デニム・プルミエール・ヴィジョン 2022 年5月展報告

 デニムに特化したデニム・プルミエール・ヴィジョン(デニムPV)が5月17日~18日、ベルリンのアリーナ・ベルリンにて初開催され、先般、結果速報が届きました。Pvdenimmay22andyrumball58591
 来場者は前回のミラノ展を上回る1,600名で、その内26%がドイツでもっとも多く、残り74%がイタリア、イギリス、フランスなどの欧州各国のほか、米国、アジア、ラテンアメリカなど国際色豊かだったといいます。
出展者数は83社で、イタリアやドイツ、トルコ、モロッコ、チュニジア、パキスタン、中国、インドなどのテキスタイルメーカー、縫製/洗い加工/仕上げ加工業者、服飾資材・部材メーカー、テクノロジー開発業者が出展し、日本からはクラボウとクロキが出展しました。
 全体にビジネスへ向かう雰囲気の中、業界のプロたちは、魅力的でクリエイティブな都市ベルリンの中心で、インスピレーション、素材のソーシング、パートナーの発掘や商機の拡大におけるニーズに応えて、活気に満ちた展示会となったと報告されています。

 今や、デニムは23-24年秋冬のキーマテリアルのひとつです。デニムは、そのクリエイティブな可能性を最大限に発揮することを強く決意したかのように、あらゆる分野をカバーしようとしています。とくにテーラリング分野ではスタイルの変革を告げる素材として理想的な素材とみられているのです。
 エレガントさとリラックスした心地よさを併せ持つデニムから、本物らしさを敢えて誇張したデニム、90年代風のグランジデニムなど、出展者たちは、今シーズンも新しい素材やデザイン、ブレンドを追求し、革新的な製品を発表しています。具体的な内容についてはデニムPVのホームページをご覧ください。

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2022年7月 3日 (日)

「活気づくお直しビジネス」寄稿

 ファッションをより持続可能なものにしていくために、お直しビジネスが活気づいています。そこで「活気づくお直しビジネス」と題した記事を、一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2022年夏号)のコラム「マーケティング・アイ」に寄稿しました。
 本紙と併せてご覧下さい。Photo_20220702071601

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2022年7月 2日 (土)

メゾン・エ・オブジェ9月展⑵ デザイナー オブ ザ イヤー

 メゾン・エ・オブジェは、毎回デザイナー オブ ザ イヤー選出しています。これは国際的なデザイン&デコレーション・シーンにおいて最も注目されている逸材の作品を称賛するものです。

1_20220702070101   2022年9月展では、デザイナー/インテリアデザイナー、クリスティーナ・チェレスティーノさんが受賞しました。
 イタリアのデザイン界で最も傑出した人物の1人で、その学識豊かな洗練感にスポットが当てられたといいます。

 チェレスティーノさんによれば、会期中は「エキゾチック・パレス(異国情緒溢れる宮殿)」という別世界への扉を開くとのことです。 
 「これはもうひとつの現実に束の間、没入したい」いう欲求から生まれたプロジェクトで、そこには「エキゾチックな美しさ、装飾への愛、カラーに対する情熱、自然に関連した筋書きを生み出したいという抗いがたい願望などがある」と語っています。
 どのような空間なのでしょう。リリースが楽しみです。

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2022年7月 1日 (金)

メゾン・エ・オブジェ9月展⑴ テーマ「メタ・センシブル」

 インテリアとデザインの総合見本市「メゾン・エ・オブジェ2022年9月展」(フランス工芸家組合とRXフランスの系列会社SAFI主催)が9月8~12日、仏・パリのノール見本市会場で開催されます。コロナ禍で中止や延期が続いていましたから、関係者にとってはまさに待望の展示会となりそうです。

 このほどメゾン・エ・オブジェ日本総代理店デアイからプレスリリースが届きましたので、概容をお伝えします。

 9月展への出展者は現在、1,765ブランドで、日本からは14社が出展するとのことです。
 2年にも及ぶ引きこもりがちな生活が終わり、今回展では、参加者を夢のような新たな世界へと誘い、意味や感情を求める根源的な欲求を明らかにするといいます。

 インスピレーションテーマは「メタ・センシブル(META SENSIBLE)」です。
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 これは理想化されたデジタル環境への逃避への憧れと、現実世界を完全に受け入れることの間で引き裂かれた、一見矛盾する現代の願望を調和させるテーマです。時代は、工芸品や手仕事、触知できる素材などに囲まれた現実世界に根差すことと、それとは逆の、物理的な制約から解放された、デジタル化された異郷を探求することとの間に絶妙なバランスを求めているのです。
 インスタレーションを担当するネリーロディ社のヴァンサン・グレゴワール氏は、「物理的な世界は、もはやデジタルな世界と対立するものではありません。それどころか、互いに影響し合い、高め合い、さらには融合さえ果たし、クリエーションやコミュニケーション、流通などにとっての、ひとつの新たな媒体となっていきます」と分析しています。

 また「ホワッツ・ニュー」エリアでは3人のトレンドセッターがオータムシーズンの新作の中からピックアップしたものをカラフルに演出し、思いきり楽観主義的な体験を提供するとのことです。新たに設けられる「フューチャー・オン・ステージ」では、若手フランス人デザイナーの新作発表も行われます。

 さらにレストラン業界の最新テーブルアートを展示する「クック&シェア」も必見エリアです。

 なお期間中にパリ市内で開かれる「パリ・デザインウィーク」では関連イベントとして「フィジタル」(フィジカルとデジタルを融合した造語)をテーマとした作品も展示されるとのことです。

 盛りだくさんの展示会になりそうですね。

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2022年6月30日 (木)

ゲルハルト・リヒター展 生誕90年 画業60年 待望の個展

 ゲルハルト・リヒターの展覧会が今、東京国立近代美術館で開催されています。
 リヒターといえば、現代アートの巨匠といわれている、ドイツが生んだ現代で最も重要な画家です。フォト・ペインティングやカラーチャート、アブストラクト・ペインティングなど、次々と新しい絵画表現を発表して、様々なスタイルの絵画を制作しています。その生誕90年、60年の画業を紐解く待望の展覧会で、日本では16年ぶりの個展とあって、私も興味津々、行ってきました。

 やはり一番の見どころは、日本初公開の『ビルケナウ』(2014年)の展示室です。壁面には色が何層にも塗られた巨大な抽象画が並んでいます。Img_12151jpg
 ビルケナウとは第二次世界大戦下、ナチスドイツが設けたアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所のことです。作品はここで隠し撮りされた写真を描き写し、その上に描かれているのです。その写真も展示されていました。しかし抽象画の絵具の下にその残像はなく、ホロコーストの悲惨さは、黒と白の強い筆跡に塗りつぶされています。ところどころ赤が浮き出ているのが血を連想させて、胸が痛くなりました。
 リヒターはそれまでホロコーストというテーマに何度か取り組んだものの、その深刻さから断念してきたそうです。それがようやく本作で完成をみて、これからは「自由に振る舞う」ことにしたとか。これは画家がそんな想いで制作した大作でした。ちょっと重い、張り詰めたよう空気感が漂っているような気がしたのは、そのせいかもしれません。

Img_12281  上は、会場の中央に置かれている『8枚のガラス』(2012年)という作品です。
 8枚のガラス板が角度を変えて重なるように設置されていて、周囲の人や物、作品を透かして見せたり、写し込んだり。
 人が物をどのように見ているか、これも「見る」ことへの画家の思索のあらわれのように思われます。

Img_12321  「アブストラクト・ペインティング」シリーズは色彩にあふれ、大小の筆致が乱舞しています。モネの水蓮を題材にしたものなど、そのイメージが湧いてきて、見ていて楽しく飽きません。
 Img_12381  上は『モーターボート』(1965年)という作品です。初期の頃の「フォト・ペインティング」シリーズの一つで、写真を絵画に写し取ったものです。写真のように見えますが、実はすべて絵画というのですから驚きです。それにしても何と繊細な筆致でしょう!
 写真はわざとブレたり、ボケたりしているものが使われています。その分、見る者の想像力がふくらみます。

Img_12551  「アラジン」、ガラス板に塗料を転写したシリーズです。

 その他、写真の上にペイントしたものなど多数。
 全体にカラフルな抽象画が多く、理解することは困難ですが、不思議と調和がとれています。そんなところも現代アートの巨匠たる所以なのでしょう。
 開催は10月2日までです。

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2022年6月29日 (水)

大丸松坂屋 売らない店「明日見世」の広がる可能性

 J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が大丸東京店4階に「売らない」店、ショールーミングスペース「明日見世(あすみせ)」を開設して、半年以上が経過しました。最近は高島屋も同様の店をこの4月末にオープンさせています。聞くところによると20~30代の来店者が8割を超えるなど、好評の様子です。
  アフターコロナにおける百貨店ビジネスの活路が見えつつある中、「明日見世」プロジェクトでキュレーションを担当している方のお話しを伺う機会がありました。Img_04551_20220629181301

  まずその概容です。「明日見世」は昨年10月、POC(概念実証)という形で誕生したといいます。背景にあるのはD2Cやデジタル主軸のブランドの増加です。客側からは購入前に実際に商品を試せず、本当によいモノかどうか不安があり、EC主軸のブランド側からは自社以外の顧客とのリアルな接点がないなど、客とブランドのつながりを求める声に応えたいとスタートしたそうです。リアル店舗と接客経験豊富な販売員を持つ大丸松坂屋の強みも活かせます。
 従来の百貨店は大手ブランドをテナントとして誘致し、客との仲介役を担っていましたが、「明日見世」はまだ小さなブランドが集まることで、百貨店がtoB、toCへ価値を届ける機能があると強調します。知られざるブランドを客に紹介することで、客はストーリーやバックグラウンドを知り、出会うきっかけをつくることができます。またここには展覧会やギャラリーを覗いて見るような楽しい要素もあって、新規顧客の獲得につながっているようです。

 次にそのビジョンについてです。目指すのは「出会いの循環」から新しい可能性を生み出す場になることだそう。ブランドとお客様、地域社会、百貨店との間に様々な出会いをつくり、それをつなぎ、循環させることで、予想もしていなかったような未来を世の中に生み出していく、そうした新しい場をつくりたいといいます。
 このために行なっているのが、キュレーションテーマとブランドを3ヶ月ごとに入れ替えること。たとえば1回目は「社会を良くするめぐりとであう」をテーマにサステナブルブランドが出品、2回目は「私とあなたの個性とであう」で驚きの体験が得られるブランドで構成、私が行った3回目は「暮らしを良くするヒントとであう」で、おうち時間を豊かに過ごす商品が集まっていました。
 お客様アンケートによると、QRコードを読み込んで購入することで、「作り手との直接のつながりが得られる」、「買わなきゃプレシャーから解放される」と、満足度は9割と高かったといい、手応えを感じているようでした。

 さらに重視しているのが店頭スタッフで、彼らはアンバサダーと呼ばれる正社員です。世界観の伝達、定性情報の取得、SNS発信を担っているといいます。アンバサダーが感じる商品やブランドへの期待感やレビューなどの定性情報と、AIカメラによる客の年齢や性別、滞留時間などの定量情報は、出店ブランドにフィードバックされ、これによりブランドの強みや伸びしろ、改善点の発見につながることに寄与したいと思っているとのことです。
 また着飾らずに入りやすい店舗環境を意識していることもポイントで、親しみやすいコミュニケーションがとれるように、あえておじさんキャラクターを立てたといいます。どこにでもいそうなおじさんの立ち姿に驚かされますが、大丸松坂屋の気取らない、この店らしさが演出されているようで微笑ましく思いました。これはもともと父の日で使っていたマネキンだったそうです。ところどころにある汚れやヒビのほころび感をあえて打ち出して、身近な存在に感じてもらえたらといいます。

 最後に、今後の取組みとして、出品を機に、大丸松坂屋百貨店内のポップアップやEC展開、ファッションサブスク「アナザーアドレス」への拡大など、D2Cブランドの成長につなげたいと語っていたのが印象的でした。
 従来、百貨店で取り扱っていなかったブランドを発掘し、次世代の顧客層を開拓すると同時に、事業創造につながる、「明日見世」の可能性は広いと思いました。

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2022年6月28日 (火)

森山大道「記録」展 1972年から最新50号まで展覧

 日本を代表する写真家 森山大道の個展「記録」が、銀座のAKIO NAGASAWA GALLERY GINZAで、9月3日まで開催されています。 
『記録』は1972年に始まった私家版写真誌で、その後休刊となりましたが、2006年にAkio Nagasawa Publishingより復刊されて現在に至っているとのことです。

 ギャラリーではその1号から50号に収録されている様々なスナップを、スライドによるインスタレーションで展覧しました。画像が動画のように切り替わり、大画面だけに迫力がありました。
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 写真はほぼ白黒で、街角の片隅で見た何気ないショットや夜の街を撮影したものも多いようです。その陰影は強烈で、ふとした振舞いに現れる人間の本性を鋭く映し出しているように思われました。その一つひとつが強烈な印象です。

 これまであまりよく知らなかった森山大道の世界を垣間見ました。80歳を超える今も現役とのことで、ますますの活躍が期待されます。

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2022年6月27日 (月)

22/23秋冬プロスペール展示会

 ファッションに特化したPRの会社、プロスペール(PROSPERE)の22/23秋冬展示会が、22日~24日に同社ショールームにて開催されました。
 出品したのは10ブランドで、新たにお披露目されたのが、レディースウェアブランドykF(エフ)や、メンズバッグのDUREN(デューレン)、アクセサリーブランドPEPAFLACA(ぺパフラカ)、シューズブランドAMROSE(アムローズ)です。
 彩り豊かでポジティブな空気感あふれるブランドが揃い、改めて着飾る喜びを感じました。

エフ(ykF)
 ブライダルのトップブランド「ユミカツラ(Yumi Katsura)」から昨年秋に立ち上がったクチュールブランドです。(このブログ2021.12.14付け参照) Img_11931jpg
 今シーズンのテーマは、「KASANE NO IRO(重ねの色)」です。平安貴族の衣装に見る重ねの色を現代の感覚で表現しています。
 深みのあるあでやかな色調は、シルク100%ならではの美しさでした。このシルクは洗えるとのことで、これなら気軽にフォーマルウェアを楽しめそうです。

アムローズ(AMROSE)
 2018年にパリで設立された手編みのスニーカーブランドです。目に飛び込んできたのは、ポップでカラフルなデザイン! 何と楽しいのでしょう。Img_11981jpg
 デザイナーのオセアンヌ・カスタネが旅先のイランで出会った伝統的なかぎ針編みのシューズ、“ギーヴェ” をヒントに誕生したものだそう。刺繍とクロッシェという異なる伝統的技術にラバーソールを掛け合わせた、快適な履き心地とクリエイティビティの融合が特徴といいます。
 またベースとなる綿のクロッシェと毛糸の刺繍は、女性の経済的、社会的自立を図るため、インドをはじめとする世界中の女性の手仕事によって制作され、ソールとの組み立てはポルトガルの自社工場で行っているとのことです。
 一つひとつ手作業でつくられていて、同じものが二つとないというのも魅力ですね。

チョノ(CHONO)
 22/23秋冬は「クラシカルの再構築」がテーマ。伝統的な要素をモダンにアップデートした"大人の女性のため”のワードローブを展開しています。Img_12001
 チェック柄や花柄のドレス、ブランドのシグネチャーである星のジャカードなど、レトロモダンなスタイリングが光ります。

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2022年6月26日 (日)

特別展 芭蕉布-人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事- 

 芭蕉布とは糸芭蕉という植物からとれる繊維を原料とした沖縄を代表する織物です。栽培から糸、染め、織り、布として製品になるまで、すべて手作りというのは世界的にも珍しいといいます。

1_20220627110401  この芭蕉布を紹介する展覧会が、沖縄復帰50周年を記念して現在、大倉集古館で開催されているというので行ってきました。
  それが特別展「芭蕉布─人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事─」です。
 会場には人間国宝・平良敏子さんとそのグループが手がけた戦後から現在に至る約70点の作品が一堂に公開されています。それは芭蕉の糸が織なす美しい絣の世界でした。

 まず驚かされたのはそのバリエーションの豊富さです。とくに今風の洗練された色や柄、デザインに目が点になりました。トンボの羽のような透ける風合いに、明るい彩りを採り入れて立体感を出した格子柄、モダンな波型模様、小鳥をアレンジした燕や、また蝉のモチーフもあり、絣といっても進化していることが分かりました。
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 次に約30分のビデオ「芭蕉布―平良敏子のわざ」(平成26年制作)上映です(いつもやっているのではなく、私はこれを目掛けて行ったのです)。視聴して改めてそのとてつもない作業と超絶技巧を知り、感動しました。
 平良さんは戦後、存続の危機に瀕していた喜如嘉の芭蕉布を復興へ導いた功労者です。1974年に国の重要無形文財の指定を受け、2000年に人間国宝に認定されました。今年102歳となられる今も現役で活動されています。糸を績みながら「私はこの仕事が好きなんです」と話していたのが印象的でした。
 これからも新しい時代にふさわしい芭蕉布をつくっていかれることでしょう、そう思いながら、改修されてますます風情を増した大倉集古館を後にしました。なお会期は7月31日までです。

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2022年6月25日 (土)

NHK「鎌倉殿の13人」大河ドラマ館 シアター映像に見応え

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎週楽しみに見ています。そこで先日、鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムで開催中の大河ドラマ館に事前予約して行ってきました。20220619161530imgp11571
 入ると源頼朝の邸宅だったという大倉御所のジオラマが展示されています。平安貴族の「寝殿造」だったことが分かります。
 20220619153008imgp11401  その中枢の一角を再現したフォトスポット(上写真)があって、皆楽しそうに烏帽子を被って撮影していました。

 次いで衣装・小道具の展示コーナーです。
20220619153256imgp1142120220619153324imgp11451  
 ドラマの北条義時の直垂や源頼朝の水干、政子の袿、大姫の小袖、それに義経の緋縅の鎧兜などを見ることができました。でも私はもっといろいろあるのではないかと思っていましたので、物足りなかったです。

 その奥のシアター映像は、4Kスクリーンでなかなか見応えがありました。
 とくに音楽を担当したエバン・コール氏のお話しが興味深かったです。コール氏は作曲の際、いつも色を思い描くそうで、「鎌倉殿の13人」では “茶色” をイメージして作曲したとのことでした。どろどろと渦巻く人間模様には、確かに茶色が似合います。勇壮な迫力に満ちた響きに、心を揺さぶられるのは、そんなところに秘密があったのですね。
 20220619160656imgp11541jpg  ミュージアムからは静謐な美しさを漂わせている平家池を一望しました。蓮の花が咲く頃にまた来たいものです。

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2022年6月24日 (金)

「フレンチライフスタイル展2022」仏流暮らしの美学を体験

 「フレンチライフスタイル展2022」が、16~17日、フランス大使公邸にて開催され、プレスセッションに参加しました。
 フレンチライフスタイル展は原題がEXPO ART DE VIVRE A LA FRANCAISEです。フランス貿易投資庁ビジネスフランスが、フランスのインテリアデザイン企業の優れた価値を世界市場に向けてプロモーションすることを目的に、NYなど世界の主要都市で開催されてきました。東京はコロナ禍で延期されて、今回が初開催といいます。

 セッションではフランス大使館貿易参事官のパスカル・ゴンドラン氏の挨拶に続き、ビジネスフランスのインテリア部門プロジェクトリーダー、ルシー・ブルーノ氏からフランスのインテリア市場に関する報告がありました。
 それによるとフランスのインテリア全体の売上は130億ユーロ(約1兆8,000億円)で、世界第5位の輸出国であるとのことです。
 またフランス人はよくインテリアを変えるといわれますが、そのきっかけとなるのはやはり引っ越しなどの生活の変化だそう。コロナ禍による外出規制でフランスもインテリアへの関心が高まったといいます。ではECの伸びはどうかというと、フランス人の74%がECよりは店頭での家具購入を求めているとのことで、日本とそれほど大きな違いはないように思いました。

 出展したのは17ブランドで、いずれも「フランス流暮らしの美学 “ART DE VIVRE A LA FRANCAISE”」を表現する、プレステージ性の高いブランドです。大使公邸の趣のあるクラシカルなサロンと芝生の庭を見下ろすテラスを使っての展示はすばらしく、夢のような空間世界を体験させていただきました。

 下記、とくに気になったブランドを紹介します。

フェルモブ FERMOB
 同社輸出責任者Francois DEPAIX氏の解説があり、日本でもおなじみのビストロチェアなど、ガーデンを彩るカラフルなチェアの発祥やその歴史を伺いました。
Img_10661  テラスで展示されていた家具は、メタルなのに温かみがあり目に和む色合いです。チェアはコンパクトに折りたためて、狭いところでもスペースをとらないのもいいですね。

ガルニエ・ティボー GARNIER THIEBEAUT
 高名なフランスのジャカード織リネンブランドです。

Img_10381  ラグジュアリーなホテル仕様のベッドリネンやバスリネンに魅了されます。

ロベール・フール ROBERT FOUR
 ユネスコの無形文化財に指定されているオービュッソンタペストリーを代表する工房です。
 Img_10441  今年末にスタジオジブリとのコラボレーションで宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」を題材にした大型タペストリーがお披露目されるとのことです。ここではその一端が展示されていました。

ミックスゾーン MIX ZONE
 参加ブランドがひとつの空間世界で演出されているエリアです。
 Img_10571  監修はインテリアスタイリスト中田由美氏。オレンジの彩りが庭の緑とコントラストして、初夏のムードを感じさせていました。カラフルでモダンなフランスらしいインテリアデザインと思いました。

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2022年6月23日 (木)

講演「Reconnectハイムテキスタイルのトレンドアーカイブ」

 「インテリアライフスタイル2022」では恒例のライフスタイルサロンが開かれ、その一つ、「Reconnectハイムテキスタイルのトレンドアーカイブ」と題した対談形式の講演会に参加しました。 講師はハイムテキスタイル公式アンバサダー、ienotextile主宰 南村 弾氏で、聞き手は有限会社インテリア情報企画代表取締役 善明剛史氏です。
 講演は南村氏が掘り起こしたハイムテキスタイルの膨大なトレンドアーカイブから、未来を探る、大変興味深い内容でした。Img_08811

 南村氏はまず、過去10年のアーカイブを振り返りました。次いでテキスタイルトレンドを「布の一生」というテーマで纏め、布を「人の一生」になぞらえて、3つのカテゴリーに分類し、その一つひとつを紹介しました。
 それは⑴「ピュア」→⑵「グロー」→⑶「マチュア」で、全てつながっています。「ピュア」は生まれたばかりの新品で、「グロー」は中年でどこかで飽きられていたり傷んでいたり、リサイクルが鍵となる段階です。「マチュア」は晩年の硬くなった状態です。
 この中でもっとも重要になってくるのが「グロー」であり、2030年に「マチュア」が「ピュア」に戻れるのか、「循環」が大きなポイントになってくるといいます。

⑴「ピュア」
 サステナブルが言われる中で、新品は悪者のように言われることがありますが、決してそうではないと指摘します。大切なのはつくり方や次の段階を考えてつくることであり、悪いのは作り過ぎるビジネスの在り方といいます。
 キーワードは「シンプル」です。元気で長生きになるとシンプルな生き方を求める人々が増えます。新品はシンプルで繊細、最新技術が用いられ、軽いけれど、見た目とは裏腹に耐久性があって長持ちします。色はバリエーションをつくりやすい白が中心です。光沢感が出て色が映えるのも新しいものならではです。
 素材は天然繊維を中心に、適度に作れば合繊もよく、また天然自然といっても従来のものに加えてヤシやバナナ、海藻などのミネラル系繊維など、自然の恵みは無限です。「100年後も使えるものではなく、土に還るものであることが重要」と強調しました。

⑵「グロー」
 新品に人の手を加えて、刺繍したり、プリントしたり、また継ぎ接ぎやパッチワーク、リペアなど未完成から完成品へ、さらにクリエーションからキュレーションへ変化する、人の力が大きい段階が「グロー」です。ところが世界中でこの「グロー」をビジネスにしている人は、インテリアではほとんどいないとか。
 ファッションでは近年、古着屋が増えて、古着と組み合わせるクリエーションが面白くなっていますが、この動きはインテリアに波及して、2030年にはこのビジネスが大きく増えると予想しているといいます。新作展示会に「グロー」の展示会が登場し、かつてあった「ボロの美学」など、様々なアップサイクルが浮上するでしょう。カーテンはかけ替えたら、古いものを捨てずに再利用したり、はがした壁紙で新しいデザインをつくったり、昔あったものを見直して使ったり、ここはデザイナーのセンスや腕の見せ所です。南村氏は、ハイムテキスタイルの仕事をしていて、イメージが湧くのがまさにこの「グロー」なのだそうです。
 カラーは何でもありですが、どちらかというとポジティブな温かみのある、強い色が主調です。とはいえ重みはなく軽やかに、ユニフォームブルーやアスファルトグレー、キャタピラーイエローなどを挙げます。

⑶「マチュア」
 晩年の最終段階です。コロナ禍の2年、リサイクル技術のレベルが向上し、もともとあったモノを粉砕して固める技術が表面化してきたといいます。この先、いよいよ粉砕固める、そういう時代がやって来るということです。リサイクル素材使いのキッチンやベンチなどの家具、硬いパネルの使用が多くなってきます。デザインはクラシカルにして、色はしっとりと優しい雰囲気の耐久性のあるグレーが支持されるといいます。

 最後にまとめとして、「この3段階の視点を持ってサステナブルを考えていこう」の善明氏の言葉で、講演を終えました。
 それにしても、一枚の布を「人の一生」に例えるとは! 南村氏の斬新な発想に脱帽です。

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2022年6月22日 (水)

インテリア ライフスタイル展 ⑶ 「アクセント」での出会い

 今回のインテリア ライフスタイル展を巡る中、「アクセント」ゾーンで出会ったのが、ちょっとおしゃれな海外ブランドの輸入代理店も務める、ファッション雑貨やインテリア企画メーカーでした。

ディーディーインテックス
 徳島県徳島市を拠点に生活雑貨やインテリア雑貨を企画、製造しているメーカーです。
 自然のもの、天然のものがいつの時代も人にとって“心地よい”ことに変わりはないと、“ナチュラル”を原点に2011年春、英国リバティプリントを使ったブランド“フローレットロンドン”を発表。日本におけるリバティプリントを代表するプロダクトブランドを目指しているといいます。

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 また主としてリトアニアリネン使いのインテリアブランド“Composition_natural” も提案。リバティ調の花や植物の柄が目に優しく穏やかで魅了させられました。

スタンプス (STAMPS)
 どこかヨーロッパの雰囲気を感じる空間構成で引き寄せられたのが、スタンプスのブースです。「STAMP AND DIARY」というオリジナルブランドの服は、シンプルなのに“今の空気感”があって、長く愛着をもって着用できそう。Img_08371
 またロンドンのデザインスタジオWALLACE & SEWELL (ウォレス アンド スウェル)も取り扱っていて、その鮮やかで複雑な色合いのテキスタイルやストールが存在感を放っていました。

ユニバーサルラボ
 パリっとした白一色のシャツを展開していたのが印象的です。Img_08421jpg
 生地がイタリアのカンクリーニ社のリネン素材だったり、インドの手紡ぎ手織りのカディだったり。洗練された大人の男女に向けたスタイル提案が注目されます。

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2022年6月21日 (火)

インテリア ライフスタイル展 ⑵ アトリウム「Blooming」

 「インテリア ライフスタイル」展で毎回、新鮮に映るのがアトリウム特別企画です。
 今回ディレクションを担当したのは、SUPPOSE DESIGN OFFICEを率いる建築家、谷尻誠・吉田愛氏です。「Blooming」をテーマに、花が咲き、散り、そして新緑が芽生えるような世界観を、洗練されたナチュラルな空間で演出していました。審査をクリアした28社が出展し、働く時間や暮らす時間を含めた「おうち時間」を充実させるデザインや機能を備えた「気分をアゲル」商材を揃えて、来場者の目を惹き付けていました。
 このエリアから3社をご紹介します。
 
ギルド工房
 ギルド工房は2016年に設立された墨染めの衣服を制作するアトリエです。墨染めは化学薬品を一切使用せず、刷毛に墨を浸け生地に直接描いた刷毛目がそのまま模様となり一点一点、絵を描くように制作しているため、量産が困難といいます。Img_08311
 こうした中で2022年の今年立ち上げたのが、100%天然素材の墨染蜜蝋ラップの新ブランド、「Sumiro/スミロ」です。
 Img_08271 食品用ラップとして洗って繰り返し使え、 蜜蝋の抗菌性と保湿性で、食品の酵素や栄養素、鮮度の持ちが良くなることをアピール。ラップの他に、墨染マチつき蜜蝋袋なども提案し、他にないサステナブル素材の一つとして注目されます。

マルマス

 東京・葛飾区柴又にある丸桝染色が、2011年に立ち上げたブランドです。インテリア小物・雑貨製品に乗り出し、この見本市に初出展していました。Img_08201
 メインはZABUTON-CUSHIONで、日本の伝統的な綿座布団を、現代の生活スタイルに合わせてリデザインしたアイテムです。コットンの中綿はふんわりしっかりとしていて、昼寝枕にも使える、暮らしの中で自由に楽しめそう。

京東都(きょうとうと
 京都の刺繍工房による「京都発、東京経由~世界行き。」の、刺繍ブランドです。「花虫風月」をテーマに、繊細な刺繍でアジサイなどを表現した花のブローチや、赤トンボをデザインしたワッペンなどのアクセサリー、鷹の羽根を刺繍した綿麻シャツなど、日本的な様々なモチーフを採り入れた刺繍アイテムを訴求していました。Img_08231_20220623121001
 「昭和は遠くなりにけり」ではないですけれど、どこか懐かしさを覚えたブランドです。

 

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2022年6月20日 (月)

インテリア ライフスタイル展 ⑴ 新設ゾーン「エシカル」

 メッセフランクフルト ジャパン主催「インテリア ライフスタイル」展が6月1日~3日、東京ビッグサイトで開催されました。10カ国・地域から515社(日本495社、海外20社)が出展し、来場者は予想以上に多い16,542名だったと報告されています。3年ぶりの見本市で不安視されていたといいますが、全体に賑いを取り戻していたようです。

 今回、注目は「エシカル」ゾーンだったのではないでしょうか。流行やデザイン性だけでなく、ものを選ぶ際に社会への貢献や繋がりを大事にする消費者が増えていることから、エシカルなライフスタイルを提案するゾーンが新設されたのです。
 このゾーンから、繊維関連のブランドを3つご紹介します。

セイショクNUNOUS事業部
 NUNOUS(ニューノス)は、老舗染色加工会社「セイショク」が、明日に向けて提案する全く新しい布由来のアップサイクル素材です。同社は2013 年から布の規格外品を原料にアップサイクルの研究に取組み、大理石のように1点ずつ異なる表情と多様な加工性を併せ持つ素材を開発したといいます。Img_08581jpg
Img_08531  たとえば右は、不定形な多面体の積み木「tumi-isi」です。ブロック形状と布らしい質感がおもしろい感じです。活用されていない布とサトウキビの非可食成分で作られているそう。
 また一枚のNUNOUSを畳んでつくった財布やカードホルダー、小鳥やネコ型のオブジェなども展示、楽しいブース構成でした。

うなぎの寝床
 福岡県八女市を拠点に九州ちくごのものづくりを発信する地域文化商社として、2012年にお店をオープン。現在は単なるアンテナショップから進化し、地域文化を継続させるためにメーカー、小売、コンサルティング、デザイン制作、企画まで幅広く活動しているといいます。
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 すっぽり被る『KAPPOGI』や羽織の型を現代風に再編集した『HAORI』、細身の現代風『MONPE』など、久留米絣で制作した製品を展示。いずれも伝統を着やすい型や仕様に再解釈し、今という時代のライフスタイルに合った機能的で洗練されたデザインを提案しています。

RICCI EVERYDAY

 カラフルで遊び心に溢れたアフリカンプリントが目を惹きます。ウガンダに直営工房を持ち、社会的に疎外された女性たちを積極的に雇用し、彼女たちとともに丁寧なモノづくりを行っているブランドです。Img_08511
 「アケロバッグ」シリーズのバッグは4通りで使えて、様々なシーンで活躍しそう。「アケロ」とはウガンダ語で「幸運を運ぶ」という意味を持つ言葉とか。
 「ペーパービーズカラフルバッグ」は、色とりどりのビーズを約2,000個、一つひとつつなぎ合わせて一週間かけてつくったというバッグです。ビーズは、文字通りプラスチックではなく紙製でした。
 「エババッグ」はバーククロスで作られたバッグです。バーククロスとは、木の皮を、布のように薄く伸ばした素材で、世界無形遺産にも登録されていて「人類最古の布」とも呼ばれているもの。皮をはがされた木は、約1年後に木の表面に頑丈な皮が再生されるという、まさにサステナブルな素材です。

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2022年6月19日 (日)

AYAKA FUKANO「WHAT A DREAM」展 笑顔溢れて

 東京タワーで開催中のAYAKA FUKANO個展を覗いてきました。
 テーマは「WHAT A DREAM」で、「愛」をテーマに幅広い領域で活動しているアーティストの、2014年からのアーカイヴがズラリと並んで壮観でした。
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 会場に入ると明るい華やかな原色が飛び込んできて、それだけでもう、楽しいポップな気分に誘われます。一つひとつ、見ているとひとりでに笑顔になれるような、楽しい作品揃いです。その上、短いエッセイが付いているので、絵本のような楽しさです。大胆さの中に優しいユーモアが溢れていて、クスッと笑いたくなる作品もあって、癒されました。

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 AYAKA FUKANOはファッション業界でもめきめきと頭角を現している若手作家です。ジャーナル スタンダードと吉本新喜劇60周年のオフィシャルク゛ッス゛や、2020年伊勢丹新宿店での展示などを手掛けて、高く評価されました。私もPARCO主催、「POCKET PARCO抽選会」のメインビジュアルを見て、“ほっこり”するステキなグラフィックだったことを覚えています。

 現代のどんよりとした閉塞感を破ってくれる若い才能、期待されますね。展覧会は26日までです。

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2022年6月18日 (土)

2023春夏 栃尾テキスタイル「おりなす とちお」展

 栃尾織物工業協同組合主催「2023春夏 栃尾テキスタイルコレクション」が、表参道・新潟館 ネスパスにて、8日~9日、開催されました。
 栃尾産地の伝統を受け継ぐオリジナルのブランド生地「おりなす とちお」の旗印の下、出展したのはテキスタイル5社、ニット2社、染色1社の8社です。
 その新しい提案をご紹介します。

 まず目立ったのはサステナブルを意識したテキスタイルです。コットンやリネンの天然繊維と生分解性素材やリサイクル合繊使いのミックスが多くなっています。

Img_10061  上は、エコな先染めシャツ地です。真ん中は山信織物のコットンとリサイクルポリエステル混。

 Img_09971 次にニットです。
 斬新な編地が豊富に揃い、栃尾はニットの重要な産地でもあることを認識させられます。
 右は、栃尾ニットのリンクス編みボーダーニットです。
 ふんわりとしたボリューム感と軽さ、優しい肌触りが心地よいコットン100%です。

 この他、パイルインターシャやリバーシブルジャカードなど様々なニットが展開されています。

 さらにメゾン・エリアです。
 カーテンやクッション、ランプシェードにマットから帽子やバッグなどのアクセサリー小物まで、以前から手がけていたホームファブリック分野を今回、大きく拡充していたのが印象的です。Img_10091jpg
Img_10251  右は、ハセックのかすれた紬風の綿複合素材によるエレガントなバッグです。

 栃尾産地の守備範囲の広さに改めて驚かされました

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2022年6月17日 (金)

「ディオリビエラ」銀座シックスの屋上は地上の楽園!

 うっとおしい梅雨の最中、銀座シックスの屋上庭園に上ったら、そこはゴージャスな地上の楽園!でした。
 これはディオールのマリア・グラツィア・キウリによるサマー カプセルコレクション「ディオリビエラ (DIORIVIERA)」のポップアップストアです。 
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 緑豊かな空間にはパラソルやデッキチェアが置かれ、ウッド調のゾウやキリン、ライオンといった野生動物を象ったオブジェが出迎えてくれます。水辺もつくられていて、子どもたちが水遊びしてはしゃぎ回っていました。
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 円形のストアには夏を誘うメゾン定番のドレスやシューズ、トートバッグ、それにサーフボードもあって美しくショーイングされています。そのすべては白地に明るいオレンジやピンク、ブルーの彩りで、サファリテーマの「トワル ドゥ ジュイ」柄を纏っています。粋な遊び心あふれる演出はさすが本物!
 リゾートに程遠くなっている私です。フランスからの洗練されたリュクスの息吹に懐かしさを覚え、ちょっと放心、都会のオアシスを楽しみました。
 ポップアップは19日まで、延長があるといいのですが---。そんなことを思うステキなイベントでした。

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2022年6月16日 (木)

2023春夏PTJ展 ⑹ プリントやレース・刺繍で着飾る季節

 来春夏はいよいよファッションを楽しむ季節になりそう。プレミアム テキスタイル ジャパン(Premium Textile Japan、略称PTJ))展にも、そんな着飾りたい気持ちに応える、明るい色柄のプリントやレース・刺繍が戻ってきました。

スタイレム瀧定大阪
 「当たり前を脱ぐ。挑戦を着る。」をコーポレートスローガンに、明日のスタイルを創り出すスタイレム瀧定大阪。今回のPTJにはプリントやジャガード、レース・刺繍を扱う17課が出展し、その意匠力あふれる生地を提案していました。
 とくに今シーズンはサステナブルを意識した商品開発を進めているといいます。
 例えばデジタルプリントファブリックです。Img_06091 環境負荷を軽減し、最先端の染色技術を用いて、より繊細な表現や鮮やかな色彩を実現させるとアピール。
 右は、デジタルプリントによるリゾートを意識した魅力的な花柄プリントです。
 また「Infiorata(インフィオラータ)」という素材は、天然染料90%以上と化学染料を組み合わせたハイブリッド染料で染色したものだそう。
Img_06061  右は、化学染料では表現できないナチュラルで優しいカラーを演出しているレースです。天然由来にもかかわらず、染色堅牢度は安定しているといいます。

島浪捺染
 栃木県足利市にて、反物プリントを中心に運営している工場で、インディゴ抜染プリントや、地染め+着色抜染プリント、インクジェットプリントを手掛けているといいます。
 Img_05621  タイダイやカゴ染め風のクラフトタッチのプリントを展開していたのが印象的です。

アルテックス
 京都を本拠地にプリントや意匠物を中心に企画・販売するテキスタイルメーカーです。
 Img_05881今回は色々な加工テクニックのプリントを従来のレディス市場だけに捉われない構成で展開したとのことです。 
 右は、綿収縮エンブロイダリーレースで、綿100%です。
 またもう一つ、興味深いのがアルガンオイルを使った「アルガンヴェール」企画です。発表以来、リピーターが増えているとか。アルガンオイルとは、高濃度のオレイン酸とビタミンEを含有するモロッコ王国でしか産出されない、という貴重な天然オイルです。
Img_05951  とくに保湿性や潤い感に優れているとか。
 右は、このアルガンオイルをたっぷりと生地に浸透させた、しっとりした風合いのプリント生地です。

落合レース
 日本製にこだわってモノ作りを進めるレース専門商社です。今回はストライプのシャツ地にアイレットレースを施すなど、定番素材や残反に新たな価値を与えるアップサイクルや、レース小物が目立っていました。
Img_05681_20220616202701  上は、トーションレースの技術を活用したロングフリンジのスカーフです。シンプルな服に華やかさを添える小物で、長く着用して欲しいといいます。

サン・ルック
 本社は福井にある提案型のレース・刺繍メーカーです。ブースではアンティークなレースブックを展示していました。新しいレースづくりに過去のレガシーは大きなヒントになります。
 Img_05991_20220616202701  様々な生地素材に加工したオリジナルなレースを提案しています。

シャルマン工芸
 大阪の刺繍・エンブロイダリーレースの企画、製造メーカーです。
 Img_06021  今回もエンブロイダリーレースや複合刺繍の新柄を提案し、バイヤーで賑わっていました。

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2022年6月15日 (水)

2023春夏PTJ展 ⑸ 表面感のある先染めやジャカード

 2023春夏はサステナビティを前提に、ファッションの持つクリエイティビティに目が向けられるシーズンです。プレミアム テキスタイル ジャパン(Premium Textile Japan、略称PTJ))展で出会った、斬新な表面感の先染めやジャカードなどを紹介します。

カゲヤマ
  日本最大の先染め織物「播州織」産元商社、カゲヤマ。今季は環境に配慮した原糸を使用したストライプやチェックを提案。染色を一切しない、天然の色(茶綿・緑綿)を生かした先染めも打ち出していました。
 全体に目立ったのはサッカーやリップル調のフクレやシボ感のある生地です。
 Img_07111 右は、フリンジパッチワーク。ギンガムチェック柄の上に、違う色のギンガムとマドラス柄を特殊技術で織り込んだファンシーな先染めです。
 チェックは大胆な大柄か、あるいは使いやすい小柄か、その両極に動いている様子です。

浅記
 先染め織物の産地である新潟県で、1896年に創業した老舗です。
 Img_06901jpg  今回はオーガニックコットンを新潟産地特有のムラ染め(スペック染め)で染色し、さらに撚糸を加えた清涼感のあるマドラスチェックが人気。また経糸にコットン、緯糸にリサイクルポリエステルの混紡糸を使うことで、タテ方向にシワ感を持たせた楊柳クレープも好評。さらにカラフルなチェックに刺し子風のステッチ柄を入れたドビー織も引き合いが多いといいます。

吉田染工
 丸編み産地である和歌山で、糸の染色加工を営む吉田染工。
 Img_06461 今回もコンピューター横編機「SRY」を使い、凹凸感のあるリブ素材や、キルティング調、刺繍風など、他にないクリエイティブな意匠素材を提案していました。
 またバナナの茎から取った繊維を用いた「バナナクロス」の打ち出しも注目されます。

国島(クニシマ)
 創業1850年と、尾州で最も古い歴史を持つ毛織物メーカーで、海外のトップメゾンから高く評価されている国島です。
 Img_06681 今回も独自のノウハウにより生み出されたモード感あふれる生地を提案、多くのバイヤーを引き寄せていました。

 右はデニムのパッチワークジャカードです。 

宇仁繊維
 メイドインジャパンにこだわり、ポリエステルを中心にコットンなど様々な生地を扱っているテキスタイル メーカーで、小ロット・短納期を実現しています。
 Img_06781jpg  今季の一押しはほどよい透け感のシアサッカーだそう。

クロスジャパン
 オリジナルテキスタイルの企画会社、クロスジャパン。
 Img_06731jpg 今シーズンもテクスチャーにこだわり、より凹凸感ある表情を意識して開発したといいます。
  綿/麻の縮率の違いを生かし、ベースと柄の組織に変化を付けた大柄ジャカードを多数、提案していました。

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