の縫製工場をマッチングするシステムです。
 アパレルは、これを利用することで自社の商品に合う縫製工場を簡単に探すことができます。これまで難しかった小ロットにも対応、しかもコスト削減につながり、生産もスピーディというのも強みです。
 現在登録しているクライアントは6,214社で、工場サプライヤーは429社に上るそう。とくに新規ブランドや業界外のクリエイティブな企業など、挑戦的なものづくりを可能にするということもあって、アンリアレイジなど、ハイクオリティでEC化率の高い会社ほど利用しているといいます。
 まさに高い次元のイマジネーションを実現する「衣服をつくりたい」を叶えるインフラなのですね。
Img_94791  展示会では上のようにブースを出展して、仲間を募っていました。

 日本はパタンナーのレベルが遅れているといわれます。でもこうしたシステムの登場で、今後一気にデジタル化が進むと思われます。

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2018年5月18日 (金)

講演会「ファクトリエが描く 日本のものづくりの今と未来」

 今や日本のアパレルの国内生産比率は3%を切りました。こうした中、メイドインジャパン専門のファッションブランドが「ファクトリエ (Factelier)」で、昨今メディアで話題となっています。 

Img_94601  このファクトリエ代表でライフスタイルアクセント(株)代表取締役の山田 敏夫氏が、先般のファッションワールド東京・春展で基調講演されました。題して「メイドインジャパンを世界へ ~ファクトリエが描く 日本のものづくりの今と未来~」です。

 熊本県出身で学生時代にフランスへ留学して、グッチのパリ店で働き、職人のものづくりの上にデザインやブランドがあることを知ったという同氏。このことをきっかけに、2012年メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド、「ファクトリエ」を立ち上げます。
 そのスキームは泣く人をつくらないことで、作り手と使い手、そして伝い手も全員が幸せになれるシステムづくりからスタートしたそう。
 世界が認める技術力がある日本です。ところが国内のアパレル工場や職人は減少し続けています。いわゆる負のサイクルに陥っているのです。これを正のサイクルに変えていくために、中間業者を介さずアパレル工場と提携してものづくりを行い、商品を適正価格で直接消費者に提供していく仕組みをつくろうと考えたといいます。
 そこで全国600以上もの工場を訪問し、現在55工場と契約、商品を生産し販売しているそうです。
 そのポイントは3つあります。
⑴ 工場名のついた地域ブランドであること。すべての商品に名前が付くことで、生産者は誇りをもってつくれます。
⑵ 販売価格を工場が決定する形をとっていること。従来の希望小売価格を全廃し、捨てないことを前提に工場の言い値で購入しているといいます。
⑶ メンテナンスすること。これは最大の強みで、機械が古くなっても、いつでも使えるように、工場側の課題を解決したのです。最高の商品をつくりたいと、若手が入社するようになったといいます。

 これにより、工場は適正な利益を確保しながら、職人の技術やこだわりのある本物をつくり、消費者に納得のいく価格(従来の30~50%オフ)で販売できるようになったのです。
 工場見学ツアーも毎月開催し、今では熱狂的なファンも多いそう。銀座と名古屋、熊本にあるショールームでは、毎週イベントを行っているとも。「メイドインジャパン」と「ファッション」でネット検索すると、トップに「ファクトリエ」が出るほどに成長し、海外約100ヵ国からアクセスがあるといいます。
 最後に、「ファクトリエ」の使命はビジネスを通して社会をよくしていくことであり、日本製の最上の服でお客様を夢中にし、愛着をもって長く使っていただくことを目指すと明言。
 ファッション業界は、現状の消費の在り方を見直し、サステナブルへ舵を切らないと、地球がもたないと発言されたことも印象的でした。

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2018年5月17日 (木)

「グレイヘアという選択」が生み出す新シニアファッション

 「グレイヘア」とは白髪のこと。英語で呼ぶとおしゃれっぽく感じます。この白髪が今、静かなブームになっています。 51kvzirlu3l_sx350_bo1204203200__6 これを仕掛けたのが、主婦の友社新規コンテンツ開発編集者の依田 邦代さん。シニア向け雑誌「ゆうゆう」の副編集長などを経て、現職に就任し、2017年、「パリマダム グレイヘアスタイル」を刊行、パリのマダムのグレイヘアを紹介し、今年4月、日本女性にスポットを当てた「グレイヘアという選択」(表紙は結城アンナさん)を出版しています。
 この4月4日~6日開催されたファッションワールド東京・春展のセミナーに登壇し、今後トレンドになるとみられているグレイヘアとさらなる拡大が見込まれるシニアファッションの需要創出について語られました。題して、「グレイヘアという選択」が生み出す新しいシニアファッションとは?――です。
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 まず「グレイヘアという選択」の背景について。グレイヘアを選ぶ世代は、青春時代にファッションの洗礼を受けた団塊世代が中心で、家庭優先だった女性が多い。子育てが一段落した現在、もう一度好きなおしゃれを楽しみたい、と思うようになっているといいます。2016年にシニアファッションのスナップ誌「Over60 Street Snap Project~  L’ideal(リディアル) 」を発売して、出版不況といわれながら15万部を売り上げるヒットとなったのも、こうしたバックに支えられてのことと推察されました。(このブログ2016.7.14付けでも記事を掲載していますのでご参照ください。)
 次に、主婦の友社がこの3月に行なった意識調査から「おしゃれ感度の高い女性のグレイヘア率は高い」ことを数字で示しました。
 「グレイヘアについてどう感じますか?」では、「美しいと思う」と答えた人が40.8%、「染める必要はない」と思うが16.8%で、それぞれ1年半前の前回調査よりも増えていたのです。しかも約80%が「素敵なグレイヘアならいつか自分もなりたい」。また白髪を染めているほとんどの人は「いつか白髪染めをやめたい」と思っていることもわかりました。しかしそれには超えるべきハードル、つまり移行期をどう過ごすか、老け見えしないための方法は? といった問題があるといいます。
 依田さんは、ここに新たなシニアファッションマーケットが存在すると、事例を挙げて紹介しました。 
 移行期には帽子やヘアバンドなどのヘアアクセサリー、ウィッグが、また完成後はきれいな色や輝くものが若見えするアイテムとして求められるようになってくる、またメガネなどのアイウェアや和装も似合うようになるといいます。
 依田さんご自身も昨年白髪染めをやめたそうです。計算すると、ヘアサロンで白髪染めをすると1回1万円、3週間に1回としたら1年にかかるお金は約17万円、1年に費やす時間は、1回2時間として約34時間にもなります。このお金と時間を別のことに使ってみたら、もしかしたらこれまでとは違う新しい人生が開かれるかもしれません。
 実はグレイヘアにすると、ヘアサロンへ行く回数は逆に増える人が多くなるそうです。メイクやスキンケアなどの化粧に掛ける費用も同様のようです。白髪を隠すという行為が白髪を活かすというポジティブな行為に変わるとき、白髪染めに費やされていた費用は、もっと積極的に消費へと転換される可能性が高くなるのですね。

 グレイヘアは新しい美の価値観をつくり出し、シニア世代の購買意欲を増大させることにつながる――。大変興味深いセミナーでした。 シニアのファッション消費、今後大いに期待されます。

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2018年5月16日 (水)

「カディ インドの明日をつむぐ」展 マルタン・シンを偲ぶ

 先日、21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「Khadiインドの明日をつむぐ- Homage to Martand Singh-」展に行ってきました。
Cpr_2018apr09_01  「Khadi (カディ)」とは、現在もインド各地で手紡ぎ、手織りによってつくられている綿布のことです。本展はこのカディなど幅広い文化復興活動で知られるマルタン・シン氏の偉業を偲ぶ展覧会でもあります。
 マルタン・シン氏はマブーの通称で親しまれた人物で、昨年逝去されました。インドの独立を指導したマハトマ・ガンジーの思想を継承し、カディを「自由の布」と呼んでいたといいます。
 イッセイミヤケで、私も大好きなHaaTは、インドのテキスタイルから発想するブランドです。1980年代にこのマブーとのコラボレーションがあって、このブランドが誕生したのですね。

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 企画監修をされたISSEY MIYAKEのテキスタイルディレクターの皆川魔鬼子さんによるギャラリートークにも参加しました。

Img_04241  上は、その屋外でのトーク風景です。白いカディを纏った皆川さんと同館キュレーターの川上典李子さんの対談形式で行われました。

Img_04201  右はチャルカ(糸車)です。インド独立の父、ガンジーが獄中でこのチャルカを回す写真はあまりにも有名です。
 トークショーで見た映像の中に、大勢の学生が無心にこのチャルカで、綿から一本一本、手で紡いでいるシーンがありました。もうまるでヨガの修行のようで、印象的でした。
 500番手という、信じられない細さのダッカモスリンは、こんな風に瞑想でもするようにゆっくりと手を動かすことで、績み出されたのですね。

Img_04221  展示されたカディで、300番手のものがあり、その極薄の繊細さに驚嘆しました。

Img_04591  上はカディの衣裳の展示です。このコレクションはマブーの依頼でアシャ・サラバイがデザインしたもので、インド独立のシンボルだったカディが、ファッション素材として定着したことを伝えているといいます。

 着れば着るほど風合いが増し、独特の美しさを育むカディ。インドのものづくりの精神に改めて大きな敬意を覚えた展覧会でした。
 開催は20日まで。興味のある方はお急ぎください。

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2018年5月15日 (火)

「ファッションに見るダイバーシティ」寄稿

 このところよく聞かれるのがダイバーシティ=多様性です。この社会思潮が、大きな渦となってファッションにも押し寄せていることから、一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2018年春号)のコラム「マーケティング・アイ」に寄稿しました。
 本紙と併せてご覧下さい。
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2018年5月14日 (月)

こいのぼりなう! スペシャルトーク須藤玲子+齋藤精一

1 今、国立新美術館で「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」が開催されています。

 同館でもっとも広い2,000㎡の展示室に、日本を代表するテキスタイルデザイナーの須藤玲子さんがデザインしたこいのぼりが、ダイナミックに泳いでいます。入口から出口へ向かって曲線を描くように泳ぐ姿はなかなか壮観です。
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 本展は須藤さんがフランスの展示デザイナー、アドリアン・ガルデールさんとコラボレーションし、2008年にワシントンのケネディ舞台芸術センターで、次いで2014年にパリのギメ東洋美術館で発表した展覧会の新ヴァージョンとのこと。今回は、ライゾマティックの齋藤精一さんが加わって、オーガンジーの布を天井に張り巡らし、それが水面のように揺らぐ設計になっています。水中にもぐっているかのような雰囲気をそれとなくかもし出していて、心地よい感じです。またこいのぼりとはいえ、頭も背びれも尾ひれもなく、抽象化されていて、洗練された感覚を覚えます。
 床にはソファが置かれていて、よく見ると無印良品の人気商品「人をダメにするソファ」です。川底の岩に見立てているようです。ソファに寝そべって、ゆったりとくつろいで眺めるインスタレーションとは、何と粋な計らいでしょう。
Img_05361jpg  
 先日、関連イベントの一つ、須藤玲子さんと齋藤精一さんによるスペシャルトークがあり、またしても行ってきました。
Img_05171 冒頭の斎藤さんの言葉、「消えそうになっている考え方とか技術とか、なくなってしまってはいけないものを積極的に見つけにいきたい」が印象的でした。
 まさにその輪の中の中心人物が須藤さんです。ブティック「布」をオープンした1984年頃は、存在していた技術が今やもう風前の灯で、何とか残せないものか、と全国津々浦々職人さんたちに働きかけ、現在もこの活動を続けているのです。
 本展はその活動の一環。展示されたこいのぼりは319匹で、用いられている布地はすべて異なり、50カ所の工場の職人さんたちと一緒につくったものだそうです。そのいくつかが映像を交えて紹介されました。
 まず3大絣の一つ、久留米絣です。現在も事業者が約100軒あり、本藍染めの括り絣が継承されていて、100年以上前の豊田自動織機で織られているそう。これには久留米高専の先生による括りの自動化技術の発明が大きく貢献したといいます。これにより1m数百円程度で本物を購入できるようになったのです。
 次に山形県鶴岡市のキビソです。これは繭の周りの硬い部分で、従来廃棄されてきたものですが、紫外線吸収力や抗酸化作用などに優れていて、草鞋や帽子をつくったり、500デニールの細い糸にして織物を開発したり、エコでナチュラルなブランドとして推進しているそう。
 さらに注目は伊勢崎銘仙の復元です。「21世紀銘仙~いせさき併用絣を紡ぐプロジェクト~」を立ち上げ、乏しい資料を基にスタッフの方たちが再現に成功されたといいます。2020年にはロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムへの出品も計画されているとか。
 この他、桐生のオリガミプリーツなど様々な織物を見せていただきました。
 日本の職人の技が欧米で評価され、ニーズがあるということに励まされた、すばらしい対談でした。

 展覧会は今月28日までの開催で、入場無料です。とくにテキスタイル関係者は必見と思います。どうぞお見逃しなく。

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2018年5月13日 (日)

「エッフェル塔特別ライトアップ」プレス発表会

 フランスを代表するモニュメント、エッフェル塔が、日仏友好160周年を記念してパリで開催される日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018」の公式企画の一つとして、今年9 月13 日、14 日の2 夜にわたり、特別ライトアップされます。
 手がけるのは、日本を代表する世界的照明デザイナーの石井幹子氏と同氏の長女でパリを拠点に活躍されている石井リーサ明里氏です。
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  先月17日、都内でプレス発表会が行われました。
 「エッフェル塔で日本を題材とした演出が行われるのは、初めて。日本の文化と最新テクノロジーを知っていただくまたとないチャンスになるでしょう」などと語られました。

 コンセプトは「エッフェル塔、日本の光を纏う」で、エッフェル塔が日本の美を表現する光の映像に包まれます。約10分間の構成で、オリジナル・サウンドとともに繰り返し上映されるといいます。
 そのプログラムとして2つ、一つは7分間の「自由と美、そして多様性」をテーマにした光のメッセージ、Scan0043もう一つは3分間のシンボリックイメージで、ここで映し出されるのが、「黄金の塔と国宝の燕子花図屏風(尾形光琳作)」だそう。
 右はそのシミュレーション画像です。

 あのパリのランドマークがこの秋、日本の美を表現する光のアートに包まれるとは! 何とワクワクさせられることでしょう。飛んでいきたい思いにかられます。

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2018年5月12日 (土)

コットンの日⑵ サステナビリティと革新の取り組み

 (昨日のブログの続きです)
 5月10日の「コットンの日」のイベントでは、アメリカ綿のサステナビリティ(持続可能性)とイノベーション(革新)への取り組みが改めて紹介されたことが印象的でした。

 本イベントのため来日されたのは国際綿花評議会(CCI) 会長のテッド・シュナイダー(Ted Schneider)氏と、CCIワシントンDCディレクターのヴォーン・ジョーダン(Vaughn Jordan)氏、中国・北東アジア担当理事のカリン・マルムストロム(Karin Malmstrom)氏の3氏です。それぞれの立場からプレゼンテーションされました。

 アメリカ綿は全体に生産量が増加しています。その理由は、綿花価格が一時に比べて上昇し、栽培農家の生産意欲が高まっていることと、品種改良による単位面積当たりの収穫が向上したことがあるようです。

 とくに興味深かったのが、テッド・シュナイダー会長のお話です。アメリカ綿のサステナブルな栽培や経営について次のように語られています。
 アメリカ綿を生産している農家は18,000軒を超え、97%強が家族経営であるそう。ご自身もルイジアナ州からアーカンソー州に広がる3,600エーカーの農場所有者で畑仕事にも精を出されているといいます。何世代にもわたり、家族で耕作してきた綿畑は、息子や娘、孫たちに代々受け継がれるべき唯一最大の資産であるといい、1_3いち早くサステナビリティにも取組んでこられたそうです。

   その成果は、右の画像の通り、過去35年間の環境負荷削減データから明らかです。(COTTON USAのHPもご参照ください)

 昨年8月には、2025年に向けてサステナビリティに関する計測可能な数値目標も設定されました。このことも重要なポイントで、このような数値目標を示した国はアメリカだけと強調します。
 COTTON USAはこうした厳格な規制システムの下、生産されているのです。

 これら規定を遵守するために、不可欠なのが精密農業であるといいます。精密農業とは、コンピューターによるハイテク測定システムを使った画期的なテクノロジーで、水と化学薬品の使用を減らしながら、農作物の収量及び品質の向上を図る農業管理手法です。2015年の調査では全米綿作農家の70%が何らかの形で導入していると答えたそうで、現在はもっと増えているといいます。
 同氏の畑も、無人飛行機技術により畑をマッピングし、水の散布が必要な場所を特定したり、植物保護製品(農薬)の使用を無駄のない適切な量で調整したりして、土壌を守っているとのことでした。

 ヴォーン・ジョーダン氏は、アメリカの綿花輸出について解説しました。アメリカはいうまでもなく生産の9割を輸出している世界最大の綿花輸出国です。その5大輸出先はベトナム、中国、トルコ、インドネシア、パキスタンで、世界中の国々とパートナーシップを維持しているといいます。
 アメリカ綿はサステナブルであることはもちろんのこと、繊維長が長く強力があり、あらゆるグレードで高品質、品質が一貫して安定しています。ですから最近話題の中国との通商問題について、それほど深刻とはとらえていないようです。とはいえアメリカ政府に対して中国の重要性への理解を促しているそうで、早い解決を願っていると述べました。

 カリン・マルムストロム氏は、CCIが昨年立ち上げた「WHAT’S NEW IN COTTON」(コットンの新機能)をファッションショーとともに紹介しました。
Img_03521  上はこのショーのフィナーレです。

 イノベーションというと、とかく化学繊維に偏りがちです。これは天然繊維のコットンも革新的な高機能素材であることを訴求するプロジェクトです。スポーツやアウターなど、様々な分野でコットンを活用していただく、そのためのインスピレーション源になればと、提案しているといいます。
 なおこのプロジェクトについては、このブログのプルミエールヴィジョン・パリに関する記事の中で、2017.9.23付け2018.2.26付けに掲載しています。出展各社の機能素材も一部取材していますので、併せてご覧ください。

 綿俵のすべてに追跡タグが付けられ、DNAレベルでのトレーサビリティ(追跡可能)が可能となるなど、今やコットンも進化しています。来期のPVパリでは、新たに6社が出展するとか。日本のメーカーの参加が期待されます。

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2018年5月11日 (金)

コットンの日⑴ COTTON USAアワードに広瀬アリスさん

 昨日、5月10日はコットンの日でした。国際綿花評議会(Cotton Council International以下、CCI)は、ウェスティンホテル東京で第15回目となる「COTTON USAアワード2018」授賞式を開催しました。
 今回、受賞したのは女優の広瀬アリスさんです。コットンのように優しい爽やかなイメージや、多彩な役に挑戦する姿勢が、革新を続けるCOTTON USAにふさわしいとして選ばれました。

Img_03561
 上はCCI会長のテッド・シュナイダー氏からトロフィーを贈られた広瀬さん。綿100%の華やかなピンクのロングドレス姿で登場しました。
「芸能界に入って10年でこのような賞は初めて。コットン製品は肌触りがよいので、タオルなど、日頃から使っています」と美しい笑顔で喜びを語りました。

 このアワードに先立ち、もう一つ授賞式が行われました。Twin2018granそれは恒例の「Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2018」のグランプリ発表・表彰式です。
 授与されたのは、大阪府のグラフィック・デザイナー杉本裕一さんで、「少しでも業界に貢献できたらうれしい」とコメントしました。
 作品は、テーマの「コットンとサステナビリティ」の頭文字と編み物記号を綿花の小枝の縦長ラインにバランスよく組み合わせたものです。審査会には私も参加し、そのすっきりとしたシンプルなデザインに好感させられました。
 このモチーフは、今回もTシャツにプリントされて当日の出席者などにプレゼントされました。

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2018年5月10日 (木)

ミツフジのスマートウェア まさに革命!

 「日本はスマートウェア最先進国」と胸を張るのは、ミツフジ社長の三寺 歩氏。この4月上旬に開催されたファッションワールド東京の特別講演会に登壇し、スマートウェア開発の先駆けであるミツフジの戦略を語りました。
 (同社はウエアラブルエキスポに毎年出展しています。そのときの記事をこのブログ2017.1.27付け2018.2.5付けに掲載していますのでご参照ください)
 今や世界のウェアラブルIoT製品メーカーとなったミツフジです。創業は昭和31年で、京都・西陣帯工場としてスタートし、平成14年に銀メッキ導電繊維ブランド「AGposs®」を立ち上げます。平成27年に社名を三ツ富士繊維工業からミツフジに変更し、翌年、初のIoT製品サービス「ハモンhamon®」を発表。今年1月ラスベガスで開催された家電見本市に出展し、その技術力が世界に高く評価されたといいます。

 同社の製品や特徴は次のようです。
 まず「AGposs®」。これは6-6ナイロンを芯に銀メッキした繊維Img_35451 で、従来の銀練り込み繊維やフィルム状の銀糸とは異なる「糸の顔をした金属」です。
 銀量が圧倒的に多く導電性に優れているといいます。
 既に国内外大手をはじめスマートウェアを扱う多くのメーカーに採用されているものです。
 私は数年前、プルミエール・ヴィジョン・パリでフランスのバイオセレニティ(BIOSERENITY)社によるテンカンを予知するTシャツの展示を見たことがありました。これはミツフジの技術によるものと後で知らされ、大変驚いた経験があります。

 次に「ハモンhamon®」。これは「AGposs® 」使いの衣服型ウェアラブル製品です。Img_35431
 糸からウェア、トランスミッター、アプリまで、全てを自社開発していて、このような一貫生産体制をとっているのはミツフジだけだそう。現場に合わせて機敏にカスタマイズできることは大きなメリットに違いありません。

 去る3月末、私は機会があって、東京・内幸町にある同社ショールームを訪れました。
 広々と明るい空間に「ハモンhamon®」のホールガーメント製タンクトップや不織布製品、それに最新の冷暖房付き作業服も展示されています。
 胸元のトランスミッターが心電図や心拍数などの生体情報を検知し、無線でスマートフォンに送る健康管理システムの実演もしていただきました。とくに生体データの心電図が採れることは世界初だそう。ほんとうに画期的ですばらしい技術、まさに革命!です。
Img_93511jpg  
Img_93331  右は冷暖房付き作業服の「ハモン エアーブレイブ」です。腰につけた送風装置と特注の作業服を繋げ特殊装置の小型ファンを起動させることで、背面と首に冷風や温風を送り込み、作業服内の温度を変化させることができるようになっているとか。Img_93361

 介護・福祉やスポーツ、従業員の見守り分野で広がるこのサービスを、今年は企業向けに月額課金制に、一般消費者向けにも拡大する方向といいます。水の波紋のように、さらなる進展に向けて動き出したミツフジ。同社が描く世界制覇ももう夢ではないと思いました。

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2018年5月 9日 (水)

「チバニアン=千葉時代」地磁気逆転地層を訪ねて

 「地球は巨大な磁石」で、方位磁石のN極が北をS極が南を指すのは常識と思ってきました。でも長い地球の歴史をみると、いつでもそうだったのではないのです。実は逆転していた時代があったのですね。それが「第四紀更新世」と呼ばれる地質年代です。
 千葉県市原市田淵の養老川沿いの地層がまさにこの年代とされ、昨年、「チバニアン」(千葉時代)と命名されて一躍話題になりました。
 そこで好奇心も手伝って、この連休の一日、「チバニアン」を訪ねてきました。
 人が押し寄せているかと思いきや、意外にもひっそりとしていて、河原への道から地磁気逆転地層がある崖に簡単にたどり着くことができました。
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Img_00731  右が、その斜面です。
 露頭上部には赤、黄、緑に色分けされた杭が打たれています。一番下の赤い杭は磁場が逆転していた時代のもの、その上の黄色は磁場がふらふらしていた過渡期のもの、一番上の緑色は現在と同じ時代といいます。
 説明板には「白尾凝灰岩層」(白色の薄い層)とあり、ここは何と77万年前に長野県の古御岳火山が噴火して海に堆積した火山灰層で、その後隆起した地層である、と書かれています。

 たまたま地質に詳しい方がいて、その方のお話によると、磁場は今、少しずつ弱まっているそうです。とはいえ次の逆転がいつか、地球の気候変動などとの関係もわかっていないとのことでした。
 確かなことは、この地層が77万年前に起こった磁場逆転の痕跡を残しているということです。あのネアンデルタール人が存在していた年代で、その頃はN極とS極が現在とは正反対の方向を向いていたのですね。
 地球の磁場は、こんな風に逆転現象が何度も起こっていたのです。ほんとうに地球は生きている!です。
Img_00651_2  
 現在、この地層は国際地質科学連合に申請中だそう。正式に認定されると「チバニアン=千葉時代」の名称が、地球史に刻まれることになります。来年あたり間違いなし、とか言われているそうで、ちょっとわくわくします。

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2018年5月 8日 (火)

白馬小谷村の「塩の道」 往時の史跡が点在 

 白馬に来て、かつて「塩の道」と呼ばれた千国街道の小谷村近辺をドライブしました。道沿いには、道祖神など往時を偲ばせる史跡が点在しています。
20180504170952imgp17481  通りかかったのが小谷村の「牛方宿」です。牛と牛方がともに泊まって疲れを癒したという、塩の道で唯一現存する宿です。県宝にも指定されているそう。
 写真は母屋で、その隣には土蔵や塩倉も建っています。 20180504171126imgp17551 昔懐かしい古びた水車も回っています。そののどかな風景を満喫しました。
 
 ここでもう一つ、探訪したのが落倉自然園です。
20180504164408imgp17301jpg
20180504164448imgp17311jpg  小さな湿原は水芭蕉の群生地となっていて、今が見頃と咲いていました。その白い気品に満ちた花々に出会えたこともラッキーでした。

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2018年5月 7日 (月)

ゴールデンウィークは白馬八方へ!

 今年のゴールデンウィークは、久しぶりに白馬八方へ行ってきました。
 この時期でもスキーができるのは、この白馬と志賀高原くらいです。ところが最初に予定していた志賀高原は雪が少なく、4月末でスキー場が閉鎖されてしまいました。そこで急遽行先を白馬に変更したのです。
 白馬も山の上部でしか春スキーはできません。しかもその日は風が強くて、リフトがストップするなど、あまりよい状態ではなくて残念でした。

 とはいえ晴天が続いて、雄大な眺望を楽しみました。新緑を通り抜ける爽やかな高原の風も気持ちよかったです。

20180506100054imgp19601jpg_2  上の写真は北尾根高原から60分ほど登ったところにある展望台から撮った絶景です。
 登山道にはまだ雪が残っているというので、長靴を借りました。普通の靴で充分と思ったのですが、やっぱり長靴にして歩きやすかったです。

Imgp01711 白馬三山の名峰です。左から白馬鑓ケ岳、杓子岳、一番右奥が白馬岳です。白馬大雪渓から白馬岳に登ったときのことが思い出されました。

20180506120104imgp20351  白馬大橋や松川橋からのパノラミックな風景も堪能しました。

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2018年5月 6日 (日)

コンセプチュアル・クロージング 眞田塾展2018「快楽」

 「眞田塾」は、衣服造形家の眞田岳彦氏が、2003年に設立したデザイン塾です。眞田氏は昨日のブログで掲載した「七月七日会」の中心人物でもあります。
 その15周年記念となる「コンセプチュアル・クロージング 眞田塾展2018」が、先月の4月23日~29日、六本木のアクシスギャラリーで開催され、ギャラリートークに参加しました。
 テーマは「快楽」です。人工知能が進化し、シンギュラリティの到来が予見されている時代に、人は何をもって人としての幸福を享受するのでしょう。
 Img_99761冒頭、眞田氏が、「次の時代に向かう今、重要なキーワードは快楽」と挨拶。
 次いで5名の塾生が、それぞれの思いを込めて制作したインスタレーションについて語り合いました。主題が哲学的であるだけに、各人深く思い悩みながら制作されたようです。

 中でも最後にプレゼンテーションされた井上麻由美さんの作品が印象的でした。というのも一般的にポジティブに受けとめられる快楽を、ネガティブなものと捉えていたからです。発表は、井上さんのヨーロッパ出張と日程が重なり、スカイプを通して行われました。
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 テーマは「掻き消す」です。快楽への欲望は湧き続け、快楽により掻き消された痕跡だけが残される 、世界はそんな人々の欲望に満ちているという社会的メッセージ性の高い展示でした。
 Img_99801スクリーンには、ご自身の体の痒みを掻く行為などの映像が映し出されています。その前には数個の黒い巨大ゴミ袋が配置され、袋の中には空のペットボトルが押し込まれていたり、一万円札が大量に入っていたり。この袋は、福島の原発事故の除染で出た土や草木などを入れているのと同じ「フレコンバッグ」で、耐用年数は3~5年程度。それが行き場もなく環境を汚染しながら現在も増え続けているのです。
 いくら取り除いても永遠に消えない放射能汚染と、掻き消してもまた現れる一生逃れられない痒みを結びつけたインスタレーションで、その思いがけない発想に驚嘆させられました。

 中澤萌音さんは、透明液体樹脂を利用した色と光りが美しいインスタレーションを発表していました。これはゲド戦記の言葉に影響されて制作したものだそうです。
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Img_99951 本を読むことが好きで、快楽は空想と現実の世界を行き来する、その瞬間の隙間に湧き起こるといいます。
 現在も子どもの本の専門店に勤務されているそうで、右のように絵本からインスパイアされた作品も展示されていました。

 山崎広樹さんは、木材の可能性を追求し、草木染を仕事にしているそう。
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Img_00041  作品は、和紙をシワシワにし、その上にびっしりと模様を書いたものです。約1か月がかりで書いたという数百枚もの和紙をつなぎ合わせて仕立てた力作でした。
 快楽とは、制約のある場を書き埋める行為で、制約に対する反発力が快楽を与えるといいます。それにしてもほんとうにびっくり!のインスタレーションでした。

 山本佳那さんは過去の記憶が追憶へと変わるとき、快楽に包まれるといいます。
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 「リプレイス (REPLACE =更新)」をテーマに、花と透ける素材で構成された儚くも優しい展示を見せていました。花はドライフラワーにして記憶をとどめたそう。 

Img_00021  清野優奈さんは、ナチュラルな藍染めをポイントにした衣服造形作品を披露。
 徳島の阿波藍染の助手を務めていることから、人と関わり、存在を承認されることも快楽の一つといいます。

 5人5様の「快楽」の解釈と演出、アートな造形美---、若いエネルギーに圧倒されたすばらしい作品展でした。

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